城山かたくりの里 野草(U)
和名インデックス |
オオイワウチワ(Shortia uniflora var. uniflora)
<ツツジ目・イワウメ科・イワウチワ属> 2010/3/22 2010/3/22 2010/3/22 .
イワウメ科イワウチワ属の多年草で、日本固有種。
日本では、本州の東北地方〜関東北部の山地に分布し、秋田県〜新潟県の日本海側に多い。 草丈は10〜15cmで、根際から生える葉には長い葉柄があって、葉身は長さ3〜8cmのほぼ円形。 基部は心形で、厚みがあって硬く、表面には光沢がある。縁には鈍い鋸歯がある。 花期は4月〜5月で、根際から花茎を立ち上げ、直径3cmほどの淡紅色の花を1輪付ける。 花冠は漏斗状で先が5裂し、裂片の先は細く裂ける。 オシベは5個で、花被裂片の間から立ち上がり、基部は花冠の筒部に合着する。 花糸と葯はわずかにクリーム色がかった白色。また、花冠の筒部基部に仮オシベが5個ある。 メシベは長く花冠より飛び出す。萼片は長楕円形で5個あり、それを囲むように苞が3個ある。 ※ イワウチワの仲間には3種類があり、大まかにいうと、以下のような違いがある。 オオイワウチワは本州の日本海側などの多雪地域に多く、葉は大きくてほぼ円形 イワウチワ(トクワカソウ)は西日本に多く、葉は長さより幅の方が広い腎形 コイワウチワは関東を含め太平洋側に多く、葉は葉脈がやや白っぽくて目立つ
2010/3/21
園内に入って直ぐの斜面にオオイワウチワが花を付けていました。 まん丸で光沢のある大きめの葉と淡いピンクの花が印象的です。なお、花色には変異があります。 | |
コイワウチワ(Shortia uniflora var. kantoensis)
<ツツジ目・イワウメ科・イワウチワ属> 2002/3/17 2010/3/22 2010/3/22 .
イワウメ科イワウチワ属の多年草で、日本固有種。
日本では、本州の東北地方〜関東の太平洋側に分布し、関東地方の山地に多い。 草丈は10〜15cmで、根際から生える葉には長い葉柄があり、葉身は長さ2〜4cmで広円形。 基部は心形で、革質で表面には光沢があり、葉脈がやや白っぽく、縁に鈍い鋸歯がある。 花期は4月〜5月で、根際から花茎を立ち上げ、直径3cmほどの淡紅色の花を1輪付ける。 花冠は漏斗状で先が5裂し、裂片の先は細く裂ける。 オシベは5個で、花被裂片の間から立ち上がり、基部は花冠の筒部に合着する。 花糸と葯はわずかにクリーム色がかった白色。また、花冠の筒部基部に仮オシベが5個ある。 メシベは長く花冠より飛び出す。萼片は長楕円形で5個あり、それを囲むように苞が3個ある。 ※ イワウチワの仲間には3種類があり、大まかにいうと、以下のような違いがある。 オオイワウチワは本州の日本海側などの多雪地域に多く、葉は大きくてほぼ円形 イワウチワ(トクワカソウ)は西日本に多く、葉は長さより幅の方が広い腎形 コイワウチワは関東を含め太平洋側に多く、葉は葉脈がやや白っぽくて目立つ
2010/3/21
園内に入って直ぐの斜面で見たオオイワウチワの近くで、コイワウチワが花を付けていました。 葉の大きさがオオイワウチワより小さめで、葉脈の部分が白っぽい模様になっていました。 全てに当てはまることではないかもしれませんが、見た限りでは花被片が細めでした。 | |
アセビ(Pieris japonica subsp. japonica)
<ツツジ目・ツツジ科・スノキ亜科・ネジキ連・アセビ属> 2002/3/17 2010/3/22 2010/3/22 .
