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城山湖、城山周辺 野草編(夏T)



純揚水式の城山発電所建設にともなって誕生したのが人造湖の城山湖。
その城山湖を周回する散策路があり、その近くでは、いろいろな野草が楽しませてくれます。
また、そこに至る城山の周辺や相模川周辺にもいろいろな野草が見られます。

< トピック >
今回、新たに見かけた下記の野草を追加しました。
オオアワガエリ、ノアザミ、アラゲハンゴンソウ、ナルコユリ、ネジバナ、アカメガシワ、
シラキ、アケビ、ドクダミ、クサギ、ムラサキシキブ、イタドリ



ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
アカネ目
アカネ科(アカネ)
イネ目
イネ科(オオアワガエリ)
オモダカ目
サトイモ科(マムシグサ)
キク目
キキョウ科(ヤマホタルブクロ)
キク科(ノアザミ、アラゲハンゴンソウ)
キジカクシ目
キジカクシ科(ナルコユリ)
ラン科(ネジバナ)
キントラノオ目
トウダイグサ科(アカメガシワ、シラキ)
キンポウゲ目
アケビ科(アケビ)
コショウ目
ドクダミ科(ドクダミ)
シソ目
シソ科(オカタツナミソウ、クサギ、ムラサキシキブ)
センリョウ目
センリョウ科(フタリシズカ)
ナデシコ目
タデ科(イタドリ)
城山湖、城山周辺の野草(夏T)
和名インデックス


アカネ(Rubia argyi)
<アカネ目・アカネ科・アカネ属>

アカネ科アカネ属のつる性多年草で、在来種。山野や路傍、林縁などで普通に見られる。
日本では本州から四国、九州に分布し、海外では朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
茎は盛んに分枝して、長さは1〜3mになる。茎は四角く、下向きの細かい刺がある。
葉は4個が輪生しているように見えるが、内2個は托葉が変化したもので、偽輪生である。
葉身は長さ3〜7cmの三角状卵形で、先が次第に細くなって尖り、基部は心形。
花期は8月〜10月で、葉腋から集散花序を出して、淡黄緑色の花を多数付ける。
花は直径5mm弱で、花冠は5裂し、オシベは5個。
果実は直径6mm前後で、普通は2個が接して付くが、1個だけになる場合もある。

2008/6/14
城山湖の遊歩道脇で、崖を上っているアカネを見かけました。
花は咲いていませんが、スジグロシロチョウが翅を休めていました。


アカネの花

   .
2017/8/5
八ヶ岳自然文化園の林縁で見かけたアカネの花です。
淡黄緑色の小さな花なので、気を付けていないと見過ごしそうです。
茜色は本種の根から採った染料で草木染にしたものですが、地上部からは想像できません。


オオアワガエリ(Phleum pratense)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・アワガエリ属>
 
イネ科アワガエリ属の多年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国で見られる。
チモシーあるいはチモシー・グラスと呼ばれる牧草で、世界で広く利用されている。
草丈は50cm以上になり、多数の茎を出し、茎の先に花序を付ける。
花序は、細長い棒状で、多数の小穂が密生する。

2020/6/14
城山湖のダムの縁で見かけた、オオアワガエリです。
緑色の花穂が数本付いていましたが、全て咲き終わっているようでした。

マムシグサ(Arisaema serratum)
<オモダカ目・サトイモ科・サトイモ亜科・テンナンショウ属>
 
サトイモ科テンナンショウ属の宿根性落葉多年草で、在来種。
有毒植物で、全草にシュウ酸カルシウムの針状結晶、サポニン、コニインを含み、特に球茎の毒性が強い。
日本では、北海道から本州、四国、九州と広範囲に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国東北部に分布する。
草丈は50〜80pほどになり、春、地下の球茎から偽茎を伸ばし、2枚の葉を展開する。
偽茎は、葉柄下部の2つの葉鞘部分が重なったもので、紫褐色のまだらな模様がある。
葉は鳥足状の複葉で、7〜15枚の楕円形の小葉からなり、その形や鋸歯の有無など変異が大きい。
花期は4月〜5月で、中央から花茎を伸ばし、紫色の仏炎苞のなかに肉穂花序を付ける。
雌雄異株で、肉穂花序の下部に萼も花冠もないオシベ・メシベだけの花を固まって付ける。
仏炎苞は、長さ10pほどの筒状部があり、その先は細くなりながら水平に前方に伸びる。
肉穂花序の先端から伸びた付属体は、棍棒状で直径8mm前後。
花後、仏炎苞の下から緑色のトウモロコシ状の果実が現れ、秋には真っ赤に熟す。
仏炎苞は紫褐色が標準であるが、緑色のものなどもあり、下記のようにいろいろな名前で呼ばれる。

