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おさんぽ録 野草編(春V)



近くの多摩川の河川敷への散歩がてら撮影した、季節を彩る野草です。

< トピック >

今年新たに見かけた、下記の野草の花を追加しました。

ムラサキケマンの種子、ヤセウツボの若い花茎、アリアケスミレの花、タチツボスミレの花、
スズメノヤリの花、ヒメコバンソウの花、チガヤの花穂、ハルガヤの花穂を追加。
ケマンソウ亜科の花に、ナガミノツルケマン、ニセカラクサケマンを追加。



ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
イネ目
イグサ科(クサイ)
イネ科(カモガヤ、カラスムギ、コバンソウ、ヒメコバンソウ、スズメノテッポウ、チガヤ、スズメノカタビラなど)
キントラノオ目
スミレ科(スミレ、ヒメスミレ、ノジスミレ、タチツボスミレ、アリアケスミレ、アメリカスミレサイシン)
キンポウゲ目
ケシ科ケマンソウ亜科(ムラサキケマン、キケマン)
ケシ科(クサノオウ、ナガミヒナゲシ)
シソ目
オオバコ科(オオイヌノフグリ、タチイヌノフグリ、ツタバウンラン、マツバウンラン)
ハエドクソウ科(トキワハゼ)
ハマウツボ科(ヤセウツボ)
バラ目
バラ科(ナワシロイチゴ、ヘビイチゴ、ヤブヘビイチゴ、オランダイチゴ)
ユリ目
ユリ科(バイモ)
多摩川とその近隣の春の野草
和名インデックス


ムラサキケマン(Corydalis incisa)
<キンポウゲ目・ケシ科・ケマンソウ亜科・キケマン属>
 
ケマンソウ科・キケマン属の越年草で、日本では全国に広がっている。
日本以外では、中国での分布が知られる。

2012/4/11
ヒメオドリコソウ(シソ科オドリコソウ属)と同じ場所に混生し、一緒に咲いていることもあります。
花の形は似ていますが、全くの別種(ケマンソウ科キケマン属)です。
なお、根、茎、葉、花と全てに有毒のプロトピンを含むので、要注意です。


2013/3/14                 2013/3/21                 2013/3/28
3/14 昨年から小さな芽を出していましたが、春が近付くとともにどんどん大きくなってきました。
3/21 1週間で大きく茎を伸ばし、総状花序の1つで花がさき始めました。
3/28 さらに1週間後には、ほとんどの総状花序で花が咲きました。
残念ながら、その後、除草されてしまい、結実までは見届けられませんでした。

 
2013/4/12
多摩川への道路脇で、ムラサキケマンが大きな群落をつくっていました。
昨年も咲いているのを見かけましたが、来年はもっと増えそうです。


2014/4/7
道路脇で咲いていたムラサキケマンの花をアップで撮ってみました。
面構えは、シソ科の花のようですが、ケシ科の花です。


2015/4/1             2015/4/16             2015/4/16
今年もあちらこちらで、ムラサキケマンが花を付けていました。
例年、除草が行われて種子を見ることはなかったのですが、今年を見ることができました。
さく果は、柄の先に下に折れ曲がって付く豆の鞘のような形をしている。
まだ、さく果は未熟な状態ですが、熟すと2つに裂けて、花被が巻き上がり、種子を弾き飛ばす。


キケマン(Corydalis heterocarpa var. japonica)
<キンポウゲ目・ケシ科・ケマンソウ亜科・キケマン属>

 
ケマンソウ科・キケマン属の越年草で、自生種。
日本では、本州の関東以南、四国、九州の海岸や低地に自生する。
赤みを帯びた茎は太く、草丈は60cm前後にまでなる。
根元で枝分かれし、茎の先に総状花序を出し、黄色い花が多数付く。

2014/4/18
どこかに咲いていると思ってましたが、見つけられなかったキケマンの花。
ひょんなことで出会えました。民家の玄関脇で、植栽に隠れるように咲いていました。
いつも通っている場所なのですが、通る方向からは陰になって見えなかったのです。
花は、少しピークを過ぎていましたが、まだ、ツボミも少し残っていました。


2016/4/6
昨年は見られなかったキケマンの花ですが、今年は咲いているのを確認できました。
前回はアップに耐える写真が取れなかったのですが、今回はそこそこの写真が取れました。
花弁は上下の2枚と、真ん中の2枚の4枚ですが、真ん中の2枚は合着しています。
授粉後、子房が大きくなってくると、花弁が根元から外れ、前に付けたまま大きくなります。


2016/4/6
果実が徐々に大きくなっていく様子です。
果実の先に花弁を付けたまま大きくなり、花弁が枯れた頃に落下するようです。


ケマンソウ亜科の花

     .
ムラサキケマン                   キケマン  
花色が異なるのはもちろんですが、花の開き方も異なります。
ムラサキケマンが下唇を大きく開いた大口なら、キケマンは少し開いたおちょぼ口ですね。

