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境川近辺 野草編(夏U)



相模原市の自宅近くを流れている境川、そこへの道すがらや境川で撮影した、季節を彩る野草などです。

< トピック >

今回、新たに見かけた、下記の野草を追加しました。
オニユリ、タカサゴユリ、ワジュロ

また、花期の写真を追加しています。
コヒルガオ、ハゼラン



ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
ツツジ目
サクラソウ科(ヌマトラノオ)
ツバキ科(ナツツバキ)
ナス目
ナス科(ヒヨドリジョウゴ、ワルナスビ)
ヒルガオ科(コヒルガオ、マルバアサガオ、マルバルコウ)
ナデシコ目
オシロイバナ科(オシロイバナ)
スベリヒユ科(ハゼラン)
ブドウ目
ブドウ科(キレハノブドウ、ノブドウ)
フトモモ目
ミソハギ科(サルスベリ)
ブナ目
ブナ科(クリ)
マツ目
イチイ科(キャラボク)
マメ目
マメ科(ナツフジ)
モクレン目
モクレン科(タイサンボク)
ヤシ目
ヤシ科(ワジュロ)
ヤマノイモ目
ヤマノイモ科(オニドコロ)
ユリ目
ユリ科(オニユリ、タカサゴユリ)
境川近隣の夏の野草
和名インデックス


ヌマトラノオ(Lysimachia fortunei)
<ツツジ目・サクラソウ科・オカトラノオ属・オカトラノオ亜属>
   
サクラソウ科オカトラノオ属の多年草で、在来種。
日本では、本州から四国、九州に分布している。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、ベトナムに分布している。
草丈は40〜70pほどで、茎は直立し、下部は赤みを帯びる。
葉は互生し、長さ6cm前後の長楕円形で、先が尖る。
花期は7月〜8月で、茎頂に総状花序を出し、白い小花を多数付け、下から咲き上る。
花冠は白色で直径は5oほど。花冠、萼とも5裂し、萼片の縁には腺毛がある。
萼片の両面に淡褐色の斑点があり、果時にも残る。
オシベは5個あり、基部には腺毛があって、花冠裂片と対生する。
刮ハは直径2o強の球形で、種子は球形の胎座の窪みにはまり込んでいる。

2012/7/22
多摩川への道路脇で、1株だけ、本種が花を付けているのを見かけました。
日本でも、ルリハコベは暖地の沿岸部を好み、紀伊半島、四国、九州等に自生しており、
一方、本種は、日本でも北の方が多くなるようです。

ナツツバキ(Stewartia pseudocamellia)
<ツツジ目・ツバキ科・ナツツバキ連・ナツツバキ属>
   
2015/6/6            2015/6/6            2015/7/11
ツバキ科ナツツバキ属の落葉高木で、在来種。
日本では、本州の宮城県以西から四国、九州に分布している。海外では、朝鮮半島に分布している。
樹高は10〜20mになり、樹皮は帯紅色を帯び、表面はなめらかである。
葉は長さ10p程の楕円形で、先が尖る。ツバキの葉とは異なり、薄くて光沢がない。
花期は6月〜7月で、花は直径5pほど。白い花弁は5個で、花弁の縁には細かい鋸歯がある。
オシベの花糸や葯はは黄色。朝に開花し、夕方には落花する1日花である。
刮ハは直径15oほどで、先の尖った卵形。秋に熟すと、先が5裂する。

2015/6/6 境川に向かう途中の道路脇にナツツバキが植えられて、白い花を咲かせていました。
花弁の周りにヒダがあり、ツバキの花とは趣が異なります。

2015/7/11 1ヶ月もたつと、しっかりとした果実になっていました。
ヒヨドリジョウゴ(Solanum lyratum)
<ナス目・ナス科・ナス属>
 
ナス科ナス属のつる性多年生植物で在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国の林縁などで見られる。
日本も含め、東アジアから東南アジアに広く分布する。
茎は長さ数mになり、茎や葉など全草には柔らかい毛が密生する。
葉は互生し、三裂、五裂したものから、卵状のものまで大きな変異がある。
花期は8月〜9月で、花は互生する葉の脇から伸びた枝に多数付く。
直径1cmほどの白い花冠は5裂し、裂片の長さは4o程。
基部に緑色の斑点があり、徐々に大きく外に反り返る。
オシベは5個あり、花糸は太短い。その数倍の長さの黄色い葯はメシベを取り巻く。
メシベの花柱は長さ7o前後で、取り巻く葯の中央から長く突き出る。
果実は液果で、直径1cm弱の球形で、緑色から赤く熟す。

