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城山湖、城山周辺 野草編(春T)



純揚水式の城山発電所建設にともなって誕生したのが人造湖の城山湖。
その城山湖を周回する散策路があり、その近くでは、いろいろな野草が楽しませてくれます。
また、そこに至る城山の周辺や相模川周辺にもいろいろな野草が見られます。



ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
アカネ目
アカネ科(アカネ)
アブラナ目
アブラナ科(イヌガラシ、オランダガラシ、セイヨウカラシナ、マメグンバイナズナ)
イネ目
イグサ科(スズメノヤリ)
イネ科(カモガヤ、チガヤ)
カヤツリグサ科(ヤワラスゲ)
オモダカ目
サトイモ科(マムシグサ)
キク目
キク科(ノアザミ、ノハラアザミ、セイヨウノコギリソウ、チチコグサ、ニガナ)
キジカクシ目
アヤメ科(キショウブ、ニワゼキショウ)
キジカクシ科(ミヤマナルコユリ、ナルコユリ、オオバギボウシ)
キントラノオ目
トウダイグサ科(アカメガシワ)
ヤナギ科(シバヤナギ)
キンポウゲ目
アケビ科(アケビ、ミツバアケビ)
キンポウゲ科(アキカラマツ、セリバヒエンソウ、ハンショウヅル、キツネノボタン)
クロッソソマ目
キブシ科(キブシ)
シソ目
シソ科(ジュウニヒトエ、オカタツナミソウ、オドリコソウ、ヤブムラサキ)
ハエドクソウ科(トキワハゼ)
セリ目
セリ科(オオハナウド、オヤブジラミ)
城山湖、城山周辺の野草(春T)
和名インデックス


アカネ(Rubia argyi)
<アカネ目・アカネ科・アカネ属>
 
アカネ科アカネ属のつる性多年草で、在来種。山野や路傍、林縁などで普通に見られる。
日本では本州から四国、九州に分布し、海外では朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
茎は盛んに分枝して、長さは1〜3mになる。茎は四角く、下向きの細かい刺がある。
葉は4個が輪生しているように見えるが、内2個は托葉が変化したもので、偽輪生である。
葉身は長さ3〜7cmの三角状卵形で、先が次第に細くなって尖り、基部は心形。
花期は8月〜10月で、葉腋から集散花序を出して、淡黄緑色の花を多数付ける。
花は直径5mm弱で、花冠は5裂し、オシベは5個。
果実は直径6mm前後で、普通は2個が接して付くが、1個だけになる場合もある。

2017/5/19
城山湖の遊歩道脇で、伸び始めたばかりのアカネを見かけました。
まだ、草丈は50cmに満たず、葉の色も若々しい黄緑色です。


アカネの花

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2017/8/5
八ヶ岳自然文化園の林縁で見かけたアカネの花です。
淡黄緑色の小さな花なので、気を付けていないと見過ごしそうです。
茜色は本種の根から採った染料で草木染にしたものですが、地上部からは想像できません。


セイヨウカラシナ(Brassica juncea (L.) Czern)
<アブラナ目・アブラナ科・アブラナ属>
 
アブラナ科アブラナ属の越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
アブラナ(Brassica rapa)とクロガラシ(Brassica nigra)の雑種である。
日本では関東以西で見られ、特に関西には多い。日本には弥生時代に伝来したといわれている。
草丈は1m以上になり、上部で分枝する。
下部の葉は大きく30pに達し、羽状深裂して頭部は大きく、鋸歯がある。
上部の葉は小さく、全縁で、葉の基部は茎を抱かない(良く似たセイヨウアブラナは茎を抱く)。
花期は4月〜5月で、花は直径10o程の十字型で、花色は黄色。萼片は開花時には斜上する。
セイヨウアブラナの花は、一回り大きく、茎頂部にまとまって咲き、萼片が開花時には直立に近い。

2017/5/10
城山湖に行く途中、相模川の上流で、河川敷に大きなセイヨウカラシナの群落を見かけました。
花期としては終盤に近いようで、花序の株には多くの果実が付いていました。
なお、茎葉が茎を抱いていませんでしたので、本種と判断しました。

※ 下記は、よく似たセイヨウアブラナとセイヨウカラシナを比較したもので、区別点となります。


セイヨウアブラナとセイヨウカラシナの比較

セイヨウアブラナ セイヨウカラシナ

花の直径は15o前後で、
萼片は平開せず斜上する

花の直径は10o強で、
普通、萼片が大きく平開する

比較的、花は頂部に集まって咲く

花は下方までバラバラと総状に裂く

中上部の茎葉は、
葉柄がなく茎を大きく抱く

中上部の茎葉にも葉柄があり、
茎を抱かない

イヌガラシ(Rorippa indica)
<アブラナ目・アブラナ科・イヌガラシ属>
 
アブラナ科イヌガラシ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、インド、フィリピン、東南アジアなどに分布する。
草丈は10〜50cmで、短い根茎があり、根元から株立ちとなる。茎は赤味を帯びた暗緑色。
葉は互生し、下部の葉は羽状に裂けるが、上部の葉はほとんど切れ込みがない。
葉の縁には細かい鋸歯があり、基部には小さな耳があり、茎を抱く。
花期は4月〜6月で、直径4〜5mmの黄色い4弁花。オシベは6個あり、子房上位で、萼片は4個。
果実は長さ15〜25mmの細長い円柱状の長角果。弓上に少し曲がる。
種子は2列に並び、熟すと花被が裂開して、種子が落ちる。

2017/5/19
城山発電所の管理棟横の通路脇で、イヌガラシの大きな株を見かけました。
これほどのものは、今まで見たことがない大きさでした。

オランダガラシ(Nasturtium officinale)
<アブラナ目・アブラナ科・オランダガラシ属>
 
アブラナ科オランダガラシ属の多年草で、ヨーロッパから中央アジアの原産の帰化植物。
北アメリカ、南アメリカ、アジア、オセアニアに移入分布する。
標準和名のオランダガラシよりも、フランス語の「クレソン」の方で呼ばれることが多い。
抽水植物もしくは沈水植物で、極めて繁殖力が強く、茎の切れ端からも発根、再生する。
茎は中空で、無毛。基部で分枝し、草丈は50p程になる。
葉は対生し、奇数羽状複葉で、小葉は楕円形で3〜11個ある。
花期は4月〜6月で、直径6oほどの白花。花冠は4裂し、裂片の長さは4o前後。

2017/5/10
城山湖に行く途中、相模川の上流、河川敷の縁でオランダガラシが花を付けていました。
オランダガラシというよりは、クレソンと言った方が分かりやすいでしょうか。
この花の咲いている状態では、料理に出てくるクレソンのイメージはないですね。

