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播州地方で見かけた野草(春T)



実家近辺や兵庫県内などを移動する際に見かけた野草です。
ただ、じっくりと撮影したのではなく、出かけた際にちょこっと撮影しただけのため、あまり多くはないです。
今後、機会を見つけて充実させていきたいと思っています。



ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
キク目
キク科(ノボロギク)
キンポウゲ目
キンポウゲ科(ケキツネノボタン、クロタネソウ)
シソ目
オオバコ科(タチイヌノフグリ)
ナデシコ目
サボテン科(ギムノカリキウム)
フトモモ目
アカバナ科(ユウゲショウ)
マツ目
イチイ科(キャラボク)
ミズキ目
ミズキ科(サンシュユ)
ユキノシタ目
ベンケイソウ科(オカタイトゴメ)
 
ウラボシ目
ウラボシ科(ノキシノブ)
境播州地方で見かけた春の野草
和名インデックス


ノボロギク(Senecio vulgaris)
<キク目・キク科・キク亜科・サワギク連・キオン属>
   
キク科キオン属の越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国的に分布する。
また、世界的には寒冷地から亜熱帯に広く分布する。
草丈は20〜50cmほどで、茎は紫褐色を帯び、茎や葉には白いくも毛がある。
葉は互生し、長さ2〜10pで、不規則に羽状分裂する。葉柄はない。
花期はほぼ通年で、頭花は黄色い筒状花のみからなる。
総苞は長さ6oほどで、総苞片は20個前後。小苞の先に濃紫色の点がある。

2017/4/4
近くの側溝脇に生えていたのボロギクです。
早春から花を付けていたようで、綿毛になった頭花や飛んだ後の頭花が見られます。

ケキツネノボタン(Ranunculus cantoniensis)
<キンポウゲ目・キンポウゲ科・キンポウゲ属>
   
キンポウゲ科キンポウゲ属の多年生植物。水田のあぜなどに生える雑草。
キツネノボタンによく似るが、全体に毛が多いことが名前の由来。
日本では、本州から四国、九州に分布している。
海外では、朝鮮半島南部から中国南部、台湾に分布している。
茎はほぼ直立し、草丈は50cmに達するものもある。上部でよく分枝し、開出毛が密生する。
根出葉には長い葉柄があり、1〜2回3出複葉で、小葉は数中裂し、不揃いな鋸歯がある。
茎葉の葉柄は短く、上部に行くに従い1〜2回3出複葉、1回3出複葉、単に3中裂と変わる。
茎の上部にいくつかの黄色い花を付ける。花弁は5個で、萼片も5個で、開花時は反り返る。
花柱は1mm前後の三角形で、先は鉤状に曲がっている。痩果は扁平な広倒卵形で、長さは3mm強。
この花柱の曲がりをキツネノボタンとの識別点としていたが、変異が多く、近年は使われない。

※ キツネノボタンとケキツネノボタンの識別は、下記の点で行うことができる。
・痩果の扁平面の縁に沿ってリング状に鈍稜がありのがケキツネノボタン(断面の両端に鈍3稜がある)
・痩果の扁平面の一方の縁に弧状に稜があるのがキツネノボタン(断面の片端のみが鈍3稜で他端は単稜)

なお、下記の点は変異があり、両者の識別点としては決め手とはならない。
・葉の裂片が重ならない傾向があるのがケキツネノボタンで、重なる傾向にあるのがキツネノボタン
・痩果の先の曲がり具合が、かぎ状に強く曲がるのがキツネノボタンで、曲がりが浅いのがケキツネノボタン
・茎の下部に多数の毛があるのがケキツネノボタンで、毛が無いか少ないのがキツネノボタン

2018/5/24
近くの側溝の中にキツネノボタンが生えていました。
後で、痩果の形を確認していて、上から見て両端が同形で、3稜あるように見えます。
決め手にはなりませんが、葉の裂片の重なりもないので、ケキツネノボタンと判断しました。