アオマムシグサ、ムラサキマムシグサ、オオマムシグサ、カントウマムシグサ、コウライテンナンショウ…

ただ、各々の中間的な形態のものも多く、学者によって分類も異なる。

2008/6/14
城山湖の遊歩道脇で見かけた、マムシグサの果実です。
かなり成長した果実で、きれいな緑色をしています。秋には真っ赤に熟します。

※ マムシグサの花に関しては、こちらをご覧ください。
ヤマホタルブクロ(Campanula punctata Lam. var. hondoensis)
<キク目・キキョウ科・キキョウ亜科・ホタルブクロ属>
 
キキョウ科ホタルブクロ属の多年草で、日本固有種。
ホタルブクロの変種で、東北地方南部から近畿地方東部にかけて分布する。
ホタルブクロは、東北部を除く北海道から、本州、四国、九州に分布し、両者の分布域は重なる。
海外では、ホタルブクロが朝鮮半島から中国にかけて分布する。
草丈は、20〜50cmと幅があり、葉は互生する。
花は、長さ5cmほどの壺型で、先が浅く5裂する。
花色は、淡紅紫色で淡いものから濃いものまで変異がある。

2008/6/14
城山湖の遊歩道脇では、所々でヤマホタルブクロが花を付けていました。
以前は、ホタルブクロかヤマホタルブクロか、あまり気にしていませんでした。
ある時、気になって調べてみると、写真に撮っていたのは、ほとんどがヤマホタルブクロでした。


ホタルブクロ(左)とヤマホタルブクロ(右)

   .

ホタルブクロとヤマホタルブクロの識別の決め手は、萼片の形です。
ホタルブクロの場合は、付属体の副萼片が反り返っています。
ヤマホタルブクロの場合は、萼片と萼片の間が盛り上がるだけです。


ノアザミ(Cirsium japonicum)
<キク目・キク科・アザミ亜科・アザミ連・アザミ属>
 
キク科・アザミ属の多年草で、日本固有種。
日本では、本州から四国、九州と比較的広範囲に分布する。
海外で、朝鮮半島から中国にかけて分布するものは、貯蔵根が肥大するので別種カラノアザミと思われる。
草丈は50〜100cmで、根生葉は花期でも残っており、長さ15cm前後で羽状に中裂する。
茎葉は、基部が茎を抱き、上部の葉ほど小さくなる。葉には、鋭い刺が多数ある。
花期は5月〜8月であるが、稀に秋まで咲いている場合もある。なお、春に花を付けるのは本種のみである。
頭花は茎頂に上向きに咲き、直径は4〜5cm。筒状化のみで、花色は紅紫色。稀に白花もある。
総苞は幅2〜4cmの球形で、総苞片は直立して粘液を出し、よく粘る。