2017/8/1
境川に向く途中の道路脇で、ヒヨドリジョウゴが花を咲かせ始めました。
咲き始めなので、まだ、果実は見当たりません。

ワルナスビ(Solanum carolinense)
<ナス目・ナス科・ナス属>
 
ナス科ナス属の多年草で、北アメリカ原産の帰化植物。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に広く分布している。
海外でも、アジア、ヨーロッパ、オセアニアと世界各地に帰化している。
本種は、種子だけではなく、地下茎でも繁殖し、さらにその切れ端からも再生するので、厄介な雑草。
草丈は50cm前後まで成長し、根茎を横に広げ群生する。茎には長くて鋭い刺がある。
葉は、長さ5〜15pほどで、縁に波状の切れ込みがあり、葉裏の中央脈にも鋭い刺がある。
花期は6月〜10月で、花は直径3pほどで、白色から淡紫色まで変化に富む。
果実は、球形で未成熟な時には縞模様があるが、黄色く熟すと縞は消える。
全草が有毒なソラニンを含んでおり、家畜などが食べると中毒を起こす。

2012/7/22
境川に向かう途中の梅林の脇で、ワルナスビが花を付けていました。
花の色が淡い紫色なのを除くとナスビの花と瓜二つです。
また、ナスビにもへたの部分などに刺がある場合がありますので、その点も似ています。

マルバアサガオ(Ipomoea purpurea)
<ナス目・ヒルガオ科・ヒルガオ亜科・Ipomoeeae連・サツマイモ属>

ヒルガオ科・サツマイモ属のつる性一年草で、熱帯アメリカ原産の帰化植物。
日本では、江戸時代に多くの変異が生まれ、極めて多くの変化を遂げた。
また、ソライロアサガオやマルバアサガオはまとめて「西洋朝顔」と呼ばれることもある。
つるは、普通、2〜3mほど伸び、葉は互生して長さ10p前後の心形で、先が尖る。
なお、葉が3裂したものが、混じる場合がある。
長い花枝の先に花を数個付ける。花は直径7p前後で、色は濃青色(紅色〜白色の品種もある)。
花色が薄い場合に目立つが、花弁の曜部が他の部分より濃い色になる。
萼は長さ15oほどで細長く、萼裂片の先は尖る。果実は直径10oほどの4分果。

2012/10/14
境川に向かう道路脇の草地につるを横に這わせるようにして花を咲かせていました。
多摩川の河川敷で見かけたマルバアサガオと同じ、薄紅色の品種のようです。

※法政大学 アサガオ類画像データベース スライド No. 166 が本種と思われます。

マルバルコウ(Ipomoea coccinea)
<ナス目・ヒルガオ科・ヒルガオ亜科・Ipomoeeae連・サツマイモ属>
 
2012/10/14                 2012/10/21         .
ヒルガオ科・サツマイモ属のつる性一年草で、熱帯アメリカ原産の帰化植物。
日本では、本州中部以南、四国、九州で見られる。
また、日本も含めたアジア、南アメリカ、オセアニア、アフリカに移入分布する。
つるは左巻きで長くなると3mに達し、葉は互生する。長さ10p前後の卵形で先が尖り、基部は心形。
葉は全縁であるが、基部に数個の角状突起があり、長さ1〜10pの葉柄がある。
葉腋から花柄を伸ばし、3〜8個の朱赤色の花を上向きに付ける。1日花で、午後にはしぼむ。
花冠は漏斗型で、長さ35mmほどの筒部の先は直径20oほどの5角形に広がる。
オシベは5個で、メシベの柱頭は白い球状。オシベ、メシベとも、花冠からは突き出す。
萼は先が5裂して細く尖り、長さは3o前後。花後、花柄(果柄)は下向きとなる。

2012/8/17
境川に向かう途中、国道16号の脇にある空き地に、マルバルコウが繁茂していました。
周りに巻き付く高い物がないので、ツルは地を這って横に広がっていました。

