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播州地方で見かけた昆虫(T)



実家近辺や兵庫県内などを移動する際に見かけた昆虫です。
ただ、じっくりと撮影したのではなく、出かけた際にちょこっと撮影しただけのため、あまり多くはないです。
今後、機会を見つけて充実させていきたいと思っています。

< トピック >

今回、新たに見かけた下記の昆虫を追加しました。
ゴマダラチョウ、コガタスズメバチ



チョウ目・アゲハチョウ上科
アゲハチョウ科(キアゲハ、ナミアゲハ)
シジミチョウ科(ツバメシジミ)
シロチョウ科(モンシロチョウ)
タテハチョウ科(ゴマダラチョウ、ツマグロヒョウモン)
チョウ目・セセリチョウ上科
セセリチョウ科(イチモンジセセリ、チャバネセセリ)
チョウ目・シャクガ上科
シャクガ科(ウメエダシャク)
チョウ目・スカシバガ上科
スカシバガ科(ヒメアトスカシバ)
チョウ目・ハマキガ上科
ハマキガ科(ビロードハマキ)
ハチ目・ハチ亜目
スズメバチ科(コガタスズメバチ、セグロアシナガバチ、フタモンアシナガバチ、
         ミカドドロバチ、エントツドロバチ、オオフタオビドロバチ)
ハキリバチ科(ツルガハキリバチ、バラハキリバチ)
ハチ目・ハバチ亜目
ミフシハバチ科(ルリチュウレンジ)
ハエ目・カ亜目
ガガンボ科(エゾホソガガンボ)
ハエ目・ハエ亜目
ハナアブ科(キゴシハナアブ)
ミズアブ科(アメリカミズアブ)
ツリアブ科(スキバツリアブ)
ムシヒキアブ科(シオヤアブ)
播州地方で見かけた昆虫
和名インデックス


キアゲハ(Papilio bianor)
<チョウ目・アゲハチョウ上科・アゲハチョウ科・アゲハチョウ亜科・アゲハチョウ属>
 
本種は、ヨーロッパからアジア、北米北西部にかけて広く分布し、いくつかの亜種に分かれている。
日本は、北海道から本州、四国、九州まで、全国に分布している。
日本に分布している亜種は、「Papilio machaon hippocrates」とされている。
幼虫は、セリ科植物(セリ、ハマウド、シシウド)を食草とするため、生息地は広い。
また、野菜のニンジン、パセリ、ミツバ、アシタバも大好物なため、農家の方にとっては害虫である。
なお、幼虫は、三齢幼虫まではナミアゲハと同じ黒い体色をしている。
しかし、四齢幼虫では白地に黒と黄色の斑点模様となる。
さらに、終齢幼虫の五齢幼虫になると黄緑と赤い斑点のある黒の縞模様に変わる。
なお、幼虫に触ると頭部と胸部の間から強烈な悪臭を放つ黄色い臭角を出す。
成虫の前翅長は4〜6cmで、春型の個体は夏型の個体よりも小さく、かつ、黒い部分が少ない。
翅は黒地に黄白色の斑紋や線が多数入りナミアゲハに似るが、黄色味が強く、黒線が細い。
後翅には水色の斑紋があり、尾状突起の内側には橙色の斑紋がある。
ナミアゲハとの大きな違いは前翅の基部で、キアゲハには模様はないが、ナミアゲハには線模様がある。
本種は、蛹で越冬するが、-196℃の低温にも耐えられる。

2015/8/11
実家の庭で見かけたキアゲハの終齢幼虫です。
何が植わっていたのかは、葉が完全に食べられてなくなってしまい不明です。
食べるものが無くなったためか、蛹になるためか分かりませんが、1匹は移動を始めていました。


キアゲハの成虫

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2014/8/21

多摩川の近くで見かけたキバナコスモスで吸蜜する夏型のキアゲハです。
光が当たっている左側は白っぽいですが、見た目は右の陰になっている方の色に近いと思います。
ナミアゲハとの比較に関しては、こちらを参照ください。違いが良く分かると思います。


ナミアゲハ(Papilio xuthus)
<チョウ目・アゲハチョウ上科・アゲハチョウ科・アゲハチョウ亜科・アゲハチョウ族・アゲハチョウ属>
 
2018/6/1


 
2018/6/4
日本を含め、台湾、中国、朝鮮半島、沿海地方まで分布している。
日本は、北海道から南西諸島まで、全国に生息している。
幼虫はミカン科の植物が食草となっており、四齢幼虫までは黒い体色をしている。
終齢幼虫の五齢幼虫になると緑色の体色に変わる。
なお、幼虫に触ると頭部と胸部の間から強烈な悪臭を放つ黄色い臭角を出す。
成虫の前翅長は4〜6cmで、春型の個体は夏型の個体よりも小さい。
翅は黒地に黄白色の斑紋や線が多数入り、キアゲハに似るが、黒線が太めで、黄白色部が白っぽい。
後翅には水色の斑紋があり、尾状突起の内側には橙色の斑紋がある。
キアゲハとの大きな違いは前翅の基部で、キアゲハには模様はないが、ナミアゲハには線模様がある。
本種は、蛹で越冬する。

2018/6/1 実家の庭で、ニオイイリスの葉裏に付いた、ナミアゲハの蛹を見かけました。
この直ぐ横には、ハナユズの樹があり、毎年、ナミアゲハの幼虫が付きますので、そこから来たのでしょう。
まだ、蛹になって間がないようで、淡い緑色の体色に黄色い模様がきれいに出ています。
2018/6/4 実家の庭先で、ソシンロウバイの葉に交尾中のナミアゲハが止まっていました。
写真を撮っていると、飛び立ってしまいましたが、しばらくすると近くのモミジの木に止まってくれました。
それが右側の写真です。背面から見ると交尾している尾端の様子が良く分かりますね。
なお、上の黄色味が強い方がメスで、下の白っぽい方がオスです。
止まるときも飛ぶときも、メスがオスをぶら下げたままで、体力がいるためか、長く飛ぶことはできないようです。
オスは、メスの尾端を把握器(valva)という板状の器官で挟み込んで固定しています。
右下の写真で、黄色い器官がメスの生殖器と思われ、それをオスが把握器で挟み込んでいます。