ツツジ科アセビ属の常緑低木で、在来種。
日本では、本州の山形・宮城県以南から四国、九州の山地で、日当たりの良い所自生する。 樹高は1〜8m、直径5〜10cm。樹皮は灰褐色で縦に裂け目が入り、少しねじれる。 若枝は、緑色で稜があり、はじめ短毛が密生するが、後に無毛になる。 葉は互生し、枝先に束生する。葉身は長さ3〜10cmの倒披針形で、先が鋭く尖る。 葉縁の半分より先に残鋸歯があり、多少波打つ。葉柄は長さ5mm前後。 花期は3月〜5月で、枝先の葉腋から複総状の花序を垂らし、壺型の白花を多数下垂する。 なお、花冠の紅花の色合いが濃いものはベニバナアセビ、薄いものはアケボノアセビと呼ばれる。 花冠は長さ6〜8mmで、先が浅く5裂する。萼は5深裂し、緑色〜赤色と変異がある。 オシベは10個で、花糸の基部に毛があり、葯には刺状の突起が2個ある。 メシベは、花冠とほぼ同じ長さで、子房は無毛。 なお、葉や茎には、アセボトキシンという有毒物質を含んでいる。
2010/3/22
園内の通路脇で見かけたアセビの花で、同じツツジ科のドウダンツツジと同じ壺状です。 見た目の違いは、ドウダンツツジの萼片は小さく目立たないのに対して、本種は大きくて目立ちます。
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ミツバツツジ(Rhododendron dilatatum)
<ツツジ目・ツツジ科・ツツジ亜科・ツツジ属・ツツジ亜属・ミツバツツジ節・ミツバツツジ列> ツツジ科ツツジ属の落葉低木で、在来種。 日本では、関東地方から近畿地方東部の太平洋側に分布する。 樹高は1〜3mで幹は灰褐色。葉は長さ5p前後の菱状広卵形で、枝先に3枚輪生する。 花期は4〜5月で、他のツツジより花期は早く、花後に葉が展開する。 紅紫色の花は、直径4cmほどあり、オシベは5本と、他のミツバツツジ類の10本より少ない。 自然分布では、主にやせた尾根や岩場、里山の雑木林などに自生するが、その数は少ない。 ただ、古くから庭木として植栽され、身近で見られものの多くは植栽されたもの。
2010/4/10
園内の通路脇で、所々で花を付けていました。 オシベの数が5本と少ないので、見分けやすいです。 | |
ゲンカイツツジ(Rhododendron mucronulatum var. ciliatum)
<ツツジ目・ツツジ科・ツツジ亜科・ツツジ属・ヒカゲツツジ亜属・有鱗片シャクナゲ節> 2010/3/22 2010/3/21 2010/3/22
ツツジ科ツツジ属の落葉低木で、在来種。カラムラサキツツジの変種とされる。
日本では、本州西部から四国北部、九州北部に分布し、凝灰岩や花崗岩などの岩地に自生する。 海外では、朝鮮半島に分布し、玄界灘を囲むように分布するというのが和名の由来。 樹高は1〜2mで、幹は灰褐色〜灰白色。よく分枝し、若枝には赤褐色。 葉は互生し、葉身は長さ3〜7pの楕円形で、先が尖り、葉縁には縁毛がある。 花期は3月〜4月で、枝先に淡紅紫色の花を数輪付け、葉の展開前に開花する。 花冠の直径は3〜4cmで、5深裂して大きく横に広がる。裂片の先は丸く、オシベは10個。
2010/3/22
園内の通路脇で、艶やかな紅紫色の花をたくさん付けていました。 日当たり加減で花色がかなり異なり、日蔭だと濃紅紫色に見えてしまいます。 | |
ヒカゲツツジ(Rhododendron keiskei)
<ツツジ目・ツツジ科・ツツジ亜科・ツツジ属・ヒカゲツツジ亜属・有鱗片シャクナゲ節> 2002/3/17 2010/3/21 2010/3/22
ツツジ科ツツジ属の落葉低木で、日本固有種。
日本では、本州の関東地方以西から四国、九州に分布し、山地の岩場等に自生する。 樹高は1〜2mで、幹は灰褐色〜灰白色。葉は互生し、枝先に集まって付く。 葉身は、長さ4〜8pの長楕円形で、先が尖り、葉裏は淡褐色で、腺状鱗毛が密生する。 花期は4月〜5月で、枝先に淡黄白色から淡黄緑色の花を数輪付ける。 花冠の直径は3〜4cmで、5中裂する。 オシベは10個で、花糸の基部には白い軟毛が散生する。
2010/3/21,3/22
園内の通路脇何ヶ所かで、ヒカゲツツジが咲いていました。 ツツジと名が付いていますが、葉の形状や花の付き方はシャクナゲに近い印象です。 ※ 日本ではツツジとシャクナゲを分け、常緑性の無鱗片シャクナゲ節をシャクナゲと呼んでいます。 その他のものは、常緑であってもシャクナゲとは呼ばない習慣がありますが、いずれもツツジ属です。 | |