2020/6/14
城山湖の遊歩道脇で見かけたノアザミです。
ちょうど花の盛りでしょうか、あちこちで見かけます。

アラゲハンゴンソウ(Rudbeckia hirta)
<キク目・キク科・キク亜科・オオハンゴンソウ属>
 
キク科オオハンゴンソウ属は1年草〜2年草で、北アメリカ原産の帰化植物。
別名はキヌガサギクで、原産地ではメリーランド州の州花になっている。
日本では、戦前には北海道で見られていたが、今では全国で見られるようになっている。
アラゲハンゴンソウには4変種があり、野生化しているのはvar. pulcherrimaとされる。
オオハンゴンソウ属の園芸品種はルドベキアの名で市販されており、逸出も見られる。
見た目はオオハンゴンソウに似ているが、環境省指定特定外来生物は受けていない。
ただ、分布域を広げつつある帰化植物であり、在来種に影響を与えないよう注意が必要である。
草丈は50〜90cmで、茎先で多少の分枝が見られ、茎は硬い毛で覆われる。
葉は互生し、葉身は長さ8〜15cmの披針形で、全縁〜低い円鋸歯がある。
頭花の直径は7cm前後あり、1〜数個の長さ5〜20cmの花序柄の先に付く。
周辺に長さ2〜4cmの黄色い舌状花が8〜16個並び、中心に暗紫褐色の筒状花が密生する。
筒状花の花冠は長さ3〜4oで、花托が半球状なので、ドーム状に盛り上がる。
外総苞片は長さ1〜3cmの線形で、内総苞片もほぼ同様で、堅い毛がある。

2020/6/14
城山湖のダムの縁で、いくつかの小さな群落になっていました。
周りに色の付いた花がないので、否応なく目につきます。
以前、この時期に訪れたときには見かけませんでしたので、その後に侵入したのでしょう。

ナルコユリ(Polygonatum falcatum)
<キジカクシ目・キジカクシ科・スズラン亜科・アマドコロ連・アマドコロ属>
 
キジカクシ科アマドコロ属の多年草で、在来種。
日本では、本州から四国、九州の山林や草原に自生する。
草丈は50〜130cmで、地下茎は横に這い、節間は短い。茎は丸くて無毛。
葉は互生して長さ10〜20cmの披針形で、先は尖るが鈍端。基部は短柄あるいは無柄。
花期は5月〜6月で、花柄は基部から下に曲がり、3〜8個の花を付ける。
花被は長さ20o前後で、基部には1mmほどの短柄がある。
花糸は中ほどまで花被の筒部と合着して無毛。花柱は無毛で先端は頭状。

よく似たアマドコロは花の基部に短柄はなく、ミヤマナルコユリの花柄は斜上する点で区別可能。

2020/6/14
城山湖の遊歩道脇で見かけたナルコユリらしきものです。
以前、この場所で見かけてはいますが、写真でもわかるように花も花の咲いた後も見れらません。
以前に見たのは5月の下旬でしたが、たくさん花を付けていました。
3脈が目立つ葉や、丸い茎、節間が比較的は短い点などは、ナルコユリと合っています。
しかし、花がツボミや花後の果実も含めて、全く痕跡が見られないのは腑に落ちません。
取りあえずはナルコユリとしましたが、あっているのかどうかは甚だ疑問です。

ネジバナ(Spiranthes sinensis var. amoena)
<キジカクシ目・ラン科・ネジバナ亜科・クラニチス連・ネジバナ属>
 
ラン科ネジバナ属の多年草で、日本の全土に分布する。別名としてモジズリの名がある。
分布域はヨーロッパ東部からシベリア、温帯・熱帯のアジア全域、オセアニアと極めて広い。
ラン科の植物としては、珍しく身近に見られる。
湿っていて日当たりの良い、背の低い草地に良く生育する。
花茎は10〜40cmになり、根際に数枚の葉を付ける。
葉は柔らかくて厚みがあり、冬季は楕円形をしているが、生育期間中には細長く伸びる。
花色は通常淡紅紫色(稀に白花)で、小さな花を多数細長い花茎に密着させるように付ける。
その花が花茎の周りに螺旋状に並んで咲く「ねじれた花序」が和名の由来である。
右巻きと左巻きの両方があり、中には花序がねじれない個体や、途中でねじれ方が変わる個体もある。
なお、右巻きと左巻きの比率は、ほど同率である。