ナミアゲハとキアゲハ

似て非なるものが、ナミアゲハとキアゲハです。飛翔している状態での識別は困難です。
というのも、黄色っぽいからといって、必ずしもキアゲハとは限らないからです。
ナミアゲハのメスも、黄色味が強いので、遠目で見ただけでは判断しきれません。
幼虫も、3齢虫まではよく似ています。4齢虫で変化があり、終齢虫は全く異なる模様になります。

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<ナミアゲハ3齢幼虫>                 <ナミアゲハ4齢幼虫>

3齢幼虫まではナミアゲハもキアゲハもよく似ています。ただ、食草が異なるので、居る場所で判断できます。
4齢幼虫になると見た目が変わり、ナミアゲハは3齢幼虫に近いですが、キアゲハは終齢幼虫に近くなります。

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<ナミアゲハ終齢幼虫>                 <キアゲハ終齢幼虫>

ナミアゲハの終齢幼虫は黄緑色に緑色の斜めの帯模様があり、頭部には藍色と黄色の帯模様があります。
最も前にある黄色の帯には、両端に眼状紋が、その間にも不定形な模様があり、ヘアバンドのようです。
一方、キアゲハは緑色の体色に、黒い帯模様が体節毎にあり、太い帯の中には橙色の斑紋入ります。

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ナミアゲハとキアゲハを合成して、両者の違いが分かり易くしてみました。
最も大きな違いは、赤丸の中の模様で、ナミアゲハには筋模様があり、キアゲハには模様がありません。
また、黒い線の太さにも違いがあり、ナミアゲハに比べてキアゲハは細めです。


ツバメシジミ(Everes argiades)
<チョウ目・アゲハチョウ上科・シジミチョウ科・ヒメシジミ亜科・ヒメジジミ族・ツバメシジミ属>
 
シジミチョウ科ツバメシジミ属のチョウで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と広範囲に分布する。
日本に分布するのは、亜種「Everes argiades hellotia」である。
なお、北海道には亜種「Everes argiades seitzi」も分布する可能性が指摘されている。
海外では、ユーラシア大陸の温帯域に広く分布している。
前翅長は9〜19mmで、翅の表面はオスでは青紫色、メスでは黒い。
翅裏は灰白色で暗色の斑紋があり、後翅の後端にはオレンジ色の斑紋がある。
後翅には尾状突起があり、この突起をツバメの尾羽に見立てたのが和名の由来。
出現時期は3月〜10月と長く、年に4〜5回発生して、幼虫で越冬する。
幼虫の食草は、シロツメクサやハヤズエンドウなどのマメ科の植物の花やツボミ、新芽である。
成虫は、日中に様々な平地の草地を活発に飛び回り、様々な花で吸蜜する。オスは地面でも吸水する。

2019/7/6
実家の庭や畑でよく見かけるシジミチョウの1つです。
なかなか翅を開いてくれなかったので、写真ではオスかメスかは判別不能です。
飛翔中に、翅が青く見えればオス、黒く見えればメスなのですが、黒く見えたのでメスでした。


ヤマトシジミ(Zizeeria maha)
<チョウ目・アゲハチョウ上科・シジミチョウ科・ヒメシジミ亜科・ヒメシジミ族・ヤマトシジミ属>

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2013/4/18
ツバメシジミとヤマトシジミのツーショットです。
当初、ヤマトシジミのオスとメスと思い込んでいましたが、左の個体ではオレンジ色の斑紋があります。
つまり、左側がツバメシジミのオスで、右側がヤマトシジミのメスだったんです。
この辺りではヤマトシジミしか見たことがなかったので、そう思い込んでいたためでした。
思い込みって、怖いですね。一度、そう思ってしまうと他に目が行かなくなってしまいます。

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2012/5/16<オス>                    2013/6/24<メス>
ヤマトシジミのオスとメスの羽の表側の色の違いです。
ツバメシジミにも雌雄で同じような色の違いがあります。


モンシロチョウ(Pieris rapae)
<チョウ目・アゲハチョウ上科・シロチョウ科・シロチョウ亜科・シロチョウ族・モンシロチョウ属>
 
シロチョウ科モンシロチョウ属に分類されるチョウの一種で、在来種。
日本(全国)を含め、全世界の温帯、亜寒帯に広く分布する。
広い分布域の中でいくつかの亜種に分かれている。
日本に分布するのは亜種「Pieris rapae crucivora」とされている。
幼虫の食草はキャベツ、アブラナなどのアブラナ科植物で、それらの栽培域の拡大に伴い分布を広げてきた。
日本のモンシロチョウは、奈良時代に大根の栽培と共に移入されたと考えられている。
成虫は3月〜11月頃まで長期間見られ、年に4〜5回ほど発生するが、時期や回数は地域によって異なる。
開長は45〜50mmで、前翅の基部半分ほどが灰白色なのがメスで、オスは翅の付け根のみ灰白色。
オスはメスを探して飛び回るので、長時間飛び回っている個体の多くはオスである。
オスはメスを見つけると交尾しようとするが、交尾済みのメスは翅を広げ、腹部を突き上げて拒否する。
幼虫は、孵化後、4回脱皮して終齢幼虫となり、その後蛹になる。越冬は蛹で行う。

2019/7/8
実家の庭ではお馴染みのモンシロチョウです。私が初めて飼育したチョウでもあります。
畑にキャベツなどの野菜が植えられているので、モンシロチョウは春一番にやってきます。

