ホーム相模原 ブラブラ録>境川近辺 野草編(春U)


境川近辺 野草編(春U)



相模原市の自宅近くを流れている境川、そこへの道すがらや境川で撮影した、季節を彩る野草などです。

< トピック >

また、下記の写真を追加しています。
ヘラオオバコ



ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
キジカクシ目
キジカクシ科(ツリガネズイセン、ツルボ、ムスカリ)
ヒガンバナ科(タイハイスイセン、タゼッタスイセン、ラッパスイセン)
キントラノオ目
スミレ科(アリアケスミレ、スミレ、ニショクアツバスミレ、パンジー[ビオラ]、ヒメスミレ)
トウダイグサ科(チャボタイゲキ、トウダイグサ)
ヤナギ科(タチヤナギ、マルバヤナギ[アカメヤナギ])
キンポウゲ目
ケシ科(ナガミヒナゲシ、ヒナゲシ、ニセカラクサケマン)
クスノキ目
クスノキ科(クスノキ、タブノキ)
シソ目
オオバコ科(ツボミオオバコ、ヘラオオバコ、、ツタバウンラン、マツバウンラン
       オオイヌノフグリ、オオカワヂシャ、タチイヌノフグリ、ムシクサ、ジギタリス)
クマツヅラ科(アレチハナガサ、ヤナギハナガサ)
シソ科(ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、キランソウ)
ハエドクソウ科(トキワハゼ)
モクセイ科(ネズミモチ)
境川近隣の春の野草
和名インデックス


タゼッタスイセン(Narcissus tazetta)
<キジカクシ目・ヒガンバナ科・ヒガンバナ亜科・スイセン連・スイセン属>
 
ヒガンバナ科スイセン属の多年草で、地中海沿岸が原産地。
スイセン属の原種は多数あり、品種改良が盛んである。
本種は、香りの良い房咲きの水仙で、ニホンズイセンも含まれる。
日本には、室町時代以前に入ってきたとの説が有力で、広く分布している。
草丈は20〜40cmで、球根は卵形で、長さ6cmほどと大きめ。
葉は4〜6個出て、葉身は扁平で、長さは20〜40cm程になり、時計回りにねじれる。
花期は12月〜4月で、花序は長さが20〜40cmと葉とほぼ同長。
花は散形花序に5〜12個付き、直径は40mmほどで、花被片は6個(花弁3個、萼片3個)。
花被の細い筒部と、筒部の先で裂開してほぼ平開する花被片はほぼ同長。
その中央に小さい杯状の副花冠が付く。オシベ6個とメシベの花柱は副花冠から突き出ることはない。

2018/3/13
境川に向かう途中にある畑の際で、黄色いタゼッタスイセンが咲いていました。
白系統の花が多いタゼッタスイセンで、黄色い品種は珍しく、見るのは初めてです。
特に品種名の分かるものはなかったのですが、グランドソレドールではないかと思われます。

タイハイスイセン(Narcissus incomparabilis L.)
<キジカクシ目・ヒガンバナ科・ヒガンバナ亜科・スイセン連・スイセン属>
 
ヒガンバナ科スイセン属の多年草で、ラッパズイセンとクチベニスイセンの交配品種。
一茎一花で、杯状の大きな副花冠がある品種で、副花冠が花被片の1/3〜花被片同長以下の品種である。
ちなみに副花冠が花被片の1/3以下の品種は、ショウハイスイセンである。
葉は3〜4個出て、葉身は扁平で、長さは30〜45cm程になる。
花期は2月〜4月で、花序は長さが30〜50cmと葉より長く、苞は淡褐色。
花の直径は5〜10cmと大輪で、花被片6個(花弁3個、萼片3個からなる)は、ほぼ同形状、同色である。
花被の筒部は長さ20〜30oで基部は急に細くなり、筒部の先で裂開した花被片はほぼ平開する。
その中央に大きな副花冠が付き、副花冠の先はフレア状に、しわになる。
オシベ6個は副花冠の中ほどまで突き出て、メシベの花柱は葯より数mm前に突き出る。

2018/4/3
境川から少し離れた所にある畑の一角に、何種類かのスイセンが咲いていました。
その中に、このタイハイスイセンが1種類混じっていました。品種名はわかりません。

ラッパスイセン(Narcissus pseudonarcissus L.)
<キジカクシ目・ヒガンバナ科・ヒガンバナ亜科・スイセン連・スイセン属>
 
ヒガンバナ科スイセン属の多年草で、西ヨーロッパのスペインからイギリスにかけてが原産地。
一茎一花で、副花冠がラッパ状に前に付き出た品種で、副花冠が花被片以上に長い品種である。
球根は卵形で、長さ3〜5cmほどで、外皮は淡褐色。
葉は3〜4個出て、葉身は扁平で、長さは20〜40cm程になる。
花期は3月〜4月で、花序は長さが25〜50cmと葉より長く、苞は淡褐色。
花の直径は30〜50mmで、花被片6個(花弁3個、萼片3個からなる)は、ほぼ同形状、同色である。
花被の筒部は長さ15〜20oで基部は急に細くなり、筒部の先で裂開した花被片はほぼ平開する。
その中央から長さ30mmほどの副花冠が伸び、副花冠の先はフレア状に、しわになる。
オシベ6個は副花冠の中ほどまで突き出て、メシベの花柱は葯より数mm前に突き出る。

2018/3/13
境川に向かう途中にある畑の際で、黄色いラッパスイセンが咲いていました。
ラッパスイセンらしい形質の花です。黄色い品種はいろいろあるので、品種名はわかりません。

   
2018/4/3
境川から少し離れた所にある畑の一角に、何種類かのスイセンが咲いていました。
左端の白いラッパスイセンは、マウントフット(MountHood)であろうと思われます。
中央と右端の写真の品種は不明です。なお、中央のものは、タイハイスイセンの可能性もあります。

ムスカリ(Scilla hispanica)
<キジカクシ目・キジカクシ科・ツルボ亜科・ツルボ属>
 
キジカクシ科ムスカリ属の多年草(球根植物)で、南アフリカ共和国ドラケンスバーグ山脈周辺の高原が原産地。
日本には、園芸品種として移入され、庭などで栽培されることが多い。
草丈は15〜20pほどで、葉は長さ10〜15p程の線形。
花期は3月〜5月で、ブドウ房のように卵状壺形の青色の花を付ける。
近年、人気品種となって、各地の公園などに植栽され、逸出して野生化したものが見かけられる。
良く見かけられる品種は、比較的大柄なアルメニアカム(Muscari armeniacum)、
小型のアウケリ(Muscari aucheri)、ネグレクタム(Muscari neglectum)などです。