コヒルガオ(Calystegia hederacea)
<ナス目・ヒルガオ科・ヒルガオ亜科・ヒルガオ属>
 
ヒルガオ科・ヒルガオ属のつる性の多年草で、在来種。
ヒルガオ同様の形態で、ヒルガオよりいくぶん小型の花なのでこの名がある。
日本では、本州から四国、九州で見られる。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、モンゴル、ロシア、南アジアと東南アジアの一部などに分布する。
葉は互生し、葉先は鋭頭で基部が張り出したほこ形、張り出した耳の部分が2裂する事が多い。
花期は6月〜10月で、葉腋から長さ数pの花柄を出し、小形のロート形の花を1個付ける。
花冠の直径は3〜4cmで、五角状のことが多い。花色は淡紅色。
花柄の上部に狭い縮れた翼があるのが特徴で、同属との区別点である。
萼片は5個あるが、2個の苞が包んでいる。苞は長さ1〜2cmの3角状卵形で、鋭頭。
オシベは5個で、葯の先は尖る。メシベは1個で、柱頭は2個。
なお、コヒルガオが結実する事は少なく、地下茎で広げがる。

2012/10/14
境川に向かう途中、国道16号の脇にある空き地で、マルバルコウの隣で咲いていました。
マルバルコウに押されているのか、端の方に追いやられている感じがしました。

 
2018/5/21
境川近くの草原で、コヒルガオが花を付けていました。
今年は暑かったためか、5月から開花が見られました。

オシロイバナ(Mirabilis jalapa)
<ナデシコ目・オシロイバナ科・オシロイバナ属>
   
    2012/7/22            2012/7/22           2015/7/11
オシロイバナ科オシロイバナ属の多年草で、南アメリカ原産の帰化植物。
日本全国に分布し、海外でも南アメリカ、アフリカ、オセアニア、アジアに帰化している。
茎はよく枝分かれして灌木状となるが節がはっきりしていて、木質化はしない。全体にみずみずしい緑。
花期は7月〜10月で、花は赤、黄色、白や絞り模様など。ただし、白と黄の絞りは少ない。
花は夕方開き、花筒が長いので、口吻の長い大型の夜行性鱗翅目でなければ吸蜜は困難である。
日本のオシロイバナでは、主にスズメガが吸蜜し、送粉に関わっている。
花弁はなく、花弁に見えるのはがくで基部は緑色でふくらんでいる。
また、花の根元にある緑色の萼のようなものは総苞である。
花が咲き終わった後、萼は基部を残して脱落し果実が、萼の基部に包まれたまま成熟する。
黒く熟した種子には粉状の胚乳があり、これからオシロイバナの名がついた。
根はいも状になり、暖地では冬に地上部が枯れてもこの地下部が生き残り次の年に根から芽を出す。

2012/8/17
境川に向かう途中の道端などでよく見かけます。
赤や白、その絞りを良く見かけますが、黄色や黄色に赤の絞りもときどき見かけます。

 
2017/9/25
9月も末になりましたが、オシロイバナはまだまだ元気で、花を咲きせ続けています。
草姿も2回りほど大きくなり、こんもりと丸くなっていました。

ハゼラン(Talinum crassifolium Willd)
<ナデシコ目・スベリヒユ科・ハゼラン属>
 

スベリヒユ科ハゼラン属の多年草で、南米原産の帰化植物。
日本には明治時代に移入され、その後、逸出して野生化し、本州から四国、九州と分布を広げている。
海外では、メキシコ、カリブ海地域、西アフリカ、中米と広い分布域を持つ。
草丈は30〜150cmで、茎は円形で、まばらに分枝する。全体に無毛。
葉は互生し、長さ5〜12cmの楕円形。やや厚みのある多肉質で、全縁。
花期は6月〜9月で、細長い花茎を立ち上げ、よく分枝する円錐花序に花を多数付ける。
花は直径6mm前後の5弁花で、花色は淡紅色〜赤色で、萼片は早落性。
オシベは15〜20個程度で、柱頭は3裂する。花柄は長くとも20o程。
本種が開花するのは午後の3時頃で、数時間でしぼむ。そのためサンジソウ(三時草)等の別名がある。
果実は刮ハで、直径3〜5mmの球形で、3稜があり、熟すと3裂する。

