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播州地方で見かけた野草(秋T)



実家近辺や兵庫県内などを移動する際に見かけた野草です。
といっても、じっくりと撮影したのではなく、出かけた際にちょこちょこと撮影しただけのため、あまり多くはないです。
今後、機会を見つけて充実させていきたいと思っています。



ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
イネ目
イネ科(エノコログサ)
シソ目
ハエドクソウ科(ムラサキサギゴケ)
モクセイ科(ヒイラギ)
バラ目
バラ科(ミカイドウ)
マメ目
マメ科(エビスグサ、アレチヌスビトハギ)
ムクロジ目
センダン科(センダン)
播州地方で見かけた秋の野草
和名インデックス


エノコログサ(Setaria viridis)
<イネ目・イネ科・キビ亜科・キビ連・エノコログサ属>
   
イネ科エノコログサ属の1年草で、在来種。ネコジャラシの俗称がある。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に広く分布する。
海外でも、アジア、南アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ、アフリカと、広範囲に分布する。
草丈は30〜80cmで、茎は基部で分かれて叢生し、葉は長さ10〜20pの線形。
花期は6月〜10月で、穂状花序の長さは3〜7pの円柱形で、穂はほぼ直立する。
小穂を見れば、アキノエノコログサでは第二穎が短く、小花が顔を出すのに対して、
エノコログサでは第二穎が小穂の長さと同じで、小花が隠れる。また、小穂も一回り小さい。

2016/11/11
実家近くの道路の中央分離帯で見かけた、紅葉したエノコログサです。
最初見たとき、ムラサキエノコロかと思ったのですが、ちょっと違和感がありました。
後でいろいろ調べてみて、違いが分かりました。葉や果実は紫色ですが、総苞毛は白いのです。
ムラサキエノコロは、総苞毛が紫色ですが、果実は緑がかっています。
季節がら、紅葉したエノコログサと分かりました。


エノコログサの仲間

       .
  <エノコログサ>        <エノコログサ>       <アキノエノコログサ>
       .
   <キンエノコロ>        <ムラサキエノコロ>      <ムラサキエノコロ>
 
エノコログサとアキノエノコログサはよく似ています。違いはエノコログサの穂は垂れない点です。
上段中央のエノコログサの穂は、その左のエノコログサの倍くらいの長さですが、傾いても垂れません。
しかし、上段右のアキノエノコログサの穂は、だらりと穂が垂れ下がっています。
下段は色のある種で、キンエノコロは総苞毛の色が黄色で、逆光で見ると総苞毛が金色に光ってきれいです。
中央と右は、総苞毛の色が紫色になるムラサキエノコロで、紅葉したエノコログサと紛らわしいですね。
前述の通り、総苞毛は紫色でも果実は緑色で、紫色の果実に白い総苞毛の紅葉したエノコログサとは異なります。


ムラサキサギゴケ(Mazus miquelii)
<シソ目・ハエドクソウ科・サギゴケ亜科・サギゴケ属>
 
ハエドクソウ科サギゴケ属の多年草で、耐湿性耐寒性が強い。
日本では、北海道南部から本州、四国、九州に分布し、海外では朝鮮半島から中国に分布する。
主に畦などの湿地で見られ、匍匐茎で繁殖する。葉は根際に群生し、茎葉は数枚が互生する。
葉は小さく楕円形をしており、葉柄は短く、翼がある。
花期は4月〜5月で、茎の上部に数個の濃紅紫色の唇型の花を付ける。
花冠は15〜20oほどで、上唇は2裂し、下唇は3裂する。
下唇の基部は白く、2条の隆起には黄褐色の斑点と、白い長毛がある。
オシベは4個あり、上下の唇に各々2個付き、メシベは1個で、柱頭は2裂する。

※ 以前、紫色のものをムラサキサギゴケ、白花をサギゴケとしていたが、最近は区別しないこともある。

2016/11/11
実家近くを散歩中、田んぼの畔で花を付けているのを見かけました。
最初、季節的なことからトキワハゼだろうと思っていました。
しかし、花の形や大きさが異なるので、調べ直した結果、ムラサキサギゴケと分かりました。
とはいえ、トキワハゼが11月位まで咲いているのに対して、花期は4月〜5月の春です。
環境は春先と似ているとはいえ、いわゆる狂い咲きということになりますね。


トキワハゼとサギゴケの花

トキワハゼも同じサギゴケ属なので、花は小ぶりですがそっくりの姿をしています。
シソ目にはよく似た花も少なくありません。よく似た咲き方の花を下段に並べてみました。

       .
2017/8/22<トキワハゼ>     2017/4/28<ムラサキサギゴケ>       2017/5/3<サギゴケ>

ムラサキサギゴケとサギゴケは、町田市の薬師池公園にあるハス田の畔で見かけたものです。
トキワハゼにもサギゴケと同じような白花があり、シロバナトキワハゼというそうですが、見たことはありません。

