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境川近辺 野草編(春W)



相模原市の自宅近くを流れている境川、そこへの道すがらや境川で撮影した、季節を彩る野草などです。

< トピック >

今回、新たに見かけた下記の野草を追加しました。
ワジュロ

また、下記の写真を追加しています。
ソヨゴ



ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
マメ目
マメ科(エンドウ、クスダマツメクサ、コメツブツメクサ、スズメノエンドウ、ソラマメ、
     ナヨクサフジ、ハナズオウ、ヤハズエンドウ[カラスノエンドウ])
ミズキ目
アジサイ科(アジサイ)
ミズキ科(ハナミズキ)
ムクロジ目
ミカン科(ユズ)
ムラサキ目
ムラサキ科(キュウリグサ、ヒレハリソウ)
モクレン目
モクレン科(カラタネオガタマ、コブシ、ハクモクレン、モクレン)
モチノキ目
モチノキ科(イヌツゲ、ソヨゴ、モチノキ)
ヤシ目
ヤシ科(ワジュロ)
ユキノシタ目
フウ科(モミジバフウ)
ベンケイソウ科(オカタイトゴメ)
ユキノシタ科(ヒマラヤユキノシタ)
ユズリハ科(ユズリハ)
リンドウ目
アカネ科(ハナヤエムグラ)
 
ゼニゴケ目
ゼニゴケ科(ゼニゴケ)
トクサ目
トクサ科(スギナ[ツクシ])
ヒダナシタケ目
マンネンタケ科(マンネンタケ)
境川近隣の春の野草
和名インデックス


ハナズオウ(Cercis chinensis)
<マメ目・マメ科・ジャケツイバラ亜科・ハナズオウ連・ハナズオウ属>
 
マメ科ハナズオウ属の落葉低木で、中国原産の帰化植物。
日本には、江戸時代初期に渡来したとされている。
樹高は2〜3m程度。葉はハート形の単葉で、互生。
4月頃、葉に先だって紅紫色(白花もある)の蝶形の花を多数、枝に付ける。
花後、長さ数cmの豆果を多数付け、秋には黒褐色に熟す。

2018/4/3
境川に向かう道路脇や民家の庭先で、たわわに花を付けているハナズオウを見かけました。
ピンクの花が、これでもかと言わんばかりに密集して付いていて、遠目からでも目立ちます。

エンドウ(Pisum sativum L.)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・エンドウ属>
 
マメ科の一年草または越年草で、広く栽培され、食用となっている。
古代オリエント地方や地中海地方で麦作農耕の発祥とともに栽培化された豆でもある。
麦作農耕とともにユーラシア各地に広まり、5世紀に中国に、9〜10世紀に日本へは伝わったとされる。
エンドウには、莢の硬さにより硬莢種(こうきょうしゅ)と軟莢種(なんきょうしゅ)がある。
硬莢種は文字通り莢が硬く、完熟して乾燥した豆を利用するものである。
軟莢種は、未熟な豆果をサヤエンドウとして利用したり、完熟した生豆をグリーンピースとして利用する。
原産地が地中海性気候の近東地方であるため、夏は成長適期ではなく、秋に蒔いて春に収穫する。
花期は3月〜5月で、硬莢種の花は紅色であり、軟莢種の花は白色が多い。

2018/4/3
多摩川に向かう道路脇の畑で見かけたエンドウの花です。
エンドウは野菜ですが、豆の花つながりで掲載することにしました。
それで調べていて気が付いたのですが、莢が食べられる花は赤く、食べられない花は白いとありました。
なんと、花の色の違いは、硬莢種か軟莢種の違いだったんですね。調べていて初めて知った事実です。
で、このエンドウの花は白いので、莢の食べられる軟莢種。おそらくサヤエンドウではと思われます。

クスダマツメクサ(Trifolium campestre)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・シャジクソウ連・シャジクソウ属>
 
マメ科・シャジクソウ属の多年草で、ヨーロッパから西アジア原産の帰化植物。
日本では、主に本州と四国に分布するが、北海道や九州にも分布が広がっている。
地を這うよう広がるコメツブツメクサとは異なり、本種は茎が立ち上がり草丈は20〜40pほどになる。
葉は互生し、3小葉で、葉柄は小葉より短い。側小葉は無柄で、頂小葉には5o前後の葉柄がある。
托葉は、長さ7o前後の楕円形で先が尖る。小葉は長さ5〜15o程の楕円形で、葉先のみに鋸歯がある。
花期は5月〜8月で、葉腋に長さは数pの花柄を出し、長さ15〜20oの円筒状の花序を付ける。
萼は、初期には緑色をしているが、開花すると鮮黄色に近くなり、長さ2o前後で、先が5裂する。
開花後、受粉すると花は下向きになり、花が終わっても花冠は落ちずに枯れ残る。

2015/6/13
境川の側にある草原の一部に、クスダマツメクサが繁茂していました。
時期的には咲き終わりに近づいているようで、下部の方が枯れ始めたものや茶色く枯れた花が目立ちました。



 
2018/5/21
今年は多少時期が早かったので、咲き始めの花が残っていました。
その花をマクロで撮り直したものです。アップで見ると透き通るような黄色がきれいですね。

コメツブツメクサ(Trifolium dubium)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・シャジクソウ連・シャジクソウ属>
 


マメ科・シャジクソウ属の多年草で、ヨーロッパ - 西アジア原産の帰化植物。
日本では、全国的に分布している。
コメツブウマゴヤシと間違われることがあるが、コメツブツメクサは地を這うように背が低い。
草丈は20〜40pほどで、茎は良く分枝して横に広がる。
葉は3小葉で、葉柄は数oと短い。
小葉は長さ10o弱の楕円形で、葉脈がはっきり見え、側脈は並行。
花期は5月〜7月で、葉腋から2p程の花序枝を出し、その先に直径7oほどの花序を付ける。
黄色い蝶形花は長さ3oほどで、5〜20個ほどが球状に集まって付く。
授粉後、花は垂れ下り、花冠は枯れてそのまま残り、その中で豆果は成熟する。

2016/4/23
境川に向かう道路脇の草原の一部を、コメツブツメクサがびっしりと覆っていました。
その中にアメリカフウロが交じっていました。
右端の写真で、手前のピンボケしたものと、奥の赤褐色の葉がそうです。

ソラマメ(Vicia faba)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ソラマメ連・ソラマメ属>
 