マメグンバイナズナ(Lepidium virginicum)
<アブラナ目・アブラナ科・マメグンバイナズナ属>
 
アブラナ科マメグンバイナズナ属の2年草で、北アメリカ原産の帰化植物。
日本では明治時代に帰化が確認されており、現在では北海道から九州まで、全国で分布が確認されている。
草丈は20〜50cmで、茎は直立して上部で多数分枝する。
根生葉は、羽状に深裂してロゼットを形成し、花期には枯れるのが普通。
茎葉は互生し、長さが2〜5cmの倒披針形で濃緑色で光沢があり、粗い鋸歯がある。
花期は5月〜7月で、茎先に総状花序を付け、緑白色で直径3mm前後の4弁花を次々と咲かせる。
果実の形状は、直径4mm前後の円形で中央に筋があって軍配に似ており、それが和名の由来です。
なお、「マメ」が付くのは、似た形状の果実を付けるグンバイナズナ(直径10mm以上)より小さい事による。

2017/5/17
城山発電所の管理棟横の通路脇で、マメグンバイナズナが花を付けていました。
最近、あちらこちらで見かけるようになりましたので、分布を広げているのでしょう。
なお、ナズナの倒三角形の果実とは異なり、本種の果実は真ん丸なので、区別は容易です。

スズメノヤリ(Luzula capitata)
<イネ目・イグサ科・スズメノヤリ属>
 
イグサ科スズメノヤリ属の多年草で、自生種。
日本では、北海道から、本州、四国、九州と全国に分布する。
イグサ科ではあるが、見た目はイグサというより、イネ科の植物に似ている。
短い茎は地上のは出ず、根生葉のみが地表に出て、伸びる。
3月頃に20cm前後の花茎を伸ばし、その先端に花が集まった頭花を多くは1個付ける。
花被片は赤褐色で、それより短い花糸のオシベが6個あり、大きめの葯が目立つ。
頭花は、最初にメシベが成熟し、その後、オシベの葯が伸びてくる。果実はさく果で、黒褐色。

2017/5/17
城山発電所の管理棟横の通路脇で、スズメノヤリが小さな群落を作っていました。
既に花は終わっていて、褐色の果実が固まって付いています。


スズメノヤリの花

     .
2015/4/16
多摩川の近くで見かけたスズメノヤリの花です。イネ科の花なので、見栄えはしません。
赤褐色の花被片は大きく開き、左下に伸びる淡黄色の糸状のものがメシベの柱頭です。
その基部に見える淡黄色の丸いものが子房で、その基部から斜上しているのがオシベです。


カモガヤ(Dactylis glomerata)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・イチゴツナギ連・カモガヤ属>
 
イネ科カモガヤ属の多年草で、ユーラシア原産の帰化植物。
日本では北海道から四国、九州に広く分布している。
海外でもアフリカ、アジア、南北アメリカ、オセアニアと広範囲に移入分布する。
日本では牧草として移入され、野生化して広がった。
草丈は大きいものでは1mを超える。根茎は短く、茎は叢生して、全体に無毛で平滑。
根生葉は、長さ50cm前後で、粉白色を帯びて柔らかく、中央脈は高く隆起する。
花期は、6月〜8月で、長さ20cm程の円錐形の花序を出す。
小穂は長さ10o程の扁平な楕円形で、毛と短い芒があり、3〜6個の小花からなる。
なお、イネ科の花粉症の中でも、カモガヤはその代表格とのこと。
スギ花粉症の方の半分は、カモガヤの花粉症になると言われており、要注意植物です。

2017/5/17
城山湖脇にある駐車場。そこから少し下ったところでカモガヤを見かけました。
ちょうど満開の状態で、葯が風にあおられてヒラヒラと舞っていました。

チガヤ(Imperata cylindrica var. koenigii)
<イネ目・イネ科・キビ亜科・チガヤ属>


 

 

イネ科チガヤ属の多年草で、日当たりの良い空き地よく見られる。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで広く分布している。
海外では、アジア中西部からアフリカ、オーストラリアに広く分布している。
また、北アメリカにも帰化が確認されている。
草丈は30〜80cmで、根茎は堅くて白く、地中深く横走する。
また、新しい匍匐茎を伸ばして、その先に越冬芽(地中にある)を付ける。
葉は長さ20〜50cmの線形で、葉縁や葉先が赤くなることが多い。
なお、葉鞘や茎の節には、普通、毛がある。
花期は5月〜6月で、葉に先立って花茎を伸ばし、長さ10〜20cmの花穂を付ける。
小穂は長さ5o前後披針形で、基部に長さ10mmほどの光沢のある白い綿毛が密生する。
葯は長さ3oほど、柱頭は紫褐色で2裂し、花後にも白い綿毛の中に残ることがある。

2017/5/10
城山湖に行く途中、相模川の上流で、河川敷に大きなチガヤの群落を見かけました。
下段左は、開花している花穂で、多くの葯がぶら下がっています。
しかし、開花から時間が経っているようで、葯が紫褐色から褐色に変わっています。
一方、右側は花後の花穂で、白い綿毛が開出しています。紫褐色の柱頭が綿毛に紛れています。
ただ、雨の後ということもあり、白い綿毛がくっついていますが、天気が良いとふんわりと開きます。



チガヤの花

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チガヤの花が咲く様子です。
左端は、開花間もない様子で、葯は紫褐色で、2裂した紫褐色の柱頭も見られます。
中央は、日が経ったもので、紫褐色だった葯が色あせてきています。
右端は、花後の花穂の様子で、白い綿毛が大きく開き、それに紫褐色の花柱が絡まっています。


ヤワラスゲ(Carex transversa Boott.)
<イネ目・カヤツリグサ科・スゲ属・ミヤマシラスゲ節>
 
カヤツリグサ科スゲ属の多年草で、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州、対馬に分布し、海外では朝鮮半島から中国に分布する。
やや湿った所に生える小型〜中型のスゲで、草丈は20〜70cmになる。
根茎は短く、匍匐茎は出さずに密に叢生する。茎の基部の鞘は濃赤色を帯びる。
葉は線形で、葉幅は5mm前後あり、葉先の方は少し垂れ下がる。
花期は、4月〜6月で、三角形の花茎をほぼ真っ直ぐに立ち上げ、茎先に小穂を数個付ける。
なお、花茎の途中には茎葉が付き、小穂の包も葉状で、花序よりも長くなる。
頂小穂は雄性で長さは数cm、その下部に長さ2〜3cmの数個の雌性の側小穂が付く。
なお、上部の雌小穂は雄小穂の基部に集まって付くが、最下部の雌小穂は柄があり、少し離れて付く。
雄小穂は淡緑色の細い棒状で短い柄があり、雄花の鱗片には芒がある。
雌小穂は太い円柱形で、果胞は5mm前後の卵形。長い嘴が付く。
雌花の鱗片は緑色で、長い芒があり果胞と同長。果胞が丸く太らんでくると芒が目立つ。
痩果は、長さ2mmほどで3稜のある卵形。黄褐色〜淡褐色である。