2016/3/19
境川に向かう途中にある畑の際で、青紫色の花を鈴生りに付けていました。
おそらく、以前は花壇のように植えられていたのでしょうが、今ではあちこちに飛散し、無秩序に咲いています。



 
2018/4/3
今年も畑の縁で、多くのムスカリが花を付けていました。
マクロレンズを持っていたので、撮り直したのが上記の写真です。
下から撮ったものでは、中央のメシベをオシベの葯が取り巻いているのが良く分かります。

ツリガネズイセン(Scilla hispanica)
<キジカクシ目・キジカクシ科・ツルボ亜科・ツルボ属>
 
キジカクシ科ツルボ属の多年草で球根植物。原産地は南ヨーロッパ。
草丈は40p前後で、葉は地際から叢生し、長さ20〜60pの細い帯状。
花期は4月〜5月で、花茎を真っ直ぐに伸ばして総状花序を出し、釣鐘型の花を数十個付ける。
花色は、淡青色、淡紅色、淡紫色、白色などがあり、花冠は先端が6裂して外反する。
和名は、花が釣鐘型で、葉がスイセンに似ていることに由来する。

2016/4/16
境川の河岸近くの草むらで、ツリガネスイセンが青い花を咲かせていました。
おそらく、以前、花壇であった所が手入れされなくなって、本種だけが残ったのでしょう。
耐寒性が強く、ほとんど手入れが不要な、育てやすい植物であることが生き残った理由です。

ツルボ(Scilla scilloides)
<キジカクシ目・キジカクシ科・ツルボ亜科・ツルボ属>
 
キジカクシ科ツルボ属の多年草で、東アジアで唯一の種である。
日本では、北海道から、四国、九州と全国に分布し、朝鮮半島から中国、台湾にも分布している。
葉は、長さ20cm前後、葉幅5o前後で細長く、年に2回出る。
春に10枚ほどの春葉が出るが、夏には枯れる。8月〜9月には、数枚の葉と花穂が出る。
花茎は数十pになり、真っ直ぐに立ち上がる。花茎の先に総状花序を付け、ピンクの花が咲き上って行く。
花被片は6個で先の尖った長楕円形、オシベは6本で、長さ5o程の花柄がある。

2016/3/19
国道16号線沿いを歩いていて、街路樹の根際からツルボが芽を出しているのに気が付きました。
そういえば、先年の秋にツルボの花が咲いていたのを思い出しました。
植物には良い環境とは言えない場所でも、しっかりと息づいている。野生種なんですね。

     
2016/9/12      2016/9/12      2016/9/16      2016/9/18

   
2016/9/12        2016/9/16        2016/9/18
一部の球根を採取して、植木鉢に植えておいたら、秋になって花穂が伸びてきました。
その成長スピードは、驚くほど早く、9月頭に花穂に気付いてから開花するまで、2週間ちょっとでした。
下段は、上段の花穂の部分を、ほぼ同じ倍率で撮ったものです。固いツボミが1週間でこれだけ変化します。


スミレ(Viola mandshurica)
<キントラノオ目・スミレ科・スミレ属>

スミレ科スミレ属の多年草で、道端などでよく見かける無茎種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国でふつうに見られる。
海外でも、朝鮮半島から中国、ウスリーまで分布する。
葉は、根元から多数出し、細長い矢じり型で、葉柄には翼があるのが特徴。
花色は、普通は濃紫色だが、白花のものもある。
5枚の花弁の内、唇弁の1枚が大きく、2枚の側弁には白い突起毛がある。
果実は長さ1pほどの刮ハで、熟すと上向きになり、3裂する。

2016/3/19
境川に向かう道路脇で、アスファルトの隙間に生えているスミレを見つけました。
あいにく、ツボミと果実のみで、咲いている花は見当たりませんでした。

 
2016/5/25
3月に見かけたスミレを見ましたが、すでに花期は終わり、果実が下向きに付いているだけでした。
この後、成熟するにつれて上向きとなり、最後に3裂して、種子を飛ばします。

※ 花に関しては、こちらを参照ください。

ニショクアツバスミレ(Viola mandshurica var. triangularis f. bicoloe)
<キントラノオ目・スミレ科・スミレ属>
 


スミレ科スミレ属の多年草で、スミレの海岸性変種であるアツバスミレの園芸選別品種。
本種は、伊豆大島で発見された花変わりのアツバスミレとの説がある。
アツバスミレは、本州房総半島以西から四国、九州の海岸地帯などに自生している。
草丈は7〜15cmで、葉が厚くて光沢があるのが特徴で、海岸近くでは三角状披針形をしている。
しかし、海岸から離れたり、林内などではスミレのようなへら型になる。
スミレ同様に葉柄には翼があり、葉柄と葉身の境界部にはくびれがある。
花期は4月〜5月で、アツバスミレの花は直径20oほどの濃紫色である。
それに対して、ニショクアツバスミレは3個の下弁はおなじだが、2個の上弁が淡紫色になる。
なお、スミレと異なり、側花弁には白い突起毛があったりなかったりする。

2018/4/10
境川に向かう途中、国道16号線の歩道橋の下で、地面の割れ目に根を下ろした本種を見つけました。
草姿はスミレと変わらないのですが、花の上弁2個が白っぽいので、最初は何だかわかりませんでした。
後で調べて、スミレの海岸型変種であるアツバスミレの園芸選別品種と分かりました。
それが、こんな内陸部の道路脇に自生しているとは。誰かが栽培していたものが逸脱したのでしょうか。

アリアケスミレ(Viola betonicfolia var. albescens)
<キントラノオ目・スミレ科・スミレ属>
 

 
スミレ科スミレ属の多年草。道端などでときどき見かける無茎種。
日本では、本州から四国、九州に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国東北部、東南アジア南東部、オーストラリアにまで分布する。
草丈は7〜11cmで、葉は細長い三角形の披針形で、先端は丸くなる。葉柄の上部には狭い翼がある。
スミレと良く似ているが、花色の変異は多いが白色が基調となる点で区別できる。
花色は、白地に少し筋が入るものから、紫の筋の目立つもの、地色に紫を帯びるものまで多彩。
距は、花色と同じく白色で、太くて短いのが特徴。