マメ科の一年草または越年草で、西南アジアから北アフリカが原産で、古くから世界各地で栽培されている。
草丈は50〜80cmほどになり、茎は太く、断面は四角形で稜があって中空。
葉は偶数羽状複葉で、1〜3対の小葉からなる。小葉は楕円形で、先は丸い。
花期は3月〜4月で、葉腋に極短い総状花序を出し、数個前後の花を付ける。
花は白〜淡紫色で直径30o前後、旗弁には黒い筋状の斑紋があり、翼弁には黒い大きな斑紋がある。
豆果は長楕円形で、上に向かって直立する。その様が空に向かっているように見えることが和名の由来。
中には3〜5個の種子が入っており、熟すと黒変する。

2018/4/3
多摩川に向かう道路脇の畑で見かけたソラマメの花です。エンドウから少し離れた所に植えられていました。
ソラマメも野菜ですが、この特徴的な豆の花を紹介したくて掲載することにしました。
豆果の花で、旗弁に筋模様があるものはいくつかありますが、翼弁に模様があるものは意外と少ないのです。
ソラマメは、その両方に黒い模様がある花を付けます。

スズメノエンドウ(Vicia sativa subsp. nigra)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ソラマメ連・ソラマメ属>
 
マメ科ソラマメ属のつる性の越年草で、在来種。
日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布する。
海外では、ユーラシア大陸などの温暖帯に広く分布する。
葉は、12〜14枚の小葉からなり、先端は巻ひげになる。
花期は4月〜6月で、花は葉腋から伸びた柄の先に4個前後付き、花色は、白に近い淡青色。
豆果は、長さ1cm程で短毛があり、下向きに付く。豆は2個入っていることが多い。

2016/4/2
境川に向かう道路脇で、歩道と塀の隙間からスズメノエンドウが枝をたくさん伸ばしていました。
枝先の方で、葉腋から出た柄の先に花が咲いていました。
ヤハズエンドウと違って、花が小さく地味な花色なので、良く見ないと見落としてしまいそうです。

   
2016/4/16
境川沿いの道路脇でもスズメノエンドウを見つけました。
辺り一帯を覆い尽くすほどの大きな群落になっていました。
良い感じで、花が咲いていたので、アップで撮ってみました。
僅かに淡青色が見られますが、ほとんど白に近い色合いです。

   
2016/4/23
最初に見かけたスズメノエンドウが、大半の花が終わって、豆果をたくさん付けていました。
ほとんどの豆果で、豆は2個入っているようです。

   
2016/5/7
上記の約2週間後の様子です。豆果が成熟して、はじけていました。
中央の写真の中央付近で、豆果が2つの割れて、豆が転がり落ちそうになっています。
豆は、淡黄褐色の地に褐色の斑点があり、ウズラの卵のようです。

ヤハズエンドウ[カラスノエンドウ](Vicia sativa subsp. nigra)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ソラマメ連・ソラマメ属>
 
地中海沿岸が原産の帰化植物で、越年草。日本では、全国的に分布している。
標準和名は「ヤハズエンドウ」であるが、「カラスノエンドウ」という名前が一般には知られている。
いたるところで極普通に見られる雑草であるが、古代には食用にされていた。
草丈はつる性で10〜30cmになる。茎は全体に毛があり四角柱状。
葉は偶数羽状複葉で、小葉は4〜8対。葉の先端は2〜3分岐した巻ひげとなる。
小葉は有毛で、先が浅く凹んだ形が矢筈(やはず)に似ているのが和名の由来。
托葉は深い切れ込みがあり、褐色の腺点(花外蜜腺)が付くのが特徴である。
花期は3月〜6月で、花は葉腋に数個付き、長さ12〜18mmの紅紫色。
旗弁の裏は色が薄く、花柄はほとんど無い。萼は5裂して先が尖り、萼歯は萼筒より短い。
豆果は斜上し、扁平で長さ3〜5cmで、5〜10個の種子が入っている。
熟すと真っ黒になって2つに裂け、果皮がよじれて黒い種子をはじき飛ばす。

2018/4/3
マメ科の中でも特にポピュラーではないかと思っているのが、ヤハズエンドウです。
個人的には、カラスノエンドウの方がピンとくるのですが、こちらは俗名です。
昔、食料用の豆として栽培されたこともあるそうですが、どこにでもある雑草のイメージの方が強いです。
子供の頃、実入りの良い、熟す前の豆果の豆を取り出して、よく笛として遊んだ事を思い出します。


ヤハズエンドウの白花

     .
2016/4/6                2018/4/3
ヤハズエンドウの白花は、多摩川の河川敷を散歩していて見つけたものです。
右の普通の花と見比べてみてください。花弁は純白で、他の色は全く入っていませんでした。
おそらく1株だけが、普通のヤハズエンドウに混じって生えていたものと思います。


ナヨクサフジ(Vicia villosa subsp. varia)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ソラマメ連・ソラマメ属>
   
マメ科ソラマメ属のつる性の1年草または越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布している。
茎は良く分枝して、他の物に巻き付いて広がり、長さ2mほどになる。
葉は互生し、羽状複葉で頂片は巻ひげとなる。小葉は狭楕円形で、10対ほどある。
基部には不規則な形状の托葉がある。
花期は5月〜8月で、葉腋に花序を出し、長さ15oほどの蝶形花を1方向に穂状に付ける。
花色は、咲き始めは淡紅色であるが、徐々に淡紫色になる。
旗弁の爪部(筒状部)が長く、旗弁の舷部のほぼ倍の長さがある。
萼筒はほぼ無毛で、花柄が萼筒の下側に付くので、基部の丸く膨らんだ所が後に付きだす。
なお、和名は「弱草藤」で、ナヨナヨとしたクサフジを意味している。

2016/5/20
境川へ向かう道路脇の草むらで、ナヨクサフジが淡赤紫色から淡紫色の花を咲かせていました。
最初に見た時、クサフジかと思ったのですが、旗弁の爪部が長いので調べてみると本種でした。

なお、ビロードクサフジは、花色や旗弁の爪部が長い点、花柄が萼筒の下に付く点が良く似ています。
ただ、茎や葉に長い軟毛が多くて毛深い点が本種とは異なります。

 
2018/5/21
今年も同じ場所でナヨクサフジが花を付けていました。
昨年は除草されて何もなかったのですが、雑草だけに繁殖力は強いようです。


クサフジの花

       .