 
ナガミノツルケマン               ニセカラクサケマン
キケマンと同じ黄色い花色ですが、下唇が大きいナガミノツルケマンです。
透き通るような白に濃赤紫色の口紅を引いたようなニセカラクサケマンです。
ヨーロッパ原産の外来植物で、自宅近くで見かけましたが、まだそれほど広がっていないようです。



クサノオウ(Chelidonium majus var. asiaticum Chelidonium)
<ケシ目・ケシ科・クサノオウ属>
 
ケシ科クサノオウ属の越年草で、ユーラシア大陸一帯とその周辺に広く分布する。
日本では、北海道から九州まで分布している越年草で、秋に発芽して、越冬し、春に開花する。
世界的には、ヨーロッパや北アメリカに帰化している。
本種を傷つけると多種にわたる有毒アルカロイド成分を含む黄色い乳液が出て、皮膚に付くと炎症を起こす。

2012/4/6
散歩コースの多摩川では、河川敷ではなく、土手の道路脇で見つけました。
黄色で、比較的大きな花なので、遠目にも目立つ花です。
この花を最初に見たとき、雌しべがグニャリと曲がった変わった花というのが、その印象です。


2013/3/29
多摩川への道路脇で、ムラサキケマンの隣でクサノオウが花を咲かせました。
花が咲いているのは、この1輪だけで、後はまだツボミのままでした。

 
2013/4/12
クサノオウも、2週間でずいぶん大きくなり、花もたくさん咲かせていました。
ムラサキケマンと混生していますので、結構にぎやかです。


ナガミヒナゲシ(Papaver dubium)
<ケシ目・ケシ科・ケシ属>

ケシ科ケシ属の1年草。地中海沿岸から中欧が原産の帰化植物。
アルカリ性土壌を好むようで、コンクリートによってアルカリ化した路傍などで繁殖しやすい。

2012/4/18
花色が目立つのも一因かもしれませんが、あちこちで目にする事が多くなった気がします。
1つの芥子坊主に1,000個以上の種子がはいっているので、条件が良いと大繁殖する事があるようです。

 
2013/4/11
今年も、あちらこちらでナガミヒナゲシが花を咲かせています。
比較的小さな花ですが、色が目立つので、かたまっていると存在感はあります。

 
2013/4/25
花の写真ばかりでしたので、名前の元になった芥子坊主の写真も掲載します。
ほっそりとして長いのが分かると思いますが、長い実で「ナガミ」です。
ついでにツボミの写真も掲載します。下を向いたツボミが、開花が近づくと上を向いてきます。


2014/3/18                 2014/4/4                 2014/4/11
3/18 進入禁止の杭の根元で、厚ぼったい小葉が浅く三裂する葉を見かけました。
この時点では、何の葉なのかまでは分かりませんでした。
4/4 気が付くと、浅く三裂していた葉は、細かく、深く切れ込みのある小葉になっていました。
良く見ると、毛が密生したツボミが見えます。この時点でナガミヒナゲシと判断しました。
4/11 花茎が長く立ち上がり、ツボミは深く首を垂れ、丁寧にお辞儀をしているよう。


2014/4/15
いくつかの花が咲き、既に散った花もありました。
萼を破り、レンガ色の花弁が覗いているツボミ、この後、萼は剥がれ落ちて開花します。
多数のオシベ(花糸は紅紫色)と中央の大きな子房、その上面に放射状の柱頭(花柱は無い)が特徴です。


オオイヌノフグリ(Veronica persica)
<シソ目・オオバコ科・クワガタソウ連・クワガタソウ属>

ゴマノハグサ科クワガタソウ属の越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本をはじめ、アジア、北アメリカ、南アメリカ、オセアニア、アフリカに外来種(帰化植物)として定着している。
日本では全国に広がっている。

2012/3/27
3月の中頃から一面の枯れ草の中、最初に色鮮やかに咲きはじめ、目を楽しませてくれます。
近縁種のイヌノフグリの種子の形状から付けられた名前を引き継いで、大型の冠が付いたものだそうです。

 
2012/12/26                         2013/1/30
オオイヌノフグリの花期は3月〜4月ですが、12月、1月に開花を確認しました。
さすがに、12月は花数も少なく、ポツリポツリでしたが、1月になると増えてきました。

 
2013/3/7                          2013/3/15
3月に入ると花数は一気に増え、密度の濃い所では、青く見えます。

タチイヌノフグリ(Veronica arvensis)
<シソ目・オオバコ科・クワガタソウ連・クワガタソウ属>
 
ゴマノハグサ科クワガタソウ属の越年草で、西アジアからヨーロッパ原産の帰化植物。
日本をはじめ、アジア、北アフリカ、南北アメリカ、オーストラリアに移入分布している。
日本では全国に広がっている。

