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播州地方で見かけた野草(秋V)



実家近辺や兵庫県内などを移動する際に見かけた野草です。
といっても、出かけた際にちょこちょこと撮影しただけのため、あまり多くはないです。
今後、機会を見つけて充実させていきたいと思っています。

< トピック >
今回、新たに見かけた下記の野草を追加しました。
キンモクセイ、ヒロハフウリンホオズキ

また、下記の写真を追加しました。
ホシアサガオ



ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
シソ目
アゼナ科(トレニア)
オオバコ科(ツタバウンラン)
ゴマノハグサ科(ビロードモウズイカ)
シソ科(シソ[アカジソ・アオジソ]、クロバナヒキオコシ、ホトケノザ、ダンギク、
    クサギ)
ハエドクソウ科(ムラサキサギゴケ)
モクセイ科(キンモクセイ、ヒイラギ)
セリ目
セリ科(ミツバ)
トベラ科(トベラ)
ツツジ目
カキノキ科(カキノキ)
ツツジ科(モチツツジ)
モッコク科(モッコク)
ナス目
ナス科(クコ、ヒロハフウリンホオズキ)
ヒルガオ科(アメリカネナシカズラ、ネナシカズラ、アサガオ、ホシアサガオ、
      マメアサガオ、アメリカアサガオ、マルバアメリカアサガオ、
      ルコウソウ)
ナデシコ目
クルマバザクロソウ科(クルマバザクロソウ)
ザクロソウ科(ザクロソウ)
タデ科(イタドリ、イヌタデ、オオイヌタデ、オオケタデ、シロバナサクラタデ、
    ヒメツルソバ)
ナデシコ科(コハコベ)
ヒユ科(アカザ、シロザ)
播州地方で見かけた秋の野草(秋V)
和名インデックス


トレニア(Torenia fournieri)
<シソ目・アゼナ科・ツルウリクサ属>

アゼナ科ツルウリクサ属の1年草で、インドネシアが原産地。
単にトレニアという場合、本種「トレニア フルニエリ」の事を指す。
クロンキスト体系ではゴマノハグサ科、APGUでオオバコ科、APGVでアゼナ科に分離された。
別名には、ハナウリクサ、ナツスミレなどがあり、ナツスミレは花がスミレに似ていることに由来する。
草丈は20〜35cmで、よく分枝して横幅は20〜40cmになる。
葉は卵形で対生し、明るめで比較的小さく、こんもりと茂る。
花期は5月〜10月で、茎先や葉腋から総状花序を出し、スミレに似た唇形の花を咲かせる。
上唇は2裂し、下唇は3裂する。下唇の中央基部に黄色い斑紋があるものがある。
花の直径は15〜20mmで、花色には、青色、紫色、白色、ピンク色、黄色がある。

2021/9/17
実家近くを散歩中、道路脇の空き地で見かけたトレニアです。
園芸品種として植栽されているのを時折見かけますが、逸出して芽生えたもののようです。
除草されなければ、こぼれ種から来年も花を見せてくれるのではないでしょうか。

ツタバウンラン(Cymbalaria muralis)
<シソ目・オオバコ科・キンギョソウ連・ツタバウンラン属>

オオバコ科ツタバウンラン属のつる性多年草で、地中海が原産の帰化植物。
日本へは観賞用に大正年間に入り、逸出野生化して北海道から本州にかけて見られる。
葉が蔦に似て、花がウンランに似ていることからこの名前が付けられた。
茎は地上を這い、分枝して節から不定根を出し、長さは10〜40cmになる。
葉は互生し、長い葉柄の先に扁円形で掌状に5〜7裂した葉身が付く。
花期は5月〜11月で、葉腋から長い花柄を伸ばし、花を1つ付ける。
花冠は長さ8o前後の白色〜淡青色で、暗紫色の筋模様があり、上下2唇に分かれる。
上唇は2裂して直立し、下唇には黄色い膨らみが2個あり、花冠の後端は距となる。
果実は直径5mm前後の球形、で長い柄で下垂し、熟すと裂ける。

2020/11/16,17
実家近くの道路脇で見かけたツタバウンランです。
陽当たりの悪い場所でしたので、花数は極少なく、数輪咲いているだけでした。

ビロードモウズイカ(Verbascum thapsus)
<シソ目・ゴマノハグサ科・ゴマノハグサ亜科・ゴマノハグサ連・モウズイカ属>

2020/1/10              2021/9/13
ゴマノハグサ科モウズイカ属の越年草で、帰化植物。日本では、ほぼ全国に分布する。
原産地は、ヨーロッパ、北アフリカ、アジアを含む広範囲で、アメリカとオーストラリアにも帰化している。
草丈は1〜2.5mに達するが、1年目は長さ50cmに達する大きな葉のロゼットを形成する。
そして、冬季に休眠することによって、翌年に花茎を延ばして花を付ける。
植物体全体に星形の毛状突起があり、特に葉では密で、葉が灰緑色に見え、これがビロードの所以。
花期は6月〜8月(暖地では〜10月)で、2年目に分枝しない茎を伸ばす。
この茎には、茎葉が螺旋状に付き、上部ほど小さくなる。葉は厚く、葉柄部は茎に沿って翼状に下に流れる。
茎の上部に長さ50cmほどの総状花序を付け、多数の花を付けるが、咲くのは不規則に数個の花だけである。
なお、花は1日花で、夜明け前に咲き、午後にはしぼむ。
花は直径15〜30oの黄色で、萼筒は5残裂し、花冠も5裂して、花弁に合着した5本のオシベがある。
このオシベには2型があり、上側の3個は短くて花糸は黄色から白色の毛が密生し、葯は小さい。
下側の2個のオシベは長めで、花糸は無毛。葯も大きめである。
花は雌性先熟であり、多くの昆虫が訪花するが、有効なポリネーターはハナバチ類だけである。
なお、日中に昆虫による受粉がなかった場合は、自花受粉する。

2020/1/10 実家近くの川沿いを散歩中、漁港の堤防沿いで見かけたビロードモウズイカです。
2021/9/13 以前に見かけたのを思い出し、近くに行ったときに様子を見に行きました。
時期的には花が咲いているはずなのですが、花序が見られたのはこの1株だけでした。
しかし、まだ、ツボミばかりで開花には時間がかかりそうな様子です。
その他の株は、後ろに写っているような小さなロゼット状のものばかりでした。
直ぐ近くには、昨年に開花した草丈が1mを優に超えそうな株が枯れて横たわっていました。


2021/10/2
実家近くの川沿いを散歩中、近くに行ったので様子を見に寄ってみました。
多少背が高くなったようで、よく見ると最下段の花が1つ咲いていました。
その上部では、いくつかのつぼみが膨らんでいて、間もなく咲きそうな雰囲気です。
ただ、今年は生育環境が厳しかったためか、咲いている花は花芯に萼のようなものが見える奇形花でした。
正常なビロードモウズイカの花の形は、こちらに掲載したものを参照ください。


2021/10/2
今年は生育環境が良くなかったようで、花序を立ち上げていたのは1株だけでした。
上記はその近くで倒れていた、昨年の大きなビロードモウズイカの枯れた花序です。
昨年は、ずいぶんと大きく育ったようですね。そのバックには、来年に咲くロゼットが数株見られます。

シソ(Perilla frutescens var. crispa)
<シソ目・シソ科・イヌハッカ亜科・ナギナタコウジュ連・シソ属>

2021/10/2<アカジソ>

2021/10/6<アカジソ>

2021/10/2<アオジソ>

2021/10/6<アオジソ>
シソ科シソ属の1年草で、原産地はヒマラヤやミャンマー、中国南部。
縄文時代の遺跡からも種実が出土しているが、本格的な栽培が始められたのは平安時代。
シソには品種が多く、代表的な品種にはアカジソや、その変種であるアオジソなどがある。
茎は四角形で直立し、草丈は50〜100cmで、長い下向きの軟毛がまばらに生える。
花期は8月〜10月で、枝先に円柱形の総状花序を付け、白色〜紅紫色の小花を多数付ける。
葉は対生し、長さ8〜10cmの広卵形で先が尖り、長い葉柄がある。

アカジソ(Perilla frutescens var. crispa f. purpurea)
葉身は両面とも赤紫色で、葉質は薄く、縁には粗い鋸歯がある。
花色は紅色〜赤紫色、または白色で、花冠は長さ4〜5mmの唇形花である。
上唇は浅く2裂し、下唇は大きく3裂する。オシベ4個は花冠からはあまり突出しない。
メシベの柱頭はハの字型に2裂する。萼は釣鐘形で5分裂し、果期には長さ5〜6mmになる。
萼筒には白色の長毛が密生し、黄色の腺点が散在する。
葉にはアントシアン系の色素シアニジンを含み、クエン酸によって強く赤く発色する。
また、シソの精油にはペリルアルデヒドが含まれ、強い防腐作用と殺菌作用を持っている。
防腐作用は、5〜10%の食塩と併用することで得られ、単独では効果がない。
これら性質が、日本では梅干を作る際に利用される。

アオジソ(Perilla frutescens var. crispa f. viridis)
葉身は両面とも緑色で、葉質は薄く、縁には粗い鋸歯がある。
花色は白色、稀に淡紅色で、花冠は長さ4〜5mmの唇形花である。
上唇は浅く2裂し、下唇は大きく3裂する。オシベ4個は花冠からはあまり突出しない。
メシベの柱頭はハの字型に2裂する。萼は釣鐘形で5分裂し、果期には長さ5〜6mmになる。
萼筒には白色の長毛が密生し、黄色の腺点が散在する。
果実は4分果で、分果は長さ1mm前後の球形。表面に網目模様がある。
ペリルアルデヒドに由来する特有の香りと辛味を持っており、和風ハーブの代表種。
葉はもとより、若芽、花穂、実も、刺身や手巻き寿司などに使用される。