2017/5/17
城山湖に行く途中、相模川に沿った道路脇の空き地で、ヤワラスゲを見かけました。
結構大きな株が周りにもあったので、除草されることもなく育っているようです。

マムシグサ(Arisaema serratum)
<オモダカ目・サトイモ科・サトイモ亜科・テンナンショウ属>
 
サトイモ科テンナンショウ属の宿根性落葉多年草で、在来種。
有毒植物で、全草にシュウ酸カルシウムの針状結晶、サポニン、コニインを含み、特に球茎の毒性が強い。
日本では、北海道から本州、四国、九州と広範囲に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国東北部に分布する。
草丈は50〜80pほどになり、春、地下の球茎から偽茎を伸ばし、2枚の葉を展開する。
偽茎は、葉柄下部の2つの葉鞘部分が重なったもので、紫褐色のまだらな模様がある。
葉は鳥足状の複葉で、7〜15枚の楕円形の小葉からなり、その形や鋸歯の有無など変異が大きい。
花期は4月〜5月で、中央から花茎を伸ばし、紫色の仏炎苞のなかに肉穂花序を付ける。
雌雄異株で、肉穂花序の下部に萼も花冠もないオシベ・メシベだけの花を固まって付ける。
仏炎苞は、長さ10pほどの筒状部があり、その先は細くなりながら水平に前方に伸びる。
肉穂花序の先端から伸びた付属体は、棍棒状で直径8mm前後。
花後、仏炎苞の下から緑色のトウモロコシ状の果実が現れ、秋には真っ赤に熟す。
仏炎苞は紫褐色が標準であるが、緑色のものなどもあり、下記のようにいろいろな名前で呼ばれる。

アオマムシグサ、ムラサキマムシグサ、オオマムシグサ、カントウマムシグサ、コウライテンナンショウ…

ただ、各々の中間的な形態のものも多く、学者によって分類も異なる。

2017/5/19
マムシグサの写真を撮りたくて、遊歩道を歩いて探しました。
やっと見つけたのがこの写真のマムシグサです。カントウマムシグサと呼ばれる緑色のものです。
このとき見つけた、花を付けているものは、この一株のみでした。

 

   
2017/5/19
後は、上段のように花を付けられない若い株か、下段のように果実になった株でした。
下段の株は、草丈が1mはあるのではと思えるほど、大きな株でした。
葉は、左側が普通のもので、右側のものは斑入りの葉でした。

ノアザミ(Cirsium japonicum)
<キク目・キク科・アザミ亜科・アザミ連・アザミ属>
 

 
キク科・アザミ属の多年草で、日本固有種。
日本では、本州から四国、九州と比較的広範囲に分布する。
海外で、朝鮮半島から中国にかけて分布するものは、貯蔵根が肥大するので別種カラノアザミと思われる。
草丈は50〜100cmで、根生葉は花期でも残っており、長さ15cm前後で羽状に中裂する。
茎葉は、基部が茎を抱き、上部の葉ほど小さくなる。葉には、鋭い刺が多数ある。
花期は5月〜8月であるが、稀に秋まで咲いている場合もある。なお、春に花を付けるのは本種のみである。
頭花は茎頂に上向きに咲き、直径は4〜5cm。筒状化のみで、花色は紅紫色。稀に白花もある。
総苞は幅2〜4cmの球形で、総苞片は直立して粘液を出し、よく粘る。

2017/5/17
城山湖の遊歩道脇で見かけたノアザミです。
春のこの時期に花が見られるのは、ノアザミのみです。

ノハラアザミ(Cirsium oligophyllum)
<キク目・キク科・アザミ亜科・アザミ連・アザミ属>

キク科・アザミ属の多年草で、日本固有種種。
日本では、本州中部以北の山地の草原や林縁に分布する。
草丈は60〜100pで、茎は真っ直ぐに伸び、上部で分枝する。
根際の葉は花期にも残り、羽状に深く裂ける。茎葉は上部ほど小さく、中裂して鋭い棘がある。
花期は8月〜10月で、枝先に数個の花を上向きに付ける。
頭花は、紫色の筒状花からのみなり、最初、メシベはオシベに包まれている。
花が刺激を受けると、オシベが下にさがり、白い花粉とメシベが出てくる。
オシベは数日で枯れ、長く飛び出したメシベ(先が3裂)が授粉できるようになる雄性先熟。
総苞には、クモ毛があり粘らない。総苞片は、反り返らず、短くて規則正しく斜上する。

2017/5/19
城山湖の遊歩道脇で見かけた、ノハラアザミと思われるアザミです。
まだ、ロゼットから茎が伸び始めたばかりのようで、大きく広がる根生葉が目を引きます。



ノハラアザミとノアザミの花

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<ノハラアザミ>                      <ノアザミ> .

ノハラアザミとノアザミの花です。
ノハラアザミの花期は8月〜10月で、ノアザミの花期は5月〜8月と開花時期が異なります。
ただし、ノアザミが稀に秋に咲くことがあるので、混在する場所では注意が必要です。
なお、ノハラアザミの短い総苞片にはクモ毛があり、反り返らず斜上するのに対して、
ノアザミの総苞片は総苞に沿うように直立し、粘液を出してよく粘ります。
そのため、食虫植物ではありませんが、上記の写真のように昆虫が張り付いていることがあります。


セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium)
<キク目・キク科・キク亜科・キク連・ノコギリソウ属>
 

 
キク科ノコギリソウ属の多年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本では、北海道から本州に分布する。
草丈は50〜100cmほどで、葉は互生し、2〜3回羽状複葉に細裂して柔らかい。
茎頂に散房花序を付け、直径5o程の頭花をたくさん付ける。
普通、周囲に5個の舌状花(雌花)が並び、中心に両性花の筒状花が複数ある。
花色は白や淡紅色が多いが、赤や黄色などの園芸品種も出回っている。床には膜質の鱗片がある。
花後、花床がふくれて円錐形になり、痩果は長さ2mmほどになる。