ゴマダラチョウ(Hestina persimilis japonica)
<チョウ目・アゲハチョウ上科・タテハチョウ科・コムラサキ亜科・アカボシゴマダラ属>
 
タテハチョウ科アカボシゴマダラ属に分類されるチョウで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布している。
海外では、朝鮮半島からヒマラヤ、ベトナムにかけて広く分布する。
そのため、成虫の大きさや斑紋、季節型などが分化している。
前翅長は35〜50mm、開張は65〜80oで、夏・秋型のオスは小さく、春型のメスは大きい。
発生時期は5月〜8月で、年2回発生する。なお、暖地では年3回発生することもある。
翅は前後、表裏とも黒地に白い斑紋や帯模様があり、この模様が和名の由来でもある。
なお、複眼は橙色で、口吻は黄色をしているが、それ以外は白黒のツートンカラーである。
幼虫の食草はニレ科植物のエノキ、エゾエノキなどで、オオムラサキの幼虫とは食草も同じである。
なお、幼虫の頭部には2本の角があり、その点でもオオムラサキの幼虫とはよく似ている。
冬になると樹の幹を下り、食樹の根ぎわの落葉下で、主に4齢幼虫で越冬する。
春になると再び幹を上って若葉を食べて成長し、蛹になる。
蛹は緑色の紡錘形で、 エノキの葉に尾部だけで逆さ吊りになる。

2019/10/5
実家の庭にある柿の樹で、鳥が突いた柿の実にゴマダラチョウが来て、吸汁していました。
直ぐ横では、シラホシハナムグリが同じように果汁を吸っていました。
ゴマダラチョウを見かけるのはずいぶん久しぶりで、50年ぶりくらいになります。
自宅のある神奈川で見かけたのは、本種ではなく、侵入種のアカボシゴマダラばかりでした。


ゴマダラチョウとアカボシゴマダラ

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<ゴマダラチョウ>                   <アカボシゴマダラ>

ゴマダラチョウもアカボシゴマダラも、黒地に白い斑紋があるのは同じです。
大きな違いは、後翅の縁に並んでいる赤い斑紋で、表裏どちらからも確認できます。
ただ、アカボシゴマダラの春型では、白い部分が多くなり、赤い斑紋も淡くなります。
日本では、奄美諸島に固有亜種が分布していますが、関東で確認されているのは大陸型亜種とされています。


ツマグロヒョウモン(Argyreus hyperbius)
<チョウ目・アゲハチョウ上科・タテハチョウ科・ドクチョウ亜科・ヒョウモンチョウ族・ツマグロヒョウモン属>
 
タテハチョウ科ツマグロヒョウモン属のチョウで、在来種。
日本を含め、中国、朝鮮半島、オーストラリア、インドと熱帯・温帯に広く分布している。
日本では本州南西部から四国、九州等に生息しているが、近年、関東甲信越、北陸地方の平野部に進出している。
冬は幼虫や蛹で越冬し、年に数回発生する。
メスの前翅先端部が黒色で、その中に斜めの白帯を持つ。この特徴が名前の由来。
なお、オスには黒色部や白帯は無く、典型的なヒョウモンチョウの模様になる。
ただ、後翅の外縁部が、メスと同じように黒に白い模様が入っていることで区別可能。

2018/6/1
実家の庭で、ツマグロヒョウモンのオスを見かけました。
ツマグロヒョウモンは時折飛んでくるのですが、オスばかりで、メスを見たことがありません。
多摩川の河川敷でも、見かけるのはオスが多く、メスはたまに見かける程度。
相対的にメスの数が少ないのかと思ったのですが、発生数に雌雄差はほとんどないとの報告があります。
となると、メスを見かける頻度が少ない理由は、何が要因なのでしょうか。???です。


ツマグロヒョウモンのオスとメス

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<ツマグロヒョウモン[オス]>                <ツマグロヒョウモン[メス]>

一般に自分の子孫を残すため、パートナーを如何に引き付けるかを競い、一方がより目立つように進化します。
例外はありますが、一般にはオスの方が派手だったり、立派な角を持つなど目立ちます。
ツマグロヒョウモンは逆パターンで、メスの方が見た目が派手で、目を引きます。
これには、目立つことで有毒のカバマダラに擬態して、鳥などの餌食にならないようにしているとの説があります。
これが事実だとすると、全く異なる理由で目立つように進化したことになりますね。

ヒョウモンチョウの仲間

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<ウラギンヒョウモン[オス]>       <ヒョウモンチョウ[メス]>        <ミドリヒョウモン[オス]>

ウラギンヒョウモンのオスは前翅中央部に2本の黒条(性標)が並ぶので、この個体はオスと分かります。
ヒョウモンチョウは、メスはオスより大型で翅の表面はやや暗く、黒斑はオスより発達し、翅形は丸みを帯びています。
私はこの個体しか見たことがないのですが、上記の条件からこの個体はメスの可能性が高いと判断しました。
ミドリヒョウモンのオスは前翅中央部に4本の黒条(性標)が並ぶので、この個体はオスと分かります。
ツマグロヒョウモンの後翅の後端に並ぶ白斑は、上記のいずれにも見られません。
後翅に並ぶ白斑は、ツマグロヒョウモンを他のヒョウモンチョウと区別するための特徴となります。


イチモンジセセリ(Polytremis pellucida)
<チョウ目・セセリチョウ上科・セセリチョウ科・セセリチョウ亜科・イチモンジセセリ属>

セセリチョウ科イチモンジセセリ属の蝶で、在来種。
日本では、ほぼ全国で見られるが、北海道ではあまり多くは生息していない。
海外では、朝鮮半島から中国、ヒマラヤ、ボルネオと広く分布する。
幼虫または蛹で越冬するが、寒い地方では越冬できない。
全身が茶色一色で、前翅長は20o前後、後翅裏に横長の白紋が4つ、1文字状に並ぶ。
人家周辺から里山にかけて見られ、羽音を立てて敏速に飛ぶ。
幼虫の食草は、イネやススキ等のイネ科やカヤツリグサ科の植物で、そのため、イネの害虫とされる。
成虫は年3〜5回、6月〜8月頃に発生し、南下して10月頃までいる。