2021/10/2,6
実家の裏庭には、毎年のようにアカジソとアオジソが、こぼれ種から生えてきます。
アカジソは、以前、梅干を作るために植えていたものが、逸出したものと思われます。
アオジソは、植えた覚えはないのですが、いつの頃からか畑の片隅に生えるようになりました。
最近は梅干を作らないのでアカジソは用がなくなり、アオジソはハーブとしてたまに使います。

写真を撮ろうと思いながら、後回しにしていたら、気が付いたら花が終わりかけていました。
慌てて咲き残っていたわずかな花を、何とか撮影したのが各々の上段の写真です。
その後、全体を撮っていなかったため、撮りに行くと花は咲き終わって、萼だけが残っていました。

クロバナヒキオコシ(Isodon trichocarpus)
<シソ目・シソ科・イヌハッカ亜科・メボウキ連・ヤマハッカ属>

 
シソ科ヤマハッカ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州の近畿地方以北の日本海側に分布する。
草丈は50〜150cmで、茎は四角形で、稜の上だけに下向きの細毛がある。
葉は対生し、長さ6〜15cmの三角状広卵形で、縁には鋸歯がある。
葉先は鋭く尖り、基部は楔型で、狭まって葉柄の翼となって流れる。
葉質は薄く、表面に毛がまばらに生え、裏面の葉脈上に短い圧毛と腺点がある。
花期は8月〜10月で、上部の葉腋から出た集散花序に暗紫色の唇形の花をまばらにつける。
それらの集散花序が集まって、全体で大きな頂生の円錐花序を形成する。
花冠は長さ5〜6mmで、上唇は直立して4裂し、下唇は長く突き出した舟形をしている。
オシベは4個で、舟形をした下唇に沿うように伸びるが、下唇から出ることはない。
萼は5裂して細毛があり、長さ2.5mm前後であるが、果時には長さ3〜3.5mmになる。
果実は倒卵形になる分果で、長さ1.5mmになり、分果の先に短い白毛がある。

2021/10/14
砥峰高原のハイキングコースで、遊歩道脇で見かけたクロバナヒキオコシです。
最初、白い4弁花の花に見えたので、花として調べたのですが該当するものを見つけられませんでした。
花弁と思ったものがふっくらと丸いことや、茎が4稜形であることからシソ科の果実ではと調べ直しました。
その結果、ヒキオコシかクロバナヒキオコシのどちらかと分かり、花序の形状や果実の特徴から本種としました。
花があれば、花の色(ヒキオコシは淡紫色、クロバナは暗紫色)で判別できるのですが、花はありませんでした。
萼片は開き気味で、中の分果自体が白く、その先端の方に白い毛が生えているようです。
下段左は茎の写真で、茎が4稜形であること、茎の稜のみに細毛がびっしりと生えているのが分かります。
ちなみに、止まっているのはオカダアワフキというアワフキムシの成虫です。

ホトケノザ(Lamium amplexicaule)
<シソ目・シソ科・オドリコソウ亜科・オドリコソウ属>

2020/11/22                2020/11/21

2020/11/29                2020/11/29
シソ科オドリコソウ属の越年草で、在来種。道端や田畑の畦などによく見られる。
日本をはじめ、アジアやヨーロッパ、北アフリカなどに広く分布する。
日本では、北海道以外の本州、四国、九州、沖縄に広く自生する。
草丈は10〜30cmで、花期は3月〜6月。
葉は対生し、長さ2cm前後の丸みのある扇状で、鈍い鋸歯がある。
上部の葉腋に長さ2cm程の紅紫色の唇形花を多数付ける。
その中に、つぼみのまま結実する小さな閉鎖花が多数混じる。

※ 春の七草にある「ほとけのざ」は、本種とは別のコオニタビラコの事です。

2020/11/21,22,29
実家近くの川沿いを散歩中、土手の法面に咲くホトケノザを見つけました。
よく見ると、あちらこちらに小さな群落を造って、小さな紅紫色花を咲かせていました。
後日、まだ、ツボミしかない株もあることが分かり、それを撮ったのが下段の写真です。
葉や花の付き方などは、こちらの方が良く分かると思います。


2021/11/29
昨年見かけた場所は、見事に除草されていて、全く何もない状態になっていました。
そこから上流方向に歩いていると、法面の一角でホトケノザが群生しているのに出会いました。
群生しているので草丈は20cmを越えており、多くの花を付けていました。

ダンギク(Caryopteris incana)
<シソ目・シソ科・キランソウ亜科・カリガネソウ属>

シソ属カリガネソウ属の半常緑の多年草で、在来種。耐寒性は低い。
日本では、日本では九州に分布し、対馬に特に多い。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
江戸時代から園芸種として植栽され、花壇や鉢植えなどで親しまれている。
草丈は、1m前後になり、茎の基部は木質化して褐色になる。
葉は対生し、キクの葉に似た卵形で、裏面には毛が密集する。縁には粗い鋸歯がある。
花期は7〜9月で、上部の葉腋に芳香のある花を、数段、密に輪生する。
花冠は5裂し、その内の下唇中央の大きな1個は、裂片の先がさらに細かく裂ける。
4個のオシベやメシベは花冠から長く飛び出る。メシベの柱頭は2裂する。
花冠の色は、淡青色、淡紅紫色、白色の品種がある。

2021/10/17
実家の庭で、ダンギクが花を咲かせ始めました。花を見ればシソ科の花だと分かります。
ダンギクという名は、丸く咲く様子が菊に似ていて、節毎に何段も咲くのが名前の由来でしょうか。

クサギ(Clerodendrum trichotomum)
<シソ目・シソ科・キランソウ亜科・クサギ属>

2020/11/17

2020/8/14           2020/11/17           2020/11/17
シソ科クサギ属の落葉小高木で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州のに分布し、日当たりのよい原野などに生える。
樹高は4〜8mで、樹皮は灰色〜暗灰色。多数の皮目がある。
葉は対生し、長さ8〜15cmの三角状広卵形で、葉柄も含めると30cmほどにもなる。
葉は柔らかくて薄く、毛が密集する。裏面には腺点がある。
花期は7月〜9月で、集散花序に多数の白い花を付ける。萼は5残裂する。
筒部は紅紫色で、長さ20〜25oで細く、花冠は5裂して白い裂片は平開する。
その平開した花冠から、オシベとメシベはさらに突き出す。
10月〜11月に萼が濃紅色になり、直径6〜8mmの果実が藍色に熟す。
さらに熟すと果実は黒くなり、萼片は反り返って、果実が落果する。

2020/11/17
実家近くの川岸を散歩中、夏に見かけたクサギの紅葉が始まっていました。
クサギの紅葉というのは、あまり聞きませんが、黄色から赤色まで、様々な変化が見られました。
下段左の夏に見た若枝ですが、右のように黄色くなり始めたものや赤みを帯びたものがありました。


2021/8/31
花はすっかり咲き終わり、紅紫色の萼片の隙間から、淡黄緑色の若い果実が顔を覗かせていました。


2021/9/13          2021/9/13          2021/9/13

2021/9/13
若い果実は淡黄緑色ですが、熟すにつれて青味が強くなって、藍色になります。
そして、下段のように紅紫色の萼片が開いて、藍色の果実が顔を出し、花が開いたようになります。
この日、萼片が開いていたのは、上記の1個だけでしたが、これからどんどん開いてくるでしょう。


2021/10/2
実家近くの川沿いを散歩中、クサギの近くを通ったので様子を見てみました。
前回、見たときは1個だけが開いていましたが、今日は大半が開いていました。
白い花もそこそこ目立ちますが、目立つことでいうと、この果実の方が数倍目立ちます。

ムラサキサギゴケ(Mazus miquelii)
<シソ目・ハエドクソウ科・サギゴケ亜科・サギゴケ属>

ハエドクソウ科サギゴケ属の多年草で、耐湿性耐寒性が強い。
日本では、北海道南部から本州、四国、九州に分布し、海外では朝鮮半島から中国に分布する。
主に畦などの湿地で見られ、匍匐茎で繁殖する。葉は根際に群生し、茎葉は数枚が互生する。
葉は小さく楕円形をしており、葉柄は短く、翼がある。
花期は4月〜5月で、茎の上部に数個の濃紅紫色の唇型の花を付ける。
花冠は15〜20oほどで、上唇は2裂し、下唇は3裂する。
下唇の基部は白く、2条の隆起には黄褐色の斑点と、白い長毛がある。
オシベは4個あり、上下の唇に各々2個付き、メシベは1個で、柱頭は2裂する。

※ 以前、紫色のものをムラサキサギゴケ、白花をサギゴケとしていたが、最近は区別しないこともある。

2016/11/11
実家近くを散歩中、田んぼの畔で花を付けているのを見かけました。
最初、季節的なことからトキワハゼだろうと思っていました。
しかし、花の形や大きさが異なるので、調べ直した結果、ムラサキサギゴケと分かりました。
とはいえ、トキワハゼが11月位まで咲いているのに対して、花期は4月〜5月の春です。
環境は春先と似ているとはいえ、いわゆる狂い咲きということになりますね。