2017/5/19
城山湖の遊歩道をほぼ一周して、ダム湖を堰き止めている提まで戻ってきたときに見かけました。
提の上にある草原の中に、一か所、本種が固まって咲いている所がありました。
遠くから見たとき、ノコギリソウではと思ったのですが、近づいて葉を見ると違っていました。


セイヨウノコギリソウとノコギリソウ

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  <セイヨウノコギリソウ>

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<ノコギリソウ>

セイヨウノコギリソウとノコギリソウの花の形はそっくりです。
ただし、ノコギリソウの花色が白色のみなのに対して、セイヨウノコギリソウには赤色や黄色もあります。
花がなくとも、上記の写真のように両者の葉は形が異なり、硬さにも違いがあるので区別可能です。
セイヨウノコギリソウの葉は、2〜3回羽状複葉に細裂して柔らかいのが特徴です。
一方、ノコギリソウの葉は、厚くて硬く、羽状に深裂し鋸歯があり、これが和名の由来でもあります。


チチコグサ(Gnaphalium japonicum)
<キク目・キク科・キク亜科・ハハコグサ連・ハハコグサ属>
 
キク科ハハコグサ属の越年草で、日本では全国に広がっており、道端などでよく見かける。
海外では、朝鮮半島から中国に分布している。
草丈は、15〜30cmほどで、秋に芽生えて、ロゼットで越冬し、翌春に茎を伸ばして花を付ける。
根元から匍匐茎(ほふくけい)を出して増えるので、固まりになってなえていることが多い。
花期は5月〜10月で、茎頂に頭花が丸く集まって付き、その基部に披針形の苞葉が放射状に付く。
総苞は長さ5mmほどで、総苞片は紫褐色を帯びる。

2017/5/19
城山発電所の管理棟横の通路脇で、チチコグサが小さな群落を作っていました。
最近は、チチコグサモドキなどの帰化植物が幅を利かせるようになって、あまり見かけなくなりました。

ニガナ(Ixeridium dentatum)
<キク目・キク科・タンポポ亜科・タンポポ連・ニガナ属>
   
キク科ニガナ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布している。
草丈は50cmに達するものもある。根生葉は長い葉柄があり、長さ10cmほどの広披針形。
茎葉は、葉柄がなく、基部が丸く張り出して茎を抱く。ただし、上部では抱かないこともある。
茎の先に直径15o程の黄色い頭花を散状に付ける。
通常、舌状花は5個であるが6枚以上のものもある。特に8枚以上のものはハナニガナと呼ばれる。
オシベは筒状に合着し、先が2つに割れているメシベは筒の中にある。
総苞は、円筒形で長さは8o程。外片は極小さくて、基部に鱗片状に付く。

2017/5/19
城山発電所の管理棟横の通路脇や駐車場の近くなど、あちらこちらで見かけました。
見かけたのは舌状花が5個のニガナばかりでした。



シロバナニガナとハナニガナの花

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<シロバナニガナ>                      <ハナニガナ> .

新潟県の胎内で見かけたシロバナニガナとハナニガナの花です。
シロバナニガナは、ニガナの亜種であるイソニガナの変種とされ、その黄色品種がハナニガナとされています。
どちらも舌状花の数が8〜11個と多いのが特徴です。


キショウブ(Iris pseudacorus)
<キジカクシ目・アヤメ科・アヤメ属>


 
アヤメ科アヤメ属の多年草で、ヨーロッパが原産地の帰化植物。
明治時代に観賞用として導入され、その後、野生化して各地で見られるようになった。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国で見られ、「要注意外来生物」の指定を受けている。
湖沼や河川など、残水域に生育する抽水植物で、繁殖力は旺盛。なお、乾いた草地でも繁殖する。
草丈は50〜120cmで、根茎は直径数cmのピンク色。よく分枝して群生する。
葉は2列に根生し、長さ40〜100cmの剣状で、先は細く尖る。中脈が太く隆起して明瞭。
花期は5月〜6月で、花茎を立ち上げ、上部で分枝して4〜12個の花を付ける。
苞は長さ6〜9cmの緑色で、縁が褐色。外側の苞には竜骨があり、内側のものにはない。
花は鮮やかな黄色で、3個の外花被片は広卵形で、長さは5〜7cmになり、垂れ下がる。
垂れ下がる広開部の基部には赤褐色の筋紋が丸く入り、その内側は濃黄色。
3個の内花被片も鮮やかな黄色で、長さ数cmで立ち上がり、へら形。
子房下位で、子房の長さは15mm前後。断面は三角形ので、側面にへこみがある。
花柱は長さ3〜4cmで、先が不規則に切れ込み、柱頭は丸い。

※ 環境省は「要注意外来生物」に指定し、
●栽培にあたっては、逸出を起こさないこと
●在来種に影響を与える恐れがある場合は、積極的な防除、分布拡大抑制策の検討が望まれる
として、警戒を呼び掛けている。

2017/5/10
城山湖に行く途中、相模川の上流で、相模川の岸辺にキショウブの群落が点々と見られました。
花が黄色いのでよく目立ち、見ている分にはきれいなのですが、「要注意外来生物」なんですよね。
この辺りには、岸に沿って、点々と群生していましたが、このまま放置で良いのでしょうか。
周りに影響を受けそうな植物は見当たりませんでしたが、繁殖防止対策は必要かも。

ニワゼキショウ(Sisyrinchium rosulatum)
<キジカクシ目・アヤメ科・ニワゼキショウ属>
 
アヤメ科ニワゼキショウ属の1年草。北米が原産地の帰化植物。
日本では全国の痩せ地に普通に見られる。
草丈は10〜20cmで、茎は基部で枝分かれして直立し、両側に翼があり扁平。
葉は長さが4〜8pの剣状葉で、2つ折りになって茎を抱き、縁には微細な鋸歯がある。
花期は5月〜6月で、茎先に細い花柄を出し、小花を次々に咲かせる。
花は直径15mm前後で、花被片は内花被片3個と外花被片3個からなり、赤紫色のものと白色のものがある。
なお、青紫色のものもあるが、これはオオニワゼキショウとの雑種である。
花は、受粉すると1日ですぼんでしまう。

2017/5/19
城山発電所の管理棟横の通路脇で、ニワゼキショウがポツリポツリと咲いていました。
大半は赤紫色の花でしたが、淡青紫色のものも幾分見られました。
おそらく、オオニワゼキショウとの雑種が少し混じっているものと思われます。