八ヶ岳自然文化園で見かけたクサフジです。花色が、ちょっと青味が強いです。
それ以外に、旗弁の爪部が短くて、旗弁の舷部とほぼ同じ長さです。
また、萼筒に付く花柄の位置がほぼ真後ろで、下に付くナヨクサフジとは異なります。


アジサイ(Hydrangea macrophylla)
<ミズキ目・アジサイ科・アジサイ属・アジサイ節・アジサイ亜節>
   

 
  アジサイ科アジサイ属の落葉低木で、日本原産のガクアジサイを原種とする栽培品種。
樹高は1〜2mで、葉は卵形で、光沢のある淡緑色。縁に鋸歯がある。
花期は5月〜7月で、花と言われているのは装飾花で、花弁に見えるのは萼である。
ガクアジサイでは、装飾花が花序の周辺に縁取るように並び、「額咲き」と呼ばれる。
その中央に小さい両性花が多数あり、花弁5個。オシベ10個とメシベ1個(花柱は3個)がある。
なお、装飾花では、花弁、オシベ、花柱の数が少なくなったり、開花しないものもある。
ガクアジサイの変種で、ほとんどが装飾花になり、花序が球形になったものは「手まり咲き」と呼ばれる。
中国を経由してヨーロッパに渡り、逆輸入されたものはセイヨウアジサイと呼ばれる。
アジサイは、根から吸収されるアルミニウムイオンの量によって花色が変わる。
土壌のpH(酸性度)が、酸性だとアルミニウムがイオン化され、花のアントシアニンと反応して青くなる。
アルカリ性だと、イオン化されないので、アジサイに吸収されることがないので、赤色のままになる。
1つの株でも、イオンの分布度合いによって吸収される量が異なるので、赤と青が混じることもある。
なお、品種によっては遺伝的な要因で、花が青くならないものもある。

2016/5/25
境川に向かう道路脇で、ほとんど放置状態のアジサイが、毎年、花を付けて楽しませてくれる。
手まり咲きのアジサイで、青いものとピンクのものがあり、品種が異なるようです。
少し離れた所では、ガクアジサイも咲き始めていました。


アジサイの花 いろいろ

       .
<アジサイ>       <ヤマアジサイ[クレナイ]>        <アナベル>

   
  <ガクアジサイ>      <ヤマアジサイ[シチダンカ]>    <カシワバアジサイ>

 
 <ノリウツギ>         <タマアジサイ>

※ 上記の写真で、ノリウツギとタマアジサイ以外は、自生種ではなく園芸品種と思われます。

ガクアジサイ(Hydrangea macrophylla f. normalis)
房総半島、三浦半島、伊豆半島、伊豆諸島、足摺岬、南硫黄島、北硫黄島で海岸に自生する。
花序は多数の両性花を中心として、装飾花が周りを縁取る。
花序の直径15p前後、装飾花は直径4p前後で、色は白色、青色、淡青緑色、淡赤紫色。
中央の両性花は濃紫色である。葉は厚く、大きく、表面は濃緑色で光沢がある。

アジサイ(Hydrangea macrophylla var. macrophylla)
日本原産のガクアジサイの品種で、他のアジサイとの区別するためホンアジサイとも呼ばれる。
花序は20p以上になり、ほとんど装飾花のみからなる。装飾花の下に両性花が見られるものもある。
そのため、種子ができるのは稀で、挿し木や株分けで増やされる。
ヨーロッパやアメリカから逆輸入されたものは、セイヨウアジサイと呼ばれる。

ヤマアジサイ(Hydrangea serrata/Hydrangea macrophylla subsp. serrata)
別種とする説と亜種とする説がある。そのため、2つのが学名が使われている。
日本では、本州関東以西、四国、九州などの山地に分布する。千島列島、台湾、中国南部の山地にもみられる。
ガクアジサイと比べ、花色が多様性に富む。花序は直径7〜18p、装飾花は直径2p前後。
葉質は薄くて光沢がなく、10p前後と小さい。形は長楕円形、楕円形、円形など多様性に富む。
枝は細く、樹高は1m程度と低い。分布域が広いこともあり、いくつかの亜種がある。
エゾアジサイ(Hydrangea serrata subsp. yezoensis (Koidz.) Kitam.)
本州の東北地方、北陸地方と北海道、および朝鮮半島南部に分布する。
樹高は1.5mになり、花序径は15p前後、花色は青や青紫色が多いが、白やピンク、赤いものもある。
アマギアマチャ(Hydrangea serrata subsp. angustata (Franch. & Savatier) Kitam.)
富士山、天城山周辺、静岡市梅ヶ島、箱根に自生する。
花色は白で、葉はヤマアジサイより細い。
クレナイ(Hydrangea serrata 'kurenai')
長野県飯田市の山中で発見され品種である。装飾花は一重咲きで、萼片数は3〜5個である。
装飾花は、最初白色だが日光に当たると赤みを帯び、最も赤くなるアジサイと言われている。
シチダンカ(Hydrangea serrata cv. 'prolifera')
萼が星型で重なっている品種。江戸時代から知られていたが、絶滅した「幻のアジサイ」とされていた。
1959年に六甲山で再発見され、その後、1993年に滋賀県でも発見された。

アナベル(Hydrangea arborescens cv. Annabelle)
北アメリカ東部原産のアメリカノリノキを原種とする園芸品種。
原種は、小さな装飾花がまばらに額縁状に付く程度である。
しかし、アナベルは花序径が30pに達し、装飾花も多くて手まり咲きのため、見応えがある。
ツボミの時には緑色であるが、開花が進むにつれ、淡緑色、白色へと変化する。

カシワバアジサイ(Hydrangea quercifolia)
北アメリカ東部原産のアジサイで、樹高は2mに達する。
花序が円錐形で、葉がカシワのように深裂するのが特徴。

ノリウツギ(Hydrangea paniculata)
日本では北海道から本州、四国、九州に分布し、山地の林縁などに自生する。
花はよく目立ち、ハナカミキリなどの訪花性の昆虫がたくさん集まる。

タマアジサイ(Hydrangea involucrata)
日本では東北地方南部(福島県)、関東地方、岐阜県までの中部地方に分布する。
山地の沢沿いや、湿り気のある林縁、道路の法面などに自生する。
装飾花は白色で大きさ30mm程、両性花は紫色で大きさ数mmで、花序は直径は15cmになる。
つぼみの大きさは直径15mm程の球形で、開花に伴い包んでいた苞は、次々を落ちる。
ツボミが玉のように丸いのが和名の由来ですが、詳細はこちらを参照ください。