トキワハゼとサギゴケの花

トキワハゼも同じサギゴケ属なので、花は小ぶりですがそっくりの姿をしています。
シソ目にはよく似た花も少なくありません。よく似た咲き方の花を下段に並べてみました。

   .
2017/8/22<トキワハゼ>  2017/4/28<ムラサキサギゴケ>    2017/5/3<サギゴケ>
ムラサキサギゴケとサギゴケは、町田市の薬師池公園にあるハス田の畔で見かけたものです。
トキワハゼにもサギゴケと同じような白花があり、シロバナトキワハゼというそうですが、見たことはありません。

   .
2017/8/22<カキドオシ>    2017/4/28<ツタバウンラン>   2017/5/3<ウリクサ> .
カキドオシはシソ科カキドオシ属、ツタバウンランはオオバコ科ツタバウンラン属、ウリクサはアゼナ科アゼナ属です。
同じシソ目ですが、属する科は全て異なります。全て、唇形花(しんけいか)と呼ばれ、筒状の花冠が上下に分かれます。


キンモクセイ(Osmanthus fragrans var. aurantiacus)
<シソ目・モクセイ科・オリーブ連・モクセイ属>

モクセイ科モクセイ属の常緑小高木樹で、ギンモクセイの変種。
中国南部原産の帰化直物で、中国名は「丹桂」。
金桂(ウスギモクセイ)、銀桂(ギンモクセイ)も含め、「桂花」と呼ばれることもある。
雌雄異株であるが、日本には雄株しかなく、結実する事はないといわれている。
幹は淡褐色で、樹皮には細かい縦の割れ目が入る。
葉は対生し、長さ10p前後の楕円形で、先が尖る。縁は、前縁か葉先半分に細かい鋸歯がある。
花期は9月〜10月で、葉腋に集散花序をつけ、強い芳香のある花を多数つける。
苞は長さ3o前後の広卵形で、小花柄は長さ4〜10o。萼は長さ1o程。
花冠は、黄色〜橙色で、直径5o、長さ4o程で、筒部の長さは1mm前後。
オシベは2個は筒部の中程に付き、不完全雄しべも2個付く。

2023/10/17
実家の庭のキンモクセイですが、今年は暑さが長引いたためか開花が例年より遅かったようです。
そのキンモクセイが一斉に開花を始め、数日前から室内にいても芳香が感じられるようになりました。
実家の庭には大きなキンモクセイの木が2本あるので、外に出ると強烈に芳香を感じます。

ヒイラギ(Osmanthus heterophyllus)
<シソ目・モクセイ科・オリーブ連・モクセイ属>

モクセイ科モクセイ属の常緑小高木で、在来種。雌雄別株。
日本では、本州の関東以西、四国、九州、沖縄に分布する。海外では台湾に分布する。
樹高は4〜8mになり、幹は灰白色で、樹皮に細かい縦の割れ目が入る。
葉は対生し、葉身は3〜7cmの楕円形で、厚い革質で表面には濃緑色で光沢があり、葉裏は淡緑色。
若木の葉には大きな歯牙があり、先には鋭い刺がある。
老木になるにつれ、歯牙は減って、ついには全縁となる。
花期は11月〜12月で、葉腋に白色の花を束生し、よい香りがある。
花冠は直径5mm前後で4裂し、筒部は長さ1〜1.5mm、裂片は長さ1〜1.5mmで反り返る。オシベは2個。
雄花はメシベが小さく、結実しない。両性花はメシベが長く突き出ている。
果実は核果で、長さ12〜15mmの楕円体で、翌年の6月〜7月に黒紫色に熟す。

2017/11/17
実家の庭で、ヒイラギがたくさん花を付けていました。
この時期、近くにある同属のキンモクセイも花を付け、強烈は芳香を放つので、影が薄いですね。
でも、ヒイラギもキンモクセイには及びませんが、良い芳香があります。


2020/11/25
実家の門をくぐると、キンモクセイとは異なる芳香が香ってくるようになりました。
キンモクセイは既に終わっているし、香りも異なるので何だろうと思っていました。
ある日、ふと横を見ると、ヒイラギの白い花がたくさん咲いていることに気が付きました。
そう、ヒイラギの花が芳香を放っていたのです。それもかなり強い芳香です。
ヒイラギの花の芳香は、全く記憶になく、これほど強いとは思いませんでした。


モクセイ属の花

下記のモクセイ属の花は、どれも良い芳香があります。
その中でもキンモクセイの芳香が最も強く、他を圧倒しています。

       .
 <ヒイラギ>      <ギンモクセイ>      <キンモクセイ>


ミツバ(Cryptotaenia japonica subsp. japonica)
<セリ目・セリ科・セリ亜科・ミツバ属>

セリ科ミツバ属の多年草で、在来種。
国内では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島まで全国に分布している。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、サハリンに分布している。
草丈は30〜80cmで、茎は直立してよく分枝し、無毛である。
葉は互生し、3出複葉で葉柄が長く、30p以上になることもある。
葉柄の基部は縁が膜状になって茎を抱く。
小葉は、長さが3〜10cmの卵形で、無柄で先は尖る。
縁は重鋸歯で、葉表には皴があり、柔らかくて良い香りがある。
花期は6月〜8月で、枝先に複散形花序を出し、小花柄は少なくて不同長。
総苞、小総苞、萼はともに発達せず、小さい。
花はまばらに付き、花色は普通は白であるが、稀に淡紅紫色を帯びる。
花の直径は2o前後で、花弁は5個。オシベは5個で、メシベは1個で2裂する。
果実は2分果で、種子が1個ずつ入っている。果実は長さ4〜6mmの線状楕円形。

2020/11/5
実家の庭には、子供の頃からいろいろな野菜というか野草が生えていました。
その内の1つがミツバで、必要になる度に、庭を探して取ってきていました。
それが今でも、庭の目立たない所で生き延びていました。

トベラ(Pittosporum tobira)
<セリ目・トベラ科・トベラ属>

トベラ科トベラ属の常緑低木で、在来種。雌雄異株。
日本では、本州の東北地方南部から四国、九州にかけて海岸近くに自生している。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾の海岸部に自生する。
樹高は2〜8mで、葉は互生して主に枝の先に葉が集まって着く。
葉身は長さ5〜10cmの倒卵形で、革質で光沢があり、全縁。内に巻くように葉全体が反る。
花期は4月〜6月で、枝先に芳香のある5花弁の白花(時間が経つと黄色くなる)を多数付ける。
果実は熟すと3裂して赤い粘液をまとった種子が露出する。種子は粘液で果実に付着する。

2020/11/5
実家近くを散歩した際、道路脇の植え込みでトベラの果実を見かけました。
この辺りでは、シャリンバイとトベラが交互に植えられているようです。
果実は、若干黄色くなり始めていましたが、熟して裂開するのはもう少し先になるようです。

 
2020/11/29
実家近くを散歩中、トベラの植栽があったので見てみると、果実が割れていました。
以前見たときは、もっと黄色くなってからだったのですが、緑色の状態で割れていました。
割れた直後は、種子は鮮やかな赤色ですが、日が経つと右のように暗赤色に干からびてきます。


2021/2/1
実家近くで見かけたトベラの植栽ですが、久しぶりにそばを通ると全ての果実が割れていました。
そして、赤い種子は少し暗色になっていましたが、ほとんどは粘液で果皮に張り付いたままでした。


トベラの花と果実

     .
2013/5/21                2014/12/12
トベラの花と黄色く熟して裂開し、赤い種子が露出した果実です。
種子は粘液で覆われていて、果皮に付着しています。


カキノキ(Diospyros kaki Thunb. var kaki)
<ツツジ目・カキノキ科・カキノキ属>



カキノキ科カキノキ属の落葉高木で、原産地は中国、台湾、ミャンマー。
樹高は5〜15mで、幹は茶褐色で樹皮が不規則に細かく割れる。
葉は互生し、長さ7〜18cmの楕円形で、葉表は無毛で、葉裏には黄褐色の毛が全面にある。
葉先は尖り、基部も鋭形で、全縁。葉柄は1〜2cmで、ほぼ無毛。
花期は5月〜6月で、秋の10月〜11月が果期になる。
雌雄同株であるが、栽培品種の中には雌花のみが咲くものもある。
雄花は、集散花序に3〜5個付き、花冠は長さ6〜9mmの白色。オシベは16〜24個で、萼が小さい。
雌花は単生し、花冠は長さ9〜16mmの黄白色。柱頭は4裂し、子房は無毛。萼が大きい。
野生種のヤマガキは、在来種かどうかは不明で、中国原産とする説もある。
栽培品種の台木に利用されるが、葉も実も栽培品種より一回りも二回りも小さい。
果実はタンニンを多く含み、柿渋は防腐剤として用いられる。
多くの栽培品種は甘柿で、渋柿を食用に加工するのは日本くらいだと言われている。

2020/11/5
実家の庭のカキノキが日毎に色付いてきて、この2週間ほどですっかり紅葉してしまいました。
その紅葉した葉が、毎日のように落葉してくるので、落ち葉の掃除に追われています。
その紅葉した葉ですが、反射光で撮ると左のように赤いですが、透過光だと右のように橙色になります。