     .
2017/8/22<カキドオシ>       2017/4/28<ツタバウンラン>         2017/5/3<ウリクサ>

カキドオシはシソ科カキドオシ属、ツタバウンランはオオバコ科ツタバウンラン属、ウリクサはアゼナ科アゼナ属です。
同じシソ目ですが、属する科は全て異なります。全て、唇形花(しんけいか)と呼ばれ、筒状の花冠が上下に分かれます。


ヒイラギ(Osmanthus heterophyllus)
<シソ目・モクセイ科・オリーブ連・モクセイ属>
   
モクセイ科モクセイ属の常緑小高木で、在来種。雌雄別株。
日本では、本州の関東以西、四国、九州、沖縄に分布する。海外では台湾に分布する。
樹高は4〜8mになり、幹は灰白色で、樹皮に細かい縦の割れ目が入る。
葉は対生し、葉身は3〜7cmの楕円形で、厚い革質で表面には濃緑色で光沢があり、葉裏は淡緑色。
若木の葉には大きな歯牙があり、先には鋭い刺がある。
老木になるにつれ、歯牙は減って、ついには全縁となる。
花期は11月〜12月で、葉腋に白色の花を束生し、よい香りがある。
花冠は直径5mm前後で4裂し、筒部は長さ1〜1.5mm、裂片は長さ1〜1.5mmで反り返る。オシベは2個。
雄花はメシベが小さく、結実しない。両性花はメシベが長く突き出ている。
果実は核果で、長さ12〜15mmの楕円体で、翌年の6月〜7月に黒紫色に熟す。

2017/11/17
実家の庭で、ヒイラギがたくさん花を付けていました。
この時期、近くにある同属のキンモクセイも花を付け、強烈は芳香を放つので、影が薄いですね。
でも、ヒイラギもキンモクセイには及びませんが、良い芳香があります。


モクセイ属の花

下記のモクセイ属の花は、どれも良い芳香があります。
その中でもキンモクセイの芳香が最も強く、他を圧倒しています。

       .
  <ヒイラギ>         <ギンモクセイ>         <キンモクセイ>


ミカイドウ(Malus micromalus)
<バラ目・バラ科・モモ亜科・ナシ連・ナシ亜連・リンゴ属>
 
バラ科リンゴ属の耐寒性落葉高木で、中国原産の帰化植物。別名はナガサキリンゴ。
ヒマラヤズミとホンカイドウの種間交雑種とされている。
ミカイドウは、古くから庭木や鉢植えとして利用されてきており、野生のミカイドウはまずない。
樹高は5〜8mになり、樹皮は灰黒褐色で平滑である。
葉は互生し、長さ6〜11cmの長楕円形で、先が尖り、縁には鋸歯がある。葉柄は数cm。
花期は4月〜5月で、新葉と同時に短枝の先に、淡紅色の花を散形状に集まって付ける。
花は直径3〜4cmの5花弁で、オシベは多数ある。メシベは5個が基部で合着し、密に軟毛がある。
果実は球形の液果で、直径は15〜20mm。10月〜11月に黄褐色、赤色に熟す。

※ 大きな実のなるミカイドウに対して、綺麗な花が咲くものをハナカイドウと呼ぶ。
ミカイドウより樹高が2〜5mと低く、花がきれいなため、住宅の庭木には向いていそう。

2016/11/11
実家近くを散歩中、畑の一角にたくさんの果実を付けた樹を見かけました。
大半は黄褐色でしたが、赤く色付いたものもいくつかありました。
付いていた葉の形などからバラ科の樹と分かったのですが、それ以上は分かりません。
後で、バラ科で実のなる樹を調べていて、ミカイドウではないかと思われました。
ハナカイドウの果実によく似ていますが、それよりは倍くらいの大きさがあります。
ただ、ミカイドウは熟すと黄色くなるとの説明が多く、赤くなるものもあるとの説明は少数派です。
ハナカイドウがこれほど多くの実を付けているのは見たことがないこともあり、本種としています。


ハナカイドウの花と果実

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2012/4/10                   2013/6/11                   2013/11/20
八重のハナカイドウですが、比較的結実率は高いです。
6月の時点での直径は1cmに満たず、11月の熟したと思われる時点でも1cmあるか無いかくらいです。
試しにかじってみましたが、酸味が強く、お世辞にもおいしいとは言い難いです。


エビスグサ(Senna obtusifolia)
<マメ目・マメ科・ジャケツイバラ亜科・カワラケツメイ連・センナ属>
 

 
マメ科センナ属の1年草で、北アメリカが原産地とされている。
日本には、熱帯アジアから中国南部を経て、江戸時代の享保年間に渡来したとされる。
原産地では宿根して亜灌木になることもあるが、日本では1年草とされている。
現在は野生化したものが、本州から四国、九州、南西諸島に分布している。
草丈は0.5〜2mで、茎は直立して、分枝する。葉は互生し、偶数羽状複葉である。
小葉は長さ3〜4cmの倒卵形〜楕円形で、2〜4対(3対が多い)あり、下部の葉柄上に蜜腺が1個ある。
花期は6月〜9月で、葉腋に1〜2輪のいびつな黄い5弁花を付け、花弁の長さは15mm前後ある。
オシベは10個あるが不揃いで、1個あるメシベはかぎ状に曲がっている。
萼は長さ7mm前後の長卵形で、これも不揃いである。
果実は豆果で、幅は5mm前後なのに対して長さが10〜25cmと細長く、湾曲している。
莢には、長さ5mm前後で暗褐色の種子が、20〜50個入っている。