ハナミズキ(Benthamidia florida)
<ミズキ目・ミズキ科・ミズキ亜科・ヤマボウシ属>
 
  ミズキ科ヤマボウシ属の落葉小高木で、北アメリカ原産。アメリカヤマボウシの別名を持つ。
庭木や街路樹として利用されることが多い。
1912年にワシントンD.C.へソメイヨシノを送った返礼として、1915年に送られたのが始まり。
樹高は5〜10mで、樹皮は灰黒色。成長が比較的遅く、自然に樹形は整う。
葉は対生し、枝先に集まって付く。葉身は8〜12cmの楕円形で葉脈が目立ち、縁は波打ち葉先は尖る。
花期は4月下旬〜5月上旬で、白と淡いピンクの花を付けるが、花弁に見えるのは総苞。
4枚の苞の真ん中に見えるのが花序で、直径5mmほどの黄緑色の4弁花が多数集まって付く。
花後には苞が落ちて果実が付き、秋には真っ赤に熟す。また、葉も秋には紅葉する。

2018/4/3
最近、街路樹として植えられているのを見る機会が多いハナミズキです。
私の自宅近辺でも、街路樹や公園の植栽として、赤と白の花を付ける木が植えられています。
ちょうど、この時期に赤と白の総苞が開き始め、木がにぎやかになってきます。
総苞が開くと花が咲いたように見えますが、実際の開花はもう少し先です。

ユズ(Citrus junos)
<ムクロジ目・ミカン科・ミカン亜科・ミカン連・ミカン属>
   
ミカン科ミカン属の常緑小高木で、柑橘類の1種。ホンユズとも呼ばれる。
原産地は、中国の中央〜西域、揚子江上流と言われている。
飛鳥時代・奈良時代の歴史書に栽培されていたと記載されている。
日本では、東北以南で栽培され、特に高知県の馬路村が有名。
樹高は2〜5mになるが、幹や若枝にも鋭い刺がある。
非常に成長が遅いのが特徴で、「桃栗3年柿8年、ユズの大馬鹿18年」と言われる。
葉は互生し、葉身は長さ6〜9cmの卵状楕円形で、葉柄には広い翼がある。
花期は5月〜6月で、葉腋に単生するか総状花序を出し、白い5弁花を咲かせる。
花の直径は3cm前後で、わずかに紫色を帯びた白色で芳香がある。
多数のオシベが花糸の中部まで筒状に合着し、その中心にメシベの柱頭がある。
果実は6〜7cmの扁球形で、黄色く熟し、その表面には凹凸がある。
果実には強い酸味があり生食には向かないが、芳香のある果皮と共に和食などに利用される。
ユズには、「木頭系」、早期結実品種として「山根系」、種無しユズとして「多田錦」がある。
多田錦は、果実が小さめで香りが少し劣るとされるが、トゲが少なく、種がほとんどなくて果汁が多い。
ユズと名が付く、ハナユズ(ハナユ、1才ユズ)は、ユズと混同されることが多いが別種である。
ユズと比べて、樹高が数mと低く、短年で結実する。果実は小ぶりで香りが弱いが、花にも香りがある。
また、シシユズ(鬼ユズ)は、ブンタンに近い品種で、果実の見た目はユズに似ている。
ただし、直径15〜20cmと大型で、表面の凹凸大きいのが特徴。観賞用や正月飾りなどに利用される。

2016/5/20
境川に向かう道路脇の民家の畑で咲いていました。
柑橘系の花はどれもよく似ているので、花だけから種類を特定するのは困難です。
ナツミカンの花ではないかと思い、花を見た時、懐かしくなって撮影してしまいました。

※ 後に果実を確認して、ナツミカンではなく、ユズと判明しました。

 
2018/5/21
上記とほぼ同時期なのですが、今年は暑かったので開花が早かったようです。
花はすっかり終わってしまい、果実が大きくなり始めていました。

キュウリグサ(Trigonotis peduncularis)
<ムラサキ目・ムラサキ科・キュウリグサ属>

ムラサキ科キュウリグサ属の越年草で、在来種。ムギ類と一緒に入ってきた史前帰化植物と考えられている。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。海外ではアジアの温帯に広く分布する。
草丈は10〜30pになり、根元の葉は卵形で長い葉柄がある。
茎葉は互生し、長楕円形で葉柄があるが、上部では無柄になる。
花期は3月〜5月で、茎先にサソリ型花序(ぐるっと巻いた花序)に、花径3o程の淡い青紫色の花を付ける。
花冠は5烈し、中心の円形の部分は黄色い。その円形の穴の奥にオシベ5個とメシベがある。

2018/4/10
境川に向かう道路脇など、ちょっと土がある所にもみられるキュウリグサです。
拡大すると淡青色のきれいな花なのですが、直径3oほどの小さな花なので、見る人は少ないでしょう。
花序はぐるっと巻き込んでいて、それを伸ばしながら咲き上っていきます。

ヒレハリソウ(Symphytum officinale)
<ムラサキ目 ・ムラサキ科・ヒレハリソウ属>
   

   
ムラサキ科ヒレハリソウ属の多年草で、ヨーロッパ・西アジア(コーカサス地方)原産の帰化植物。
日本では、北海道から本州、四国、九州と広く帰化して、分布している。
ヒレハリソウという和名より、コンフリーという英名の方がよく知られている。
草丈は1m程になり、茎はよく分岐して全体に白い粗毛がある。
葉は互生し、長楕円形で全縁。根生葉には長い葉柄がある。
花は夏から秋にかけて咲き、花色は紫色、淡紅色、白色のものがある。
花は筒状で中程で絞られ、その先は少しふくれて先端は5裂する。
筒状の花弁の内部には、5本の雄しべがあり、細長い三角形の付属体が付く。
ヨーロッパでは、古くから伝統的な薬草として伝統的に利用されている。
日本でも一時期、健康食品として一大ブームとなったが、肝障害が報告されて販売禁止となった。

2016/5/15
境川に向かう途中の駐車場脇の草むらで、一際大きく背を伸ばしていました。
上段の淡紅色の株と下段の白色の株が、並んで競うように咲いていましたが、白花は始めて見ました。