モチツツジ(Rhododendron macrosepalum)
<ツツジ目・ツツジ科・ツツジ亜科・ツツジ属・ツツジ亜属・ヤマツツジ節・モチツツジ列>

ツツジ科ツツジ属の半常緑低木で、在来種。
日本では、本州の静岡県・山梨県〜岡山県、四国に分布する。
樹高は1〜2mで樹皮は灰褐色で平滑。葉は互生して、枝先に集まって付く。
春葉は、長さ4〜8pの楕円形〜卵形で、両面に毛が生え、腺毛がある。
春葉は、秋には橙色〜赤黒紫色に紅葉し、落葉する。
夏葉は、長さ3〜5cmの狭楕円形で、開出毛が密生し、冬を越す。
葉柄は長さ3〜8mmで、長毛がある。
花期は4〜6月であるが、散発的に花期以外でも咲いているのが見られる。
花は葉の展開と同時に枝先に2〜5個付き、直径3.5〜6cmの淡紅紫色(稀に紅紫色)。
花は5中裂し、上側の裂片に赤色の斑点がある。
オシベは通常は5本であるが、稀に6〜10本のものも見られる。花糸には短毛がある。
花柄は長さ1.5〜2cmで、長い腺毛が密生して粘る。子房にも腺毛が密生する。
萼は緑色で5深裂し、萼片は長さ2〜4cmの披針形で、長い腺毛が密生する。
萼や柄、葉などに多くの腺毛があって粘着性があり、ここに多くの昆虫が捕らえられる。
これは花粉媒介者以外の昆虫を捕らえて、花が食害されるのを防ぐために発達したらしい。
この腺毛を除去する実験をすると、花は見る影もないくらいに食害されたとのこと。
なお、この捕らえられた昆虫を餌とするモチツツジカスミカメやサシガメ類がいる。

2022/10/11
網引湿原第3湿原の奥の方を周っているとき、樹の陰で咲いているモチツツジを見つけました。
本来の花期は春から初夏にかけてなのですが、花期以外でも散発的に咲くそうです。
咲いているのは、この樹もこの1枝だけでした。

モッコク(Ternstroemia gymnanthera)
<ツツジ目・モッコク科・モッコク連・モッコク属>

2020/11/16

2020/11/17                  2020/11/17
モッコク科モッコク属の常緑高木で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島まで、海岸近くに自生する。
海外では、台湾、朝鮮半島南部から中国、東南アジア、インドまでの暖地に分布する。
樹高は10〜15mで、樹皮は平滑な暗灰色〜黒灰色にゴマ状の小さい皮目がある。
葉は互生し、枝先に集まって付き、葉身は長さ4〜7cmの楕円状卵形。
葉先は鈍頭で、基部は楔形、縁は全縁。厚い革質で光沢があり、両面無毛。
葉柄は長さ3〜6mmで、十分に陽が当る所では赤みを帯びる。
花期は6月〜7月で、両性花を付ける株と雄花のみを付ける株がある。
葉腋に直径2cm前後の花を下向きに単生し、雄花はメシベが退化してオシベが3列に多数付く。
両性花は1個のメシベの周りにオシベが1列に付く。
花は白い5花弁で、萼片も5個。花柄は長さが1〜2cm。
果実は刮ハで、直径は直径10〜15mmの球形。秋に赤く熟し、果皮が不規則に裂開する。
種子は長さが7mm前後の倒卵形で、橙赤色。仮種皮はない。

2020/11/16,17
実家の庭に植えられているモッコクですが、落葉する葉がきれいに紅葉していました。
常緑樹ですので、秋だから紅葉するということではなく、古い葉は順次落葉していきます。
ですので、紅葉した葉がパラパラと見られる程度ですが、その真紅の葉が目を引きます。

クコ(Lycium chinense)
<ナス目・ナス科・クコ属>

2020/11/21                 2020/11/21

2020/11/22

2020/11/22                 2020/11/22
ナス科クコ属の落葉低木で、中国原産の帰化植物。
日本以外にも、台湾、朝鮮半島、北アメリカにも移入されて分布が広がっている。
枝は長さ1m以上、太さは数mm〜1cmほどで、細くしなやかである。
地上部は束状で、上向きに多くの枝が伸びる。
枝には2〜5cm程度の葉と1〜2cm程度の棘が互生するが、枝分かれは少ない。
垂直方向以外に地上にも匍匐茎を伸ばし、同様の株を次々と作って繁茂する。
開花期は夏〜初秋で、直径1cmほどの小さな薄紫色の花が咲く。
果実は長径10〜15mmほどの楕円形で、赤く熟す。
一旦定着すると匍匐茎を伸ばして増え続け、数年後にはまとまった群落となることが多い。
果実は酒に漬けこんでクコ酒にする他、生食やドライフルーツでも利用される。
薬膳として粥の具にもされる。また、柔らかい若葉も食用にされる。

2020/11/21,22
実家近くの川沿いを散歩中、道路脇でクコが花を付けているのに気が付きました。
他の草に紛れていたので分かりずらかったのですが、手前に花を付けていたので気が付きました。
翌日、別件で河川敷に下りたのですが、その時に撮ったのが下の写真です。
下から見ると、かなり大きな株だったようで、たくさんの枝を出していました。
花もいくつか咲いていましたが、赤く熟した果実や未熟な緑の果実も見られました。

ヒロハフウリンホオズキ(Physalis angulata L. var. angulata)
<ナス目・ナス科・ホオズキ属>


ナス科・ホオズキ属の1年草で、北アメリカ、熱帯アメリカが原産地の帰化植物。
日本ではほぼ全国に分布しており、海外でもアジア、アフリカ、ヨーロッパ、オセアニアなどに移入。
草丈は20〜100cmで、茎は直立し、よく分枝し、枝を横に広げる。稜があって軟毛が散生する。
葉は互生し、葉身は長さ4〜10cmの卵形で、先が尖り、不規則な鋸歯がある。
花期は8月〜10月で、葉腋に直径1cm前後で、淡黄色の花を横向き〜やや上向きに単生する。
花冠は5角形で、普通、斑紋はないが、花冠の奥が褐色(濃さには個体差がある)を帯びることがある。
オシベは5個で、青色〜紫色の葯は長さが2o前後ある。
花柄は花時に5〜15mmであるが、果時には20mmほどに伸びる。
花時には萼は長さ4〜5mmであるが、花後に袋状に大きく成長し、果実を包み込む。
袋状に育った萼(宿存萼)は、最初緑色であるが、徐々に脈が紫褐色を帯び、熟すと全体が紫褐色になる。
この宿存萼には10稜があり、長さは20〜35mm、幅は15〜25oになる。
中の液果は直径8〜14mmの球形で、未熟なものは緑色をしているが、熟すと淡褐色になる。
よく似た下記とは、花色や果時の萼の色などで識別できる。
ホソバフウリンホオズキ:花が淡黄白色で、葉が細く、粗い鋸歯がある
センナリホオズキ:花は淡黄色で、中心部に黒紫色の斑紋がある
 袋状に育った萼は熟すと薄茶色になり、果実は黄褐色になる

2023/10/31
県道43号線沿いのコスモス畑に立ち寄った際、道路際でヒロハフウリンホオズキが花を付けていました。
今年は暑い日が続いたこともあってか、まだ、元気に花を咲かせているようです。
袋状の萼(宿存萼)は、脈が明瞭な紫色を帯びて、熟し始めているようです。
この個体の花には褐色の斑紋が見られないので、これが一般的な花のようです。
以前、網引湿原の近くで見たものは、花冠の奥に褐色の斑紋(下記参照)が見られましたし、
Webで検索して出てくるヒロハフウリンホオズキの花は、褐色の斑紋があるものが多数派でした。
そのため、最初はホソバフウリンホオズキかと思ったのですが、葉幅が広く、花柄が短すぎます。
両種の特徴を持つアイフウリンホウズキというのもあるようですが、花柄が短すぎます。
これらの点から、ヒロハフウリンホオズキであろうと判断しました。


ヒロハフウリンホオズキの花

   .
2022/8/27                 2023/10/31
左が網引湿原の近くで見かけたヒロハフウリンホウズキの花で、褐色の斑紋が明瞭です。
右が今回見かけた花で、いく分濃色の部分が見られますが、明瞭な斑紋は見られません。
どちらも袋状の萼(宿存萼)の脈は、紫色を帯びていて、花柄も果柄も長くありません。


アメリカネナシカズラ(Cuscuta campestris)
<ナス目・ヒルガオ科・ネナシカズラ亜科・ネナシカズラ属>




ヒルガオ科ネナシカズラ属に分類される一年草のつる性寄生植物で、北アメリカが原産地。
1970年頃に、多摩川の府中市付近で初めて確認され、その後、全国に拡大した。
現在、日本では北海道から本州、四国、九州とほぼ全国に分布する。
海外では、ヨーロッパ、アジア、ロシア、オーストラリアに移入分布している。
茎は直径1mm前後と細く、淡黄色〜淡黄赤色で、宿主に左巻きで巻き付く。
葉は退化して微小な鱗片状でまばらに付き、葉緑素はない。
花期は7月〜10月で、花序は短く、花柄は1mm前後、白い小花を数個束生する。
花冠は長さ3mm前後で5裂し、裂片はほぼ三角形で、花期には平開する。
花冠裂片の接合部の内側に、縁が房状の1mm前後の膜質の鱗片がある。
オシベ5個は花冠裂片の基部で合着し、花時には直立して花冠より突き出す。
花柱2個は離生する。萼も白色で、先が5浅裂し、裂片の先は丸い。
果実は、直径2〜3mmの球形の塑果で、花冠から大きくはみ出す。
果時にも花柱、花冠、萼は残り、熟すと不規則に裂開する。
発芽直後は根がある。茎が数cmになると根元から枯れ始め、茎先は成長を続ける。
茎が宿主に触れると締め付けるように巻き付き、寄生根を出して宿主から水や養分を吸収する。
なお、発芽後、3週間くらいまでに宿主に寄生できない場合、枯れてしまう。