2018/4/5
国道16号線近くの側道脇で見かけたアリアケスミレです。
道路脇の縁石に沿って一列に並んで咲いていました。
淡い紫の花弁に濃い紫の筋模様が入って、とても可憐な感じの花です。

ヒメスミレ(Viola inconspicua subsp. nagasakiensis)
<キントラノオ目・スミレ科・スミレ属>
 

 
スミレ科スミレ属の多年草で、道端などでよく見かける無茎種。
日本では、本州から四国、九州に分布する。
草丈は5〜10cmとスミレより一回り小型で、根は白色。
葉は三角形で、基部が心型、葉柄には翼がない。葉の裏面は紫色を帯びることが多い。
花期は3月〜4月で、花の直径は10〜15mm。花色は濃紫色で、側弁の内側には毛がある。

2018/4/10
境川に向かう途中の畑の脇で、ヒメスミレが濃紫色の花を咲かせていました。
スミレと似た色の花ですが、一回り小型の花で、赤紫色に見える距が特徴です。

パンジー[ビオラ](Viola × wittrockiana)
<キントラノオ目・スミレ科・スミレ属>
   
スミレ科スミレ属の小型の園芸植物の一種。パンジーの小輪多花性種をビオラと呼んでいる。
パンジーとの区別はかなり曖昧で、花径5cm以上をパンジー、4cm以下をビオラとすることが多い。
しかし、近年、交雑が進み、単純に区別できなくなっている。
パンジーに比べて、開花が遅く、開花期がやや短いが、その分強健で、栽培が容易とされている。

2016/4/16
境川に向かう途中の畑の中に、同じパンジーが毎年のように咲いているのが気になっていました。
誰かが植えているのではなく、こぼれ種から育っているようで、あちらこちらで花を付けています。
パンジーにしては花が小さいので、おそらく、ビオラと呼ばれている品種だと思われます。

チャボタイゲキ(Euphorbia peplus)
<キントラノオ目・トウダイグサ科・トウダイグサ亜科・トウダイグサ連・トウダイグサ属>
 
トウダイグサ科トウダイグサ属の1年草で、ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア原産の帰化植物。
日本では、本州の関東以南から四国、九州に帰化しているが、まだ、あまり多くない。
世界では、オーストラリア、ニュージーランド、北米を初め、温帯および亜熱帯気候の国々に移入分布している。
草丈は、30pほどになり、茎は全体に滑らかで無毛。茎葉は互生し、長さ3p程の楕円形で、全縁。葉先は尖る。
4つの腺体には、両端に角状の突起がある。杯状花序の総苞内には雌花1個と雄花10個がある。
杯状花序の中心にある雌花が先に熟して倒れ込む。刮ハが熟すと果柄が立ち上がり、はじけて種子を飛ばす。

2016/4/2
境川近くの道路脇で、トウダイグサ科特有の花序を持つ見たことがない植物を見つけました。
写真を後で確認して、チャボタイゲキと分かりました。
拡大写真を撮ろうと思い、再訪した時には除草されて影も形もありませんでした。

トウダイグサ(Euphorbia helioscopia)
<キントラノオ目・トウダイグサ科・トウダイグサ亜科・トウダイグサ連・トウダイグサ属>
 


トウダイグサ科トウダイグサ属の1年草または2年草で、在来種。
日本では、本州から四国、九州、沖縄に分布し、海外では北半球に広く分布する。
草丈は20〜30pほどで、茎は1本立ちとなる。
茎の中程までの葉はへら形で互生し、頂部の葉は丸みが強く5枚が輪生する。
花期は4月〜6月で、茎の頂部に放射状に花茎を伸ばし、苞葉の中に黄色い花を複数付ける。
茎先の杯状花序の総苞内には雌花1個と雄花十数個がある。雌花はメシベのみ、雄花はオシベのみとなる。
腺体は4〜5個あり、杯状体の縁に互生して付き、腺体は楕円形の盤状。
雌花の子房は、杯状体からわずかに出て、花柱は3本ある。

2013/4/17
境川への道路脇で、毎年、トウダイグサが顔を見せてくれる場所があります。
どうということはないのですが、近くではこの場所でしか見られないので、毎年、楽しみにしています。

タチヤナギ(Salix subfragilis)
<キントラノオ目・ヤナギ科・ヤナギ亜科・ヤナギ連・ヤナギ属>
 
ヤナギ科ヤナギ属の落葉低木〜小高木で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布し、湿地に生える。
株立し、樹高は3〜10m、幹は直径10〜30pになる。樹皮は灰褐色で、不規則にはがれる。
葉は互生し、長さ5〜15pの長楕円形で先は尖り、葉柄は長さ10mmほどある。
縁には先端が腺になる細かい鋸歯があり、巻かない。裏面は無毛で淡白緑色。
花期は4月で、葉の展開と同時に開花する。
花序は長さ5p前後の円錐形で、雄花序は黄色く、雌花序は黄緑色。
雄しべは3個で、花糸は分離し、基部に黄緑色の腺体が2個ある。葯は黄色い。
雌花の線体は1個で黄色い。子房には長い柄があり、緑色。
苞の外面に毛があり、雄花では黄色く、雌花では淡黄緑色。

2016/4/2
境川の狭い河川敷に、タチヤナギが株立ちして、たくさんの花を付けていました。
花序の色が黄色いので、この株は雄株のようです。

 
2018/3/13
昨年、大雨で境川も増水し、河川敷の多くの木が流されたり、倒れたりしていました。
タチヤナギもかなり傷んでいたのですが、一部が残って新芽を出し、花穂が出始めていました。



タチヤナギの雄花序

       .
2018/3/27
恩田川の河川敷で見かけたタチヤナギの雄花序です。
河川敷まで下りられる所に自生していたので、花穂をアップで撮影できました。


マルバヤナギ[アカメヤナギ](Salix chaenomeloides)
<キントラノオ目・ヤナギ科・ヤナギ亜科・ヤナギ連・ヤナギ属>
 
ヤナギ科ヤナギ属の落葉低木〜高木で、在来種。新葉が赤いので、アカメヤナギの別名がある。
日本では、本州の東北地方中部以南、四国、九州に分布し、湿地に生える。
海外では朝鮮半島から中国中部以南に分布する。
1本立ちで、樹高は10〜20m、幹は30〜80pになる。樹皮は灰褐色で、縦に割れ目が入る。
高さより枝の張り出しの方が大きいため、樹冠は平らな円形になる。
葉は互生し、長さ5〜15pの楕円形で、葉幅は広い。葉柄は長さ15mmほどある。
縁には先端が腺になる細かい鋸歯があり、巻かない。裏面は無毛で粉白色。
花期は4月〜5月で、葉が展開したあとに開花する。雌雄異株。
雄花序は長さ7cmほどの円錐形で、オシベは3〜5個、花糸は分離して葯は黄色。2個の腺体は合着する。
雌花序は長さ4cmほど。2個の線体は合着し、子房には長い柄がある。苞は淡黄緑色で円形。