ミヤマナルコユリ(Polygonatum lasianthum)
<キジカクシ目・キジカクシ科・スズラン亜科・アマドコロ連・アマドコロ属>
 

 
キジカクシ科アマドコロ属の多年草で、在来種。
日本では、本州から四国、九州の山林や草原に自生する。
草丈は30〜70cmで、地下茎は横に這い、節間は短い。
茎の下部は直立するが、中上部は斜上して無毛。
葉は互生して長さ6〜11cmの長楕円形で、先は尖るが鈍端。基部には短茎がある。
花期は5月〜6月で、花柄は斜上して緩やかに曲がり、3〜8個の花を付ける。
花被は長さ20o前後で、基部には1mmに満たない短柄がある。
花被の先は6浅裂し、裂片はそり返らず、先に小突起がある。
花糸は中ほどまで花被の筒部と合着して長軟毛がある。花柱は無毛で先端は頭状。

よく似たアマドコロは花の基部に短柄はなく、ナルコユリの花柄は基部から下に曲がる点で区別可能。

2017/5/19
城山湖の遊歩道脇で、所々でナルコユリと共に見かけました。
ナルコユリとは、花柄が斜上するか否かで区別可能ですが、見た目はよく似ています。

ナルコユリ(Polygonatum falcatum)
<キジカクシ目・キジカクシ科・スズラン亜科・アマドコロ連・アマドコロ属>
 

 
キジカクシ科アマドコロ属の多年草で、在来種。
日本では、本州から四国、九州の山林や草原に自生する。
草丈は50〜130cmで、地下茎は横に這い、節間は短い。茎は丸くて無毛。
葉は互生して長さ10〜20cmの披針形で、先は尖るが鈍端。基部は短柄あるいは無柄。
花期は5月〜6月で、花柄は基部から下に曲がり、3〜8個の花を付ける。
花被は長さ20o前後で、基部には1mmほどの短柄がある。
花糸は中ほどまで花被の筒部と合着して無毛。花柱は無毛で先端は頭状。

よく似たアマドコロは花の基部に短柄はなく、ミヤマナルコユリの花柄は斜上する点で区別可能。

2017/5/19
城山湖の遊歩道脇で、所々でミヤマナルコユリと共に見かけました。
ミヤマナルコユリとは、花柄が斜上するか否かで区別可能ですが、見た目はよく似ています。

オオバギボウシ(Hosta sieboldiana)
<キジカクシ目・キジカクシ科・リュウゼツラン亜科・ギボウシ属>

キジカクシ科ギボウシ属の多年草で、東アジアの特産種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布している。
日本海側に生えるものをトウギボウシとして分けていた時期もあるが、現在は同一種とされている。
草丈は1mほどになり、葉は根生葉で長い葉柄があり、葉身は卵状楕円形で長さ30cm前後になる。
基部は心形で、葉裏の葉脈は盛り上がり、脈状に小突起が少し見られる。
花期は6月〜8月で、花茎が1mほど伸びて、淡紫色〜白色の花を横向きに多数つける。
花は漏斗型で、5cmほどの長さになり、基部に緑白色の苞がある。
和名の「ギボウシ」は、ツボミが欄干の擬宝珠(ぎぼし/ぎぼうしゅ)に似て、葉が大きいことに由来する。

2017/5/19
城山湖の遊歩道脇で見かけたオオバギボウシです。
まだ、葉が数枚出た程度ですが、あまり大きな株ではないようです。


オオバギボウシの花

     .
2012/8/4
  八ヶ岳自然文化園で見かけたオオバギボウシです。
1m以上ありそうな花茎を立ち上げて、多数の花を付けていました。


アカメガシワ(Mallotus japonicus)
<キントラノオ目・トウダイグサ科・エノキグサ亜科・エノキグサ連・アカメガシワ属>

トウダイグサ科アカメガシワ属の落葉高木で、在来種。雌雄異株。
日本では、本州から四国、九州の山野に自生し、空き地などに真っ先に生えてくるパイオニア植物。
日本以外では、東南アジアの山野に分布する。
和名は、新芽が紅色を帯びること、そして、その葉が柏のように大きくなることに由来する。
葉は互生し、葉柄は紅色を帯び、長さは10〜20cm、葉身も同様、葉幅は5〜15cm程でかなり大きい。
初夏に枝先に円錐花序を出し、花弁のない小さな花を多数付ける。
雄花は、苞の脇に数個ずつ付き、多数のオシベが球状に付く。
雌花は、苞の脇に1個ずつ付き、子房には刺状の突起がある。

2016/5/15
城山湖の駐車場。そこから少し離れた斜面で、アカメガシワが赤い新芽を展開していました。
この状態では、雄株か雌株か、判断できません。


アカメガシワの花

     .
<雄花>                             <雌花>

     .
<雄花序>                            <雌花序>

アカメガシワは雌雄異株なので、雄株と雌株があります。
雄株は比較体よく目にしますが、雌株は数えるほどしか見た記憶がありません。
雄株と雌株では花序の見た目が上記のように異なり、各々に付く雄花と雌花も形が異なります。


シバヤナギ(Salix japonica)
<キントラノオ目・ヤナギ科・ヤナギ亜科・ヤナギ連・ヤナギ属>
   

 
ヤナギ科ヤナギ属の落葉低木で、日本固有種。フォッサマグナ要素植物の1つ。
日本では、関東地方南部から愛知県にかけて分布している。
樹高は1〜3mほどで、樹皮は赤褐色〜黄褐色。枝は水平に伸びて、先がやや下垂する。
葉は互生し、長さ4〜10pの披針形で先が尖り、葉縁には鋸歯がある。
若葉は紅色で、葉裏には白毛が生えているが、時間の経過とともに緑色になり、毛も落ちる。
花期は、3月〜4月で、葉の展開と同時に開花する。
雄花序は、長さ4〜5cmで直立し、雄花が密集して付く。
雄花にはオシベが2個あり、開花すると葯が黄色いので、黄色く丸いブラシ状になる。
雌花序は、長さ4〜8cmほどの緑色で、先がだらりと垂れさがり、雌花が密集して付く。
雌花は先すぼまりの円錐状で、花柱は短く、柱頭は2裂する。
果序の長さは10cm以上になり、刮ハは6月頃に黄色く熟して先が2裂し、綿毛を密生させる。
この綿毛の基部に種子が付いていて、風で運ばれる。

2017/5/17
城山湖の駐車場。そこから少し離れた斜面で、白い長毛に覆われた花序が目につきました。
後で調べるとシバヤナギの雌株と分かりました。
刮ハが黄色く熟して裂開し、綿毛が出てきていたようです。