ネナシカズラ
花冠は4mm前後、花柱は1個、オシベは花冠より短い、
蔓は紫褐色、刮ハは卵形
ハマネナシカズラ
花冠は2.5mm前後、花柱は2個、オシベは花冠より短い、
蔓は赤褐色、刮ハは扁球形で花冠より短い
アメリカネナシカズラ
花冠は3mm前後で、5裂した裂片は3角形で先が尖る
花時に花冠裂片は平開し、その接合部に房状の約1mmの鱗片がある
オシベは直立して花冠より突き出し、花柱は2個
蔓は淡黄色〜淡黄赤色、刮ハは球形で花冠より長い
マメダオシ
花冠は2mm前後、5裂した裂片は卵形で先が丸い
花時には裂片は直立し、裂片の接合部に鱗片はない
オシベ5個は花冠と同長か少し短い、花柱は2個
蔓は淡黄色、刮ハは球形で花冠より長い

2021/9/18
実家近くの川沿いを散歩中、キタキチョウを撮っていて、近くに小さな花を見つけました。
ネナシカズラのようにハマヒルガオに絡みついて、たくさんの花を咲かせています。
ただ、ネナシカズラより茎が半分ほどの太さしかなく、花の形もかなり異なっています。
全体に黄色く感じたので、思い当たったのはアメリカネナシカズラでした。
調べてみると、よく似たマメダオシがあり、違いは花時に花冠が直立するか、平開するか。
また、花冠の裂片が3角形で尖っているか、卵形で丸みがあるか。
その時にオシベが花冠より長く飛び出すか、同長以下かといった点だとのこと。
この個体はどうかというと、裂片は尖った3角形も丸みのある卵形も見られ、
花時の裂片は、どちらかというと直立か少し開いた程度で、平開したり反曲したものは見られず、
計ってはいませんが、写真(中段右)を見る限り、オシベは花冠とほぼ同長と思われます。
下段の写真は、中段の写真の一部を部分拡大したものです。
この写真をよく見ると、花被裂片の接合部内側、オシベの下部に先が房状になった鱗片があります。
右の写真では、オシベの花糸の所から細い髭のようなものが、子房を包むように出ています。
左の写真では、子房が大きくなっていますが、オシベの花糸の基部に髭のようなものが見られます。
マメダオシにはこのような鱗片はないそうなので、アメリカネナシカズラに確定です。


2021/10/2
実家近くの川沿いで見かけたアメリカネナシカズラの様子を見に行ってみました。
未熟な果実ばかりだったアメリカネナシカズラですが、熟して不規則に裂開したものもありました。




2021/11/12
久しぶりにアメリカネナシカズラの近くを通ったので、様子を見てみました。
まだ、花は若干残っていましたが、大半が褐色に熟した果実でした。ただ、裂開したものは少数でした。
完熟でない果実には花柱が2本アンテナのように出ていますが、完熟した果実では多くは取れています。

ネナシカズラ(Cuscuta japonica)
<ナス目・ヒルガオ科・ネナシカズラ属>



ヒルガオ科・ネナシカズラ属に分類される一年草のつる性寄生植物で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島と全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、ロシア、ベトナムに分布する。
茎は直径1〜2mmの針金状で、淡黄色〜紫色を帯び、紫色の斑点がある。
葉は互生し、退化して長さ2mm以下の三角形の鱗片状で、葉緑素はない。
花期は8月〜10月で、長さ3cm以下の短い穂状花序を出し、小花を多数付ける。
花冠は白色の鐘形で、長さは3〜5mm。先は5裂し、裂片の先は尖る。
オシベ5個は花冠の喉部に付き、花糸は極短い。葯は黄色い。
花柱は合着して、長さ1.5mmほど。柱頭は2裂して円錐形をしている。
萼は白色で、基部まで5裂して、先は鈍頭。果時にも残り、しだいに落ちる。
刮ハは長さ4〜5mmの楕円形で、はじめ花冠を被っているが、後に脱落する。
熟すと褐色〜赤紫色を帯びるが、熟す前の色には、白色タイプと緑色タイプがある。
熟すと下部が横に裂け、中には長さ3〜4mmの種子が1〜4個入っている。
発芽直後は土に根を張り、茎を伸ばして茎先を旋回させながら宿主を探す。
茎が宿主(種類は多い)に触れると締め付けるように巻き付き、寄生根を出す。
寄生根を出して宿主から水や養分を吸収するようになると、地中の根は枯れる。
なお、発芽後、数日以内に宿主に寄生できない場合、枯れてしまう。

2020/11/29
実家近くの川沿いを散歩中、法面に生えるクサギにアケビと何かが絡みついていました。
特に、何かのツルは半端ではない量が絡みつき、隙間もないくらいに上部を覆っていました。
葉はないかと探してみたのですが、葉らしきものはなく、それにも関わらず花が咲いています。
花と果実の写真から探せるか不安でしたが、意外と早くアメリカネナシカズラが見つかりました。
さらに調べると、アメリカネナシカズラはオシベが花冠から突き出しており、その点が合いません。
同属にネナシカズラ、マメダオシ、ハマネナシカズラ、クシロネナシカズラがありますが、
クシロネナシカズラは分布域が北海道のみなので、対象からは外れます。
マメダオシはやや細めの茎が黄色で、花時に花冠裂片が反り返らず、
ハマネナシカズラの茎は細くて淡黄色、花冠裂片は反り返らず、萼の中央が大きく隆起します。
本種は、花冠の裂片が反り返っており、萼の中央は盛り上がっていません。
茎には紫色の斑点が見られ、これらの点からネナシカズラと判断しました。


2021/9/6                  2021/9/6
 
      2021/8/31           2021/8/31       2021/9/7
昨年はネナシカズラに気づいたのが晩秋で、大量の花と果実が付いていました。
その若い頃の様子はどうかと見に行くと、昨年より川下側に倍くらいに広がっていました。
上段左が昨年に見られた場所で、同じように蔓を周りの樹に絡めて広がっています。
上段右は今年になって見られた川下側の繁殖場所で、蔓い色が黄色っぽいようです。
この辺りには樹木はないので、おそらく草本類に寄生して広がっているのでしょう。
下段は一部を拡大したもので、葉腋?から大量の花序を立ち上げていました。
下段右端は、中央の写真の1週間ほど後の様子で、ツボミが多少膨らんできているようです。


2021/9/13
実家近くの川沿いを散歩中、ネナシカズラの花が咲いているのに気が付きました。
この1週間弱の間に一気に開花が始まったようです。


2021/10/2
実家近くの川沿いにあるネナシカズラの大群落、その後の様子を見に行ってみました。
前回は緑色が目立った花序ですが、多くが花が終わって、淡褐色になっていました。
遠目で見ても、上記のように褐色味が強くなっており、部分的には枯れた所も見られます。



2021/11/15
ネナシカズラの大群落、まだ、少し花は残っていましたが、多くは果実になっていました。
樹や草を覆い隠している蔓は、半分ほどは上段右のように枯れていました。
元気な蔓も多少は残っていて、下段左のように、花を付け、新しい果実も出来ていました。
しかし、多くは下段中央のように赤く熟しているか、過熟して皺のある褐色の果実になっていました。
そのため、上段右のように枯れているように見えたり、左のように入り混じっていたりします。

アサガオ( Ipomoea nil)
<ナス目・ヒルガオ科・ヒルガオ亜科・Ipomoeeae連・サツマイモ属>

ヒルガオ科サツマイモ属のつる性1年草で、帰化植物。
原産地に関しては、インドからヒマラヤにかけての地域、熱帯アジア、熱帯アメリカと諸説ある。
日本へは、奈良時代末期に遣唐使によって、薬として種子がもたらされたとされている。
また、渡来したのは奈良時代末期ではなく、平安時代であるとする説もある。
薬用として渡来したアサガオであるが、江戸時代になって観賞用として普及が進んだ。
変異が著しく、世界的に見ても、これほど形態が多種多様に変化した園芸植物は他にはない。
花色も白、紅色、ピンク、紫、濃紺、浅黄色から、茶色、灰色など特異な花色も見られる。
特に、黄色と黒色のアサガオは、「幻の朝顔」と呼ばれている。
近年は遺伝子組み換えによって、黄色いアサガオや黒いアサガオの育種が行われている。
また、静岡大学名誉教授の米田芳秋による複数交配によって生み出された、曜白朝顔も普及している。

草丈は、他物に上から見て左巻きで絡みつき、長さ2〜5mになる。茎には後ろ向きの粗毛がある。
葉は互生し、葉柄は長さ2〜15cm、葉身は長さ4〜15cmの広卵形で、全縁か3〜5裂し、基部は心形。
花期は7月〜9月で、葉腋に葉柄よりやや短い花柄を出し、直径7cm前後のロート形の花を数個つける。
苞は長さ5〜8mmの線形で微細剛毛が開出し、萼片は長さ1〜2.5cmの披針形で、外側に剛毛が開出する。
花冠は長さ5〜6cm、直径7cm前後、オシベは花冠より突き出ず、不等長。
メシベも突き出ず、柱頭は3裂する。子房は無毛で3室。刮ハは直径8〜10mmの扁球形で、種子は黒色。

当初、種子は薬用として持ち込まれ、「牽牛子」と呼ばれる生薬で、日本薬局方にも収録されている。
粉末にして下剤や利尿剤として薬用にするが、煎じても薬効はない。
種子は毒性が強く、煮ても焼いても毒性が強く、素人判断による服用は危険である。