2016/4/16
境川の狭い河川敷に、マルバヤナギが赤い新葉を展開し、たくさんの花序を付けていました。
細長い黄色い花序を伸ばし、大量のオシベが付いていましので、雄株のようです。

 


2018/4/10
昨年、大雨で境川が増水し、河川敷の多くの木が流されたり、倒れたりしていました。
マルバヤナギは、流されずに頑張ったようで、枝には流れてきたゴミがたくさん巻き付いていました。
それでも、しっかりと花序を出し、長く伸びたものは10cm以上ありそうでした。

ナガミヒナゲシ(Papaver dubium)
<キンポウゲ目・ケシ科・ケシ亜科・ケシ連・ケシ属>
   
ケシ科ケシ属の越年草。地中海沿岸から中欧が原産の帰化植物。
アルカリ性土壌を好むようで、コンクリートによってアルカリ化した路傍などで繁殖しやすい。
草丈は20〜60cmで、葉や茎にはやや密に毛が生える。
根生葉はロゼットを形成し、1〜2回羽状深裂して葉柄はない。茎葉は互生し、羽状に深裂する。
花期は4月〜5月で、花茎を立ち上げ、茎頂に直径2〜5cmの4弁花を付ける。
花色は橙紅色〜紅色で、中央部のめしべの花柱はなく、柱頭は4〜8本の筋が放射状に伸びる。
黒っぽいオシベは多数あり、円筒形の子房はこのオシベに囲まれる。
果実は長さ15〜25mmの長楕円形の孔開刮ハで、熟すと上部に隙間の孔ができる。
種子は長さ0.7mm前後で、表面に網状脈があり、果実当り約1,600個入っている。
その約20%が10月に発芽して越冬し、さらに20%が4月に発芽する。
残りの60%は休眠しており、翌々年以降に順次発芽する。5年後の発芽も確認されている。
本種には、アレロパシーがあり、根と葉からは周辺の植物の生育を強く阻害する成分を出す。
なお、本種には「subsp. lecoqii」と「subsp. dubium」という2種類の亜種がある。
両種とも、国内に分布しており、前者の花弁は平開して、花弁の間に隙間ができる。
一方、後者の花弁は平開までせず、花弁が重なるように咲く。茎内の乳液の色も異なる。

2018/5/21
境川に向かう途中にある空き地で、ナガミヒナゲシが細長い果実を付けていました。
緑色の未熟な果実から、茶色く熟したものまでありました、熟したものは上部に隙間が開いています。
周りには、ナガミヒナゲシがたくさん果実を付けていたので、どんどん増えるものと思われます。

※ ナガミヒナゲシの花に関しては、こちらを参照ください。

ヒナゲシ(Papaver rhoeas)
<キンポウゲ目・ケシ科・ケシ亜科・ケシ連・ケシ属>
 
ケシ科ケシ属の1年草で、南ヨーロッパ原産の園芸品種。
本種は、虞美人草(グビジンソウ)、コクリコ(Coquelicot)、シャーレイポピー(Shirley poppy)とも呼ばれる。
草丈は50〜100pになり、葉は根生葉で、羽状に深裂し、無毛である。
花期は4月〜5月で、花茎を出して上部でよく分枝する。なお、茎には葉は付かない。
花茎の先に直径5〜10pの4弁花を付ける。ただ、園芸品種には八重咲きのものも多い。
花色には、白色、淡紅紫色、赤色などがある。

2016/4/16
境川に向かう途中にある空き地に、小さなケシが花を付けていました。
ナガミヒナゲシとは花色が異なるので、ヒナゲシとしました。
しかし、単純な単色ではなく、淡紅紫色のグラデーションがあるので、別種かもしれません。

ニセカラクサケマン(Fumaria capreolata L.)
<キンポウゲ目・ケシ科・ケマンソウ亜科・カラクサケマン属>
 

 
ケシ科カラクサケマン属の一年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に帰化している。
海外では、北アメリカやオーストラリアにも帰化している。
茎は斜上して分枝し、葉の軸で他のものに巻き付いて1mほどになる半つる性植物。
横に良く広がる被覆力が強く、大群落になることがある。
葉は互生し、長さは15p前後で3回羽状に深裂し、多数の小葉に分かれる。
小葉は黄緑色で白味を帯びない(良く似たカラクサケマンは粉白色を帯びる)。
小葉はさらに数深裂し、裂片はさらに細裂するが、裂片の幅は広く、縁は丸く巻き込む。
花期は2月〜6月で、上部の葉腋から総状花序を出し、先端の実が濃紅紫色の白い花を付ける。
萼片は、花の下部に付き、卵形で縁に鋸歯があり、長さは花弁の半分ほどである。
花弁は細長く、長さは10〜15oほどで、基部に距がある。
果実は球形で、熟すと果柄が下方に曲がる。

2015/4/12
境川に向かう途中の道路脇で、透き通るような白に濃紅紫色が怪しげな花を見つけました。
花の形からケマンソウの仲間であることは分かりましたが、見たことがありません。
調べると似たものに、カラクサケマン、セイヨウエンゴサク、ニセカラクサケマンがありました。
セイヨウエンゴサクは花が淡紅紫色で先端が濃紫色、カラクサケマンの葉は粉白色を帯びることから除外。
で、結論はニセカラクサケマンと判断しました。

※ 今年(2016年)、群落がどうなっているか見に行ったのですが、除草されて極一部が残っているだけでした。

※ 同じ相模原市内で、2003年に神奈川県下では最初に見つかったと下記に記載されていました。
相模原市立博物館 生きものの窓「広がりもせず、絶えもせず−不思議な外来植物(平成24年4月)