2020/6/14
城山湖の遊歩道脇で、数本のネジバナが花を付けていました。
花を拡大してみるとランの花だと分かりますが、パッと見たときランには見えませんね。

アカメガシワ(Mallotus japonicus)
<キントラノオ目・トウダイグサ科・エノキグサ亜科・エノキグサ連・アカメガシワ属>
 

 
トウダイグサ科アカメガシワ属の落葉高木で、在来種。雌雄異株。
日本では、本州から四国、九州の山野に自生し、空き地などに真っ先に生えてくるパイオニア植物。
日本以外では、東南アジアの山野に分布する。
和名は、新芽が紅色を帯びること、そして、その葉が柏のように大きくなることに由来する。
葉は互生し、葉柄は紅色を帯び、長さは10〜20cm、葉身も同様、葉幅は5〜15cm程でかなり大きい。
初夏に枝先に円錐花序を出し、花弁のない小さな花を多数付ける。
雄花は、苞の脇に数個ずつ付き、多数のオシベが球状に付く。
雌花は、苞の脇に1個ずつ付き、子房には刺状の突起がある。

2020/6/14
城山湖の遊歩道脇で見かけたアカメガシワで、まだ、赤い新葉が見られます。
雨が当り、葉の上に水滴が付いたところは緑色に見えます。
これは、赤い星状毛が密生していて、水滴が付くと赤い色が抑えられ、地色の緑色が見えているのです。
下段は、その葉を拡大したものですが、解像度不足で星状毛までは見えませんでした。
なお、葉の成長と共に赤い星状毛は脱落していくので、大きな葉の赤みは徐々に薄らいで行きます。

 
2020/6/14
同じアカメガシワですが、ダムを渡り切った所では、雄花が盛大に付いていました。
といっても、開花しているのは2割程度で、後は丸いツボミです。
雌花はと思たのですが、見える範囲内では確認できませんでした。
雄花と雌花の詳細は、こちらを参照ください。

シラキ(Neoshirakia japonica)
<キントラノオ目・トウダイグサ科・トウダイグサ亜科・ヒッポマネ連・シラキ属>
 
トウダイグサ科シラキ属に分類される落葉小高木で、在来種。
日本では、本州(北限は岩手県)から四国、九州、南西諸島に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国に分布する。
樹高は4〜9mで、幹は灰白〜灰褐色で、樹皮は滑らかで縦筋が入る。
老木では幹も直径が30cmほどになり、樹皮には縦に細かい裂け目ができる。
葉は互生し、長さ7〜17cmの卵状楕円形で、全縁。葉の両面は無毛で、質は柔らかい。
葉裏の基部や葉脈の先に腺があり、葉脈が隆起している。葉の形状に変異が著しい。
葉を揉むと強くはないがいやな臭いがし、枝や葉を切ると白い乳液が出る。
花期は5月〜6月で、若枝に長さ5〜10cmの総状花序を出し、黄色い小花を多数付ける。
花序の上部には多数の雄花が付き、基部に数個の雌花を付けるが、雌花がないこともある。
雄花の花柄は長さ3o前後で、花弁はなく、2〜3個の皿状の萼片と2〜3個のオシベがある。
雌花の花柄は長さ7o前後で、花弁はなく、3裂した萼は2〜3個で長さ1mmほど。
メシベは1個で子房には2〜3室あり、花柱は3個で基部が合着し、2個の腺体がある。
果実は刮ハで、直径18mmの三角状扁球形で3稜があり、先端に花柱が残る。
晩秋には黒褐色に熟して3裂し、直径7mmほどの球形の種子を白い糸でぶら下げる。
葉は秋に美しく黄葉〜紅葉し、知名度は低いが紅葉の美しさはトップクラスである。

2020/6/14
城山湖の遊歩道脇で見かけたシラキです。
秋に紅葉した葉を見かけたのですが、その正体が分からず、不明種になっていたものです。
同じ場所で、見つけたのがこの葉で、極普通の単葉(紅葉した葉は左右非対称)でした。
この左右非対称が引っ掛かって同定できなかったのですが、今回は同定できました。
同じ葉とは思えないほど、見事な紅葉っぷりです。条件によっては黄葉になるようです。

アケビ(Akebia quinata)
<キンポウゲ目・アケビ科・アケビ属>

アケビ科アケビ属の蔓性落葉低木で、茎は蔓になって他物に右巻きで巻き付き、古くなると木質化する。
日本では、本州から四国、九州の山野に自生している。
葉は互生し、楕円形の小葉5個が掌状に付く複葉で、小葉は先端がくぼみ、基部はくさび形、縁は全縁。
花期は4月〜5月で、花は雌雄同株ではあるが、雌雄異花で、花序の先に数個の雄花、基部に雌花が数個付く。
花は淡紫色で花弁がなく、花弁のような萼片が3個あり、雌花は雄花より一回り大きく、直径は30mmほど。
雄花では、6個のオシベの先端がくっついて丸くなっているが、雌花では、太いメシベが放射状に開いている。