南米原産のソライロアサガオやマルバアサガオは「西洋朝顔」と呼ばれ、これらの育種も進んでいる。
江戸時代以降に育種が進み、多種多様な品種が生まれているが、これらはまとめて「日本朝顔」と呼ばれる。
この日本朝顔と西洋朝顔の違いは葉にあり、日本朝顔は葉に毛があり、西洋朝顔には毛がない。
また、日本朝顔の花にピークが7月頃なのに対して、西洋朝顔は8月後半から咲き出すものが多い。
日本朝顔はあまり蔓が伸びないのに対して、西洋朝顔は旺盛に伸びる特徴もある。

2020/11/9
実家近くを散歩した際、線路脇の草地で白い花を咲かせているアサガオを見かけました。
葉の表面に毛が生えていましたので、日本朝顔と思われます。

ホシアサガオ(Ipomoea triloba L.)
<ナス目・ヒルガオ科・ヒルガオ亜科・Ipomoeeae連・サツマイモ属>



ヒルガオ科サツマイモ属のつる性1年草で、南アメリカ原産の帰化植物。
日本には、第2次世界大戦後に侵入し、帰化している。
現在では、本州の関東以西から四国、九州の道ばたなどにやや普通に見られる。
茎はよく分岐しながら蔓を伸ばし、他物に巻き付いて長さ数mになる。
葉は互生して、長さ2.5〜7cmの卵形〜長卵形で、3裂するものが多いが、変化も多い。
花期は7月〜9月で、葉腋から花茎を出し、直径15〜20mmの淡紫色の花を1〜7個付ける。
花冠は細い鐘形で、先が開くが平開はしない。上から見ると5角形で中心部が濃色になる。
小花柄にはイボ状の低い突起があり、萼片は長さ5〜8mmで先が尖る。
オシベは5個で花糸は白色、葯も花粉は白色。メシベは1個で、柱頭は丸みのある拳状。
果実はほぼ球形で直径1cm弱の刮ハ。上部に長い毛があり、熟しても萼は平開しない。
なお、淡紅色のベニバナマメアサガオに似るが、花の中心が濃色にならない点で区別できる。

2021/9/19
実家近くの川沿いを散歩中、赤く萎れかけた朝顔を見かけました。
萎れかけのアメリカアサガオかと思ったのですが、それにしては小さすぎます。
近づいてよく見ると、まだ、萎れていない花もあり、マメアサガオに近い大きさです。
ベニバナマメアサガオという赤い花の品種があったのを思い出し、取り合えず写真を撮りました。
後で調べていて、花の中心が濃色なのはホシアサガオと分かりました。
土手の反対側には、マメアサガオとアメリカアサガオが咲いており、3種類が棲み分けています。



2021/10/2
実家近くの川沿いを散歩中、ホシアサガオが咲いていた所を通りました。
前回見たときよりも花数は倍以上に増え、一体を覆って咲き誇っていました。
道路標識が良く見えないくらいに標識にも絡み付いて、花を付けています。
花が咲き始めてから時間が経っているので、未熟ですが果実も出来ていました。


2021/11/12
ホシアサガオは、すっかり花期を過ぎて長い花茎の先にたくさんの熟した果実を付けていました。
道路標識に巻き付いていたホシアサガオも、ほとんど葉が落ちて果実のみになっていました。


2023/10/31
県道43号線沿いのコスモス畑に立ち寄った際、道路際で花を付けているホシアサガオを見つけました。
今年は暑い日が続いたこともあってか、まだ、元気に花を咲かせているようです。

マメアサガオ(Ipomoea lacunosa)
<ナス目・ヒルガオ科・ヒルガオ亜科・Ipomoeeae連・サツマイモ属>

ヒルガオ科サツマイモ属のつる性1年草で、北アメリカ原産の帰化植物。
日本では、1955年に東京近郊で発見されたのが最初とされる。
現在では、本州の関東以西から四国、九州の道ばたなどにやや普通に見られる。
茎は4稜で赤味を帯びて毛が多く、分岐しながら蔓を伸ばす。
蔓は地を這い、他物に上から見て左巻きで巻き付いて長さ2〜5mになる。
葉は互生して、長さ5〜10cmの卵形〜長卵形で、2〜3裂するものもあり、先は尖る。
花期は7月〜10月で、葉腋から花茎を出し、直径15mm前後の淡紫色〜白色の花を1〜2個付ける。
なお、花色が淡紅色になるものがあり、ベニバナマメアサガオと区別することがある。
花柄にはイボ状の突起が密生し、稜がある。花はロート状で、先端は5浅裂して尖る。
オシベは5個で、花糸は白色、葯は紫色で花粉は白色。メシベは1個で、柱頭は丸みのある拳状。
果実は直径1cm弱で、先が尖った扁球形の刮ハで、上向きに付く。

2021/9/7
実家近くの川沿いを散歩中、漁港の外れで白い花を付けているマメアサガオに気が付きました。
花の咲き方から見て、かなり前から咲いていたものと思われますが、気付いていませんでした。


2021/9/19
実家近くの川沿いを散歩中に見かけたホシアサガオ、その土手の反対側で咲いていました。
このマメアサガオが咲いていたのが、ホシアサガオではなくベニバナマメアサガオを連想させた要因です。
なお、後ろに見えている赤紫色の花は、ホシアサガオではなくアレチヌスビトハギです。


2021/10/2
実家近くの川沿いを散歩中、マメアサガオの咲いていたところに寄るとほぼ咲き終わっていました。
花があった辺りには、多くの果実があり、成熟して茶色くなっていました。


2021/11/12
周囲の雑草が枯れて、マメアサガオの果実が目に付くようになると、その数に圧倒されます。
全てが発芽するのかどうか分かりませんが、繁殖力の強さを物語っています。

アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea var. integriuscula)
<ナス目・ヒルガオ科・ヒルガオ亜科・Ipomoeeae連・サツマイモ属>

ヒルガオ科サツマイモ属のつる性1年草で、熱帯アメリカ原産の帰化植物。
日本には、第二次世界大戦後に輸入穀物に混入して移入したと考えられている。
現在は、北海道、本州の一部、四国、九州の一部、琉球列島に分布している。
茎はよく分枝し、他物に上から見て左巻きで巻き付いて長さ2〜5mになる。
葉は互生して、長さ7〜10cmの心形で先が尖り、長い柄があり、両面とも有毛である。
なお、本種は葉が3〜5裂するアメリカアサガオの変種とされている。
花期は8月〜10月で、葉腋から短い柄の花序を出し、直径3cm前後のロート形の花を付ける。
花冠は5浅裂し、花色は赤紫色〜紫色〜淡青色〜白色で、花筒の奥は白色である。
萼は、線形に5深裂して淡褐色の長毛が密生する。裂片は長く、先端部分は軽く反る。
萼のすぐ下に多肉の苞葉が対生し、萼同様に薄茶色の長毛が密集する。
オシベは5個で、花糸は白色、葯も花粉も白色。メシベは1個で、柱頭は丸みのある拳状。
花は、早朝に開花し、午前中にはしぼんでしまう1日花である。
果実は直径1cm前後で、先が尖った扁球形の刮ハで、上向きに付く。

2021/9/19
ホシアサガオが咲いている所から少し下流、土手の反対側にアメリカアサガオが咲いていました。
ここから数百m上流の土手には、マルバアメリカアサガオが咲いています。


2021/10/2
実家近くの川沿いを散歩中、アメリカアサガオの咲いていた所に立ち寄りました。
花数は多少減ってはいましたが、まだ、元気に花を咲かせていました。
その傍らには果実が出来ており、未熟なものから、熟して褐色になったものまでありました。


2021/11/15
アメリカアサガオもすっかり花は咲き終わり、たくさんの熟した果実が付いていました。
熟した果実の中には、果皮の割れ目が入って裂開しそうなものも見られました。

マルバアメリカアサガオ(Ipomoea hederacea var. integriuscula)
<ナス目・ヒルガオ科・ヒルガオ亜科・Ipomoeeae連・サツマイモ属>

ヒルガオ科サツマイモ属のつる性1年草で、熱帯アメリカ原産の帰化植物。
日本には、第二次世界大戦後に輸入穀物に混入して移入したと考えられている。
現在は、北海道、本州の一部、四国、九州の一部、琉球列島に分布している。
茎はよく分枝し、他物に上から見て左巻きで巻き付いて長さ2〜5mになる。
葉は互生して、長さ7〜10cmの心形で先が尖り、長い柄があり、両面とも有毛である。
なお、本種は葉が3〜5裂するアメリカアサガオの変種とされている。
花期は8月〜10月で、葉腋から短い柄の花序を出し、直径3cm前後のロート形の花を付ける。
花冠は5浅裂し、花色は赤紫色〜紫色〜淡青色〜白色で、花筒の奥は白色である。
萼は、線形に5深裂して淡褐色の長毛が密生する。裂片は長く、先端部分は軽く反る。
萼のすぐ下に多肉の苞葉が対生し、萼同様に薄茶色の長毛が密集する。
オシベは5個で、花糸は白色、葯も花粉も白色。メシベは1個で、柱頭は丸みのある拳状。
花は、早朝に開花し、午前中にはしぼんでしまう1日花である。
果実は直径1cm前後で、先が尖った扁球形の刮ハで、上向きに付く。

2021/9/7
いつもより上流の土手を散歩中、マルバアメリカアサガオが咲いているのに気が付きました。
2日前に、実家の庭で関東から持ち込んだものを慌てて除草したのですが、既に自生していました。
アメリカアサガオを見かけた所から、数百m上流の土手の草むらで、点々と咲いていました。

ルコウソウ(Ipomoea quamoclit)
<ナス目・ヒルガオ科・ヒルガオ亜科・Ipomoeeae連・サツマイモ属>

ヒルガオ科サツマイモ属の非耐寒性つる性多年草で、熱帯アメリカが原産地。
そのため、気温の低い冬になると枯れてしまい、園芸品としては1年草として扱われる。
日本では、本州中部以西の比較的暖かい所では、逸出して野生化したものが見られる。
茎には4稜がありよく分枝する。草丈は他に絡みついて0.5〜3mになり、横にも広がる。
葉は無柄で互生し、長さ5〜9cmの長楕円形で、細く、羽状に深裂して、裂片は糸状になる。
花期は8月〜10月で、葉腋から花柄を出して直径2cm前後のロート状の星型の花を咲かせる。
花色は、白、赤、ピンクなどがあり、萼は5個で、オシベ5個とメシベは1個は花冠より突き出す。
近縁種には、葉が丸いマルバルコウ、マルバルコウとの交配種であるハゴロモルコウなどがある。

2021/9/7
実家近くの民家の垣根に絡みついて、ルコウソウが赤い花を咲かせていました。
実家近くでは、子供の頃からルコウソウしか見た記憶がありません。
一方、自宅近くで見かけるのはマルバルコウばかりで、ルコウソウは見たことがありません。
両地区とも両種の自生可能な範囲なので、探せばどこかで見られるとは思うのですが....