クロタネソウ(Nigella damascena)
<キンポウゲ目・キンポウゲ科・クロタネソウ属>
   

   
キンポウゲ科クロタネソウ属の1年草で、南ヨーロッパ、中東、南西アジアが原産地。
日本には、江戸時代に渡来したとされ、それらが逸出して野生化し、広がっている。
草丈は40〜60cmで、茎は直立してよく分枝する。
葉は互生し、3〜4回羽状に細裂し、裂片は細い糸状になる。
花期は5月〜7月で、花は茎先に上向きに単生し、下部に細裂した総苞がある。
花は直径3〜5cmで、5個の萼片が花弁状に大きく発達し、白、青、黄色、紫色などがある。
花弁は萼片の基部にある暗青色のもので、退化して先が2唇状に開く小さな蜜腺になっている。
園芸品種には八重咲(花弁ではなく萼片ですが)のものがあるが、八重咲のものには蜜腺はない。
オシベは多数あり、咲き進むと広がって平開する。メシベは5個が基部で合着し、柱頭は角状。
この柱頭は、咲き進むとクニャクニャと伸び、果実になっても宿存する。
果実は長さ25o前後の刮ハで、風船のように膨らみ、熟すと上部が裂開し、穴が開く。
種子は長さ2mm前後で、表面は黒くてしわがある。
属名のニゲラや和名のクロタネソウは、この黒い種に由来する。
近縁種であるニゲラ・サティバは、種子に芳香成分を含み、カレーのスパイスなどに使用される。

2018/5/26
実家の庭に見慣れない花が咲いていました。どこかで写真を見たような気もしますが、不明です。
このような花は植えたことがないそうなので、どこかから種が持ち込まれたようです。
後で調べていて、八重咲のクロタネソウ(ニゲラ)と分かりました。
上段左端のツボミから、下段右端の成長した果実まで、順番に並んでいます。

タチイヌノフグリ(Veronica arvensis)
<シソ目・オオバコ科・クワガタソウ連・クワガタソウ属>
 
2018/4/10
オオバコ科クワガタソウ属の越年草で、西アジアからヨーロッパ原産の帰化植物。
日本をはじめ、アジア、北アフリカ、南北アメリカ、オーストラリアに移入分布している。
日本では全国に広がっており、どこでも普通に見られるようになった帰化種。
茎は基部で分岐して直立し、上向きの曲がった毛と長い腺毛が生える。
葉は対生し、下部の大きな葉はオオイヌノフグリと形が似ているが、上部の葉は小さい三角状広披針形になる。
最下の1〜2対の葉を除いて無柄。葉の両面にも毛が多い。
花期は4月〜6月で、花色は淡青色〜淡紅色で、直径3oほどとオオイヌノフグリより小さく、花柄は極短い。
萼は長さ3〜4oで4裂し、裂片は線状披針形。花冠は萼より短い。

2018/5/24
近くの側溝脇に生えていたタチイヌノフグリです。
今まで、あまりアップの良い写真がなかったのですが、今回はうまく撮れました。
オオイヌノフグリは8o前後と倍以上の大きさがあり、手持ちで撮るのは比較的優しいのですが、
本種は3oほどしかないので結構大変で、何とかピントが合い、ブレずに撮れた内の1枚です。

ギムノカリキウム[新天地](Gymnocalycium saglionis)
<ナデシコ目・サボテン科・カクタス亜科・トリコケレウス連・ギムノカリキウム属>
   
2018/5/26                  2018/5/30                  2018/6/1
   
2018/6/1
サボテン科ギムノカリキウム属のサボテンで、約70種からなる属である。
その分布域は、アルゼンチン、ウルグアイの一部、パラグアイ、南ボリビアとブラジルの一部。
ギムノカリキウム属は大きさが4〜15cmと比較的小さいものが多い。
なお、気温が10℃以下になる場合は、温室での栽培が必要となる。
本種の和名は「新天地」で、アルゼンチン北部が原産地である。
新天地はギムノカリキウム属の中でも刺が強く大型になるサボテンで、寒暑に強く、多湿にも強い。
新天地には黒刺で大型になるタイプと、赤褐色の刺であまり大きくならないタイプがある。
黒刺タイプは、直径が30〜40cmになる大型で、花の色はピンクである。
赤褐色刺タイプは、直径が20cmほどにしかならず、縦に伸びる、花の色は白色である。
新天地は春から夏には刺がほとんど伸びずに株だけが大きく成長し、秋から冬に刺が伸びる。
花期は春で、頂部近くに鉢巻のようにツボミを多数出し、順次開花させる。