クスノキ(Cinnamomum camphora)
<クスノキ目・クスノキ科・ニッケイ属>
 
クスノキ科ニッケイ属の常緑高木で、史前帰化植物。
日本では、本州西部の太平洋側、四国、九州に分布するが、特に九州に多い。
海外では、台湾、中国、ベトナムなどの暖地に自生している。
樹高30m、幹回り10mを超えるものもあり、樹齢1000年と言われるものもある。
葉は互生で、3行脈の尖った楕円形。表面は光沢があり、裏面は灰白色で全縁。
普通、3行脈の基部にはダニ部屋と呼ばれる瘤状のものがあり、ダニが住み着く。
葉をちぎると樟脳の匂いがするが、この葉や枝を蒸留して樟脳を作る。
4月〜5月に新芽の展開と共に前年の葉は落葉する。
新芽の伸長とともに、5月〜6月に新葉の腋から円錐花序を出し、小さな花を付ける。
黄緑色の花被は、筒状で先が普通6裂する。花被片は2mm弱で、花後、脱落し筒部のみ残る。
9個のオシベは3個ずつ輪状に並び、内側に退化した仮オシベが3個ある。
果実は液果で、直径8mm程になる。10月過ぎに黒紫色に熟す。

2016/5/5
自宅近くの公園や街路樹にクスノキが使われていたので、その花をアップで撮ってみました。
樹の上の方で咲く極小さい花なので、花を見ようと思う人は少ないでしょうね。
左の写真で、ツボミの白っぽい部分が6裂し、その下のように開花します。

   
2016/6/4
花後、6裂した裂片は落下し、下部の筒部のみが残ります。
その筒部の先に、果実が成長して行きます。詳しくは、こちらを参照ください。

タブノキ(Machilus thunbergii)
<クスノキ目・クスノキ科・タブノキ属>
   
クスノキ科タブノキ属の常緑高木で、在来種。
日本では、本州から四国、九州、沖縄に分布する。
海外では、朝鮮半島南部、中国、台湾、フィリピンに分布する。
本種は、暖地では山間部にも見られるが、北限に近い寒冷地では海岸部のみに見られる。
樹高は20mに達し、幹回りも1mを超える場合もある。
樹皮はなめらかで、淡褐色〜褐色。皮目が散在する。新枝は緑色で無毛。
葉は互生し、枝先に集まって付く。葉身は長さ8〜15cmの長楕円形で、先が尖り全縁。
葉質は革質で、表面には光沢があり、裏面は灰白色。両面とも無毛。若葉は赤味を帯びる。
花期は4月〜6月で、枝先に円錐花序を出し、黄緑色の小花を多数付ける。
花被は6深裂し、花被片は長さ5〜7mmの長楕円形で、3個の内花被片が若干大きい。
オシベ9個と仮オシベ3個があり、最も内側のオシベの基部には、両側に柄のある黄色い腺体がある。
花柱は細く、柱頭は肥大する。なお、花被片は花後にも残る。
果実は液果で、直径10mmほどの扁球形で、7月〜8月に黒紫色に熟す。

2017/4/30
自宅近くの公園に植栽されている樹の中にタブノキがありました。
最初、何の樹なのか分からなかったのですが、小さな花が咲いているのを見て本種と分かりました。
花の付き方や形状から、近くのクスノキに近い樹種であることはすぐに分かります。

 
2017/5/15
しばらくして見に行くと、数は少ないですが、果実ができていました。
クスノキとは果実の形状が異なり、花弁が残るので蓮華座に擬宝珠が乗ったような形です。

ツボミオオバコ(Plantago virginica)
<シソ目・オオバコ科・オオバコ連・オオバコ属>
   
2016/4/16         2016/4/16          2016/4/23
オオバコ科オオバコ属の1年草で、北アメリカ原産の帰化植物。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全土に分布している。
草丈は10〜30pほどで、茎や葉には綿毛が生えているので、白っぽく見える。
葉は根生し、葉身はさじ型で3〜8cmほどあり、数pの葉柄がある。
花期は5月〜8月で、葉の間から数十cmの花茎をだし、穂状花序に小花を密生する。
花冠は淡黄褐色で4裂し、裂片は2o前後で真っ直ぐに伸び、先が尖る。雌性先熟である。
本種は普通、両性の閉鎖花を持ち、花冠は閉じたまま直立して、極小さい帯紅色の葯が筒部先に付く。
雌性の閉鎖花は、両性の閉鎖花と見た目は同じであるが、葯が退化して柱頭が突き出す。
開放花は、少なくて1割に満たないが、雄性期には花冠裂片が開き、帯紅色の葯が突き出す。
和名は、小花が開花してもツボミのように見えることが、その由来。
果実は蓋果で、長さ2〜3oの卵形、同じ形の種子が向かい合って2個入っている。

2016/4/16
境川に向かって下る途中の草原で見かけました。
左端は未成熟な花序で、中央は開花時の花穂です。開花といっても、閉鎖花なので花冠は開きません。
色も淡黄褐色なので、枯れているように見えますが、4裂した花冠が萼の先に突き出しています。
残念ながら、この場所では開放花は見られませんでした。

   
2016/5/15
1ヶ月程経った頃、見に行くとすっかり果実が成熟していました。
緑色だった萼は褐色になり、残った花被片の基部付近は、帯紅色になっています。
この帯紅色の部分の下部に横に割れる線があり、蓋を取るようにパカッと割れます。

ヘラオオバコ(Plantago lanceolata)
<シソ目・オオバコ科・オオバコ連・オオバコ属>

オオバコ科オオバコ属の1年草〜多年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本では、ほぼ全国的に分布している。オオバコと異なり、踏みつけには弱い。
ヘラオオバコはヨーロッパでハーブとして食用や薬用に利用され、家畜用飼料としても栽培されている。
草丈は、大きい物は50pを超えることもあり、披針形の葉も数十pになる。
和名は、その葉の形がへら状であることに由来する。
花期は6月〜8月で、長い花茎を立ち上げ、その先に円柱状の花穂を付ける。花は下から順次咲き上る。
花からは、メシベと4個のオシベが長く飛び出す。

2018/4/10
国道16号線の縁石の際に、ヘラオオバコが根を下ろし、多くの花茎を立ち上げていました。
道路際なので、人が踏みつけることがなく、ヘラオオバコにとっては良い環境のようです。
葉も花序も、特に傷みがなく、きれいな状態でした。ただ、ほこりがひどいので、葉は薄汚れていました。
花は、下部のものが開花したばかりで、長く伸びたオシベも花序の下部のみに見られました。

 
2019/4/29
今年もヘラオオバコが長い花茎を伸ばして花を付け、車が通る度にユラユラと揺れていました。
その花穂を真上から撮ったのがこの写真で、土星の輪っかのような形が気に入っています。