2021/11/15
ルコウソウも花はすっかり終わっていましたが、まだ、若い葉は展開させていました。
また、花の代わりにモンゴルの防止のような果実がたくさん付いていました。
果実の中には、熟して褐色になったものや、裂開して種子がこぼれているものもありました。


ルコウソウとマルバルコウ

   .
2020/10/7<ルコウソウ>
   .
2021/9/7<マルバルコウ>
ルコウソウは鮮烈な赤ですが、マルバルコウはオレンジ色がかった赤で、花芯は黄色です。
また、花の形状はルコウソウは星形で、マルバルコウは正五角形をしています。
葉の形は全く異なり、ルコウソウは羽状に深裂していますが、マルバルコウは全縁です。


クルマバザクロソウ(Mollugo verticillata)
<ナデシコ目・ザクロソウ科・クルマバザクロソウ属>

ザクロソウ科クルマバザクロソウ属の1年草で、原産地は南北アメリカ。
江戸時代末期に渡来したもので、日本では本州から四国、九州に分布し、道ばたや畑の縁に普通に生える。
草丈は10〜25cmで、茎は丸く、基部でよく分枝して斜上する。
葉は4〜7個が偽輪生(輪生に見える互生)し、根生葉は長さ15〜25oでロゼット状になる。
茎葉は、下部の葉ほど幅が広く、長さ10〜30mm、幅1.5〜4mmの倒披針形で、円頭または鈍頭。
花期は7月〜10月で、直径4mm前後の花を葉腋に散形状に3〜5個付け、小花柄は長さ2〜5mm。
花弁はなく、3脈がある白緑色の花被片5個(まれに4個)は、長さ2〜3mmの長楕円形で鈍頭。縁は膜質。
オシベは普通3個(2〜5個)で、花柱も3個ある。果実は刮ハで、長さ3〜4oの楕円形。
種子は長さ0.5mm前後の腎形で、光沢のある赤褐色。
よく似たザクロソウは茎に峰があり、花は集散花序に付き、果実は球形で、花被片には1脈がある。

2021/9/7
昨日撮影したザクロソウですが、300mmズームでの撮影で不鮮明だったので、撮り直しに行きました。
昨日撮影した辺りで、白い小花を見つけ、100mmマクロで撮り直しました。
昨日撮影したザクロソウとは何か違う気がしたのですが、周囲にあったのはこの花のみでした。
帰宅後、昨日の写真と見比べると花の付き方が異なりますので、調べ直しました。
その結果、今日、撮影したのはザクロソウではなく、クルマバザクロソウと判明しました。
同じ場所で、両種が混在して咲いていたようです。

ザクロソウ(Mollugo pentaphylla)
<ナデシコ目・ザクロソウ科・ザクロソウ属>

ザクロソウ科ザクロソウ属の1年草で、道ばたや畑の縁に普通に生える在来種。
日本では、本州から四国、九州に分布する。海外ではアジアの熱帯、亜熱帯に分布する。
草丈は10〜25cmほどで、茎は4綾があり、よく分枝して斜上する。
葉は、長さ1〜4cmの披針形で、下部では3〜5個が偽輪生し、上部では時に対生し小さい。
花期は7月〜10月で、茎頂や葉腋に集散花序を出し、花柄は細長く、小花柄は2〜4mm。
花は直径3o程で、楕円形で白緑色の花被片5個には1脈がある。
花被片は長さ2mm前後で不揃い。オシベは3個、メシベが1個ある。
刮ハは直径2mmほどの球形で、種子は長さ0.5mmほどの腎形。赤褐色で艶があり、微細な突起がある。
よく似たクルマバザクロソウは茎が丸く、花が葉腋に固まって散形状に付く。
また、果実は楕円形で、花被片には3脈がある。

2021/9/7
実家近くの川沿いを散歩した帰り道、道路脇で小さな花を見つけました。
以前、花の形や大きさから、新潟へ行ったときに見かけたザクロソウと思われました。
帰宅後に確認すると、花期のピークは過ぎているようですが、間違いないと判断しました。


ザクロソウとクルマバザクロソウ

   .
2021/9/19<ザクロソウ>
   .
2021/9/19<クルマバザクロソウ>
最初に見かけたのがザクロソウで、撮り直しに行って撮影したのがクルマバザクロソウでした。
この似た2種が並んで咲いていて、これらが同じに見えたため、同じものだと思って撮った結果でした。
しかし、この2種、じっくりと観察すると違いが見えてきました。
1つは花の形で、クルマバザクロソウは花被片が同じ大きさなのに、ザクロソウは大きさが不揃いです。
花の大きさもザクロソウが一回り小さいようですが、花自体が小さいので、見た目では分かりません。
これも分かりにくいのですが、クルマバザクロソウの花被片には3脈があり、ザクロソウは1脈です。
もう1つは花の付き方で、ザクロソウは集散花序にバラバラと花が付きます。
一方、クルマバザクロソウは葉腋に散形状に花を固めて付けます。


イタドリ(Fallopia japonica)
<ナデシコ目・タデ科・タデ亜科・イタドリ属>

タデ科イタドリ属の多年草で、スカンポなどの別名を持つ。
北海道東部を除く日本全土、朝鮮半島から中国、台湾に分布する東アジア原産種。
世界の侵略外来種の選定種で、その旺盛な繁殖力ゆえに嫌われ者である。
草丈は1〜2mほどで、根茎を横に伸ばして増える。茎は中空で節があり、若い時に紅紫色の斑点がある。
葉は互生し、長さ10〜15pほどの広卵形で、基部は水平になり、先は急に尖る。
花期は7月〜10月で、葉腋から枝を出し、その先に多数の小花を付ける。
雌雄異株で、花被は白色から紅色で5裂する。
雄花にはオシベが8個あり、メシベは極小さい。雌花には3個の花柱があり、オシベは極小さい。
花後、雌花の外側の3個の花被片が翼状に大きくなり、痩果を包む。秋に熟すと風によって散布される。

2021/9/7
実家近くの川沿いを散歩中、道路脇で1株だけイタドリが花を付けていました。
どこにでもありそうなものなのですが、散歩コース内では他に見かけません。
花弁の間から長いオシベが突き出しているので雄花、つまり、雄株ということです。


2021/9/13
実家近くの川沿いを散歩中、ネナシカズラに隠れるようにして咲くイタドリを見つけました。
上記の雄株とは対岸になり、距離的にもかなり離れた場所になります。
花を見ると雌花らしく、オシベは見られないのですが、....確信が持てません。


2021/9/19
確信が持てなかったイタドリの花を確認してきました。
間違いなく雌株(雌花)でした。雄株は対岸にあり、織姫と彦星みたいな関係ですね。


2021/10/2
雌花が鈴なりになっていたイタドリですが、すっかり花が終わっていました。
そして、3枚の翼を付けた未熟な種子がたくさん垂れ下がっていました。


イタドリの雄花と雌花

     .
2021/9/7<雄花>            2013/9/11<雌花>
  雄花は8個の長いオシベが、花弁の間から飛び出すように突き出しています。
一方、雌花は中央から3個の花柱が飛び出し、柱頭は細裂しています。


イヌタデ(Persicaria longiseta)
<ナデシコ目・タデ科・タデ亜科・イヌタデ属>


タデ科イヌタデ属の一年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、マレーシアに分布している。
草丈は20〜50cmで、茎は赤味を帯びることが多い。
葉は互生し、長さ3〜8cmの広披針〜披針形で、先が尖り、基部は楔形。
葉の縁は全縁で縁毛があり、主脈上には伏毛がある。
花期は6月〜10月で、長さ1〜5cmの円柱状の総状花序に紅色の小花を多数付ける。
花被は淡紅色で5裂し、花後には紅色になって痩果を包んでの残る。花弁はない。
オシベは8個、花柱は3裂する。小苞は赤色で、長い縁毛があり、花の間から突き出る。
托葉鞘は長さが5〜7mmの円柱状で、先に鞘と同じような長さの剛毛が付く。
痩果は3稜形で、長さ2mm前後。赤くなった花被に包まれたまま、黒く熟す。