2012/8/17
境川に向かう途中の道端などで、時折見かけますが、開花時に出会うことは稀です。
この時は、たまたま15:10と開花直後だったため、良い写真が撮れました。

   
2018/5/21
ハゼランは夏の花だと思いますが、今年は暑かったためか5月に咲いていました。
この時も3時を過ぎていたので、開花が見られたもので、マクロで撮り直しました。

キレハノブドウ(Ampelopsis glandulosa var. heterophylla f. citrulloides)
<ブドウ目・ブドウ科・Vitoideae亜科・ノブドウ属>
   
ブドウ科ノブドウ属の落葉つる性木本で、在来種。
本種は葉の切れ込みが深いが、切れ込み具合は連続的に変化するので、ノブドウと同種とする説もある。
日本では北海道から本州、四国、九州まで全国で見られる。
海外では、朝鮮半島から中国、ロシアにも分布する。
茎は基部が木質になり、ツルはくねくねと長く伸び、節が肥厚していることがある。
葉は互生し、直径5〜15pほどで、3〜5深裂する。
基部は心形で、鋸歯があり、表面は無毛で、裏面は淡緑色。
花期は8月花r10月で、葉に対生して集散花序を出し、淡緑色の花を多数付ける。
花の直径3oほどで、花弁は5個。オシベは5個で、蜜腺がある。果実は液果で、直径6o前後。
熟すにつれて色が白→青→紫→赤と変化するが、熟しても食用にはならない。

2013/7/20
境川に向かう途中の道路脇で、駐車場との境にツルを伸ばして咲いていました。
まだ、果実は出来ていませんでしたが、基本的に下記のノブドウと同じです。

ノブドウ(Ampelopsis glandulosa var. heterophylla)
<ブドウ目・ブドウ科・Vitoideae亜科・ノブドウ属>
   
2014/10/25          2014/10/25          2012/10/21
ブドウ科ノブドウ属の落葉つる性木本で、在来種。 日本では北海道から本州、四国、九州まで全国で見られる。
海外では、朝鮮半島から中国、ロシアにも分布する。
茎は基部が木質になり、ツルはくねくねと長く伸び、節が肥厚していることがある。
葉は互生し、直径5〜15pほどで、3〜5残裂する。
基部は心形で、鋸歯があり、表面は無毛で、裏面は淡緑色。
花期は8月花r10月で、葉に対生して集散花序を出し、淡緑色の花を多数付ける。
花の直径3oほどで、花弁は5個。オシベは5個で、蜜腺がある。果実は液果で、直径6o前後。
熟すにつれて色が白→青→紫→赤と変化するが、熟しても食用にはならない。

境川に向かう途中の道路脇で、駐車場の直ぐ横、キレハノブドウと数mの所で繁茂していました。
撮影した時期が遅かったので、果実がきれいに色づいていました。なお、花はキレハノブドウと同じです。

 
 
2017/8/1
2014年に撮影したノブドウと同じ株が、ちょうど花を咲かせていました。
花が咲いている傍には、結実直後の緑色の果実、少し離れた所には色とりどりの果実が見られました。

サルスベリ(Lagerstroemia indica)
<フトモモ目・ミソハギ科・サルスベリ属>
 
ミソハギ科サルスベリ属の落葉中高木で、中国南部原産の帰化植物。
幹は淡紅紫色で平滑、不規則に薄く剥げ落ち、濃淡のまだら模様が現れる。
葉は対生または互生となり、コクサギ型葉序となることもある。
花期は6月〜9月で、枝先に円錐花序を付け、花を密に付ける。
花弁は6個で、筒状の萼は先が6裂する。花弁は細い筒の先に縮れた円形の拡大部が付く。
花色は、紫色、赤紫色、淡紅紫色、白色と変化に富む。
オシベは、外側の6個は花糸が太くて長く、葯は紫色。その内側に30個前後の黄色い葯のオシベがある。
メシベは1個で、果実は円い刮ハ(さくか)で、種子には広い翼がある。