ツタバウンラン(Cymbalaria muralis)
<シソ目・オオバコ科・キンギョソウ連・ツタバウンラン属>
 
オオバコ科ツタバウンラン属のつる性多年草で、地中海が原産の帰化植物。
日本へは観賞用に大正年間に入り、逸出野生化して北海道から本州にかけて見られる。
葉が蔦に似て、花がウンランに似ていることからこの名前が付けられた。
茎は地上を這い、分枝して節から不定根を出し、長さは10〜40cmになる。
葉は互生し、長い葉柄の先に扁円形で掌状に5〜7裂した葉身が付く。
花期は5月〜11月で、葉腋から長い花柄を伸ばし、花を1つ付ける。
花冠は長さ8o前後の白色〜淡青色で、暗紫色の筋模様があり、上下2唇に分かれる。
上唇は2裂して直立し、下唇には黄色い膨らみが2個あり、花冠の後端は距となる。
果実は球形で長い柄で下垂し、直径5mm前後の球形。熟すと裂ける。

2018/4/3
国道16号側の道路脇にある花壇で、ツタバウンランが咲いていました。
まだ、株が小さくて葉が10個もなく、そのためツルにもなっていません。
そのような株ですが、既に花を2個咲かせていました。下にはツボミも見られます。

マツバウンラン(Nuttallanthus canadensis)
<シソ目・オオバコ科・キンギョソウ連・マツバウンラン属>
   
2016/5/20          2016/5/20          2016/5/25
オオバコ科マツバウンラン属の越年草で、北アメリカ原産の帰化植物。
日本では、関西を中心に広がり、関東にも進出中である。
1941年に帰化しているのが確認され、在来種のウンランに比べ葉が細いのでこの名が付けられた。
最近では普通に見かけられるようになっている。
草丈は10〜60pと生育環境によって大きく変わる。茎は基部で数本に分枝し、走出枝で広がる。
基部のロゼット状の葉は楕円形で多肉質であるが、茎葉は互生し、葉幅が1mm強の線形になる。
花期は5月〜7月で、茎の頂部に穂状に淡青紫色(稀に淡紅紫色)の唇形花を付ける。
花冠の長さは10oほどで、5oほどの距がある。上唇は2裂し、下唇は3裂して基部の膨らんだ部分が白い。

2016/5/20
境川へ向かう途中の道路脇で、可憐な花を風に揺らしていました。
関西の方では多いそうですが、関東のこの辺りでは、たまに見かける程度です。

※ マツバウンランの花以外の部分に関しては、こちらを参照ください。

 
2018/4/10
境川近くのコンビニで見かけたマツバウンランです。
ちょうどマクロレンズを持っていたので、アップを撮り直したものです。

オオカワヂシャ(Veronica anagallis-aquatica)
<シソ目・オオバコ科・クワガタソウ連・クワガタソウ属>
   
オオバコ科・クワガタソウ属の越年草で、ヨーロッパ〜アジア北部が原産の帰化植物。
日本では本州を中心に拡散中で、四国や九州の一部にも進出している。
海外では、朝鮮半島から中国、モンゴル、ロシアから、アフリカ、南北アメリカ、オーストラリアに分布。
湖、池、沼、河川の岸辺や水田、湿地などに生育する。
全体に無毛で、地中で根茎を横に広げ、茎を立ち上げて1mほどの高さになる。
葉は対生し、無柄で先の尖った長楕円形で、縁に不明瞭な細かい鋸歯がある。
茎の上部では、葉の基部が心形になり、茎を抱く。
花期は、4月〜9月で、葉腋に穂状花序を出し、直径5oほどの花を多数付ける。
花冠は4深裂し、花色は淡紫色から白色で、濃色の縦筋が入る。
オシベは2個で、萼は4深裂する。裂片の長さは数o。
在来種のカワヂシャ(準絶滅危惧種)との交雑が確認されており、特定外来生物に指定されている。

2016/4/16
境川の河川敷(と言えるほど広くはないですが)に流れ込む下水管の近くで見かけました。
オランダガラシ(クレソン)と争うように大きな群落を形成していました。


2016/4/2
2週間ほど前に、対岸から撮った写真ですが、手前左手に見えているのが本種です。
中央右寄りでたくさん咲いている、白い花はオランダガラシ(クレソン)です。
オオカワヂシャは、このときは花が少なかったので、あまり気に止めていませんでした。

オオイヌノフグリ(Veronica persica)
<シソ目・オオバコ科・クワガタソウ連・クワガタソウ属>
 
2018/4/3
 
2018/4/10
ゴマノハグサ科クワガタソウ属の越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本をはじめ、アジア、北アメリカ、南アメリカ、オセアニア、アフリカに外来種として定着している。
日本では全国に広がっており、どこでも見られる。
草丈は15〜25cmで、茎はよく分枝して横に広がる。
葉は、下部では対生し、上部では互生する。葉身は長さ12mmほどの卵形で先が尖り、鋸歯がある。
花期は2月〜6月で、上部の葉腋から長さ1〜2cmの花柄を伸ばし、直径8mmほどの花を1個付ける。
花冠は4裂し、裂片は淡青色に濃青色の縦じまがある。うち1個が小さく、色も薄い。
萼も4裂する。オシベは2個で、メシベは1個ある。
果実は、長さ約4o、幅約6oのやや扁平なハート形で、縁にだけ長い毛がある。

2018/4/3 境川へ向かう途中、道路脇で花を付けていたオオイヌノフグリです。
2018/4/10 さらにアップの写真が撮りたくて、前回の近くで探して撮ったものです。
どこででも見られるオオイヌノフグリですが、意外と条件の良い場所には咲いてなくて、かなり探しました。
左の花は、日蔭に咲いていたもので、右の花は陽が当っていたものです。
日陰ではノペッとした単調な印象ですが、陽が当ると表面の凹凸が出て、メリハリが出ますね。色も艶やかです。

タチイヌノフグリ(Veronica arvensis)
<シソ目・オオバコ科・クワガタソウ連・クワガタソウ属>
 
2016/5/20                   2018/4/10
オオバコ科クワガタソウ属の越年草で、西アジアからヨーロッパ原産の帰化植物。
日本をはじめ、アジア、北アフリカ、南北アメリカ、オーストラリアに移入分布している。
日本では全国に広がっており、どこでも普通に見られるようになった帰化種。
茎は基部で分岐して直立し、上向きの曲がった毛と長い腺毛が生える。
葉は対生し、下部の大きな葉はオオイヌノフグリと形が似ているが、上部の葉は小さい三角状広披針形になる。
最下の1〜2対の葉を除いて無柄。葉の両面にも毛が多い。
花期は4月〜6月で、花色は淡青色〜淡紅色で、直径3oほどとオオイヌノフグリより小さく、花柄は極短い。
萼は長さ3〜4oで4裂し、裂片は線状披針形。花冠は萼より短い。