雌雄差は少ないが、以下の点で識別可能である。
 
<オス>                    <メス>
●オスの翅は小さめで、前翅の先がメスよりする尖る。メスは丸みがある
●オスの翅が小さめのため、腹端がメスより大きく飛び出す

同じセセリチョウ科のオオチャバネセセリやチャバネセセリと良く似ているが、下記で区別可能である。
●イチモンジセセリ :後翅に横長の白斑が一直線に4つ並ぶ
●オオチャバネセセリ:後翅に上から短−長−長−短−長と白斑が5つ並ぶ
●チャバネセセリ  :後翅に小さな白斑が一直線に4つ並ぶ

2012/8/12
実家に咲くタイワンレンギョウにイチモンジセセリが訪花していました。
この個体は、上記の雌雄判別法からメスの個体と判断できます。
なお、後翅の白斑の違いを、下記のチャバネセセリと比較してみてください。

チャバネセセリ(Pelopidas mathias oberthueri)
<チョウ目・セセリチョウ上科・セセリチョウ科・セセリチョウ亜科・チャバネセセリ属>
   
セセリチョウ科に分類されるチョウで、東アジアからオセアニアにかけて分布する。
日本で見られるのは亜種で、関東以西の暖かい所で幼虫で越冬する。
成虫の前翅長は13〜21mm。イチモンジセセリと比べて翅が縦に長い。
また後翅裏の白点(イチモンジセセリは横に長い白点)が4ヶ所ある。
年3〜4回、6月〜11月頃に発生する。関東地方では秋に多く発生する。
幼虫の食草は、イネやススキなどのイネ科の植物や、タケ科やカヤツリグサ科の植物である。

2018/10/27
実家に咲くペパーミントらしい花に、チャバネセセリが訪花していました。
斑紋が不明瞭で、後翅裏に4個ある直線状に並んだ白紋が3個しか確認できません。
それ以外にも3個の白紋の上にある小さな白紋もありませんが、前翅裏の3個の白紋はあります。
無い白紋もありますが、その他の白紋の配列などはチャバネセセリの特徴と合います。


イチモンジセセリとチャバネセセリ

     .
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<イチモンジセセリ>                    <チャバネセセリ>

イチモンジセセリとチャバネセセリの後翅にある白紋の違いです。
イチモンジセセリの白紋は、大きく隙間なく並び、その形が四角ぽいものです。
チャバネセセリの白紋は、小さくて隙間があり、その形は丸っぽいものです。
本来、3個並んだ白紋の下にも小さな白紋があって4個並び、3個の右上にも小さな白紋があります。
残念ながら、この個体はこの2個の小さな白紋が消失して、大きめの3個の白紋のみになっています。


ヒメアトスカシバ(Nokona pernix)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・スカシバガ上科・スカシバガ科・スカシバ亜科>
   
スカシバガ科スカシバ亜科の蛾で、在来種。
日本では、本州から四国、九州、対馬に、海外では中国に分布する。
前翅開張は、オスで20〜27mm、メスで22〜29mmと、メスが一回り大きい。
体色は黒色で、腹部に黄色い帯が2本ある。後翅の周辺部以外は透明。
黒い体色に黄色い2本の横帯の模様は、オオフタオビドロバチにそっくりで、ベイツ型擬態である。
なお、対馬には黄色い横帯がない黒化型個体が報告されている。
オスは、メスより細身で、腹部末端に尾端総毛があり、扇状に広がっている。
発生時期は6月〜9月で、ヘクソカズラの虫えいから羽化して出てくる。
産卵は、ヘクソカズラの茎に穴を開けて、その中に行われる。
孵化した幼虫は、虫えいを作ってその中で生活し、蛹になる。羽化して初めて外に出る。

2019/6/19
実家の庭に植えられているキクの葉に、スカシバガが止まって、じっとしていました。
その時は種類までは分からなかったのですが、後で調べて、ヒメアトスカシバと分かりました。
腹端に、尾端総毛が扇状に広がっていないため、この個体はメスのようです。
オオフタオビドロバチにベイツ型擬態しているそうなので、下記に並べてみました。


ヒメアトスカシバとオオフタオビドロバチ、エントツドロバチ

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<ヒメアトスカシバ>          <オオフタオビドロバチ>          <エントツドロバチ>

腹部の2本の黄色い帯模様や胸部の黄色班などは、オオフタオビドロバチによく似ています。
ただ、胸部の黄斑は不明瞭なので、見た目はエントツドロバチの方が良く似ているかもしれません。
どちらにしても、触角や翅なども似ていて、見事な擬態ですね。知らない人は蛾だとは思わないでしょう。


ウメエダシャク(Cystidia couaggaria couaggaria)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・シャクガ上科・シャクガ科・エダシャク亜科>
   
シャクガ科エダシャク亜科の蛾で、出現は年に1回。
日本では、北海道から四国、九州まで、ほぼ全国に分布する。
日本を含め、シベリアから朝鮮半島、中国まで広く分布している。
開張は35〜45mmで、翅は白色と黒色のまだら模様。腹部は淡黄橙色で黒色の斑紋が並ぶ。
見た目がトンボエダシャクなどと良く似ているが、翅の斑紋などで区別可能。
日中に活動し、フワフワと羽ばたきながら緩やかに飛び続ける。
幼虫は、ウメ、モモ、サクラ、エゴノキ、スイカズラなどの葉を食べる。

2019/6/22
夕方になると、実家の庭をフワフワと飛び始めるウメエダシャクです。
フワフワと飛んでいるようでも、結構動きは早く、飛んでいる所はうまく撮れませんでした。
たまに止まってくれるので、何とか撮れました。

ビロードハマキ(Cerace xanthocosma)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・ハマキガ上科・ハマキガ科・ハマキガ亜科>