アケビ(Akebia quinata)
<キンポウゲ目・アケビ科・アケビ属>

アケビ科アケビ属の蔓性落葉低木で、茎は蔓になって他物に右巻きで巻き付き、古くなると木質化する。
日本では、本州から四国、九州の山野に自生している。
葉は互生し、楕円形の小葉5個が掌状に付く複葉で、小葉は先端がくぼみ、基部はくさび形、縁は全縁。
花期は4月〜5月で、花は雌雄同株ではあるが、雌雄異花で、花序の先に数個の雄花、基部に雌花が数個付く。
花は淡紫色で花弁がなく、花弁のような萼片が3個あり、雌花は雄花より一回り大きく、直径は30mmほど。
雄花では、6個のオシベの先端がくっついて丸くなっているが、雌花では、太いメシベが放射状に開いている。

2017/5/17
城山湖の遊歩道脇などで、アケビの葉をよく目にしました。
良く除草されるようで、大きな株はなく、1mに満たない蔓に葉が付いているだけでした。



アケビの花

 
<花序>

     .
<雄花>                            <雌花>

アケビの花序で、2個の雄花と3個の雌花が見えています。
雄花が花序先に、雌花が基部に付くのですが、雌花の花柄が長いので、雌花の方が外側になります。


ミツバアケビ(Akebia trifoliata)
<キンポウゲ目・アケビ科・アケビ属>

アケビ科アケビ属の蔓性落葉低木で、茎は蔓になって他物に右巻きで巻き付き、古くなると木質化する。
日本では、北海道から本州、四国、九州の山野に自生している。
アケビより耐寒性があり、育成地域が広い。また、荒れ地や乾燥地でも繁茂する。
葉は互生し、楕円形の小葉3個が掌状に付く複葉で、小葉は先端がくぼみ、基部はくさび形、縁は全縁。
花期は4月〜5月で、花は雌雄同株ではあるが、雌雄異花で、花はアケビより濃い濃紫色。
新葉の脇から総状花序を下垂し、花序の先に十数個の雄花、基部に雌花が数個付く。
花は花弁がなく、花弁のような萼片が3個あり、雌花は雄花より数倍大きく、直径は15mmほど。
雄花では、6個のオシベの先端がくっついて丸くなり、萼片は後ろに反り返って目立たない。
雌花では、大きな萼片が平開し、3〜6個の太いメシベが放射状に開いている。

2017/5/17
城山湖の遊歩道脇などで、アケビ同様、葉をよく目にしました。
良く除草されるようで、大きな株はなく、1mに満たない蔓に葉が付いているだけでした。


ミツバアケビの花

     .

アケビの花は見たことがあるのですが、ミツバアケビの花は見たことがありませんでした。
それが、千葉の方にゴルフに行ったとき、木に絡みついて咲いているのを見かけました。
あいにく、近づけないところだったので、アップでは撮れませんでしたが、色とか咲き方は分かりました。

ミツバアケビの花序には、数個の雌花が基部に付き、その先に多数の雄花が見えています。
花の形は似ていますが、その花色と付き方はかなり異なります。


セリバヒエンソウ(Delphinium anthriscifolium)
<キンポウゲ目・キンポウゲ科・オオヒエンソウ属>
 

   
キンポウゲ科オオヒエンソウ属の1年草で、中国原産の帰化植物。強い毒性がある。
日本では、本州の関東から東海地方に分布している。
草丈は15〜50cmで、茎は直立して上部で分枝し、短い屈毛がある。
葉は互生し、2〜3回3出複葉。小葉は三角状卵形で、小さな切れ込み多くある。
花期は4月〜6月で、上部の葉腋から総状花序を出し、直径20o前後の花を3〜5個付ける。
花は、青紫色の萼片5個と、白っぽい花被片1対、オシベが変化した赤紫色の花弁1対からなる。
上部の萼片には1cmほど突き出た距があり、上側の花被片1対にも距がある。距には蜜が多くにたまる。
下側にある広卵形の花弁1対は密接して、オシベに覆いかぶさる。
メシベは1〜3個、オシベは10個あるが、上から覆われて正面からは見えなくなる。
横からは花糸や黄色い葯を覗き見ることができる。
ツボミも距が突き出た独特のスタイルで、見方によってはオタマジャクシに見えなくもない。

2017/5/17
城山湖の手前にある本沢梅園。その斜面で見慣れない青紫色の花を見かけました。
淡いきれいな色の花ですが、色が地味目で、小さいこともあり、あまり目立ちません。
後で調べて、その独特の花の形から、セリバエンビソウと直ぐに分かりました。

アキカラマツ(Thalictrum minus var. hypoleucum)
<キンポウゲ目・キンポウゲ科・カラマツソウ属>
 

キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草で、在来種。別名タカトウグサ(高遠草)。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国に分布する。
草丈は1m以上になり、茎頂に円錐花序を付ける。
葉は2〜4回3出複葉で、小葉は長さ1〜4cmの広倒卵形。
葉先は3〜5残裂し、基部は丸い。葉裏は緑白色で、葉脈は少し盛り上がる。
葉柄基部の托葉には波状歯があり、1〜2節にも小托葉がある。
花期は7月〜10月で、茎頂の大きな円錐花序に、直径10mm前後の淡黄白色の花を多数付ける。
花弁はなく、花弁に見えるのは萼片で、多数のオシベが長く淡黄色の葯が目立つ。
メシベは2〜4個で、花柱がなく、子房に直接柱頭が付く。
痩果はメシベと同数で、果体2〜4個が星状に付く。果体は紡錘形で隆起8本の稜があり、果柄はない。

2017/5/10
城山湖に行く途中、相模川の上流の河川敷の土手で見かけました。
まだ、花期ではありませんので、写真のように花序が伸び始めたばかりです。
花が咲いていないので、カラマツソウかアキカラマツか迷いました。
ただ、相模川の上流といっても平地なので、山地性のカラマツソウではなく、本種としています。

ハンショウヅル(Clematis japonica Thunb.)
<キンポウゲ目・キンポウゲ科・キンポウゲ亜科・センニンソウ属>
 

   
キンポウゲ科センニンソウ属のつる性落葉低木で、在来種。
日本では、本州と九州に分布する。海外では主に温帯に分布している。
茎は暗紫色を帯び、葉は対生して葉柄が長い3出複葉で、頂小葉が若干大きい。
小葉は長さ3〜5cmの卵形で先が尖り、縁には粗い鋸歯がある。
花期は5月〜6月で、葉腋から長さ6〜12cmの花柄を出し、花を1個付ける。
花は長さ3cmほどの鐘形で、暗紅紫色で金属光沢があり、4裂して先が反り返る。
なお、花弁に見えるのは萼片で、花弁はない。
和名は、この下向きに咲く花の形を半鐘に例えたことに由来する。