※ この種子を集めて天日干ししたものは、決明子(けつめいし)という漢方の生薬の一つである。
一般には「ハブ茶」の通称で知られており、健康茶の一つとしてそのまま飲まれたりする。
便秘や排尿障害、目の充血、高脂血症・高血圧などの生活習慣病予防に効果があるとされている。
なお、ハブ茶は元来同属のハブソウの種子を使用したものであるが、収量の多い本種の種子が使われている。

2016/11/11
実家近くを散歩中、道路脇の草地で見たことがない花を見つけました。
豆果のような細長い果実を付けているので、マメ科の植物と思われますが、花がマメ科らしくありません。
後で、いろいろ調べていて、花や豆果の特徴からエビスグサと分かりました。
そういえば、別属ですが、マメ科らしくないカワラケツメイの花に似ていますね。


カワラケツメイ(Chamaecrista nomame)
<マメ目・マメ科・ジャケツイバラ亜科・カワラケツメイ連・カワラケツメイ属>

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2013/8/25                  2013/8/25                  2018/8/23

花の形がマメ科に多い花である蝶形花(ちょうけいか)と異なります。
蝶形花では、上部に大きな旗弁、左右の竜骨弁が2枚貝のように合わさり、それを左右から翼弁が包みます。
カワラケツメイもエビスグサも、ほぼ同形の5花弁の花で、上記のような特殊な形はしていません。


アレチヌスビトハギ(Desmodium paniculatum)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ヌスビトハギ連・ヌスビトハギ亜連・ヌスビトハギ属>
   
マメ科ヌスビトハギ属の多年草で、北アメリカが原産地。
日本へは比較的近年入ってきた帰化植物で、関東以西に多いが、北海道にも侵入している。
草丈は50〜100cmになり、茎は木質化し、開出毛が多い。葉は互生し、3出複葉。
小葉は長さ5〜8cmの卵形〜狭卵形(個体による変異が大きい)で先端は尖り、両面に伏毛がある。
花期は7〜9月で、葉腋から細長い円錐花序を出し、紅紫色の蝶形花をまばらに付ける。
花冠の長さは6〜9mmで、旗弁は丸みを帯びて、黄緑色で長楕円形の斑紋が2つある。
昼間に開花した花は紅紫色だが、夕方には青く変色し、しぼみ始める。
オシベ9個とメシベ1個は、訪虫されると竜骨弁から飛出し、そのままになる。
萼は長さ3o前後で、先が不同に4裂する。下片が最も細長く、上片の先は2浅裂する。
果実は扁平な節果で、節毎にくびれ、長さ6〜7mm前後の小節果3〜6個からなる。
果実が熟すと節が茶色くなり、小節果が節からちぎれ易くなる。
小節果にはかぎ状の毛があり、人や動物が近くを通ると、節からちぎれてくっ付き、運ばれる。

2016/11/11
実家近くを散歩中、道路脇の草地で見かけたヌスビトハギを大きくしたようなくっ付き虫です。
既に花はなく、茶色く熟した豆果(節果でかぎ状の毛がある)がたくさん付いていました。
後で調べると、花はなかったのですが、豆果や葉の特徴から本種と分かりました。

センダン(Melia azedarach)
<ムクロジ目・センダン科・センダン属>

センダン科センダン属の落葉高木。別名としてオウチ(楝)、アミノキなどがある。
日本では、四国、九州、沖縄に自然分布する。ただ、最近は、本州の関東以西にも自生が見られる。
海外ではアジア各地の熱帯、亜熱帯地域に分布する。
樹高は15 mほどになり、成長はかなり早い。
若い樹皮は紫褐色で、楕円形の小さな黄斑な点在する。太い幹は樹皮が縦に裂け、凹凸ができる。
葉は互生し、奇数2〜3回羽状複葉で、全体では数十p以上の大きさになる。
小葉は楕円形で、浅い鋸歯があり、薄くて柔らかい。
花期は5月〜6月で、若枝の葉腋に円錐花序を出し、淡紫色の5花弁の花を多数付ける。
果実は長さ2cm程の楕円形の核果で、晩秋に黄褐色に熟し、落葉後もしばらく残る。

2016/11/11
実家近くを散歩中に見かけたセンダンの果実です。
実家にもあったのですが、大きくなると困るので、樹高が5mくらいになったとき切りました。
夏になるとクマゼミがセンダンの木に集まり、朝から大合唱して、叩き起こしてくれます。
最近、夏に時折、関東地方でもクマゼミの鳴き声を聞くようになりました。
まだ、気になるほどではないですが、これ以上、あまり増えないことを願っています。


センダンの花

       .
2016/5/13

センダンの花ですが、紫をベースにしたとてもお洒落な色合いの花なんです。
上の写真がそうなんですが、いかがですか。私はお洒落だと思うのですが。










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