ボクハン(卜伴)(Camellia japonica cv. Bokuhan)
<ツツジ目・ツバキ科・ツバキ連・ツバキ属> 2010/3/22 2002/3/17
ツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹で、日本原産種。
多くの園芸品種が、ヤブツバキやユキツバキから作り出され、植えられている。 日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布し、海外では、朝鮮半島南部と台湾に分布する。 近縁種のユキツバキがあるが、標高の高い内陸部に分布し、ヤブツバキとはすみ分けている。 ボクハン(卜伴)は、江戸時代からある古い品種で、ヤブツバキ系の園芸品種である。 濃い紅色の一重小輪で、唐子咲きというおしべの先が変形して花弁のようになった品種。 唐子の部分は白色で、紅色の紅卜伴(別名:日光[じっこう])に対して、月光[がっこう]とも呼ばれる。 樹高は2〜4mで、葉は対生して長楕円形で先が急に細くなって尖る。 花期は2月〜4月で、直径5cm前後の濃い紅色で、一重白唐子咲きである。
2010/4/10
園内の通路脇で見かけました。 他の椿に比べて、花が小ぶりで、色が濃いのが印象に残っています。 | |
エドニシキ(江戸錦)(Camellia japonica cv. Edo-nishiki)
<ツツジ目・ツバキ科・ツバキ連・ツバキ属> ツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹で、日本原産種。 多くの園芸品種が、ヤブツバキやユキツバキから作り出され、植えられている。 日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布し、海外では、朝鮮半島南部と台湾に分布する。 近縁種のユキツバキがあるが、標高の高い内陸部に分布し、ヤブツバキとはすみ分けている。 エドニシキ(江戸錦)はヤブツバキの園芸品種で、白地に紅色縦絞りがある大輪の八重咲き。
2002/3/17
園内の通路脇で見かけました。 たまに見かける白と赤の絞り模様の椿で、花弁が開いた大きな花でした。 | |
キンギョバツバキ(Camellia japonica cv. kingyobatsubaki)
<ツツジ目・ツバキ科・ツバキ連・ツバキ属> ツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹で、日本原産種。 多くの園芸品種が、ヤブツバキやユキツバキから作り出され、植えられている。 日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布し、海外では、朝鮮半島南部と台湾に分布する。 近縁種のユキツバキがあるが、標高の高い内陸部に分布し、ヤブツバキとはすみ分けている。 キンギョバツバキは、ヤブツバキの園芸品種で、その葉先がキンギョの尾ひれに似るのが特徴。 2種の変異があり、葉先が数裂するものと、葉先から尾ひれのような葉が出るものである。 特に後者の葉は、リュウキンが泳いでいるような形で、キンギョバツバキの名に恥じない形をしている。 なお、花期は3月〜4月で、一重の赤い花が多いが、白い花、八重咲き、牡丹咲き等も作出されている。
2002/3/17
園内の通路脇で見かけました。 花は極普通の花でしたが、その葉(花の左右に覗いています)が変わっていました。 名板にキンギョバツバキとあり、納得した次第です。
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ミドリザクラ(Prunus incisa f. yamadei)
<バラ目・バラ科・モモ亜科・モモ連・サクラ属> バラ科サクラ属の落葉低木で、1916年に御殿場の山虫で発見された。日本固有種。 その後、関東地方西南部や伊豆半島の天城山地でも発見されている。 マメザクラ群マメザクラ系の野生種で、マメザクラの中で純白の花と緑色の萼を持つ品種。 紅紫色素を持たず、萼や萼筒が緑色で、そのため、緑萼桜(リョクガクザクラ)の別名を持つ。 樹高は1〜3mで、葉は互生し、葉身は広卵形。縁には粗い重鋸歯がある。 花期は3月〜4月で、花は直径1〜2cm。白い5花弁の一重咲きで、下向きに咲く。 花弁は広楕円形で、先がわずかに2裂する。オシベは多数あり、メシベは1個。
2010/3/21