カラタネオガタマ(Michelia figo)
<モクレン目・モクレン科・モクレン亜科・オガタマノキ属>
 
モクレン科オガタマノキ属の常緑低木で、中国南部が原産地。
樹高は5m程にしかならず、枝葉がよく茂り、花に芳香があることから、庭木などに利用される。
耐寒性が低く、温暖な気候を好むことから、関東以西で植生に利用される。
葉は全縁で、5cm程の先の尖った広卵形の葉を互生する。
開花時期は、5月〜6月で、花径は3cm程。バナナの様な強い芳香を放つ。
クリーム色で厚い花弁は6枚で、花弁の縁が紅紫色を帯びる。
オシベとメシベは多数が付くが、その間に軸があるのが、他のモクレン科には無い特徴。

2016/4/23
境川へ向かう途中の公園に植えられていましたが、花が咲くまで、本種とは気が付きませんでした。
ただ、この樹は花が大きく開花せず、半開き状態のまま散ってしまいます。
そのためでしょうか、近づいても芳香は感じず、鼻を近づけてやっと感じる程度でした。

※ 開花したカラタネオガタマの様子は、こちらを参照ください。


2018/4/10
気が付くと、ことしもカラタネオガタマがたくさんのツボミを付けていました。
下旬になると咲きだすものと思われますが、毛むくじゃらでツボミに見えないですね。

コブシ(Magnolia kobus)
<モクレン目・モクレン科・モクレン亜科・モクレン属>
 
モクレン科モクレン属の落葉高木で、早春に白い花を梢いっぱいに咲かせる。
日本では、北海道から本州、九州に分布する。
樹高は15m以上になり、幹も直径60cmに達するものもある。
葉は互生し、倒卵形で先は尖る。葉よりも先に花が咲く。
花は、白いへら状の花弁が6枚で、萼片は3枚ある。
メシベは緑色で、ベージュ色のオシベが周りを取り囲み、ともにたくさんある。
果実は、袋果の集合体で、ゴツゴツと瘤が寄り集まった不定形な形をしている。

2016/3/19
境川へ向かう途中の公園に植えられているコブシが、白い花をたくさん付けていました。
ハクモクレンより一回り小型の花ですが、また、異なった魅力があります。

   
2016/4/23          2016/5/20             2016/6/29   .
花後の様子を追いかけてみました。1ヶ月後、果実はやや大きくなった程度です。
それが2ヶ月後になると、果実は一気に大きく成長し、不規則に歪んでいました。

   
2016/7/12           2015/9/19            2015/9/23
7月になって、果皮が多少赤みを帯びてきて、果実によっては明瞭に赤くなった部分が見られます。
ここからは昨年の写真となりますが、9月になると果皮が裂開して、赤い種子が見え始めました。
それから1週間もたたないうちに、種子がむき出しになっていました。
右端の写真で、一番手前に白い糸状のものが横にスッと伸びています。
これは、種子をつないでいる繊維の切れたもので、種子が1個、落下した後です(下記参照)。

 
2015/9/23
この赤い種子ですが、白い繊維のようなものでつながっており、直ぐには落下しません。
種子は、糸を引くように徐々に伸びて垂れ下り、最後にはポトリと落下します。

ハクモクレン(Magnolia heptapeta)
<モクレン目・モクレン科・モクレン亜科・モクレン属>

モクレン科モクレン属の落葉高木で、中国原産。
日本では、庭木や公園樹として、北海道から本州、四国、九州と全国で利用されている。
樹高は10mを超える大型種で、葉は全縁の塔卵形で、葉身は10cmを超える。
開花時期は3月〜4月で、コブシより10日前後早い。葉の展開前に開花する。
白い花被片は9個で、長さ8p前後の倒卵形でほぼ同じ大きさ。
オシベは長さ10mmほどで、連結して刺状に突き出す。葯は長さ7oほどで、横に裂開する。
雌ずい群は淡緑色で、長さ2p強のこん棒状。
果実は円筒形であるが、一部しか成長しないので、不規則に湾曲する。
秋には、翌春のための冬芽や花芽が準備され、それらは淡灰黄色の長い絹毛で覆われている。

2015/9/19
境川へ向かう道路脇の畑に、大きなモクレン科の樹が3本植えられていました。
枝には、来年の春に咲く花芽がたくさん付いていましたが、種類までは分かりませんでした。

 


2018/3/13
今年、見に行ったのが少々早かったようで、一部のツボミがほころび始めたばかりでした。
年によるバラつきはあると思いますが、後、1週間ほどで下記のように満開になるでしょう。

 


2016/3/19
春になったので、どのような花か見に行った所、ハクモクレンと分かりました。
青空をバックに、樹いっぱいに白い大きな花を付けていて、見事な咲きっぷりでした。

   
2016/4/2          2016/4/16          2016/4/23
花後の様子を追いかけてみました。2週間、3週間と経つにつれ、果実が徐々に大きくなってきました。
ただ、この頃から大きな葉が展開してきて見えにくくなるとともに、落果するものが増えてきました。

   
2016/5/20          2016/6/4          2016/6/29

この頃になると、一部の種子が大きくなり始め、果実がいびつに歪み始めます。
果実の数も、数えられるほどに少なくなり、大半が落果してしまっているようです。
その後、フォローしようとしたのですが、見える範囲の果実が無くなってしまいました。

モクレン(Magnolia quinquepeta)
<モクレン目・モクレン科・モクレン亜科・モクレン属>
 
モクレン科モクレン属の落葉低木で、中国南西部が原産地。
花が紫色であることから、シモクレン(紫木蓮)の別名もある。
樹高は5m程にしかならず、10cm程の先の尖った広卵形の葉は互生する。
開花時期は、4月〜5月で、濃い紅色の花弁は9枚で、外側の3枚は萼片状。強い芳香を放つ。
花弁はハクモクレンとは異なり舌状で長い。オシベとメシベは多数が螺旋状に付く。
このモクレンとハクモクレンの交雑種がサラサモクレン(Magnolia×soulangeana)で、庭木として利用される。
花色は、淡紅紫色から暗赤色と変異が多く、花弁は9枚で、外側の3枚は萼片状。
サラサモクレンは、花色、花形、樹高などは、幅広い変異がある樹種です。
開花は、ハクモクレン→サラサモクレン→モクレンの順になる。