ハマキガ科ハマキガ亜科の蛾の1種で、在来種。
日本では、本州から四国、九州、佐渡島、対馬、屋久島に、海外では、樺太や中国に分布する。
開張は、オスで34〜40mm、メスで40〜59mmになる。
成虫の出現時期は、6月〜7月、9月〜10月と年2回出現する。第1化は第2化より大型になる。
頭胸部と前翅には、黒地に細かい黄白色の斑紋があり、1対の赤色の縦条と翅端がオレンジ色である。
後翅には、オレンジ色の地に黒色の斑紋がある。腹部や翅の裏側もオレンジ色である。
オスの黄白色の斑紋は小さく、後翅の半ばから端側半分は黒色である。
一方、メスでは黄白色の斑紋が発達し、後翅は淡色で全体的に黒色の斑紋がある。
地味な色で擬態している蛾が多い中、逆に毒々しい警戒色を見せつけることで身を守っていると考えられている。
幼虫は、モクレン科、クスノキ科、バラ科、ブナ科、グミ科の常緑樹など、様々な広葉樹の葉を食べる。

2019/6/26
生石神社に行ったついでに、その裏山に登ったとき、岩の上に止まっていました。
地味な色合いや模様の多い蛾の仲間では、特異なド派手模様の蛾です。
この状態では、そう派手に見えないかもしれませんが、後翅や腹部がオレンジ色に黒斑でさらに派手です。
本などで見知っていましたので何とも思いませんが、知らないと触りたくないほど毒々しいです。

セグロアシナガバチ(Polistes jadwigae jadwigae)
<ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科・スズメバチ科・アシナガバチ亜科・アシナガバチ族・アシナガバチ属>
 
スズメバチ科アシナガバチ属のハチで、在来種。
日本では、本州から四国、九州にかけて広く分布している大型のアシナガバチ。
体長は20〜26mmで、体の模様は、黒の地に黄褐色の斑紋がある。
よく似たキアシナガバチとは、胸部後端に2本の黄色い縦筋の有無で判別できる。
本種には黄色い縦筋はなく、キアシナガバチにはこの縦筋がある。
また、セグロアシナガバチのメスの触角は全体が黄色く、キアシナガバチは先端側だけが黄色い。
なお、セグロアシナガバチのオスの触角は暗褐色で、頭部前面の黄色い部分がメスより広い。
4月くらいから女王バチが巣作りなどの活動を開始し、5月下旬らか働きバチの羽化が始まる。
7月下旬から9月にオスや新女王バチの羽化が始まり、新女王バチのみが越冬する。
攻撃性はあまり強くないので、巣を刺激したり、直接触るなどしない限り、刺されることはない。
なお、刺されるとアナフィラキシーショックにより死亡する可能性もある。

2019/7/5
セグロアシナガバチが、庭の生け垣の所を頻繁に飛び回っていました。
ホースで水をかけると数匹のセグロアシナガバチが、中から飛び出してきました。


2019/7/6
庭に植えてあるソシンロウバイの葉に、セグロアシナガバチが飛んできて止まりました。
何か持っているようなので、よく見ると黄色い塊を抱え込んでいます。
その黄色い塊に黒っぽい刺のようなものが見えたので、正体が分かりました。イラガの幼虫です。
おそらく、モミジにいたイラガの幼虫を捕獲し、幼虫の餌にする肉団子を作っていたのでした。

   
2019/7/7
上記のような状況から、生け垣の中に営巣していると判断し、遠くからそっと調べました。
運良く、生け垣の隙間から巣が見え、上記の様に育房数はそう多くないことが分かりました。
場所が頻繁に通る場所でしたので、除去することにし、殺虫剤を散布して実施しました。
除去した巣が右端の写真です。5室ほどが空なので、それが周りにいた成虫の抜けた後なのでしょう。
黄色っぽいのが終齢幼虫で、これから蓋をして、蛹になるものと思われます。
成長途中の幼虫は白っぽく、内側になるほど大きいようです。最外周には卵が産みつけられていました。
おそらく、最初に卵を産み、その後、徐々に育房を大きくしていく手順で巣を作っているものと思われます。

フタモンアシナガバチ(Polistes chinensis antennalis)
<ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科・スズメバチ科・アシナガバチ亜科・アシナガバチ族・アシナガバチ属>
 
スズメバチ科アシナガバチ属のハチで、在来種。
日本では本州に分布。九州、四国、朝鮮半島に生息するものは、亜種の"Polistes chinensis chinensis"になる。
また、北海道にはよく似た別種(トガリフタモンアシナガバチ)が生息している。
沖縄諸島に分布するものは、中国大陸のものと同じで、原名亜種とされる。
成虫の体長は、女王バチで14〜18mm、働きバチは14〜16mm、オスはその中間で15〜16mmである。
体色は黒色で、黄色い斑紋がある。腹部第二背板に1対の黄色い円紋があり、それが和名の由来。
また、前伸腹節には黄色の2本の縦線がある。全体に黒い部分が多く、黄色班が明瞭である。
越冬は成虫(女王バチ)で行い、朽木の樹皮下や砂地の崖などで単独越冬する。
3月下旬から出現して巣作りを始め、最初の部屋ができると卵を産み、以降、部屋ができる度に卵を産んでいく。
天候や環境の影響もあるが、大きくなると育房数は数百〜千室にもなる。
卵は1週間ほどで孵化し、その後20日ほどで成虫となり、ワーカーとして働き始める。
ワーカーもメスなので、産卵を行うのが本種の特徴であるが、排除されて孵化することはない。
晩夏に新女王バチとオスバチ(顔面が黄色い)が現れ、この頃、女王バチは死んでしまう。
10月〜11月の暖かい日に、本種が多数飛び回っていることがあるが、これはほぼ全てオスバチである。
オスバチも越冬できないので死んでしまい、新女王バチのみが越冬することになる。