2017/5/19
城山湖の遊歩道脇で見かけたハンショウヅルの花です。
花を見ればわかる通り、クレマチスの釣鐘型の花と同系統の花です。

キツネノボタン(Ranunculus silerifolius var. glaber)
<キンポウゲ目・キンポウゲ科・キンポウゲ属>


 
キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草で、在来種。
キツネノボタンを無毛の変種(Ranunculus silerifolius var. glaber)とせず、
ヤマキツネノボタンを母種とする広義のキツネノボタンとする分類が一般的。
日本では、北海道から本州、四国、九州の路傍や溝などの湿地に普通に自生する。
草丈は15〜80cmで、茎はよく分枝して、斜上する毛があるが、無毛に近いものもある。
葉は1〜2回3出複葉で、小葉は卵形で3深裂し、裂片には不揃いな鋸歯がある。
茎葉には短柄があり、3出複葉。ただし、上部の茎は単に3深裂する。
ヤマキツネノボタンと比較して、葉幅が広い。
花期は4月〜7月で、茎の上部に直径10mmほどの黄色い花をいくつか付ける。
花弁は5個で光沢があり、萼片も5個で、オシベ、メシベは多数ある。
集合果は球形で、花床に短毛がある。個々の痩果は扁平な広倒卵形で、長さは3mm強ある。
この痩果の先の曲がり具合をキツネノボタンとの識別点としていたが、変異が多く、近年は使われない。
痩果の断面形状で、片側のみ3稜で、反対側は1稜のものが本種やヤマキツネノボタンである。
ケキツネノボタンは両端とも3稜があるので、見た目が扁平になる。

2016/4/16
城山湖の手前にある本沢梅園。その斜面で見かけたキツネノボタンです。
若い果実ができていたので、その形状(片側が1稜)と葉幅が狭いことから本種としました。


ヤマキツネノボタン

     .
2017/8/5
八ヶ岳自然文化園で見かけたヤマキツネノボタンの果実とその葉です。
果実の形状は、こちらの方が分かりやすいでしょうか。
葉の幅は、キツネノボタンより明らかに狭いことが分かると思います。


キブシ(Stachyurus praecox)
<クロッソソマ目・キブシ科・キブシ属>
 
キブシ科キブシ属に属する雌雄異株の落葉低木で、日本固有種。別名、キフジともいう。
日本では、北海道西南部から本州、四国、九州で見られる。
樹高は2〜4mで、樹皮は赤褐色〜灰褐色。皮目がある。
葉は互生し、葉身は6〜12cmの長楕円形で先が尖り、葉縁には鋸歯がある。葉柄は1〜3cm。
花期は3月〜5月で、葉の展開前に、前年枝の葉腋から長さ3〜20cmの総状花序を垂れる。
雌雄異株で、雄株、雌株、両性株があり、各々、雄花、雌花、両性花を付ける。
なお、雄花序は長く、雌花序や両性花序は短い。また、雄花序の方が一足早く咲く。
花は長さ7〜9mmの鐘形で、淡黄色の4弁花。萼片も4個あるが、内側の2個が花弁のように大きい。
オシベは8個、メシベは1個あるが、雄花はオシベが長く、子房は小さい。
一方、雌花ではオシベが短く、子房が大きくなり、両性花は両者の中間で、ほぼ同じ長さになる。
液果は、直径7〜12mmの広楕円形の球形で硬く、熟すと黄褐色になる。

2017/5/19
城山湖の遊歩道をほぼ一周し、人造湖を堰き止めている提に降りる所で見かけました。
枝に丸いものがたくさんついて、所々にぶら下がっています。
最初、この丸いものがツボミなのか、果実なのか見分けがつきませんでした。
あとで、写真を拡大してみて、果実だとわかりましたが、何の果実なのか分かりません。
別件で、キブシを調べていて、これがキブシの果実であることが分かりました。
たしかに、キブシの花の付き方と、果実の付き方は同じですね。



キブシの花

     .
2010/3/21
城山カタクリの里で見かけたkibushiキブシの花です。
少し開いた花弁からオシベとメシベの柱頭が覗いており、ほぼ同じ長さなので両性花と思われます。
花序の長さがかなり長いので、下記のハチジョウキブシの可能性があります。

     .
2015/4/4                      2016/4/3           .
新宿御苑にあるかなり大きなハチジョウキブシです。
花序の長さは20cmほどになり、鮮やかな新葉とのツーショットはなかなかです。


オドリコソウ(Lamium album var. barbatum)
<シソ目・シソ科・オドリコソウ亜科・オドリコソウ属>
 

 
シソ科オドリコソウ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布し、海外では朝鮮半島から中国、ロシアに分布する。
草丈は30〜50cmで、茎はやわらかく、4稜形で中空。ばしば紫褐色を帯び、節に長い毛がある。
葉は十字対生し、長さ5〜10cmの広卵形で先が尖る。縁に粗い鋸歯があり、網目状の脈が目立つ。
花期は4月〜5月で、上部の葉腋に白色〜淡紅紫色の唇形花を密に輪生する。
花冠は長さ3〜4cmで、筒部は湾曲し、上唇は曲がって上部は丸くなり、白毛を密生する。
下唇は3裂し、側裂片は刺状で小さく、大きい中央裂片は先が2裂して、白毛と腺毛がある。
萼には10脈あり、5中裂した裂片は細長く尖る。萼筒の基部は黒褐色。
オシベは4個で、外側の2個がやや長くなり、黒い葯4個が、2個ずつ上下に並ぶ。
葯の周囲には白毛が密生している。メシベの花柱は先が2裂し、オシベの葯の間にある。

2017/5/10
城山湖に行く途中、相模川の上流の河川敷の土手で、ちょっとした群落になっていました。
写真では見たことがありますが、実物は初見です。思っていたより大きな花でした。

ジュウニヒトエ(Ajuga nipponensis)
<シソ目・シソ科・キランソウ亜科・キランソウ属>
 
シソ科キランソウ属の多年草で、日本固有種。
花がなければキランソウに似ているが、花茎が立ち上がるので花期には区別は容易。
国内では、本州と四国に分布している。
草丈は20pほどになり、葉は対生して付く。葉身は長さ4p前後の長楕円形で、縁に粗い鋸歯がある。
葉や茎に毛が多く、そのために葉は緑白色に見える。
花期は4月〜5月で、葉腋から穂状花序を立ち上げ、淡紫色の花を輪生する。
小さな上唇は2残裂し、大きな下唇は3深裂し、中央裂片が大きく前に迫り出す。
オシベは4本あるが、内、2本が長い。