2013/7/20
境川に向かう途中の道路脇の民家の庭でサルスベリが花を咲かせていました。
赤やピンクのサルスベリの花は良く見かけますが、白い花は初めてです。

クリ(Castanea crenata)
<ブナ目・ブナ科・クリ属>
   
2016/5/15           2016/5/20            2016/5/25
< 雄花 >

   
  2016/5/25          2016/5/25        2016/5/25
< 雌花 >

ブナ科クリ属の落葉高木で、栽培品種の原種で山野に自生するものは、シバグリまたはヤマグリと呼ばれる。
暖帯から温帯にかけて分布し、日本および朝鮮半島南部が原産地。
日本では、北海道西南部から本州、四国、九州に分布する。
樹高は20m前後までになり、樹皮は縦に深い割れ目が生じ、灰色で厚い。
葉は互生し、長さ10cm前後の長楕円形で先が尖る。縁には鋭く尖った小さな鋸歯が並ぶ。
葉柄は1cm前後で、托葉も長さ1cm程度。托葉は、開葉後に落下する。
雌雄同株で、新枝の葉腋から長さ10cm以上になる尾状花序を斜め上向きに出す。
基部に1個か2個の雌花が付き、その先は全て雄花。なお、雌花がないものも多い。
雄花は無柄で、苞の脇に複数固まって付く。短い花被が開くと長いオシベが伸び出してくる。
開花間もないころは無精髭のようなオシベも、満開となるとビッシリと出て、猫の尻尾のようになる。
雌花は、緑色の総苞の中に3個ずつ入っている。総苞は最初は球形だが、その後披針形の鱗片で覆われる。
花柱は、長さ数mmの淡いクリーム色の針状で、総苞の外に飛び出していて、授粉後もしばらく残っている。
果実は、堅果(いわゆるドングリであるが、クリと区別する)で、秋には熟す。
鋭い毬(いが)で覆われた殻斗(かくと)は扁平で、成熟すると4つに割れて、果実が顔を出す。

多摩川に行く途中の道路脇にクリの果樹園(といっても放置状態)がありました。
クリの果実は良く見かけるのですが、その花は見た記憶がなかったので、注意して見ていました。
その結果、雄花は尾状になるので、直ぐに分かったのですが、雌花が分かりません。
尾状花序の基部にあると書いてはあったのですが、それらしきものが見当たりません。
いろいろ見ていて、全ての花序に雌花が付いている訳ではない事に気が付きました。
最初に観察していた枝の花序には雌花が付いていなかったのです。
上段左端が雄花のツボミで、下段左端の左側の丸いのが雌花のツボミです。
その右側のツボミは、既に淡黄白色の花柱が伸び出しています。
雄花は、開花と共にオシベが伸び出してきて、右端のブラシのような状態になります。
雌花は、花柱が伸び出すとともに、覆っていた丸みのある総苞片が、徐々に針形変わって行きます。

   
2015/6/6            2015/6/20            2016/8/23
授粉後、この頃になるとイガグリの名の通り、殻斗は鋭い刺(最初の頃は柔らかいが)で覆われてきます。
尾状花序は、役目を終えると枯れ落ち、8月になるとすっかり毬も固くなり、イガグリらしくなります。

   
2015/9/19           2015/9/19           2015/9/23
9月に入ると、イガグリもすっかり成熟し、殻斗が割れて堅果(栗)の誕生となります。
左端のように、最初、十字に割れ目が入り、殻斗の収縮と共に割れ目から栗が顔を出します。
右端は、殻斗の収縮が進み、中の堅果(栗)が落ちかけています。殻斗自体も落果します。


クリの虫えい(クリメコブズイフシ)

       .
2016/4/16            2016/4/23           2015/6/6
クリの花の観察を始めた頃、枝先に赤いこぶ状のものがいくつも見られるようになりました。
調べて見ると、クリメコブズイフシという名前の虫えいと分かりました。
クリタマバチ(中国原産で検疫有害動物)の寄生によってでき、冬芽の展開と同時に成長を開始します。
このクリメコブズイフシができると、その新芽は枯れ死するため、右端のような尾状花序が出来なくなります。
その結果、クリの生産量が低下してしまうので、クリの重要害虫となっています。



クリの花の匂いに付いて

栗の花には特有の匂いがあり、その匂いが人の精液の匂いに似ていると言われています。
その原因は、スペルミンというポリアミンが、両方に含まれているためというのが俗説です。
しかし、最近の分析で、栗の花の臭気成分にはスペルミンは含まれていないことが分かったそうです。
栗の花の匂いの元は、不飽和アルデヒドで、アミン類ではなくカルボニル化合物だそうです。
ただし、栗がツボミに分化していく際、スペルミンが作用するそうで、その辺から俗説が生まれたのかもしれません。