園内を一回りして出口に向かっているとき、通路脇で見かけました。 サクラらしからぬ色合いでしたので、名板を見るまで桜だとは思っていませんでした。 | |
オカメザクラ(Prunus incamp cv. Okame)
<バラ目・バラ科・モモ亜科・モモ連・サクラ属> バラ科サクラ属の落葉小低木で、園芸品種 イギリスの桜研究家イングラム(Ingram)がカンヒザクラとマメザクラを交配して作出した。 樹高は5〜8mで、幹は灰紫褐色、横長の皮目がある。 葉は互生し、葉身は長さが2〜6cmの長楕円形で、先は尾状に尖る。縁に深い重鋸歯がある。 花期は2月下旬〜3月で、花は淡紅色の5花弁。一重咲きで、下向きに咲く。 萼は、鐘状筒形、紅色。オシベの花糸が白色〜紅色。 結実しないのが普通であるが、結実するものもある。
2010/3/22
園内を一回りして出口に向かっているとき、通路脇で見かけました。 ソメイヨシノがまだツボミの時にかなり咲き進んでいました。 花弁が淡紅色ですが、萼が濃い紅色なので、花が小さい割にかなり華やかに見えます。 | |
テルテモモ(Prunus persica cv. Fastigiata)
<バラ目・バラ科・モモ亜科・モモ連・サクラ属> <テルテモモ> <テルテクレナイ> <テルテシロ> バラ科サクラ属の落葉性低木で、中国原産のハナモモを神奈川県農業総合研究所が品種改良した立性の品種。 通常のハナモモは枝を横に広げるが、本種は箒状に縦にまとまった樹形になり、ホウキモモの別名を持つ。 樹高は1〜4mで、葉は互生し、長さ7〜16cmの長楕円形で先が尖り、粗い鋸歯がある。 花期は3月〜4月で、直径5cmほどの八重咲きの花を多数付ける。 花色は桃色、赤色、白色とあり、各々テルテモモ、テルテクレナイ、テルテシロの名が付けられている。 ただ、これらテルテシリーズをまとめてテルテモモと呼ぶことが多い。 なお、テルテモモのテルテ「照手」は、相模原市に伝わる「照手姫伝説」から付けられたとのこと。
2010/4/10
園内を一回りして出口に向かっているとき、通路脇の斜面で見かけました。 3種類のテルテモモに加え、淡紅紫色のミツバツツジ等も満開でした。 | |
ハナモモ(Prunus persica)
<バラ目・バラ科・モモ亜科・モモ連・サクラ属> バラ科サクラ属の落葉性低木で、中国北部が原産地。 花を観賞するために改良されたモモで、日本で数多くの品種改良がおこなわれ、種類が多い。 改良が行われるようになったのは江戸時代で、当時改良されたものが現在でも流通している。 樹高は1〜7mで、葉は互生し、長さ7〜16cmの長楕円形で先が尖り、粗い鋸歯がある。 花期は3月〜4月で、3〜5cmの花を多数付ける。 花色には、桃色、赤色、白色、紅白咲き分けがあり、一重咲き、八重咲きがある。 また、樹形にも立木性、枝垂れ性、ほうき立ち性、矮性などがあり、上記のテルテモモもその1つ。
2010/4/10
園内を一回りして出口に向かっているとき、通路脇の斜面で見かけました。 この時見られたのは一重咲きの品種で、淡紅紫色と桃色の花が咲いていました。 | |
ヤマブキ(Kerria japonica)
<バラ目・バラ科・モモ亜科・ヤマブキ連・ヤマブキ属> バラ科ヤマブキ属の落葉低木で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全国の山地や谷川沿いなど、湿った所に自生する。 海外では、朝鮮半島から中国に分布する。 樹高は1〜2mになり、株立ちになり、新枝は緑色で稜がある。 茎や枝は時間と共に褐色となり、数年で枯れる。 葉は互生し、長さ6cm前後で1cmほどの葉柄がある。長卵形で、先は鋭く尖り、縁には重鋸歯がある。 花期は4〜5月で、新しく出た短い側枝の先に、黄色い花を1個付ける。花には一重と八重がある。 花は直径4cm前後で、倒卵形の花弁の先はわずかに凹む。オシベは多数あり、花柱は5〜8個ある。 萼筒は杯型で、萼片は4mmほどの楕円形。 萼筒は果期にも残り、その中に痩果が数個付く。9月頃に暗褐色に熟す。 一重のものは結実するが、オシベが変化して花弁になった八重咲きは鉄実しない。
2010/4/10
園内を一回りして出口に向かっているとき、通路脇の斜面などで見かけました。。 この辺りでは自生のものも多く、山に行くとよく見かけます。 | |
ミツマタ(Edgeworthia chrysantha)
<フトモモ目・ジンチョウゲ科・ミツマタ属> 2010/3/21 2010/3/21 2002/3/17 . 2010/3/21 2002/3/17 .
ジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木で、中国〜ヒマラヤが原産地。
日本では林内で野生化しているものも多い。 樹高は1〜2mで、よく分枝して半球形の樹形を作る。樹皮は灰色で縦の筋がある。 本年枝は必ず三つ又になって出てくるため、これが和名の由来。 葉は互生し、葉身は長さ5〜20cmの長楕円形で、先は尖り、基部はくさび形。 縁は全縁で、両面に白灰色の柔毛があり、特に裏面に多い。葉柄は長さ5〜10mm。 花期は3月〜4月で、葉の展開前に開花する。枝先や葉腋に頭状花序を付ける。 花序には小花が30〜50個ほど下向きに集まって付く。 花は両性花で、花弁はなく、萼は長さ13〜20oで、長さ13〜20oで先が4裂する。 萼裂片の外側には白い絹毛が密生し、内側は鮮黄色。 なお、園芸品種には内側がオレンジ色〜朱色のアカバナミツマタがある。 オシベは8個で、4個ずつ2段になって短い花糸で萼に付く。メシベは1個。 果実は核果で、堅果は長さ8mmほどの楕円体。6月〜7月に熟し、緑色で有毛。
2002/3/17,2010/3/21
園内の通路脇の所々で、ミツマタやアカバナミツマタが、たくさんの花を咲かせていました。 カタクリの花が咲いている斜面手前で、アカバナミツマタが咲いていたので撮ったのが上の写真です。 | |
ウグイスカグラ(Lonicera gracilipes var. glabra)
<マツムシソウ目・スイカズラ科・スイカズラ属> スイカズラ科スイカズラ属の落葉低木で、日本固有種。 日本では、北海道南部から本州、四国の山野で、日当たりの良い所に分布する。 樹高は2mほどになり、良く分枝して茂る。葉は、広楕円形で両面とも無毛。 枝先の葉腋に長さ2cm程の細い花柄を出し、淡紅色の花を1個(ときに2個)下向きに付ける。 花冠は2cm程の漏斗状で、先が5裂し、裂片は平開する。オシベは5本で、花冠より短い。 果実は、15mm程の広楕円形の液果で、6月頃に赤く熟し、食用になる。 ※ 本種は普通は全体に無毛で、ヤマウグイスカグラは枝や葉、花に毛が、ミヤマウグイスカグラは腺毛がある。
2010/3/22
園内の通路脇で、見かけたウグイスカグラの花です。 花は淡紅紫色ですが、花数が少ないからか、あまり目立ちません。 | |
ミヤマシキミ(Skimmia japonica var. japonica)
<ムクロジ目・ミカン科・ミヤマシキミ属> 2010/3/22 2010/4/10
ミカン科ミヤマシキミ属の常緑低木で、在来種。雌雄異株。
日本では、本州の関東以西から四国、九州に分布する。海外では台湾に分布する。 樹高は50〜150cmで、茎は直立し、よく分枝する。 葉は輪生状に互生し、葉身は6〜13cmの長楕円形で先が尖り、全縁。 葉は厚い革質で、表面には光沢があり、葉裏は黄緑色で油点がある。 花期は3月〜5月で、茎頂に半球形の円錐花序を出し、多数の花を付ける。 花は直径10mmほどで、花弁は4個、長さ5mm前後の長楕円形で、よい香りがする。 雄花は、オシベは4個で、メシベは退化している。 雌花は、仮オシベが4個あり、メシベは1個。柱頭は四角形で、浅く4〜5裂する。 果実は核果で、直径8〜10oの球形。秋に赤く熟す。
2010/3/22,4/10
園内の通路脇で見かけた、ミヤマシキミです。 3月に見たときには、まだツボミばかりで、咲くまでにはもう少しかかるようでした。 4月に行ったときには、ちょうど満開になっていました。 オシベから花粉が出ているので雄株のようです。 | |
シデコブシ(Magnolia stellata)
<モクレン目・モクレン科・モクレン亜科・モクレン属> 2010/3/22 2010/3/21 2010/3/21 .