2016/5/20 境川へ向かう途中、道路脇の石垣の隙間に生えている本種に気付きました。
極狭い隙間に根を張り、数本の茎を立ち上がらせていました。
2018/4/10 境川へ向かう途中の畑の脇で見かけたタチイヌノフグリです。
時折見かけますが、花が開いている所はなかなか見られません。大概、閉じていますね。

ちなみに、左は105oに接写リングを付けて撮ったもので、右は100oマクロで撮ったものです。


タチイヌノフグリの花

   .
2018/7/21
実家近くで見かけたタチイヌノフグリです。
やっと、開花しているタチイヌノフグリの花を見ることができました。
といっても、オオイヌノフグリの花の半分以下の大きさしかないので、手持ち撮影は大変でした。


ムシクサ(Veronica peregrina)
<シソ目・オオバコ科・クワガタソウ連・クワガタソウ属>
 
オオバコ科クワガタソウ属の1年草で、在来種。水湿地に自生する。
日本では、本州から四国、九州に分布し、海外ではアメリカ、アジアからオーストラリアに分布する。
草丈は5〜20cmで、茎は無毛で、下部でまばらに枝分かれして斜上する。
葉は下部では対生し、上部では互生になる。葉身は長さ10〜25mmの狭披針形で、鋸歯がある。
花期は4月〜5月で、葉腋に極短い花柄の白花を1個付ける。
花の直径は2〜3mmで、4深裂し、オシベは2個、メシベは1個ある。
子房は球が2個くっ付いたような形で、短い花柱がある。
萼は葉状に4深裂して、長さが4oほどあり、花よりも大きく、裂片の先は鈍頭。
刮ハは長さ2〜3mm、幅3〜4mmの扁平なハート形をしている。

2018/4/10
境川へ向かう途中、道路脇で見かけ、タチイヌノフグリだと思って撮ったものです。
後で写真をよく見ると、タチイヌノフグリとは葉の形が異なります。
改めて調べ直すと、ムシクサと分かりました。以前からタチイヌノフグリと混同していた可能性があります。
タチイヌノフグリと異なり、花弁が白くて筋模様がありません。葉も上部では全縁で、鋸歯がありません。

ジギタリス(Digitalis purpurea)
<シソ目・オオバコ科・ジギタリス連・ジギタリス属>
 
オオバコ科ジギタリス属の越年草か多年草で、ヨーロッパ、北東アフリカ〜中央アジアが原産地。
なお、現在は観賞用あるいは薬用として、世界中で栽培されている。
寒さには強いが、暑さには弱く、暖地では夏に枯れることが多いので、越年草となる。
なお、開花にはある程度の大きさの苗が、低温に合う必要がある。
草丈は50〜180cmであるが、茎は直立して分枝はしない。全体に灰白色の短毛がある。
茎葉は互生し、下部の葉は長さ5〜15cmの卵形〜楕円状披針形で、長さ15cm以下の葉柄がある。
上部の茎葉は小さく、葉柄は短いか無柄。葉の表面は縮れ、裏面は白い毛で覆われている。
花期は5月〜7月で、茎頂の長い総状花序に多数の鐘形の花を付ける。
花冠の長さは30〜45mmで、花冠の内部下側に濃色の斑紋と長い毛がある。
2個のオシベは花冠の上側に付き、萼は5裂する。
花色は、園芸品種があるので、白、ピンク、オレンジ、黄、紫、茶など豊富にある。
なお、ジギタリスには全草に猛毒があり、取り扱いには注意が必要である。

2018/5/21
境川に向かう途中にある畑、その脇に作られた花壇のような所で花を付け、かなり咲き進んでいました。
どこかで見た記憶はあったのですが、名前が分からず、後で調べて本種と分かりました。
花の特徴から、品種名は「ダルメシアン・ホワイト」だと思われます。

アレチハナガサ(Verbena brasiliensis)
<シソ目・クマツヅラ科・クマツヅラ連・クマツヅラ属>
 
クマツヅラ科クマツヅラ属の多年草で、南アメリカ原産の帰化植物。
日本では、本州から四国、九州に分布しており、分布域を広げつつある。
草丈は1〜2mで、綾のある四角形の茎は直立して粗い毛がありざらつく。上部でよく分枝する。
葉は対生し、茎葉は長さ5〜10cmの広線形で、下部の茎葉は中ほどから先に鋸歯がある。
上部の茎葉は線形になって先が鋭く尖り、鋸歯もなくなる。いずれも無柄で基部は茎を抱かない。
花期は6月〜8月で、茎の上部に長さ3〜7cmび穂状花序を多数付ける。
淡青紫色の花冠は直径3o程で、5裂する。萼や苞は、共に長さ3o前後。
花は花序の基部から徐々に咲き登り、秋には細長い穂状花序になる。

2016/5/15
境川近くの草原で、アレチハナガサが花を付けていました。
この辺りは時々除草されるので、あまり草丈は高くなく、こじんまりとした姿です。



アレチハナガサの穂状花序

   .
      2012/6/13               2012/10/17
これらは多摩川の河川敷で見かけたアレチハナガサです。
最初はヤナギハナガサに近い形をしていますが、徐々に穂状に伸びます。


ヤナギハナガサ(Verbena bonariensis)
<シソ目・クマツヅラ科・クマツヅラ連・クマツヅラ属>
 
クマツヅラ科クマツヅラ属の多年草で、南アメリカ原産の帰化植物。
日本では、本州から四国、九州に分布している。
草丈は1〜1.5mで、四角形の茎は直立して粗い毛があり、中空。根元から開いた株立ちになる。
葉は対生し、茎葉は長さ7〜15cmの線形で、葉幅は先までほとんど同じで、基部は茎を抱く。
葉の先端から2/3程には不揃いな鋸歯がある。なお、若葉の頃には中央部が膨れた広線形になる。
花期は6月〜8月で、茎の上部に穂状花序を出すが、長さは5〜15mmと短い。
淡紅紫色の花冠は直径は5o程。長さが10o程ある筒状の花で、花序から長く突き出る。
萼や苞は、共に長さ3o前後。花冠、萼、苞、花柄には長い白毛と短い腺毛が密生して粘る。
花が咲き進むと花序は伸長するが、アレチハナガサ程にはならない。

