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新規:2018/12/10

秋の色(紅葉と黄葉)



     

春は花を楽しむ季節ですが、秋は色付く葉を楽しむ季節です。
葉は、赤く色付くものと、黄色く色付くもの、黄色から赤へと変化していくものなどがあります。
誰もが知っているのは、赤く色付くモミジや黄色く色付くイチョウですよね。
でも、それ以外にもいろいろな木や草が赤や黄色に色付いて、秋色を楽しませてくれます。






イチョウ(Geranium carolinianum)
<イチョウ目・イチョウ科・イチョウ属>
イチョウ科イチョウ属の裸子植物で、裸子植物門イチョウ綱の中で唯一の現存種。
そのため生きた化石と呼ばれている。
中国原産の落葉高木で、雌雄異株であるため、雄株と雌株があり、実は雌株にのみになる。
葉は扇形で葉脈が付け根から先端まで伸びており、葉の中央部が浅く割れている。
種子は、11月頃に熟すると軟化し、カルボン酸類特有の臭気を発し、素手で触るとかぶれる。
人為的な移植により、現在は世界中に分布しており、
年平均気温が0〜20℃、降水量500〜2000mmの地域に分布している。

イチョウは、秋には黄色く色づく黄葉の代表種ですが、その黄葉時期にはずれがあります。
そのため、並木では葉のない木、黄葉した木、緑色の残る木が混在することが多いです。
イチョウは、公園の植栽や街路樹としてよく利用されますが、そのほとんどが雄株です。
雌株を排除する理由は、その果実の果肉が発する匂いや触れたときにかぶれることにあります。
果肉は問題ありですが、その種子はギンナンとして利用され、寺社などでは見ることがあります。

アカメガシワ(Mallotus japonicus)
<キントラノオ目・トウダイグサ科・エノキグサ亜科・エノキグサ連・アカメガシワ属>
トウダイグサ科アカメガシワ属の落葉高木で、在来種。雌雄異株。
日本では、本州から四国、九州の山野に自生し、空き地などに真っ先に生えてくるパイオニア植物。
日本以外では、東南アジアの山野に分布する。
和名は、新芽が紅色を帯びること、そして、その葉が柏のように大きくなることに由来する。
葉は互生し、葉柄は紅色を帯び、長さは10〜20cm、葉身も同様、葉幅は5〜15cm程でかなり大きい。
初夏に枝先に円錐花序を出し、花弁のない小さな花を多数付ける。
雄花は、苞の脇に数個ずつ付き、多数のオシベが球状に付く。
雌花は、苞の脇に1個ずつ付き、子房には刺状の突起がある。

春、芽吹きの頃の新葉が赤いのが和名の由来ですが、秋には黄葉します。
ただ、一斉に黄葉するわけではなく、緑のものや一部が黄葉したものが混じります。

ヒメツルソバ(Persicaria capitata)
<ナデシコ目・タデ科・タデ亜科・イヌタデ属>
タデ科イヌタデ属の多年草で、ヒマラヤ原産の帰化植物。
茎は地を這い、よく分枝して広がる。茎期は赤褐色で長い毛がある。
葉は長さ15〜35mmの卵形で先が尖り、表面には山形の暗紋がある。
花期は5月〜11月でであるが、真夏には花を付けない。
直径1cm前後のピンクの小花が球形に密集して付く。

ピンクの球形花序が可愛らしいヒメツルソバですが、条件が良いと赤く紅葉します。
真冬でも青々としていることが多いのですが、相模原市立麻溝公園で紅葉しているのを見ました。

ニシキギ(Euonymus alatus)
<ニシキギ目・ニシキギ科・ニシキギ属>
ニシキギ科ニシキギ属の落葉低木で在来種。
見事な紅葉が見られることから、庭木や生垣、盆栽にされることが多い。
日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、ロシアに分布する。
樹高は1〜4mで、枝は初め緑色で2稜か4稜がある。
後に、2個か4個のコルク質の翼が伸びてきて、色も茶色くなる。
葉は対生し、葉身は長さ5〜10cmの楕円形で、先が尾状に尖り、縁に鋸歯がある。
花期は4月〜6月で、葉腋に小さな集散花序を多数付け、数個の花が付く。
花は直径9mm前後の4弁花で、半円形の萼片が花弁と45度ずれて付く。
花弁は淡黄緑色〜緑色で、4個のオシベが萼片と同位置の花弁の間に付く。
果実は長さ十数mmの楕円体の刮ハで、赤褐色に熟し、4裂して乾くと暗褐色になる。
裂開すると、赤橙色の仮種皮に包まれた卵形の種子が垂れ下がる。
この頃になると、葉が真っ赤に紅葉して見頃を迎える。