2012/8/12
フタモンアシナガバチがヤブガラシの花を訪花していました。
ヤブガラシの花には花蜜が多いので、いろいろな蝶や甲虫、ハチ、アブなどが良く集まります。
子供のも頃は、昆虫採集の良い採集場所でした。
ただ、フタモンアシナガバチには痛い思い出があります。そう、子供の頃に刺されたんです。
裏の納屋のトタン屋根の上を歩いたとき、突然飛んできて、腕の上を移動しながら10ヶ所ほど刺されました。
小さなハチなので、毒の量は多くなかったのでしょう。後になるほど腫れが小さくなっていました。
後で確認すると、トタン屋根の下の奥の方に巣がぶら下がっていました。言うまでもありませんが、即、撤去です。

 
2019/7/6
カボチャの花の周りをフタモンアシナガバチが飛び回っていました。
このフタモンアシナガバチも、庭のツツジの中に巣を作っていました。
この巣もそれほど育房数は多くなかったので、殺虫剤を使って除去しました。
葉の陰で外からは見えなかったので、写真は撮れませんでした。

コガタスズメバチ(Vespa analis)
<ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科・スズメバチ科・スズメバチ亜科・スズメバチ属>

スズメバチ科スズメバチ属に属するハチで、在来種。
日本には、本州から四国、九州、屋久島、種子島に生息する亜種、八重山亜種、沖縄亜種の3亜種が生息。
日本本土亜種「Vespa analis insularis」は、日本の固有種。
日本以外では、インド、東南アジア各国から中国、シベリア、台湾などアジア各地に広く分布する。
なお、原名亜種は、インドネシアのスマトラ島、バンカ島、ジャワ島に生息する。
スズメバチ属の中では中型種で、女王蜂で30mm程、働き蜂は25mm程です。
初期段階の巣は、フラスコをさかさまにしたような形で、働きバチが羽化してくるとボール状に変化する。
営巣規模は比較的小さくて、威嚇性・攻撃性はあまり高くない。
しかし、巣に直接刺激を与えると激しく反撃してくるので、巣には刺激を与えない方が良い。
営巣場所と餌の種類に柔軟性があるため、都会部でもよく見かける。

2019/10/6
毎年、夏から秋にかけて見かけるようになるスズメバチですが、飛び回られると怖いですね。
この日も、庭を1匹のスズメバチが飛び回っていましたが、その内モミジの葉に止まりました。
たまたま、ゴマダラチョウを撮るためにカメラを持っていましたので、撮ったのが上記の写真です。
尾端が黄色く大きな頭部を持っている、オオスズメバチによく似たコガタスズメバチでした。
この個体は、歴戦の勇士なのでしょうか。中脚の先が無くなっています。

ミカドドロバチ(Euodynerus nipanicus nipanicus)
<ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科・スズメバチ科・ドロバチ亜科・オディネルス属>

スズメバチ科ドロバチ亜科のハチで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島とほぼ全国に分布する。
体長は7〜14mmで、体色は黒色で、頭部や胸部の頭部側と腹部側に黄斑があるが、変異がある。
また、腹部第一節〜第四節後縁の背面と腹面には黄色い帯模様がある。
なお、オスの頭楯は黄色で、触角の第1節、脚部に黄色い部分が多い。触角の先が鉤型に曲がる。
成虫の活動期間は6月〜9月で、蛾の幼虫を竹筒などに餌として運び入れ、最後に泥で蓋をする。

2018/6/1
実家の庭で、葉の上に止まっているミカドドロバチを見つけました。
庭にはいろいろな昆虫がいますので、狩りバチにとっても餌場なのでしょう。
巣作りするための竹などもたくさん置いてあるので、その意味でも良い場所になっていると思います。
なお、この個体は頭楯が黄色く、脚も黄色で、触角の先端が鉤状に曲がっているのでオスです。

   
2019/6/22
ミカドドロバチのメスが、キバナノコギリソウの葉に止まっていました。
頭楯や触角の第1節、脚に黄色い部分がないので、この個体はメスです。

エントツドロバチ(Orancistrocerus drewseni drewseni)
<ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科・スズメバチ科・ドロバチ亜科・エントツドロバチ属>
 
スズメバチ科ドロバチ亜科エントツドロバチ属のハチで、本亜種は日本固有種。
日本では、本州から四国、九州、佐渡島、対馬、大隅諸島に分布する。
海外では、中国に別亜種が分布している。
体長は16〜20mmで、体色は黒色で、腹部に2本の黄色帯、頭部に黄色班がある。
腹部は、第2節が一回り太くなり、ずんぐりとした体形になっている。
巣は、竹筒などに泥で巣を作るが、巣が完成するまでにその入口を煙突状に伸ばすのが和名の由来。
なお、別名のオオカバフスジドロバチやオオカバフドロバチより、営巣習性を表したこの和名が一般的。
幼虫の餌としてメイガ、ハマキガ、ヤガなどの幼虫を狩り、随時、巣に運び込む。
巣が完成すると、煙突部分を取り除いて泥で上塗りして、ふたをする。
なお、日本ではオスが採取されたことがなく、メスによる単為生殖個体群と考えられている。
成虫の活動期間は6月〜9月で、餌は花蜜である。幼虫で越冬する。

2019/6/22
実家の庭に植えられているツゲの樹に、ドロバチが止まっていました。
腹部に黄色い帯模様が2本見えたので、オオフタオビドロバチであろうと思っていました。
しかし、後でよく見て見えると胸部背面に黄斑が見当たりません。
改めて調べ直して、エントツドロバチと分かりました。
調べている際、これらによく似た新種のオデコフタオビドロバチという種類を知りました。
2014年9月に新種として確認され、2015年に新種記載されたそうです。
前胸背部に黄斑があり、腹部には2本の黄帯があるため、本種やオオフタオビドロバチと似ています。

オオフタオビドロバチ(Anterhynchium flavomarginatum micado)
<ハチ目・ハチ亜目・スズメバチ上科・スズメバチ科・ドロバチ亜科・フタオビドロバチ属>