2022/10/11
網引湿原の第1獣害防止ゲートに向かう道路脇で、イヌタデが群生していました。
開花している花は見られず、おそらく、多くが果実になっているものと思われます。
ただ、果実も淡紅色の花被に包まれていて、見た目はツボミとあまり変わりません。
下段はその拡大写真ですが、色が淡くてほっそりしたものがツボミで、
一回り大きくて、表面がゴツゴツしたものは果実だと思われます。

オオイヌタデ(Persicaria lapathifolia)
<ナデシコ目・タデ科・タデ亜科・イヌタデ属>

タデ科イヌタデ属の一年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、北半球の冷温帯・暖温帯に分布している。
草丈は80〜200cmで、茎の下部は節が膨らみ、よく分枝する。
葉は互生し、長さ15〜25cmの披針形で基部は楔形、縁毛があり、中央脈には伏毛がある。
花期は6月〜10月で、長さ3〜10cmの円柱状の総状花序に小花を多数付け、先が垂れる。
花被は白色〜淡紅色で4〜5裂し、花後にも痩果を包んでの残る。花弁はない。
オシベは6個、花柱は2裂する。托葉鞘は筒状膜質で、下部に太い脈が目立ち、縁毛は無い。
痩果は直径2mm前後の扁平な円形で、両面が少し窪む。果実は褐色〜黒褐色。

2021/9/7
実家近くの川沿いを散歩中、道路脇に1本だけオオイヌタデが花を付けていました。
円柱状の総状花序に多数の花を付けていますが、ツボミは紅紫色で、花被は白色でした。
そのため、一部が開花している状態では、紅白の斑模様になっています。

オオケタデ(Persicaria orientalis)
<ナデシコ目・タデ科・タデ亜科・イヌタデ属>
 
タデ科イヌタデ属の一年草で、インド、マレーシア原産の帰化植物。
全体に毛が多いことから付いた名前であるが、オオベニタデの別名がある。
日本では北海道から本州、四国、九州と全国に分布している。
草丈は1〜2m程になり、全体に毛が生えており、それが和名の由来になっている。
葉は長さ20p前後の広卵形で、先は尖り、基部は心形。葉裏には腺点があり、托葉鞘は長さ2p程。
花期は7月〜10月で、枝先に長さ5p前後の総状花序をいくつか付け、淡紅色の小花を多数付ける。
花被は5裂し、8個のオシベは花被から少し飛びだす。痩果は直径3o程の球形で、黒く熟す。

2021/9/13
実家近くの空き地で、久しぶりにオオケタデを見かけました。
花も大きいですが、草丈も私の背よりも高いので、2m弱はありそうです。

シロバナサクラタデ(persicaria Japonica)
<ナデシコ目・タデ科・タデ亜科・イヌタデ属>

タデ科イヌタデ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島と全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
草丈は50〜100cmで、茎は高く、枝分かれして節が膨らむ。
葉は互生し、長さ7〜16cmの披針形で先が尖り、葉縁や脈上に伏毛がある。
托葉鞘は長さが10〜18mmで褐色。筒部の長さの半分ほどの縁毛がある。
花期は8月〜10月で、花被は白色で、長さ3〜4o。5裂(まれに4裂)する。
花序は1〜5本に分枝して細長く、先が垂れ下がることが多い。
花は異形花柱性で、短花柱花と長花柱花がある。
短花柱花では、オシベの長さがメシベより長く、オシベが花被より突き出るのに対して、
長花柱花では、メシベの長さがオシベより長く、メシベが花被より突き出る。
オシベは6個(まれに7個とか8個)で、メシベの花柱は2裂(まれに3裂)する。

2021/9/24
田んぼが広がる実家近くを散歩中、草ぼうぼうの休耕田で白い花を咲かせていたのがシロバナサクラタデです。
ここにはヤブツルアズキやツルマメが繁茂していて、追いやれるように道路際で咲いていました。

ヒメツルソバ(Persicaria capitata)
<ナデシコ目・タデ科・タデ亜科・イヌタデ属>
 
タデ科イヌタデ属の多年草で、ヒマラヤ原産の帰化植物。
茎は地を這い、よく分枝して広がる。茎には赤褐色で長い毛がある。
葉は長さ15〜35mmの卵形で先が尖り、表面には山形の暗紋がある。
花期は5月〜11月でであるが、真夏には花を付けない。
直径1cm前後のピンクの小花が球形に密集して付く。

2020/11/17
実家近くを散歩した際、側溝沿いにヒメツルソバが蔓を伸ばして、多くの花序を付けていました。
周りに目立つものがないので、ピンクの花が一段と目立っていました。
一部の葉が紅葉して赤く色付いていますが、条件が良いと真っ赤になります(下記参照)。


ヒメツルソバの紅葉

   .
2006/11/25
県立相模原公園にあるフランス式庭園で見かけた紅葉したヒメツルソバです。
多くの葉が赤く色付いていて、一面が赤く染まっていました。


コハコベ(Stellaria media)
<ナデシコ目・ナデシコ科・ハコベ属>



ナデシコ科ハコベ属の越年草で、日本では全国的にみられる。
全世界に帰化植物として定着しており、北米やヨーロッパでは極普通の庭草である。
ミドリハコベに似ているが、いくぶん小型で、茎が暗紫色を帯びる所が異なる。
草丈は10〜20cmで、茎は下部から多数分枝して、下部は地を這い、上部は斜上する。
葉は長さ1〜2cmの卵形で対生し、縁は全縁。下部の葉には長い葉柄があるが、上部では無柄になる。
花期は3月〜10月と長く、花は集散花序に付き、花柄がある。
萼片は5個で、鈍頭で楕円形。長さは3〜4oあり、縁は薄膜質。
花弁は萼片より若干短めの白色で、5個あり、2深裂する。そのため、花弁が10枚に見える。
メシベの花柱の数は3個で、オシベの数は1〜7個ある。

2020/11/17
実家近くを散歩した際、道路脇で見かけたコハコベです。
茎が暗紫色を帯びている点、花柱が3裂している点からの判断です。
下段左の写真は、開花して間もないので葯が裂開前の赤紫色をしています。
下段右の写真は、葯が裂開して花粉が出ており、3裂した花柱にも花粉が付いています。

アカザ(Chenopodium album var. centrorubrum)
<ナデシコ目・ヒユ科・Chenopodioideae亜科・Chenopodieae連・アカザ属>



ヒユ科アカザ属の1年草で、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州と全国に分布し、海外では朝鮮半島や台湾に分布する。
通常は、茎は直立して縦に筋があり、数多く分枝し、草丈は60〜150cmになる。
茎は秋には太くなり、木質化して硬くなるため杖として使われ、最高級品とされる。
葉には柄があり、下部では長さ3〜6cmの三角状卵形で不揃いな鋸歯がある。
上部では長さ2〜7cmの長卵形〜披針形で、縁には歯牙があるが、形状や鋸歯の有無には変異が多い。
若葉では基部に赤い粉状の毛があるが、成長すると赤味が無くなり、シロザと区別が難しくなる。
花期は9月〜10月で、茎先や葉腋から穂状の花序に多数の花を付ける。
5浅裂した黄緑色の花被片は長さ1mm前後の楕円形で、中肋は膨れて稜となり、縁が白い。
花被片は、花後に大きくなって果実を包み込み、果期には赤みを帯びる。

2020/11/17
実家近くを散歩した際、土手の法面で見かけたアカザです。
少し前に見たシロザの花(果実)と形状は同じですが、色が緑ではなく真っ赤です。
茎や葉先も赤味を帯びていて、特に葉は紅を点したようにそのグラデーションがきれいでした。

シロザ(Chenopodium album)
<ナデシコ目・ヒユ科・Chenopodioideae亜科・Chenopodieae連・アカザ属>

2020/11/5

2020/11/5                2020/11/9
ヒユ科アカザ属の1年草で、史前帰化植物とされる。
インド原産で、中国を経由して、日本には古い時代に帰化したという説がある。
日本では北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、ユーラシア大陸に広く分布する。
通常は、茎は直立して数多く分枝し、草丈は60〜150cmになる。
しかし、生育条件によっては基部で分枝して斜上し、草丈が数十cmにしかならないものもある。
葉には柄があり、下部では長さ3〜6cmの三角状卵形で不揃いな鋸歯がある。
上部では長さ2〜7cmの長卵形〜披針形で、縁には大小の歯牙がある。
ただし、葉の形状や鋸歯の有無、形状には変異が多い。
若葉では両面に白い粉状の毛があるが、成熟すると上面は緑で、下面のみに毛が残って白っぽくなる。
花期は9月〜10月で、茎先や葉腋から穂状の花序に多数の花を付ける。
5浅裂した黄緑色の花被片は長さ1mm前後の楕円形で、中肋は膨れて稜となり、縁が白い。
花被片は、花後に大きくなって果実を包み込む。

2020/11/5,9
実家近くを散歩した際、道路脇の倉庫の隙間から、長い花序を伸ばしているシロザを見かけました。
最初に見た第1印象はシロザだったのですが、葉の形が違うように思え、後で調べることとしました。
その結果、花の形などはシロザと一致しますが、やはり、葉の形が異なる点が気になります。
後日、基部の葉の形を改めて確認するため、再度、現場に出向きました。
その結果、葉の形は異なりますが、若葉に白い粉状の毛が認められましたので、シロザとしました。


2020/11/17
アカザを見かけた土手の法面で、少し離れたところでシロザを見つけました。
少し前に見かけた上記のシロザよりも、葉の特徴はシロザらしい点が見受けられます。


シロザの若葉

     .
2013/5/31
多摩川の土手下の通路脇で見かけた若いシロザです。
若葉の表面に白っぽい粉が吹いたように見えるのが特徴です。










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