2017/5/17
城山湖の手前にある本沢梅園。その斜面で見かけたジュウニヒトエです。
既に花期は終盤で、花はわずかに残っている程度でした。

オカタツナミソウ(Scutellaria brachyspica)
<シソ目・シソ科・タツナミソウ亜科・タツナミソウ属>
 
2017/5/17

 
2017/5/19
シソ科タツナミソウ属の多年草で、日本固有種。
日本では、本州と四国に分布し、丘陵地の木陰に多い。
草丈は50cmほどにもなる。葉は対生し、縁には波状の鋸歯がある。
葉は、下部ほど小さく、節間が長くなり、上部では集まって付くので逆三角形になる。
花はタツナミソウに似ているが、花序は上下に伸びず、集まって付き、同じ方向を向かない。
花色は、タツナミソウより淡い淡紫色で、唇型の花を上向きに立てる。
下唇の斑紋は薄く、斑紋がほとんどないものもある。
萼は上下に分かれ、円形の上側の萼が花に押されるように立つ。花後には2枚の萼は閉じる。

2017/5/17 城山湖の手前にある本沢梅園。その斜面で見かけたオカタツナミソウです。
ほぼ花期は終わり、わずかに1輪だけ花が残っていました。
2017/5/19 城山湖の周囲を巡る遊歩道脇で見かけたオカタツナミソウです。
あちらこちらで見かけましたが、まだ、花真っ盛りという株ばかりでした。
周りを木々で囲まれ、日当たりがあまり良くないためでしょうか、上記とは花期がずれているようです。
花の色も、上記が赤紫色に近いのに対して、見かけたものは青紫色の花ばかりでした。

ヤブムラサキ(Callicarpa mollis)
<シソ目・シソ科・ムラサキシキブ属>
 

 
シソ科ムラサキシキブ属の落葉低木で、東アジアで唯一の種である。
日本では、本州宮城県以南から四国、九州に分布し、海外では朝鮮半島に分布している。
低山の林縁や明るい林内に生え、株元で分枝し、斜上して樹高は2〜3mになる。
樹皮は灰褐色でなめらかであり、枝には星状毛が密生する。
葉は対生し、長さ5〜10cmの長楕円形で先が尖り、葉縁には細かい鋸歯がある。
葉の表面には微毛が散生し、裏面には白い星状毛が密生する。
花期は6月〜7月で、葉腋から集散花序を出し、紅紫色の花を2〜10個付ける。
花冠は長さ4〜5mmで、上部は4裂し、萼片は平開する。萼には白い軟毛や星状毛が密生する。
オシベは4個、メシベは1個で、共に花冠から長く突き出す。
果実は角果で、直径4mmほどの球形。熟すと紫色になり、下部は毛が密生する萼片に包まれる

2017/5/19
城山湖の周囲を巡る遊歩道脇で見かけたヤブムラサキのツボミです。
最初に見かけたとき、こればツボミなのか果実なのかよくわかりませんでした。
調べたのですが、なかなか分かりませんでした。
その後、別のものを調べていて、このモジャモジャがヤブムラサキのツボミと分かりました。
もう少しすると、紅紫色の花が開いたものと思います。

トキワハゼ(Mazus pumilus)
<シソ目・ハエドクソウ科・サギゴケ亜科・サギゴケ属>
 


ハエドクソウ科サギゴケ属の1年草。日本各地の畑や道端に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、東南アジア、インドに分布する。
やや乾いた所を好み、匐枝は出さない。
基部の葉は長さ数cmの卵形で浅い鋸歯がある。茎葉は少なく小さい。
花期は4月〜10月と長く、初春から晩秋まで咲き続け、花期の短いサギゴケとは異なる。
上唇は紫色で、下唇は淡紫色で、黄褐色の不規則な斑紋がある。

2016/3/19
城山発電所の管理棟横の通路脇で、トキワハゼが花を付けていました。
小さな花ですが、周りには他に花がない所でしたので、目立っていました。

オオハナウド(Heracleum lanatum Michx. var. lanatum)
<セリ目・セリ科・セリ亜科・ハナウド属>
 

 
ウコギ科タラノキ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州近畿地方以北に分布する。
関東以西では、亜高山や高山に、東北地方や北海道では平地でも見られる。
海外では、ラスカ、アリューシャン、カムチャッカ、サハリンに分布する。
草丈は2m近くになり、茎は太くて中空で直立し、上部で枝分かれする。
葉は互生し、基部では葉柄は長く3出葉で、小葉は3〜5裂する。
夏、上部に大きな複散形花序を付け、白色の5花弁の小花をたくさん付ける。
中央と周辺では花弁の形が異なり、周辺部の花では、外側の1花弁が大きく、2深裂する。

2017/5/10
城山湖に行く途中、相模川の上流の河川敷の土手で見かけました。
草むらの中から大きく立ち上がり、白い花を咲かせていましたので、よく目立ちます。
境川近くの小田急線の法面に大きな群落があり、花の特徴を知っていたので、直ぐそれと分かりました。

オヤブジラミ(Torilis scabra)
<セリ目・セリ科・セリ亜科・ヤブジラミ属>
 

 


セリ科ヤブジラミ属の越年草で在来種。原野や道端などに普通に見られる。
日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布する。海外では朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
草丈は30〜70cmで、茎は直立し、上部で分枝する。日当たりが良いと茎や若い果実が紫色を帯びる。
葉は互生し、3回3出羽状複葉になり、小葉の裂片は細かく切れ込み、両面に粗い短毛が生える。
花期は4月〜5月でヤブジラミより早く、茎頂に複散形花序を付け、数個の小花を付ける。
花色は白色〜淡紅紫色で、花弁は5個。なお、その大きさは不揃いである。
果実は長さ6mm前後の長楕円体で、先がカギ状に曲がった刺毛がある。

※ ヤブジラミ:花数が多く、果実の刺は白色で基部から湾曲し、熟すと淡褐色になる。      .
オヤブジラミ:花数は少なく、果実の刺は紅紫色を帯びて先だけが曲がり、熟すと黒くなる。

2017/5/17
上段は、梅園の下草として、一面を覆っていたオヤブジラミです。
既に花期は終わっているようで、全てが果実になっていました。
理由はわかりませんが、茎から果実まで、白いものがびっしりと着いています。
そのため、一面が白というよりは、銀色に覆いつくされているようでした。
中・下段は、その梅園から少し離れた所にあったオヤブジラミです。
こちらは、まだ、花は咲き、果実も本来の紅紫色を帯びて先だけ曲がった刺です。
見た目は異なりますが、どちらも先だけが曲がった刺で、花数が少ないので本種としました。









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