2018/5/26〜6/1
実家にある新天地が、今年もピンクの花を咲かせていました。下段左がオシベで、右がメシベです。
サボテンには自家不和合性のものが多く、本種も自家受粉はしないので結実は見られません。
小学生の事に購入した直径5cmほどの新天地ですが、50年以上経過して直径は30cm弱になりました。
同時に購入したキンシャチは、この新天地の倍近い大きさになっていますが、まだ、花を付けません。
上段中央の写真で、後ろに一部が見えている褐色のものがキンシャチです。

ユウゲショウ(Oenothera rosea)
<フトモモ目・アカバナ科・マツヨイグサ属>
 
      2012/8/12                    2018/5/24
アカバナ科・マツヨイグサ属の多年草で、南米から北米南部が原産地の帰化植物。
現在は、世界中の温暖な地域に広く分布している。
草丈は20〜30cmであるが、条件によっては50cmを超えることもある。
茎には軟毛があり、葉は互生して、葉身はやや幅広の披針形である。
花期は5月〜9月で、茎の上部の葉腋に直径15mmほどの紅紫色の花を付ける。
花弁は4個で、紅色の脈があり、中心部は黄色い。なお、稀に白花も見られる。
オシベは8個あり、葯は赤味を帯びた白で、メシベの先は淡紅紫色で4裂する。
熟した果実は、雨に濡れると裂開し、種子が飛び散る。

2012/8/12 カンカン照りの夏、焼けるような道端で、葉がボロボロになっていました。
その虫食いでボロボロになり、枯れた葉が混じる中で、1輪だけ、花を付けていました。
果実もまだできていませんでしたので、草姿もすっきりしています。
2018/5/24 咲き始めたばかりの頃のユウゲショウの花は、色も初々しくてきれいですね。

キャラボク(Taxus cuspidata var. nana)
<マツ目・イチイ科・イチイ属>
 

 
イチイ科イチイ属の常緑低木で、在来種。イチイの変種。
日本では、本州の日本海側(秋田県から鳥取県)に、海外では、朝鮮半島に分布している。
日本では、亜高山から高山帯の風衝地に自生している。
樹高は1〜3mになり、根元で分枝して、地面を這うように横に広がる。
大きく成長した後は、成長が鈍化するため、樹形が崩れにくく、庭木に適する。
葉は2p前後の線形で表面は濃緑色で、裏面は淡緑色。先は尖っているが、柔らかい。
なお、寒い地方では冬季に葉が茶色くなるが、翌春には緑色に戻る。
葉が2裂に並ぶイチイと異なり、葉は不規則な螺旋状に付く。
花期は3月〜5月で、雌雄異株。直径約3o強の小花を付け、雄花は淡黄色。
雌花には緑色の鱗片に包まれた胚珠が1個ある。
花後、直径4oほどの球形の種子は、肥大した仮種皮に包まれる。
種子が熟する頃には、仮種皮は杯状で真っ赤な多汁質になる。
この真っ赤な仮種皮、甘くて食べられる。ただし、種子は有毒なので要注意。

2018/3/21
実家で生け垣に使われているキャラボクです。上段は雄花、下段は新芽です。
このキャラボクの生け垣で赤い果実は見たことがないので、雄株ばかりのようです。