花よりも真っ赤に紅葉した葉を楽しむために栽培されていることが多い木です。
和名も、錦織りのようにきれいに紅葉する事に由来しています。

マユミ(Euonymus sieboldianus)
<ニシキギ目・ニシキギ科・ニシキギ属>
ニシキギ科ニシキギ属の落葉小高木で、在来種。
材質が強い上によくしなるため、古来より弓の材料として知られ、それが和名の由来になっている。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、ロシア、インド、ネパール、アフガニスタン、タイなどに広く分布する。
樹高は3〜5mで、幹は灰褐色。古くなると縦に筋が入り裂ける。枝には鈍い4稜がある。
葉は対生して無毛。葉柄は長さ10o程で、葉身は長さ10p前後の長楕円形。縁に細かい鋸歯がある。
花期は5月〜6月。本年枝の葉より下の芽鱗痕の脇から集散花序が出る。
花序には、まばらに1〜7個、直径10o程の緑白色の小花を付ける。
花弁は4個、オシベは緑色の四角形の花盤の上に4個付く。
花柱には長短の2型あり、花柱の長いものは雄しべが短い。
果実(刮ハ)は、長さ1p程の倒三角形、4個の稜があり、10〜11月に淡紅色に熟す。
熟すと4裂し、橙赤色の仮種皮に包まれた種子が顔をだす。

ニシキギ同様に秋には赤く紅葉しますが、ニシキギほど鮮やかな赤ではありません。
ニシキギよりも深みのある赤い色に紅葉します。また、大きめの淡紅色の果実も楽しめます。

ドウダンツツジ(Enkianthus perulatus)
<ツツジ目・ツツジ科・ドウダンツツジ亜科・ドウダンツツジ属>
ツツジ科ドウダンツツジ属の落葉低木。
日本では、本州、四国、九州の温暖な岩山に自生するが、自生地は少ない。
寒冷地でも耐えるので、庭木としては全国で見られるが、寒冷地では少ない。
樹高は1〜3mほどで、葉は互生し、枝先に集まって輪生状になる。葉縁には細かい鋸歯がある。
なお、晩秋には真っ赤に紅葉する。
花期は4月〜5月で、枝先に白い壺形の花は数輪下垂して咲かせる。なお、紅色の品種もある。
花冠は、長さ8o前後で、先が5残裂する。オシベは10本ある。

ドウダンツツジも、春に咲かせる白い壺形の可憐な白花も良いですが、秋の紅葉も見応えがあります。
ニシキギのように真っ赤に色付くのではなく、黄色から赤へと変わっていくグラデーションが良いですね。

アマヅル(Vitis saccharifera)
<ブドウ目・ブドウ科・ブドウ属>
ブドウ科ブドウ属ののつる性落葉低木で、日本固有種。
日本では、本州の東海地方以西、四国、九州に分布する。
樹皮は褐色で、縦の筋がある。葉は互生し、葉身は長さ幅共に4〜7cmの三角状卵形。
葉身の先は尖り、基部は浅い心形。枝先の葉は三角形に近くなり、細長くなる。
葉の縁には先が小突起になる波状の浅い鋸歯(内曲した凸波状)があり、葉の両面に光沢がある。
なお、葉と対生して出る巻ひげは、ブドウ属の特徴である2節出て次の1節は出ないを繰り返す。
花期は5月〜6月で、雌雄異株。長さ4〜6cmの円錐花序を葉と対生に付ける。
ツボミは球形。花は黄緑色で、花弁5個は先がゆるく癒合し、開花時に外れて落ちる。
雄花のオシベは5個は4o前後で長く伸び、雌花のオシベは短く、外に反り返る。萼は浅い杯状。
果実は直径6mm前後の球形の液果で、黒く熟し、甘くて美味。
葉や茎を切った時に出る汁には甘みがあり、これが和名の由来となっている。

よく似たサンカクヅルとは、以下の点で区別できる。

・アマヅルは植物体に甘みがあり、サンカクヅルにはない。
・アマヅルの葉には光沢があるが、サンカクヅルには光沢がない。
・アマヅルの鋸歯は凸波状であるが、サンカクヅルは凹波状である。