2020/6/14
城山湖の遊歩道脇で見かけたアケビです。なぜか、上部の葉が暗紫色に変色していました。
枯れているのかと思ったのですが、そうではないようで、変色して縮れていました。
何かの病気なのかと思ったのですが、調べた範囲では分かりませんでした。

ドクダミ(Houttuynia cordata)
<コショウ目・ドクダミ科・ドクダミ属>
 
日本では本州、四国、九州に分布する。
海外では、日本も含め東アジアから東南アジアに分布する。
草丈は30cm前後になり、葉は互生する。全草に強い臭気がある。
開花期は5〜7月頃。白い花弁のようなものは総苞で、中央の穂のようなものが花序。
この棒状の花序に淡黄色の小花が密生しているが、花には花弁も萼もない。
非常に繁殖力が高く、ちぎれた地下茎からでも繁殖する。

2020/6/14
城山湖の遊歩道脇で見かけたドクダミです。
強烈な匂いと、猛烈な繁殖力で手を焼く雑草ですが、古くから民間薬として利用されています。

オカタツナミソウ(Scutellaria brachyspica)
<シソ目・シソ科・タツナミソウ亜科・タツナミソウ属>

シソ科タツナミソウ属の多年草で、日本固有種。
日本では、本州と四国に分布し、丘陵地の木陰に多い。
草丈は50cmほどにもなる。葉は対生し、縁には波状の鋸歯がある。
葉は、下部ほど小さく、節間が長くなり、上部では集まって付くので逆三角形になる。
花期は5月〜6月で、花序は上下に伸びず集まって付き、同じ方向を向かない。
花はタツナミソウに似ているが、花色は淡い淡紫色で、唇型の花を上向きに立てる。
下唇の斑紋は薄く、斑紋がほとんどないものもある。
萼は上下に分かれ、円形の上側の萼が花に押されるように立つ。花後には2枚の萼は閉じる。

2008/6/14
城山湖の遊歩道脇で見かけたオカタツナミソウです。
この時は、花数は少なく、あまり見かけなかったと思います。

クサギ(Clerodendrum trichotomum)
<シソ目・シソ科・キランソウ亜科・クサギ属>
 
シソ科クサギ属の落葉小高木で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州のに分布し、日当たりのよい原野などに生える。
樹高は4〜8mで、樹皮は灰色〜暗灰色。多数の皮目がある。
葉は対生し、長さ8〜15cmの三角状広卵形で、葉柄も含めると30cmほどにもなる。
葉は柔らかくて薄く、毛が密集する。裏面には腺点がある。
花期は7月〜9月で、集散花序に多数の白い花を付ける。萼は5残裂する。
筒部は紅紫色で、長さ20〜25oで細く、花冠は5裂して白い裂片は平開する。
その平開した花冠から、オシベとメシベはさらに突き出す。
10月〜11月に萼が濃紅色になり、直径6〜8mmの果実が藍色に熟す。
さらに熟すと果実は黒くなり、萼片は反り返って、果実が落果する。

2020/6/14
城山湖のダムの遊歩道脇で、立派な葉を広げている元気の良い草本を見かけました。
草本で調べたのですが、一致するものが見つかりません。まさかと思って樹木で調べました。
その結果ですが、どうやらクサギの若枝だったようです。この辺りは除草が行われます。
その際、根元で切られてしまうので、毎年、そこから新枝が伸びてくるようです。
根本が見えなかったので、木とは思わず、草本であると勝手に判断したしだい。