モクレン科モクレン属の落葉小高木で、日本の固有種。
自生地は、愛知県、岐阜県、三重県の一部に限られ、自生個体群は準絶滅危惧種。 園芸用に苗が市販されており、庭木や公園樹として利用されている。 樹高は2〜5mで、樹皮は灰白色〜灰褐色で、皮目がある。若い枝や葉の柄には軟毛が密生する。 葉は互生し、長さ5〜10cmの長楕円形で、全縁。葉先は鈍頭で、基部は狭い楔型。 花期は3月〜4月で、葉が展開する前に開花する。 花は直径7〜10cmで、白色〜淡紅色の花被片12〜18個あり、細長いリボン状。 オシベ、メシベとも多数あり、雌性先熟で、自家不和合性。 果実は袋果が集まった長さ3〜7cmの集合果である。 熟すと裂開し、赤い種子が糸状の珠柄の先に垂れ下がる。 和名のシデ(四手)は、玉串や注連縄(しめなわ)などに下げる紙の事で、形が似ている事に由来。
2010/4/10
園内一回りして出口に近づいたときに見かけました。 淡いピンクがきれいな大きな花で、人気のある花だそうです。 | |
モクレン(Magnolia quinquepeta)
<モクレン目・モクレン科・モクレン亜科・モクレン属> モクレン科モクレン属の落葉低木で、中国南西部が原産地。 花が紫色であることから、シモクレン(紫木蓮)の別名もある。 樹高は5m程にしかならず、10cm程の先の尖った広卵形の葉は互生する。 開花時期は、4月〜5月で、濃い紅色の花弁は6枚、萼は3枚で、強い芳香を放つ。 花弁はハクモクレンとは異なり舌状で長い。オシベとメシベは多数が螺旋状に付く。 このモクレンとハクモクレンの交雑種がサラサモクレン(Magnolia×soulangeana)で、庭木として利用される。 花色は、淡紅紫色から暗赤色と変異が多く、花弁は9枚で、外側の3枚は萼片状。 サラサモクレンは、花色、花形、樹高などは、幅広い変異がある樹種です。 開花は、ハクモクレン→サラサモクレン→モクレンの順になる。 ※ サラサモクレンをサクラモクレンと誤記されたサイトがいくつかありました。 花色からそう呼びたくなる気持ちも分かりますが、間違えないようご注意を。
2010/3/21
園内を一回りして出口に向かっているとき、通路脇の斜面で見かけました。 非常に濃い紅紫色で、これから開花するところのようで、1つだけ綻びかけていました。 色からするとモクレンに近いと思うのですが、開花時期がちょっと早い気がします。 モクレンに近い形質のサラサモクレンかもしれません。 | |
ヒュウガミズキ(Corylopsis pauciflora)
<ユキノシタ目・マンサク科・マンサク亜科・トサミズキ属> マンサク科トサミズキ属の落葉低木で、在来種。イヨミズキの別名を持つ。 日本では、石川県〜兵庫県の日本海側と高知県、宮崎県に、海外では台湾に分布する。 樹高は2〜3mで、枝は細く、よく分枝して整った樹形になる。 葉は互生して、葉身は長さ2〜5cmの卵形で、縁には鋸歯がある。若葉の頃は赤みを帯びる。 花期は3月〜4月で、葉が展開する前に開花し、淡黄色の小花が数個ずつ固まって、多数下垂する。 花弁は5個で、長さ9o前後の倒卵状楕円形で、オシベは花弁より少し短い。葯は黄赤色。
2010/3/22
園内の通路脇で、たくさんの花をぶら下げていました。 淡黄色のきれいな花で、葉がないので否応なしに目を引きます。 | |
コシノチャルメルソウ(Mitella koshiensis)
<ユキノシタ目・ユキノシタ科・チャルメルソウ属> 2010/3/22 2010/4/10
ユキノシタ科チャルメルソウ属の多年草で、日本固有種。
日本でも、本州の新潟県および富山県東部のみに自生し、谷川沿いや林内の陰湿地を好む。 根茎は横に這い、根出葉は束生して、長さ3〜10cmの葉柄には曲がった長毛が密生する。 葉身は長さ3〜6cmの広卵形で、先は尖り、基部は心形。 5残裂して、不揃いな鋸歯があり、葉の両面には白い長毛がある。 花期は4月〜5月で、花茎を15〜30cmほど立ち上げて、総状花序を付ける。 花茎の下部には下向きの曲がった長毛が生え、上部と花柄には白く短い腺毛が密生する。 花は数十個が互生し、萼筒は浅い倒円錐形で、広三角形の萼裂片は5個あり、開花時には大きく反り返る。 紅紫色の花弁は5個あり、羽状に細く5〜9裂し、裂片には腺点がある。 オシベは5個あり、萼裂片と互生して花盤の縁に付き、花糸は葯より短く、裂開前は黄色い。 子房下位で萼筒と合着し、短い花柱が2個あり、先が2裂する。 果実は刮ハで、種子は褐色の楕円形で長さは1oほど。