スズメバチ科ドロバチ亜科のハチで、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州、南西諸島とほぼ全国に分布する。
体長は10〜21mmで、体色は黒色で、腹部に2本の黄色帯、頭部、前胸部背板などに黄色班がある。
巣は、竹筒やカミキリムシの脱出孔に泥で仕切りを作って営巣します。
その泥で仕切った育室に、ガの幼虫を狩って、餌として貯食します。
そのため、ハマキガやメイガなどの重要な天敵となります。
成虫の活動期間は5月〜10月で、餌は花蜜である。幼虫で越冬する。

2012/8/12
実家の網戸にオオフタオビドロバチが止まっていました。
ミカドドロバチに似てはいますが、腹部の黄色い帯模様は2個しかありません。

ツルガハキリバチ(Megachile tsurugensis)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ハキリバチ科・ハキリバチ亜科・ハキリバチ属>
 
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布している。
体長10mm前後のハキリバチで、以前は、バラハキリバチモドキと呼ばれていた。
腹部の尾端の形状が雌雄で異なり、オスがずんぐりと丸いのに対しに、メスは尖っている。
また、メスは、腹部下面には花粉を集めるためのスコパ(集粉毛、花粉刷毛)がある。
頭頂部、胸部背面、腹部第2〜6背板には黒い毛があるが、個体差はある。
竹筒または地中に営巣するが、葉を切り取って巣材にするので、この名がある。

2019/4/16
丸く切り取った葉を運んでいるのと、石灯籠の上で休んでいるハキリバチを見つけました。
葉を運んでいる方は腹部が尖っているのでメス、休んでいるのは腹端が丸いのでオスですね。
どちらも体毛が下記のバラハキリバチとしたものより白っぽいので、ツルガハキリバチとしました。

バラハキリバチ(Megachile tsurugensis)
<ハチ目・ハチ亜目・ミツバチ上科・ハキリバチ科・ハキリバチ亜科・ハキリバチ属>
   
ハキリバチ科ハキリバチ属のハチで、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布している。
体長13mm前後のハキリバチで、黒色で、胸部の周縁部に黄褐色毛がある。
腹部の尾端の形状が雌雄で異なり、オスがずんぐりと丸いのに対しに、メスは尖っている。
また、メスは、腹部下面には花粉を集めるためのスコパ(集粉毛、花粉刷毛)がある。
バラなどの葉を丸く切り取り、巣の材料にするため、バラ愛好家には嫌われている。

2018/6/1
実家の庭に咲いていたホタルブクロをハキリバチが訪花していました。
腹部下面にあるスコバに大量の花粉を付け、尾端が尖っているのでメスですね。
種類がすぐには分からなかったので、後で調べて体毛の色からバラハキリバチとしました。
よく似たツルガハキリバチ(旧名バラハキリバチモドキ)の体毛は、もう少し白いと思います。

ルリチュウレンジ(Arge similis)
<ハチ目・ハバチ亜目・ハバチ上科・ミフシハバチ科・チュウレンジ亜科>
   
<若齢幼虫>                <中齢幼虫>                <老齢幼虫>
日本では北海道から本州、四国、九州とほぼ全国で見られる。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
体長は10mmほどで、全体に黒色で、るり色の金属光沢がある。
翅は半透明で、触角は、3節からなり、第1節と第2節は短くて第3節が長いが、これが科名の由来。
幼虫はイモムシで、その食草はツツジ科の葉。集団で食害するので、放っておくと丸坊主にされる。
幼虫の齢数は、メスでは5〜6齢、オスでは4〜5齢である。
胸腹部は黄緑色から灰緑色で、尾端背面は黒色。刺毛のある小黒斑が多数ある。
頭部は黒色であるが、終齢幼虫になると黄橙色になる。腹脚は6対で、第2〜6節と10節(尾端)にある。
若齢時は集団行動を取るが、成長するにつれて分散し、老熟すると地下で繭を作る。なお、越冬は蛹。

2018/5/28
実家の庭にはツツジがたくさん植えられていますが、葉がボロボロです。
どうしたのかとよく見てみると、大量のルリチュウレンジバチの幼虫がいました。
その時に撮影したのが、上記の若齢から老齢の幼虫です。成虫には出会えませんでした。
なお、老齢幼虫は石の上を這って移動中だったので、これから地中で繭を作ろうとしているようでした。
被害のないツツジもあるのですが、ひどいものではほぼ葉が無くなるほどの被害です。
それからは、毎日のように幼虫の除去と、専用の薬剤の散布での防除を行う羽目になりました。
1週間ほどで、幼虫はほぼ全滅させられたのですが、葉の縁に生まれた卵と地中の蛹が残っています。

   
2019/6/22
今年もツツジにルリチュウレンジが、昨年ほどではありませんが発生していました。
今年は、時期がちょっと遅かったようで、終齢幼虫を少し除去できた程度です。
おそらく、大半の幼虫が地中に潜って蛹になってしまったものと思われます。
案の定、しばらく経つと成虫が飛び交い始め、目につくようになりました。
それからは、毎日、成虫の捕獲に追われました。多い日には数十匹を捕獲しました。
その甲斐あってか、徐々に成虫の数は減り、たまに見かける程度になりました。やれやれ。

エゾホソガガンボ(Nephrotoma cornicina)
<ハエ目・カ亜目・ガガンボ下目・ガガンボ上科・ガガンボ科・ガガンボ亜科>

ガガンボ科ガガンボ亜科の昆虫で、在来種。
日本では、本州では普通種のようなのですが、それ以外は詳細不明。海外にも分布はある。
体長は12〜14mm。翅長は10〜13mm。
胸部は黄色で光沢があり、黒い3本の縞模様がある。頭部も黄色で、上面が黒い。
キイロホソガガンボとよく似ているが、以下の点で区別可能である。
・エゾホソガガンボの腹節背板の中央1条、側縁1条、及び第8腹節は黒色
・キイロホソガガンボの腹部は黄色だが、各節背板に3角形の黒紋を有する
この2種以外に、よく似たものが他にもあり、これだけで同定するのは不可能である。
そうなると標本などによる詳細な観察が必要となり、写真からの判定は難しいことになる。