ブドウ科には赤く紅葉するものが多いのですが、アマヅルもその1つです。
赤といっても深みのある色合いで、渋い紅葉が見られます。

エビヅル(Vitis ficifolia)
<ブドウ目・ブドウ科・ブドウ属>
ブドウ科ブドウ属のつる性落葉低木で、雌雄異株。
日本では、北海道西南部から本州、四国、九州に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。
葉の大きさは5〜6cm程度で、切れ込みの浅いものと、深いものの二通りがあり、裏面はクモ毛に覆われる。
円錐花序を出し、黄緑色の小花を密生させる。
果実は、1cmほどになり、熟すと黒くなる。食用になるが特有の青臭いにおいを持つ。

ブドウ科には赤く紅葉するものが多いのですが、エビヅルもその1つです。
この写真の葉は、赤と暗赤色のまだら模様に紅葉していました。奥の葉は、まだ、緑色が残っています。

ヤマハゼ(Toxicodendron sylvestre)
<ムクロジ目・ウルシ科・ウルシ属>
ウルシ科ウルシ属の落葉小高木で、在来種。雌雄異株。
関東地方〜九州の暖地の山地に生え、樹高は8m程になる。
葉は長さ40cmの奇数羽状複葉で互生し、5対前後の小葉がある。
葉腋から円錐花序をだし、黄緑色の小さな花を多数付ける。
雌株には、10mm程の扁球型の果実(核果)が多数、ぶら下がるように付く。

ヤマハゼは、秋には赤く色づくウルシ科の1つですが、葉が大きいので目を引きます。
同属のウルシ、ヤマウルシなども紅葉しますが、ヤマハゼも含めてかぶれることがあるので注意が必要です。

イロハモミジ(Acer palmatum)
<ムクロジ目・ムクロジ科・カエデ属>
ムクロジ科カエデ属の落葉高木で、本州の福島県以南から四国、九州に分布する。
日本以外では、朝鮮半島から中国、台湾と東アジアに分布する。
日本では最もよく見られるカエデ属で、秋には黄褐色から紅色に紅葉する。
葉は対生し、掌状に5〜9深裂し、この裂片を「いろはにほへと……」と数えたことが和名の由来。
4〜5月頃、本年枝の先に暗赤色の花が垂れ下がってつく。雄花と両性花がある。
5個の暗紫色の萼片と、5個の黄緑色もしくは紫色を帯びる花弁を持つ。
果実は翼果で、10〜15mm程の翼があり、熟すと風で飛ばされる。

紅葉の代表種と言えば、このイロハモミジです。真っ赤に色付くので人気があります。
ただ、日当たりが悪いと赤くならず、黄葉で終わってしまいます。
緑色から黄色、赤と順次色付いていく、グラデーションの変化も美しいものがあります。

オオモミジ(Acer amoenum Carr.)
<ムクロジ目・ムクロジ科・カエデ属>
ムクロジ科カエデ属の落葉高木で、在来種。
日本では、北海道中部以南〜本州、四国、九州の太平洋側に分布する。海外では朝鮮半島に分布する。
樹高は10〜15mで、幹は灰褐色。滑らかで、古くなると樹皮が縦に浅く裂ける。
葉は対生し、葉柄は3〜5cmで、葉身は5〜12cm。掌状に5〜9裂し、細かな短鋸歯がある。
なお、葉の切れ込みはやや浅く、ヒロハモミジの別名があるが、変異があり深裂するものもある。
花期は4月〜5月。雌雄同株で、同じ花序に雄花と両性花が混じる。
複散房花序に数十個の花が付き、花の直径は4〜6mm。花弁は5個で、淡紅色から帯紅色。
オシベは8個で、萼片は暗紅色。翼果は葉の下に垂れ下がり、開いたV字型かU字型になる。

イロハモミジ同様、オオモミジの紅葉も見事で、葉が大きい分、見応えもあります。
ただ、個体によっては黄葉で終わってしまうものもあり、全てが紅葉するわけではありません。
また、生長が早く、剪定を好まないため、庭への植栽には注意が必要なようです。

不明種
非常に目につく赤く色付いた葉で、10cm前後の非対称な葉です。
見かけたのは城山湖の近くで、本沢(ほんざわ)ダムから駐車場に戻る途中の通路脇です。
いろいろ調べてみたのですが、現時点では種類は不明です。


















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