※ サラサモクレンをサクラモクレンと誤記されたサイトがいくつかありました。
花色からそう呼びたくなる気持ちも分かりますが、間違えないようご注意を。

2016/4/2
境川へ向かう途中の公園で、モクレンが大きな花を咲かせていました。
ただ、花弁の先が淡紅紫色なので、サラサモクレンの可能性が高そうです。

イヌツゲ(Ilex crenata Thunb.)
<モチノキ目・モチノキ科・モチノキ属>
   
モチノキ科モチノキ属の常緑低木で、在来種。
名前に「ツゲ」が付くが、ツゲ科ではなく、モチノキ属の植物です。
日本では、本州から四国、九州に分布する。
海外では朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
樹高は2〜6mで、樹皮は灰黒色で、皮目がある。
葉は互生し、長さ2p前後の楕円形で、表面に光沢があり、浅い鋸歯がある。
花期は5月〜7月で、雌雄異株。花は直径5o前後の4弁花で、花色は黄白色。萼片も4個。
雄花は散形花序に数個付き、4個のオシベと退化したメシベが1個ある。
雌花は葉腋に1個付き、4個の退化したオシベと、メシベが1個あり、子房は緑色の半球形。
果実は球形の核果で、直径は5o前後。秋に黒く熟す。

2016/5/20
境川へ向かう道路脇の畑の生垣に、使われていました。
2種類の花が咲いており、その時は異なる樹種と思っていました。
後で、調べてみるとイヌツゲの雄花と雌花と分かりました。

   
2016/5/25<雄株/雄花>

   
2016/5/25<雌株/雌花>

そのため、後日、その花をアップで撮影し直したものが上記です。
本種は4花弁のはずなのですが、雄株、雌株とも5花弁の花が混じっていました。

ソヨゴ(Ilex pedunculosa Miq.)
<モチノキ目・モチノキ科・モチノキ属>
   
モチノキ科モチノキ属の常緑低高木で、在来種。
日本では、本州中部から四国、九州に分布する。海外では、中国と台湾に分布する。
樹高は3〜7mで、樹皮はなめらかで皮目が多い灰褐色。なお、本年枝は淡緑色。
葉は互生し、長さ6cm前後の先の尖った楕円形で、基部は丸みを帯び、2p程の葉柄がある。
縁は全縁で、ゆるく波打つ。両面とも無毛で、表面は深緑で光沢があり、裏面はやや白っぽくなる。
花期は5月〜7月で、本年枝の葉腋から長い柄を出して直径4oほどの白い花を付ける。
雄花序は2pほどの柄の先に付き、5個前後の花を散形状に付ける。
花弁は4〜5個で、同数のオシベと退化したメシベがある。萼片も同数ある。
雌花は4p程の柄の先に普通1個、稀に数個付き、花柄の途中に小さな苞葉がある。
花弁は4〜5個で、同数の退化したオシベとメシベがあり、子房は緑色の半球形で、柱頭は1個。
果実は核果で、直径8mmほどの球形。秋に赤く熟す。

2016/5/20
境川に向かう途中の道端に、白い小さな花を付ける樹があります。
以前から気になっていたので調べてみると、ソヨゴの雌株と分かりました。
しかし、花は咲いても、果実は見たことがありません。近くに雄株がないのかもしれません。

 
2018/5/21
今年もソヨゴがたくさんの花を咲かせていました。少々、遅すぎたようで、オシベが枯れ始めていました。
しかし、前回の拡大写真が不鮮明でしたので、マクロで撮り直しました。

   
2019/6/5
今年は例年になく、たくさんの花が付いていて、写真を撮ろうと思っていました。
しかし、そう思っている間に時間が過ぎ、多くの花が終わりかけてましたが、まだ、少し残っていました。
良さそうな花を探して撮りましたが、花にたくさんのアリが来ているのに気が付きました。
子房の基部から蜜が出るのでしょう。上の2018/5/21の写真で、基部に見える液体が蜜かもしれません。

 
2018/7/21
昨年の秋、赤く色づいた果実を1個見かけ、写真を撮ろうと思っていて忘れてしまいました。
今年はどうかと、探すと茶色く枯れた果実が見つかりました。他にも無いかと探すとありました。
合計で3個見つけました。何とも結実率が悪いですね。やはり、近くに花粉の提供者がないのでしょう。
大きさ的には、昨年見かけた赤い果実とさほど変わらない大きさになっています。
今年こそ、赤く熟した果実の写真を撮り忘れないようにしたいと思います。

モチノキ(Ilex integra)
<モチノキ目・モチノキ科・モチノキ属>
 
<雄花>
 
<雌花>
 



モチノキ科モチノキ属の常緑高木で、自生種。
日本では、本州の宮城県、山形県から四国、九州、南西諸島の海縁の山地に自生する。
樹高は10m程になる。葉は互生し、葉身は5cm前後、楕円形で尖り、成木では全縁。幼木では鋸歯あり。
雌雄異株で、前年枝の葉腋に極短い枝を出し、4月頃に黄緑色の小さな花を束生する。
雄花は2〜15個、雌花は1〜4個ずつ集まる。花弁は4個で萼片も4個、オシベも4個ある。
雄花には、オシベ4本と、退化したメシベがある。
雌花は、緑色の大きな子房と退化した4本のオシベがある。メシベの柱頭は4残裂する。
果実は核果で、1cm程の球形。11月頃に赤く熟す。

2018/4/3
境川に向かう途中の民家で、大きなモチノキが数本、たくさんの花を付けていました。
多くは雄株でしたが、雌株が2本混じっていて、雄花と雌花を見ることができました。
雌花は、中央に緑色の大きな子房を持っているので、一目見れば分かります。
それに加えて、雌花の近くに、昨年の赤っぽく熟した果実がまだ残っていました。

 
<雄花>                 <雌花>     .
2018/4/10
1週間ほどして様子を見に行くと、雄花は幾分くたびれて、黄色味が増していました。
雌花はというと、まだ小さいですが、すっかり果実に変わってしまっていました。