ちなみに、ごく少量のスペルミジン−スペルミンは、多くの動植物で鍵化合物として作用しているそうです。


キャラボク(Taxus cuspidata var. nana)
<マツ目・イチイ科・イチイ属>
 
イチイ科イチイ属の常緑低木で、在来種。イチイの変種。
日本では、本州の日本海側(秋田県から鳥取県)に、海外では、朝鮮半島に分布している。
日本では、亜高山から高山帯の風衝地に自生している。
樹高は1〜3mになり、根元で分枝して、地面を這うように横に広がる。
大きく成長した後は、成長が鈍化するため、樹形が崩れにくく、庭木に適する。
葉は2p前後の線形で表面は濃緑色で、裏面は淡緑色。先は尖っているが、柔らかい。
なお、寒い地方では冬季に葉が茶色くなるが、翌春には緑色に戻る。
葉が2裂に並ぶイチイと異なり、葉は不規則な螺旋状に付く。
花期は3月〜5月で、雌雄異株。直径約3o強の小花を付け、雄花は淡黄色。
雌花には緑色の鱗片に包まれた胚珠が1個ある。
花後、直径4oほどの球形の種子は、肥大した仮種皮に包まれる。
種子が熟する頃には、仮種皮は杯状で真っ赤な多汁質になる。
この真っ赤な仮種皮、甘くて食べられる。ただし、種子は有毒なので要注意。

2015/7/11
境川に向かう途中の民家で、キャラボクが生垣に使われていました。
その垣根の中に赤い果実が見えたので、撮影していると、直ぐ近くに未熟な果実もありました。
成長途中のため、仮種皮は緑色で、種子を半分ほど筒でいるだけ。見た目はドングリの様。
翌年、花の写真が撮りたくて、注意して見ていたのですが、確認できませんでした。

   
2017/8/1
キャラボクの果実も赤く熟したものが増えてきました。
赤い仮種皮は、ちょうど食べ頃かもしれません。が、自分のものではないので食べていません。
なお、種は有毒なので、食べる場合は注意が必要です。
ナツフジ(Wisteria japonica)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・フジ連・フジ属>

マメ科フジ属のつる性落葉木本で、日本固有種。
本州関東南部以西から四国、九州に分布し、丘陵や低山地の林縁や明るい樹林内に自生する。
蔓は左巻きで、樹皮は褐色で皮目が多い。若い枝には最初は毛があるが、後に無毛となる。
葉は長さ10〜20pほどの奇数羽状複葉で、小葉は4〜8対。小葉は長さ4p前後の狭卵形。
花期は7月〜8月で、葉腋から長さ20cmほどの総状花序を出し、垂れ下った花序に多数の蝶形花を付ける。
旗弁と翼弁はともに長さ12o前後で淡黄白色。
萼も淡黄白色で、先が5残裂し、縁が赤色を帯びることが多い。
果実は、長さ5〜15pほどの豆果で、表面は無毛。果皮が分厚くて、くびれがあり、茶色に熟す。
種子は扁平な円形で、直径は8oほど。熟すと果皮が裂開して、種子が散布される。

2015/9/19
境川の河岸を歩いていると、うすぐ横の鉄柵から赤褐色の豆果がぶら下がっていました。
見た目はフジの豆果と似ていますが、この場所にフジが咲いていた記憶はありません。
どんな花が咲いていたのか、全く記憶にないので、同定は翌年まで保留としました。


2018/4/10
ナツフジの新葉です。
普通のフジは、同時期に花序も伸び出してくるのですが、それがありません。

   
2016/8/23        2016/8/23            2016/8/23   .
翌春、同じ場所を訪れて見たのですが、花は咲いていませんでした。
ところが、8月の下旬に通りかかった時、白っぽい花がたくさん咲いていました。
なんと、春に咲くと思い込んでいた花は、この時期に咲く花でした。
さっそく調べると、ナツフジと分かりました。

   
2016/8/23          2016/8/23          2015/9/19
花もたくさん咲いていましたが、枝によっては既に豆果をぶら下げていました。
未熟なため、果皮はまだ緑色ですが、昨年の写真と比較すると、大きさ等はほぼ同じでした。