2010/4/10
園内の通路脇で見かけました。 3月に見かけたときは、まだ、花茎を立ち上げたばかりでほとんどがツボミでした。 4月に出かけたときには、しっかりと花茎は立ち上がり、たくさんの花を咲かせていました。 花といっても、地味な色の花弁らしくない羽状に裂けた花弁で、黄色い葯の方が目立ちます。 | |
ヨゴレネコノメソウ(Chrysosplenium macrostemon var. atrandrum)
<ユキノシタ目・ユキノシタ科・ネコノメソウ属> ユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草で、在来種。 日本では、本州の関東地方以西の太平洋側、四国、九州に分布する。 草丈は5〜15cmで、茎は暗紅色を帯び、角の丸い方形で葉腋を除き無毛。 根生葉には長い葉柄があり、葉身は倒卵形で基部は楔型。葉縁には粗い鋸歯がある。 茎葉は卵状楕円形で対生して、数対付ける。花序の直下の茎葉は長楕円形。 葉脈を中心に灰白色の小斑点を無数に付け、汚れているように見えるのが和名の由来。 花期は4月〜5月で、花茎の先に小花を付け、花の周りの苞葉は楕円形で黄色い。 花弁はなく、暗紫褐色〜淡緑色の萼片4個が斜上するか直立する。 花の直径は4o前後で、オシベは4個か8個あり、萼片の外に飛び出す。 裂開する前の葯は、赤紫色から暗紅色で、花粉は黄色。花糸、花盤も暗紅色を帯びる。 果実は、左右に角状に2裂する刮ハで大きさは左右不同。
2010/3/22
園内を通路脇で見かけました。 花は地味なものですが、その下の苞葉がきれいな黄色なので目立ちます。 しかし、その黄色い部分以外には、灰白色の斑点が多数あり、とてもきれいとは言えません。 | |
エンレイソウ(Trillium smallii)
<ユリ目・メランチウム科・エンレイソウ属> 2010/3/22 2010/4/10
メランチウム科エンレイソウ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に、海外では、サハリン、樺太、南千島に分布する。 草丈は20〜40cmで、太く短い根茎から茎を一本立ち上げ、その先に3枚の葉を輪生する。 葉に葉柄はなく、長さ10〜20cmの丸みのあるひし形。 花期は4月〜7月で、葉の中心から短い花柄をだし、小さい花を1個付ける。 花は直径5cm強で、3個の緑色〜濃紫色の萼片を持ち、花弁はなく、横向きに咲く。 オシベは6個あり、葯は花糸よりも若干短い。メシベは1個で、子房上位。柱頭は3裂する。
2010/3/22,4/10
園内の通路脇で見かけました。 3月に見たときは、開花間もない時期だったようで、葯が開いていないものもありました。 4月に見たときは、受粉後のようで、子房が大きくなり始めていました。 萼片も濃紫色の部分は葉の縁に残っていますが、大部分は緑色になっていました。 | |
ショウジョウバカマ(Heloniopsis orientalis)
<ユリ目・メランチウム科・ショウジョウバカマ属> メランチウム科ショウジョウバカマ属の多年草で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州に分布し、海外では、朝鮮半島に自生する。 高度適応性が高く、低地から高山帯まで広範囲に分布する。 草丈は10〜30cmで、葉はロゼット状になり、長さ5〜20cmのへら型で全縁。 花期は3月〜4月で、花茎を立ち上げ、茎頂に総状に多数の花を付ける。 花色は、淡紅色〜紫色と変異が多く、稀に白色のものもある。 花被片は長さ15mmほどの倒披針形で6個ある。オシベも6個あり、葯は紫色。 花後も、花被片は黄緑色になって残る。 なお、葉の先端が地面につくと発根して新苗を作る不定芽でも増える。
2010/4/10
園内の通路脇で、所々で花を付けていました。 下段左は、開花間もない若々しい花で、初々しい感じがします。 下段右は、時間が経った花で、大きくなり始めた茶褐色の子房が見えています。 この後、子房が大きくなっても花被片は黄緑色(下記参照)になって残ります。 ※ 花後のショウジョウバカマの様子に関しては、こちらを参照ください。 | |
カタクリ(Erythronium japonicum Decne.)