ワジュロ(Trachycarpus fortunei)
<ヤシ目・ヤシ科・シュロ属>


   
<ワジュロ 雄株>


   
<ワジュロ 雌株>
ヤシ科シュロ属の常緑高木で、在来種。雌雄異株であるが、稀に雌雄同株も見られる。
日本では、九州地方南部に自生するが、耐寒性が高く、東北地方でも栽培されている。
海外では、中国南部からミャンマー北部まで分布する。
樹高は10mに達し、幹は円柱形で、分枝することなく垂直に伸びる。
幹には枯れた葉柄と葉鞘網が残存し、上部まで密に覆われる。
幹の上部に葉を叢生し、直径50〜80cmの扇状に多数の裂片に裂ける。
裂片は幅15〜30mmの線形で、内に折れ、先は2残裂する。
若い葉は斜上して立ち上がり、古くなると先が折れて垂れ下がる。
葉柄は1mほどあり、基部には歯牙と刺状突起が並ぶ。
幹と接する部分は三角状に広がり、幹を抱くような形になっている。
その下部には数十cmの暗褐色の葉鞘網があり、これがシュロ皮である。
シュロ皮の繊維は、腐りにくく伸縮性に富むため、縄やほうきなどに加工される。
花期は5月〜6月で、葉の間から長さ30〜40cmの円錐花序を出す。
雄花序の雄花は淡黄色で、球形に近い。長さ3o程の広卵形の花弁は3個。
オシベは6個で、花糸は円柱状。メシベは退化しているが、3個ある。
雌花序には、雌花と両性花が付き、雌花は淡緑色。メシベ3個と退化したオシベ6個がある。
果実は液果で、長さ10mm前後、幅8o前後の扁球形で、熟すと黒くなる。

ワジュロよりも樹高が低く、葉が小さくて下垂しないトウジュロがある。
ワジュロと同種とする説もあるが、庭園などの植栽に向く品種である。

2019/4/29
境川へ向かう途中の畑の脇で、ワジュロの雄株と雌株が花を付けていました。
子供の頃、実家の庭にワジュロが植えてあったので、雄花も雌花も見たことがあります。
漁師をしていたことがあったので、船で使うロープの材料として植えられたいたようです。
しかし、それらが切られて(背が高くなり過ぎ、台風対策で伐採)以来、両方を見たのは久しぶりです。
最近、河川敷などで野鳥に種子を運ばれたノジュロが見られますが、両方を見たことがありません。
庭木として植栽されることは稀(背の低いトウジュロはある)なようで、両方が見られる所は少ないです。

モミジバフウ(Liquidambar styraciflua)
<ユキノシタ目・フウ科・フウ属>
   
    2015/7/11             2015/9/23         2015/12/5
フウ科フウ属の落葉高木で、北アメリカ中南部・中央アメリカ原産の移入種。
日本へは大正時代に渡来し、街路樹などに利用されている。
そのため、アメリカフウの別名がある。なお、フウは漢字で「楓」と書く。
また、フウ(別名:サンカクバフウ)は、台湾、中国南部が原産地で、同様に移入されている。
樹高は20mに達し、樹皮は褐色を帯びて、浅く縦に裂ける。若枝にはコルク質の淡褐色の稜がある。
葉は互生し、短枝に束生する。葉身は10〜15pほどで、5〜7裂し、裂片には細かい鋸歯がある。
葉柄は長さ10p前後あり、葉脚は浅い心形。葉表には光沢があり、秋に紅葉する。
花期は4月で、雌雄同株。雄花序は、頭状花序が花序軸に総状に多数付き、立ち上がる。
雌花序は、球形の頭状花序が長い柄の先に1個付き、ぶら下がる。
果実は集合果で、球形になり、花柱が角のように残っている。

2015/7/11
境川に向かう途中の道路脇に金平糖を大きくしたような果実が落ちていました。
見上げると、葉の間から同じ果実がぶら下がっていました。
葉の形などから調べると、モミジバフウの果実と分かりました。
9月末くらいまでは変化はなかったのですが、紅葉している12月には褐色になっていました。

   
2016/4/23            2016/4/23            2016/4/23
4月末にモミジバフウの下を歩いていて、ふと見上げると花が咲いていました。
新枝の先には、太い花序軸に雄花の頭状花序が多数、円錐状に付いて立ち上がっていました。
その基部からは、球形の雌花序が長い柄の先に付いて、複数ぶら下がっています。
果実と同じように、先が湾曲した花柱がたくさん突き出していました。

   
2016/5/20           2016/6/29           2016/7/12
1ヶ月も経つと、雌花序は果実となり、花柱の基部が太くなって、二回りほど大きくなっていました。
さらに1ヶ月程経つと、さらに肥大して角状の部分の基部が見えるようになっていました。

   
2015/9/23            2015/12/5            2015/12/5
ここからは昨年度の写真に戻りますが、果実の成熟の様子です。
緑色であった果実も、成熟と共に褐色に変わって行き、角の基部が裂開して、種が出てきます。
この頃には、果実が樹から落下するものと思いますが、写真のものは途中で枝に引っかかっていました。

オカタイトゴメ(Sedum japonicum subsp. oryzifolium var. pumilum)
<ユキノシタ目・ベンケイソウ科・センペルビヴム亜科・セダム連・マンネングサ亜連・マンネングサ属>
 
ベンケイソウ科マンネングサ属の常緑多年草で、原産地不明の帰化植物。
日本では、ほぼ全国に帰化し、海岸から内陸部まで道路脇などで見られる。
草丈は4〜8cmほどで、全体的にタイトゴメより小さい。
葉は互生し、長楕円形で、長さは3mm前後。切り口は半円形。上部の葉は非常に密に付く。
花期は6月〜7月で、花は、茎頂の集散状の花序に数個を付けるか、茎上部の葉腋に付く。
花は直径8oほどの黄色い5弁花で、長さ4oほどの広披針形。
オシベは10個で、花弁より短く葯は黄色。メシベは5個で、斜上する。
萼片は5個で、先端は丸く、他のマンネングサ属と比較すると短め。

2018/5/21
境川からの帰り道、道路脇の石垣の際の僅かな隙間からオカタイトゴメが枝を伸ばしていました。
オカタイトゴメには似た花が多いのですが、葉の形状や花の直径から本種としました。


ベンケイソウ科の花
<ユキノシタ目・ベンケイソウ科>

被子植物の科のひとつで、およそ33属1,400種が含まれる常緑の多年草。
全世界に分布するが、特に北半球と南アフリカに多い。
多肉質の葉および茎を持ち、水の乏しい乾燥した地域に分布する。

オカタイトゴメ
マルバマンネングサ
メキシコマンネングサ







キリンソウ
ホソバノキリンソウ





オカタイトゴメマルバマンネングサメキシコマンネングサは、マンネングサ属に属します。
キリンソウとホソバノキリンソウはキリンソウ属に属します。
同じベンケイソウ科の花なので、見た目は良く似ています。
しかし、花の形態は良く似ていますが、葉には大きな違いがあるので、両種の区別は容易です。
ただし、多くは種間交雑が容易なため、野生、人為での交雑があり、同定が容易でないものもあります。
また、キリンソウとホソバノキリンソウは、花ではほとんど差異がありません。
ホソバノキリンソウの葉が若干細長く、鋸歯が葉の2/3程度(キリンソウは1/2程度)ある点です。