タイサンボク(Magnolia grandiflora)
<モクレン目・モクレン科・モクレン亜科・モクレン属>
   
モクレン科モクレン属の常緑高木で、北アメリカ原産の帰化植物。
樹高は15〜30mになり、幹は灰色で、皮目がまばらにある。
葉は互生し、長さ15〜20pの長楕円形。厚い皮質で全縁。
葉表には光沢があり、葉裏は褐色毛が密生する。
花期は6月〜7月で、枝先に直径15〜30pの花を上向きに付け、強い芳香がある。
倒卵形の白い花被片は6個で、同じような萼片が3個あり、花弁が9個あるように見える。
オシベは長さ2pほどでメシベを取り巻くように付き、花糸は紫色。
メシベは中央にたくさん付き、淡黄色の花柱がゼンマイのようにクルクルと巻いている。
果実は袋果の集合果で、長さ10p前後の楕円体。褐色から灰黄色の毛が密生する。

2012/6/17
自宅から見える公園にタイサンボクの樹があり、白い巨大な花を咲かせていました。
ただ、遠いので解像度はあまり良くありませんが、花芯のオシベやメシベの様子は分かります。

ワジュロ(Trachycarpus fortunei)
<ヤシ目・ヤシ科・シュロ属>



ヤシ科シュロ属の常緑高木で、在来種。雌雄異株であるが、稀に雌雄同株も見られる。
日本では、九州地方南部に自生するが、耐寒性が高く、東北地方でも栽培されている。
海外では、中国南部からミャンマー北部まで分布する。
樹高は10mに達し、幹は円柱形で、分枝することなく垂直に伸びる。
幹には枯れた葉柄と葉鞘網が残存し、上部まで密に覆われる。
幹の上部に葉を叢生し、直径50〜80cmの扇状に多数の裂片に裂ける。
裂片は幅15〜30mmの線形で、内に折れ、先は2残裂する。
若い葉は斜上して立ち上がり、古くなると先が折れて垂れ下がる。
葉柄は1mほどあり、基部には歯牙と刺状突起が並ぶ。
幹と接する部分は三角状に広がり、幹を抱くような形になっている。
その下部には数十cmの暗褐色の葉鞘網があり、これがシュロ皮である。
シュロ皮の繊維は、腐りにくく伸縮性に富むため、縄やほうきなどに加工される。
花期は5月〜6月で、葉の間から長さ30〜40cmの円錐花序を出す。
雄花序の雄花は淡黄色で、球形に近い。長さ3o程の広卵形の花弁は3個。
オシベは6個で、花糸は円柱状。メシベは退化しているが、3個ある。
雌花序には、雌花と両性花が付き、雌花は淡緑色。メシベ3個と退化したオシベ6個がある。
果実は液果で、長さ10mm前後、幅8o前後の扁球形で、熟すと黒くなる。

ワジュロよりも樹高が低く、葉が小さくて下垂しないトウジュロがある。
ワジュロと同種とする説もあるが、庭園などの植栽に向く品種である。

2018/6/12
境川からの帰り道、道路脇でワジュロがたくさんの果実を付けているのに気が付きました。
昨年に開花し、結実したものだと思われます。今年は花序は出さないようです。


2018/10/16
4ヶ月ほど経過したワジュロの果実の様子です。
プリプリだった果実ですが、乾燥が進み、皴の入ったものや茶色く乾燥したものが目立ちます。


ワジュロの雄株

     .
2017/5/10
城山湖に行く途中、相模川の上流の河川敷で見かけたワジュロの雄株です。
雄花序はかなり大きくなっていますが、まだ、未開花です。


オニドコロ(Dioscorea tokoro)
<ヤマノイモ目・ヤマノイモ科・ヤマノイモ属>

2013/7/20       2013/7/20            2013/7/20  .


2015/7/11        2015/7/11             2015/7/11  .