ムラサキシキブ(Callicarpa japonica)
<シソ目・シソ科・ムラサキシキブ属>
 
シソ科ムラサキシキブ属に属する落葉低木で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州、南西諸島まで広く分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
樹高は3〜5mで、幹は灰褐色、惰円形の皮目がある。
新枝はやや水平に伸びて、星状毛と腺点があるが、後に無毛となる。
葉は対生し、葉身は長さ6〜13cmの長楕円形で、先は尾状に尖り、基部は楔型。
縁には細鋸歯があり、葉柄は長さ2〜7mmと短い。なお、無花枝の葉は一回り大きくなる。
花期は6月〜8月で、葉の基部に集散花序を上向きに付け、淡紫色の花を多数付ける。
花冠は長さ3〜5oで、短い筒部の先が4裂し、平開する。
オシベ4個とメシベ1個は、ともに花冠の外へ長く突き出る。メシベの柱頭は2裂する。
果実は核果で、直径3〜4oの球形。秋に紫色に熟す。

2020/6/14
城山湖の遊歩道脇で見かけた見覚えのある小花。ムラサキシキブです。
コムラサキ、オオムラサキシキブ、ヤブムラサキには合えました。
まだ、会えていなかったのがムラサキシキブで、今回、始めて見ました。


シソ科ムラサキシキブ属の仲間

ムラサキシキブ
オオムラサキシキブ
コムラサキ
ヤブムラサキ
 
 
 

シソ科・ムラサキシキブ属の仲間です。花や果実はよく似ていますが、各々特徴があります。
オオムラサキシキブはムラサキシキブの海岸型変種とされており、大柄な点以外はそっくりです。
コムラサキは、樹高が2mほどしかない小型種であり、花や果実が大変多い点で、庭木に適します。
ヤブムラサキは、萼には白い軟毛や星状毛が密生する点が特徴で、果時にも残ります。
ただ、残念なことに見かけたのがツボミの時だったので、花や果実の写真がありません。


フタリシズカ(Chloranthus serratus)
<センリョウ目・センリョウ科・チャラン属>
 
センリョウ科チャラン属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国にかけて分布する。
高さは30〜60cm。花期は4〜6月。
茎の先に数本(2本の場合が多い)の穂状花序を出し、小さな白い花をつける。
花には花弁も萼もなく、3個の雄しべが丸く子房を抱いている。
花序は立っているが、果実ができると下に曲がる。夏頃(果実の成熟期)に閉鎖花をつける。
和名は、2本の花序を、能楽「二人静」の静御前とその亡霊の舞姿にたとえたもの。
ヒトリシズカと対を成す。ただし、花序は2本とは限らず、3〜4本の例もある。

2008/6/14
城山湖の遊歩道脇で見かけた、果実になったフタリシズカです。
最初にこれを見たとき、ツボミなのか何なのかよくわからず、種類不明でお蔵入りしていました。
八ヶ岳で見かけたとき、黒ずんでいて、これが果実であるとわかりました。が、種類は不明のまま。
その後、涸沼でフタリシズカの葉と花を見て、やっと、同定することができました。
分かってしまえば、間違えることはないですが、花を見ていない時は分かりませんでした。

※ フタリシズカの花に関しては、こちらをご覧ください。

イタドリ(Fallopia japonica)
<ナデシコ目・タデ科・タデ亜科・イタドリ属>
 
タデ科イタドリ属の多年草で、スカンポなどの別名を持つ。
北海道東部を除く日本全土、朝鮮半島から中国、台湾に分布する東アジア原産種。
世界の侵略外来種の選定種で、その旺盛な繁殖力ゆえに嫌われ者である。
草丈は1〜2mほどで、根茎を横に伸ばして増える。茎は中空で節があり、若い時に紅紫色の斑点がある。
葉は互生し、長さ10〜15pほどの広卵形で、基部は水平になり、先は急に尖る。
花期は7月〜10月で、葉腋から枝を出し、その先に多数の小花を付ける。
雌雄異株で、花被は白色から紅色で5裂する。
雄花にはオシベが8個あり、メシベは極小さい。雌花には3個の花柱があり、オシベは極小さい。
花後、雌花の外側の3個の花被片が翼状に大きくなり、痩果を包む。秋に熟すと風によって散布される。

2020/6/14
城山湖の遊歩道脇で見かけたイタドリの雄株です。たくさんの雄花が咲いていました。
近くに雌株はないかと探したのですが、見つけられませんでした。









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