ヒマラヤユキノシタ(Bergenia stracheyi)
<ユキノシタ目・ユキノシタ科・ヒマラヤユキノシタ属>
 
ユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属の常緑多年草で、ヒマラヤ山脈周辺が原産の園芸種。
高山が原産地なので、耐寒性は非常に強いが、暑さや湿気にはやや弱いところがある。
基部の葉は丸くて、茎にらせん状に付きロゼット状になる。
茎は地面を這うように伸びるが、成長は遅い。
花期は2月〜4月で、花茎を伸ばしてピンクの花を房状に付ける。

2017/3/7
境川から少し離れた畑脇で、ヒマラヤユキノシタが花を付けていました。
花がなければ葉が地を這うように広がるだけなのですが、花がピンクなので、花があると目立ちます。
この株は、花期がピークを過ぎた頃のようで、枯れた花が多く見られました。

 
2017/12/26
来春のための花芽が膨らみかけていました。
来年になると一層膨らみ、2月にはピンクの花を見せてくれるでしょう。

ユズリハ(Daphniphyllum macropodum)
<ユキノシタ目・ユズリハ科・ユズリハ属>
   
2016/5/5            2016/5/5            2016/6/4
ユズリハ科ユズリハ属の常緑高木で、古名はユズルハ。雌雄異株。
日本では、本州の福島県以西から四国、九州、南西諸島に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国中部に分布する。
樹高は10m程になり、葉は長楕円形で葉身は20cm程になり、枝先にらせん状に付く。
花期は、5月〜6月で、花被(萼と花冠)がなく、葉腋から総状花序を出す。
雄花は、6〜12本のオシベのみで、開花前は赤紫色の葯が目に付くが、裂開後には紫褐色になる。
雌花は、卵形の子房の先に2〜3裂した花柱があり、オシベは退化して子房の周りに付いている。
果実は、1cm程の卵状で、表面に粉をふき、花柱が黒く残る。11月頃に黒く熟す。
有毒植物で、多くのアルカロイドを含み、家畜が誤食した中毒例の報告がある。

2016/5/5,6/4
相模川に向かう途中の公園に、ユズリハの雌株があることに気が付きました。
雄株にはときどき出会うのですが、雌株は2株目です。
花の時期は過ぎていましたので、未成熟な果実の写真のみです。


ユズリハの雄花

       .
  <雄花序>          <雄花/未開花>         <雄花/開花>

多摩川の近くで撮影したユズリハの雄花です。
オシベのみで、開花前はきれいな赤紫色をしています。
裂開すると紫褐色になり、花粉が表に出てきます。


ハナヤエムグラ(Sherardia arvensis)
<リンドウ目・アカネ科・アカネ亜科・ハナヤエムグラ属>
 
アカネ科ハナヤエムグラ属の1年草で、ヨーロッパ、北アフリカ、南西アジア原産の帰化植物。
ハナヤエムグラ属の唯一の種である。
国内では、北海道、本州、四国に分布する。
茎は基部からよく分岐し、地表を這って広がり、先の方で数十cmに立ち上がる。
葉は、6枚前後で輪生し、枝先に8枚の苞葉に囲まれた花序を付ける。
花は、直径数mmほどの淡紫色で、花冠は4裂する。オシベは4本、メシベは1本。

2015/5/15
境川に向かう途中の草原で、他の野草に交じって淡紫色の小さな花を付けていました。
以前、多摩川の近くで見かけたものは消滅してしまい、久しぶりの再会となりました。

スギナ[ツクシ](Equisetum arvense)
<トクサ目・トクサ科・トクサ属>
 
トクサ科トクサ属の夏緑性の多年草で、北半球に広く分布しており、日本でも全国に分布している。
浅い地下に地下茎を伸ばしてよく繁茂するため、取り除くのが非常に困難な雑草である。
地上茎には2形があり、1つは栄養葉で、緑色で枝を規則的に輪生し、それが杉に似ているのが和名の由来。
枝の内部は中空で、葉は退化して節の部分に鞘状に付いている、俗に袴(はかま)と呼ばれる部分である。
もう1つが春に現れる胞子嚢胞を付ける胞子茎で、俗にツクシ(土筆)と呼ばれる。

2018/4/5
最強の雑草の1つであるスギナ。その胞子茎であるツクシです。
既にツクシの時期は過ぎてしまっていたのですが、日当たりの悪い道路脇の花壇で見かけたツクシです。
既にスギナが大きくなり始めていましたが、顔を出したばかりのツクシも見られました。

ゼニゴケ(Marchantia polymorpha L.)
<ゼニゴケ目・ゼニゴケ科・ゼニゴケ属>
   
<雌器>             2016/4/16             <雄器>
ゼニゴケ科ゼニゴケ属の植物で、在来種。雌雄異株。
世界中に分布し、日本では北海道から九州まで分布する。
苔類に属するコケ植物で、茎と葉の区別が曖昧な、いわゆる葉状体である。
裏側の中央より仮根を伸ばし、地表に密着する。
「杯状体」という独特の無性生殖の器官を持ち、両側が窪んだ円盤状の無性芽が形成される。
雨水などで、周辺に放出されて無性的に繁殖する。
雄器は雄株の葉状体の先端にでき、柄は短く、雄器床は浅い水盤状で、上に水が溜まる。
雌器は雌株の葉状体の先端にでき、柄は長く、仮根溝は2条、傘状の雌器床は6〜10深裂する。
雄器床に水がたまると精子が流れ出て、雌器床の下面にある造卵器に到達すると受精する。
繁殖力が強く、なかなか除去できないため、園芸家などにとっては厄介者である。

2016/4/16
境川に向かう途中の畑の際で、ゼニゴケが少し傘を付けていました。
後で調べた所、傘と言っているのは雌器で、その下方で縁の立った褐色の物が雄器と知りました。
この雄器は、色が黄褐色に変色してきているので、胞子を放出した後なのかもしれません。

 
2016/4/23<雌器と雄器>

後日、別の畑の側で、きれいな緑色の雌器を林立させているゼニゴケを見かけました。
やはり、雌器の陰に隠れるようにして雄器が下の方に並んでいました。
こちらの雌器の下部にある造卵器は淡緑色で小さいので、胞子未放出の物もあるようです。









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