ヤマノイモ科ヤマノイモ属のつる性多年草で、日本各地の山野に自生している。
海外では、朝鮮半島から中国に分布する。
葉は互生し、長さや幅が5〜15pの円心形から三角状心形で、先が尖る。葉柄は5〜10pほど。
花期は7月〜8月で、雌雄異株。雄花序は葉腋から立ち上がり、淡緑色の花を多数付ける。
雄花の花被片は6個で、直径4oほど。平開し、オシベが6個ある。
雌花序は葉腋から垂れさがり、淡緑色の花をまばらに付ける。長さ10oほどの下位子房がある。
花弁は6個で平開し、退化したオシベ6個とメシベがあり、花柱は3裂する。
果実には3室あり、それぞれに2個の種子が入っている。種子は楕円形で、片側に翼がある。
ヤマノイモに良く似るが、葉が互生する点、ムカゴを作らない点などが異なる。
根はアルカロイドを含み、食用には適さないが、灰汁であく抜きすることで食べることはできる。

境川に向かう途中の道端で、オニドコロが桑の木に絡み付いていました。
2013年に雄花序がたくさん花を付けていたのですが、雌花序は確認できていませんでした。
2015年に改めて探した所、雌花序を見つけることができました。
ただ、その後、除草されてしまい、果実がその後どうなるかは確認できませんでした。


オニドコロの果実/種子

   .
2013/11/24
奈良の室生寺へ向かう参道脇で見かけたオニドコロの果実です。持ち帰って撮影しました。
垂れ下る花序に、楕円形のさく果は上向きに付き、3つの翼があります。
果実の翼の部分に種子が入っており、裂開して各々2個の種子が出てきます。
種子にはカエデの種子のように翼があり、風に乗って飛びます。


オニユリ(Lilium lancifolium)
<ユリ目・ユリ科・ユリ属>



ユリ科ユリ属の植物の多年草で、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州の平地から山地で普通に自生する。
海外では、朝鮮半島から中国、グアム東部に自生する。
草丈は1〜2mになり、茎は直立して分枝せず、紫褐色で細かい斑点がある。
葉は互生し、長さ5〜18cmの披針形で、柄がなく、基部に黒紫色のムカゴを付ける。
花期は7月〜9月で、茎頂部に3〜20個付き、下向きに咲く。
花被片は長さ6〜10cmで、橙色に橙赤色の斑点があり、強く反り返る。
本種は種子を作らず、ムカゴで増える。よく似たコオニユリは、ムカゴを付けず、種子で増える。

2018/7/21
自宅近くの道路脇で見かけたオニユリです。今まで撮っていなかったことが分かり、撮ったものです。
オニユリの花粉は強烈な色をしており、付くとなかなか取れない厄介者です。
茎に着くムカゴで、上部の若い者は緑っぽい所がありますが、日が経つと黒っぽくなります。
下部のムカゴでは、既に発根していて、ムカゴの下から白い根が覗いています。

タカサゴユリ(Lilium lancifolium)
<ユリ目・ユリ科・ユリ属>

ユリ科ユリ属の植物の多年草で、台湾固有種。
日本では、1924年に園芸用に移入された帰化植物として全国に分布する。
草丈は70〜150cmで、黄色味を帯びた百合根状の鱗茎から直立茎を出し、ときに紫赤色を帯びる。
葉は互生し、長さ5〜15cm、幅1cmほどの狭披針形で、やや密に付ける。
花期は7月〜9月で、茎の上部に長さ15cm、直径13cmほどのラッパ上の花を1〜数個散房状に付ける。
花はやや下向きに咲き、白い花被片は6個で、外花被片は外面に紫褐色を帯びる。
花糸は長さ10cm前後で基部近くにわずかな結節がある。花柱は長さ6〜7cmある。
刮ハは長さ7〜9cmで幅は2cmほどで、3室ある。種子を多く付け、風で運ばれて分布を広げる。
タカサゴユリは、着床後、1年目は数枚の細長い葉のみ出して、球根に栄養をため込む。
翌年には花茎を伸ばし、花を咲かせるが数は少ない。さらに球根に栄養をため込む。
3年目にはさらに大きな花茎を伸ばし、多くの花を咲かせる。しかし、よく年以降は消える。
タカサゴユリは、連作障害が出やすいと言われる所以である。
そのため、一時的に勢力を広げ、大きな群落を作っても何年かで消えて、他の場所に移っていく。

2018/7/21
自宅近くの道路脇で見かけたタカサゴユリです。オニユリの側で花茎を伸ばしていました。
ただ、咲く時期がオニユリ遅いので、まだ、若いツボミのみでした。









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