2012/10/21
境川の河川敷で、ヤナギハナガサが花を付けていました。
花期はアレチハナガサと同じなので、晩春から咲いていたと思いますが、気付いたのが秋でした。
アレチハナガサに似ていますが、花序や葉の形状が異なり、葉の基部が茎を抱く点が異なります。
また、茎を折ることができれば、アレチハナガサが中実なのに対し、本種は中空なので一目瞭然です。

ヒメオドリコソウ(Lamium purpureum)
<シソ目・シソ科・オドリコソウ亜科・オドリコソウ属>
 


シソ科オドリコソウ属の越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本をはじめ、北アメリカや東アジアにも帰化しており、日本では、主に本州に広く分布する。
草丈は10〜25cmで、4稜形の茎には下向きの毛が生える。花期は3月〜5月。
葉は対生し、長さ1〜2cmの三角状卵形で、有柄。脈が深く、花期には赤紫色を帯びる。
葉の上部の葉腋に、長さ10mm前後の淡紅色の唇形花をたくさん付ける。
オシベは4個で、メシベの花柱は先が2裂する。萼は5裂し、裂片の先は尖る。
果実は4分果で、頭部が平らになる。分果には3稜があり、基部に大きな種沈がつく。

2018/4/3
境川から少し離れた畑の脇で、ヒメオドリコソウが花を付けていました。
花は葉の陰に隠れるようにして咲き、花数も少ないので、花よりも赤紫色を帯びた葉の方が目立ちます。
なお、下段は日陰に生えていたもので、日が当らないためか、葉が赤紫色を帯びず、全て緑色でした。

ホトケノザ(Lamium amplexicaule)
<シソ目・シソ科・オドリコソウ亜科・オドリコソウ属>
   
シソ科オドリコソウ属の越年草で、在来種。道端や田畑の畦などによく見られる。
日本をはじめ、アジアやヨーロッパ、北アフリカなどに広く分布する。
日本では、北海道以外の本州、四国、九州、沖縄に広く自生する。
草丈は10〜30cmで、花期は3月〜6月。
葉は対生し、長さ2cm前後の丸みのある扇状で、鈍い鋸歯がある。
上部の葉腋に長さ2cm程の紅紫色の唇形花を多数付ける。
その中に、つぼみのまま結実する小さな閉鎖花が多数混じる。

※ 春の七草にある「ほとけのざ」は、本種とは別のコオニタビラコの事です。

2017/3/7
境川から少し離れた畑の畔で、耕作された後にホトケノザが花を付けていました。
畔の端に土が寄せられた所には、ちょっとした群落ができていました。

キランソウ(Ajuga decumbens)
<シソ目・シソ科・キランソウ亜科・キランソウ属>
 


シソ科キランソウ属の多年草で、本州、四国、九州に分布している。
海外では、朝鮮半島から中国に分布している。
根生葉が地面に張り付くように広がり、茎も高く伸びず、全体がロゼット状に地表に張り付く。
葉は、基部が狭く、先端側が幅広になる広倒披針形で、長さは5p程。葉の縁には波状の鋸歯がある。
花期は3月〜5月で、茎の先端近くの葉の基部に、濃紫色の花を付ける。
唇型の花の上唇は小さく、下唇は大きくて3裂する。
特に中央の裂片は長く突き出し、その先は浅く2裂する。
道ばたや庭のすみ、山麓などに生える。全体に縮れた毛がある。

2018/4/10
境川へ向かう途中の道路脇で、民家の塀の基礎部分に出来たひび割れに根を下ろしていました。
畑の中などでも見かけますが、写真が撮れる場所ではなかったので、これは貴重な撮影可能な個体です。
「地獄の釜の蓋」の別名が示す通り、地面に張り付くように広がっています。
紫の地色に濃紫色の縦筋模様の花ですが、オシベの葯が黄色いので、それがやたらと目を引きます。

トキワハゼ(Mazus pumilus)
<シソ目・ハエドクソウ科・サギゴケ亜科・サギゴケ属>
 
ハエドクソウ科サギゴケ属の1年草。日本各地の畑や道端に分布する。
やや乾いた所を好み、匐枝は出さない。草丈は5〜15pになる。
根元の葉は卵形で数cmあるが、上部の茎葉は小さい。
花期は4月〜11月と長く、上唇は紫色で先が白くなり、小さく2裂する。
下唇は白〜淡紫色で、黄褐色の不規則な斑紋がある。萼は5裂し、花後も果実を包んで残る。
花柄や萼には腺毛が多く、萼片の内側や花冠にも腺毛がある。
果実はやや扁平な球形で、熟すと先が2つに割れる。

2016/5/15
境川へ向かう道路脇の石垣の上で見かけました。
草丈が低いので、普通に生えていると撮るのが大変なのですが、ちょうど目線位置で撮影できました。

 
2017/8/22
マンション近くの芝生の中に1株だけ、花を咲かせていました。
ゴルフ場などで、大きな群落になっているのを見かけますが、この辺りでは少数派です。

 
2018/5/21
トキワハゼの果実が熟して、先が2裂し始めていました。
タイミングなのでしょうが、このような果実を見るのは初めてでした。

ネズミモチ(Ligustrum japonicum)
<シソ目・モクセイ科・オリーブ連・イボタノキ属>
   
モクセイ科イボタノキ属の常緑低木で、在来種。
日本では、本州から、四国、九州まで広く分布する。
日本以外では、台湾と中国に分布する。
ネズミモチは、大きくても樹高が8mほどまでで、多くは数mくらいで剪定されている。
ネズミモチの葉は、日にかざしても葉脈が透けて見えないところがトウネズミモチと異なる。
白い花は、5月〜6月ごろにかけて咲くが、トウネズミモチより1〜2週間ほど早い。
花冠は長さ5oほどの筒状で、4裂し、先の尖った裂片は開出して反り返る。
オシベは2個あり、花柱も花冠から飛び出る。果実は核果で、長さ7o前後の楕円体。
果実は晩秋に黒く熟すが、その形がネズミの糞に似ており、それが和名の由来。

2016/5/25
境川へ向かう道路脇の畑の生垣に、イヌツゲと共に使われていました。
トウネズミモチと異なり、それほど大きくならないので使われているのでしょう。









inserted by FC2 system