2018/5/31
実家の庭の外れで、葉に止まっているガガンボを見かけました。
直ぐには種類が分からなかったのですが、頭部から胸部にかけての黒い模様に特徴があります。
その特徴から、キイロホソガガンボだろうと思ったのですが、翅の前縁の先端付近に黒斑があります。
さらに調べているとキイロホソガガンボに似た、エゾホソガガンボに似ていることが分かりました。
翅の前縁の先の方に黒斑が見え、腹部末端の第8腹節が黒っぽく見える点から、エゾホソガガンボとしました。
ただ、他にも似たものがあり、非常に細かい判別方法があるようなのですが、写真だけではこれ以上は無理。
というわけで、キイロホソガガンボではなく、上記の点から本種としましたが、間違っている可能性もあります。

キゴシハナアブ(Eristalinus quinquestriatus)
<ハエ目・ハエ亜目・ハエ下目・ハナアブ上科・ハナアブ科・ナミハナアブ亜科・ナミハナアブ族>

ハナアブ科ナミハナアブ亜科のアブで在来種。
日本では、本州から四国、九州、南西諸島まで広く分布する。
海外では、朝鮮半島から中国に分布する。
幼虫は、腐敗した植物を食べ、成虫は花に集まり、蜜や花粉を食べる。
幼虫は、水中生活をするため長い呼吸器官を持っていて、その姿からオナガウジと呼ばれる仲間である。
特徴は、胸部、腹部とも光沢があり、胸部背面に三本、側縁に一本の黄色の縦筋ある。
また、腹部第1節と第2節は黄色く、これが和名の由来。第3節と第4節にも細い黄色いの帯模様である。
頭部は半球状で大きく、黄色い複眼には褐色のゴマ塩模様がある。

2018/10/29
実家の庭で、葉の上に止まっているキゴシハナアブを見つけました。
一番の特徴は、上部しか見えていませんがごま塩模様の複眼です。

アメリカミズアブ(Machimus scutellaris)
<ハエ目・ハエ亜目・ミズアブ下目・ミズアブ上科・ミズアブ科・アメリカミズアブ亜科>
 
ミズアブ科の昆虫で、戦争中にアメリカから来た帰化種。
日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布する。
海外では、北・中部アメリカに分布する。
成虫は5月〜10月頃に出現し、体色は黒で、腹部に2つの白紋がある。
触角は長く、複眼にはナミ状の模様がある。
成虫の餌は、花の蜜であるが、幼虫は腐敗物や獣糞などの腐敗有機物を食べる。
そのため、水洗トイレが普及する前は、便所周辺に多くいたため「便所バエ」と呼ばれていた。
2019/7/1
実家の庭で、たまに見かけるアメリカミズアブが、ハナユズの葉に止まっていました。
この辺りには腐敗有機物はないと思うのですが、どこで発生しているのでしょう。

スキバツリアブ(Villa limbata)
<ハエ目・ハエ亜目・ムシヒキアブ下目・ムシヒキアブ上科・ツリアブ科・Bombyliinae亜科>
 
ツリアブ科の在来種で、北海道から本州、四国、九州、南西諸島に、海外では台湾に分布する。
体長は10〜16mmで、黒色の体色に黄色い毛が生えており、翅は透明で前縁は黒い。
腹部の体節の前縁部分に黄褐色の毛が密集して、縞模様になる。
なお、和名は透明な翅(透翅/すきば)を持つツリアブに由来している。
メスは尾端を土に擦り付ける行動(尾端接触行動)を行い、腹端部の砂室に砂粒を取り込む。
卵をその砂粒でカムフラージュして、寄主のハチの巣に産み付けるようである。
寄主は、ドロバチ科、アナバチ科、ハキリバチ類など土中に巣を作る膜翅目幼虫である。
成虫の出現時期は7月〜10月で、昼行性。活動は比較的活発で、飛翔は敏速。成虫は花の蜜を吸う。

2019/6/29
実家の庭で、ツツジの葉の上に止まっているアブを見つけました。
どこかで見たような気がするのですが、思い出せません。
後になって、クロバネツリアブによく似ていることを思い出しました。
しかし、翅は黒くありませんので、後で調べてスキバツリアブと分かりました。
ただ、写真では褐色の毛がもっと密生しているようなのですが、毛が抜けるとこんな感じになるようです。


スキバツリアブとクロバネツリアブ

     .
<スキバツリアブ>                     <クロバネツリアブ>

以前、見たことのあるクロバネツリアブと比較すると、翅の色以外はよく似ています。


シオヤアブ(Promachus yesonicus)
<ハエ目・ハエ亜目・ムシキヒアブ下目・ムシヒキアブ上科・ムシヒキアブ科・シオヤアブ亜科>
   
ムシヒキアブ科シオヤアブ亜科の肉食性のアブで、日本ではほぼ全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、極東ロシアにも分布する。
草原や林の周辺の日当たりの良い場所で、よく見られる普通種。
体長は23〜30mmで、体色は黒褐色で、黄色い毛が生えている。
その黄色い毛のため、腹部は黒と黄色の縞模様に見える。なお、オスの腹端には白い毛が密生する。
獰猛な狩人で、見晴らしの良い枝先などに留まり、獲物を待ち伏せする。
獲物が近づくと、一気に襲い掛かり、自分より大きな獲物でも一撃で仕留める。
幼虫は土中や朽木の中にいて、他の昆虫などを食べて成長する。

2019/6/22
実家の庭で剪定をしていると、目の前にシオヤアブのオスが止まりました。
以前からオスの尾端の白毛が気になっていたので、チャンスとばかりにアップで撮ってみました。
きれいな白い毛が密集し、白髪の口髭みたいです。実際の口髭は右端の様に黄褐色なんですよね。
実家の庭には餌になる虫が多いのか、肉食系の昆虫や野鳥が良く見られます。
シオヤアブもその内の1つですが、常に何匹かのシオヤアブが獲物を狙って待ち伏せしています。









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