サンシュユ(Cornus officinalis Sieb. et Zucc.)
<ミズキ目・ミズキ科・サンシュユ属>
 
2018/3/21
 
2018/10/29
ミズキ科サンシュユ属の落葉小高木で、中国及び朝鮮半島が原産の帰化植物。
江戸時代に移入され、薬用植物として栽培されたが、観賞用にも利用されている。
樹高は3〜10mで、幹は灰黒褐色で薄くはがれ、はがれた所は淡褐色になる。
葉は対生し、葉身は5〜10cmの卵状楕円形で、縁は全縁。葉先が尾状に尖る。
6〜7対の側脈が、湾曲しながら主脈にほぼ平行して伸び、良く目立つ。
花期は3月〜5月で、葉の展開前に黄色い小花をたくさん付ける。
花弁は4個あるが反り返るため、オシベとメシベだけに見える。
果実は長さ12〜20mmの惰円形の核果で、秋に赤色〜紫赤色に熟す。
真っ赤に熟した実はおいしそうに見えるが、渋くて食用には向かない。
ただし、完熟すると渋みが抜けて、甘酸っぱいとの情報もある。
種を除いて乾燥させた果肉(偽果)は、「山茱萸」の名で生薬として利用される。
なお、「山茱萸」を音読みしたのがサンシュユで、訓読みだとヤマグミになる。

2018/3/21 実家にあるサンシュユの木ですが、春には黄色い花を木一杯に咲かせます。
葉が展開する前に、一斉に黄色い花を咲かせるので、木全体が黄色く見えます。
2018/10/29 そのサンシュユですが、秋には赤い果実をたくさん付けていました。
良く熟したのを味見してみようと思っていたのですが、すっかり忘れていました。
というわけで、味見は来年以降、忘れないようにしてみようと思っています。

オカタイトゴメ(Sedum japonicum subsp. oryzifolium var. pumilum)
<ユキノシタ目・ベンケイソウ科・センペルビヴム亜科・セダム連・マンネングサ亜連・マンネングサ属>
 
2017/8/17


 
2018/5/24
ベンケイソウ科マンネングサ属の常緑多年草で、原産地不明の帰化植物。
日本では、ほぼ全国に帰化し、海岸から内陸部まで道路脇などで見られる。
草丈は4〜8cmほどで、全体的にタイトゴメより小さい。
葉は互生し、長楕円形で、長さは3mm前後。切り口は半円形。上部の葉は非常に密に付く。
花期は6月〜7月で、花は、茎頂の集散状の花序に数個を付けるか、茎上部の葉腋に付く。
花は直径8oほどの黄色い5弁花で、長さ4oほどの広披針形。
オシベは10個で、花弁より短く葯は黄色。メシベは5個で、斜上する。
萼片は5個で、先端は丸く、他のマンネングサ属と比較すると短め。

2017/8/17 近くの側溝脇で、オカタイトゴメが少しですが花を付けていました。
見かけたのは花期も過ぎた頃でしたが、日陰だからか、まだ、少し残っていたようです。
2018/5/24 同じ場所に行ってみると、株の大きさが倍以上に広がり、たくさんのツボミを付けていました。
そして、一際大きく広がった元の株があった所では、開花が始まり、三分咲きといった所でした。

ノキシノブ(Lepisorus thunbergianus)
<ウラボシ目・ウラボシ科・アヤメシダ亜科・ノキシノブ属>

ウラボシ科ノキシノブ属のシダの一種で、在来種。
日本では北海道最南部から本州、四国、九州に分布している。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、インド、フィリピンなどに分布する。
茎は短くて横に這い、多数の細かい根を出して樹皮などに着生する。
茎の表面には一面に鱗片があり、葉は茎から出て、長さ5〜15p程の披針形の単葉。
先端は細くなって尖り、基部は徐々に細くなって、短い葉柄がある。
葉は少し肉厚で、黄緑色。乾燥すると葉は左右から裏に巻き込み、丸まる。
胞子嚢は円形のソーラスとなって、葉先側1/2の葉裏の主脈両側に1列になって並ぶ。

2018/5/24
近くの側溝の内壁に、へばり付くようにノキシノブが付いていました。
内壁は湿潤で、苔が生えているので、ノキシノブも着生できたのでしょう。









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