<ユリ目・ユリ科・カタクリ属> 2010/3/22 2010/3/21 2010/3/22 . 2010/3/21 2010/3/22
ユリ科カタクリ属の多年草で、在来種。古語での呼称は「堅香子(かたかご)」。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布しているが、四国と九州では少ない。 海外では、朝鮮半島から中国に分布している。 草丈は20〜30pで、鱗茎は長さ5〜6cmの長楕円体で、地中深くにある。 葉は通常2個付き、長さ6〜12cm、幅は2.5〜6.5cmの長楕円形で、暗紫色の模様がある。 なお、花が付かない2〜7、8年の株の葉は、より葉幅が広くなる。ちなみに1年目の葉は糸状。 花期は3月〜5月で、花茎の先に下向きに淡紅紫色の花を1個付ける。 花被片とオシベは共に6個。オシベは長短3個ずつあり、葯は暗紫色。 花被片は長さ35〜50mmで、日中に光が当たると開いて反り返り、夕方には閉じる。 日差しがない日は、終日花は閉じたままで開くことはない。 長いオシベの葯は、短いオシベより外側にあり、先に成熟して裂開する。 花後、長さ15o程の卵形の刮ハができ、熟すと3裂する。 果実が熟す頃には、地上部は枯れてしまうので、地上部が姿を見せるのは4〜5週間程しかない。 稀に、白花の個体があり、シロバナカタクリという。
2010/4/10
園内に入って少し進んだところに大群生地があり、斜面をカタクリの花が埋め尽くしています。 そのような群落の中に、白いカタクリの花が何ヶ所か混じっていました。 | |
キバナカタクリ(Erythronium grandiflorum Pursh.)
<ユリ目・ユリ科・カタクリ属> ユリ科カタクリ属の多年草で、アメリカやカナダ南部の亜高山帯が原産地。 草丈は20〜40cmになり、葉は楕円形で2枚出る。カタクリのような葉紋はない。 花期は3月〜4月で、カタクリより1〜2週間遅れて咲く。 カタクリと異なり1茎2花〜3花で、濃黄色の花を下向きに咲かせる。
2010/4/10
園内の通路脇の一角で栽培を始めたようで、3月に訪れたときには咲いていませんでした。 その花を見たくて、4月に再訪した時には満開でした。逆にカタクリの方はほぼ終わっていました。 カタクリと違って、華やかで、いかにも洋花といった感じです。 | |
コシノコバイモ(Fritillaria japonica var. koidzumiana)
<ユリ目・ユリ科・バイモ属> ユリ科バイモ属の多年草で、在来種。 バイモ属は、主に中央アジア〜地中海沿岸に130種ほどが分布し、日本には7種ほどが分布する。 本種は、石川 県、富山県、新潟県に多いが、中部地方の太平洋側や東北地方南部にも散発的に分布する。 草丈は10〜20cmで、茎の先に5枚の葉をつける。 下の2枚の葉は対生し、長さが4〜6cmの披針形で、上の3枚は輪生し、小さい。 花期は3月〜4月で、茎頂に斜め下向きに、長さ2cmほどの釣鐘型の花を付ける。 花被片は6個あり、肩の突起が顕著。花被片の内側や縁に毛状突起がある。 花被片は緑色を帯びることが多く、表面の斑紋は網目模様であるが、薄くなったり消えたりしている。
2010/4/10
園内の通路脇の所々で見かけました。 小さく、地味な花なので、注意していないと見落としそうです。 ここが本来の自生地ではない気がしますので、植栽されたものと思われます。 | |
バイモ(Fritillary verticillata var. thunbergii)
<ユリ目・ユリ科・バイモ属> ユリ科バイモ属の半蔓性多年草で、中国原産の帰化植物。 観賞用として栽培されることが多いが、野生化したものもある。 草丈は50〜80cmで、地下の鱗茎は2〜3個の鱗片からなり、直径は2cm前後。 和名のバイモ(貝母)は、この貝状の鱗片が相対している様が由来になっている。 茎は直立して、葉は長さ7〜11cmの線状披針形で、無柄で3〜5輪生し、上部では互生する。 花期は5月〜6月で、上部の葉腋に鐘形の花を1個ずつ、やや下向きに付ける。 小花柄は長さ1〜3p。花被片は長さ25〜35mmの楕円形で6個(稀に7個)ある。 淡黄色〜紫褐色の網状紋があり、内面だけに黒紫色の網状紋があるものが多い。 オシベは長さ10〜15mmで、無毛。花柱は3裂し、裂片は長さ2mm前後。
2010/4/10
園内の通路脇で、茎を立ち上げて花をいくつか付けていました。 前述のコシノコバイモと同属ですが、大きさ、花の付き、花の形状など大きく異なります。 |