2013/5/9
多摩川の土手の階段にへばりついている、タチイヌノフグリに気が付きました。
いつも上り下りしている階段ですが、花が直径2mm程と小さいので見落としていたようです。
ツボミや咲いた直後は、青紫色ですが、時間が経つと薄赤紫になるようです。

 
2013/5/10
昨日は、時間がなくてきちんと撮れなかったので、改めて撮り直しました。
茎が立ち上がっているのが分かると思います。


2013/5/22
階段で見かけて以降、河川敷でも注意して見るとあちらこちらで確認できました。
ただ、時期的に遅いようで、きれいに咲いている所に出会えません。
この日、やっと花を咲かせている所を見つけ、撮影できました。


  タチイヌノフグリ        オオイヌノフグリ
2013/5/30
中央の写真の左右を拡大したのが、左右の各々の写真です。
右の写真がオオイヌノフグリで、左の写真がタチイヌノフグリです。
葉の形状や花の付き方(オオイヌノフグリは花柄があるがタチイヌノフグリにはない)が分かると思います。


柄の有無は、果実の方でも同じです。
右上に白っぽい物が2つ並んでいるのがオオイヌノフグリの果実で、長い柄が見えています。
左中央付近で、同じような緑色の物が2つ並んでいるのがタチイヌノフグリの果実で、柄がありません。
なお、その下方で茶色くなっているのは、熟した果実で、2つに裂開しています。


2014/4/7              2014/4/14              2014/4/10
昨年、アップで良い写真が撮れなかったので、撮り直しました。
撮影場所は、最初に本種に気が付いた土手の階段の所です。



オオイヌノフグリとタチイヌノフグリの花

     .
オオイヌノフグリ                  タチイヌノフグリ
両者を比較すると、大きさも違いますが、左右の花弁にも違いがあります。
オオイヌノフグリは、幅広で、高さが上の花弁と同じなので、花全体が丸く見えます。
しかし、タチイヌノフグリの花弁は、幅よりも高さの方が長いので、花全体がひし形に見えます。



トキワハゼ(Mazus pumilus)
<シソ目・ハエドクソウ科・サギゴケ亜科・サギゴケ属>

2012/5/10                  2013/4/8                  2016/4/8

ハエドクソウ科サギゴケ属の1年草。日本各地の畑や道端に分布する。
やや乾いた所を好み、匐枝は出さない。基部の葉は数cmあるが、茎葉は小さい。
上唇は紫色で、下唇は淡紫色で、黄褐色の不規則な斑紋がある。
花期は長く、初春から晩秋まで咲き続ける。

薄紫のきれいな花ですが、小さな花なので、単独で咲いているときはほとんど目立ちません。
なかなか拡大に耐える写真が撮れていなかったのですが、やっと撮れました。

 
2012/4/12                  2016/4/8    .
コンクリートの隙間など、わずかな土がある所でも育っています。
ただ、ポツリポツリと咲いているので、よほど気を付けていないと見落とします。


  トキワハゼと良く似たムラサキサギゴケを参考のため掲載します。
見た目では、萼片と花筒部の長さの比率に違いがあります。

ムラサキサギゴケ(Mazus miquelii)
<シソ目・ハエドクソウ科・サギゴケ亜科・サギゴケ属>
     .
ハエドクソウ科サギゴケ属の多年草で、耐湿性耐寒性が強い。
日本では、北海道南部から本州、四国、九州に分布し、海外では朝鮮半島から中国に分布する。
主に畦などの湿地で見られ、匍匐茎で繁殖する。葉は根際に群生し、茎葉は数枚が互生する。
葉は小さく楕円形をしており、葉柄は短く、翼がある。
花期は4月〜5月で、茎の上部に数個の濃紅紫色の唇型の花を付ける。
花冠は15〜20oほどで、上唇は2裂し、下唇は3裂する。
下唇の基部は白く、2条の隆起には黄褐色の斑点と、白い長毛がある。
オシベは4個あり、上下の唇に各々2個付き、メシベは1個で、柱頭は2裂する。

2016/11/11
兵庫県の実家(瀬戸内海沿岸)近くのハス田の畔で見かけました。
季節がら、トキワハゼだと思っていたのですが、大きさなど疑問がありました。
調べてみると、大きさなどの特徴はムラサキサギゴケの特徴と一致します。
季節が合わないのですが、狂い咲きなのでしょうか。

   
<ムラサキサギゴケ>           <トキワハゼ> .
ムラサキサギゴケとトキワハゼの花ですが、ムラサキサギゴケの方が倍くらいの大きさがあります。
また、横方向から見ると花の基部にある筒状部の長さも倍くらいの差があります。
萼片の長さと比較してみてください。トキワハゼは萼片を同じくらいの長さしかありません。
下唇の色も、トキワハゼの方はかなり白いですが、ムラサキサギゴケは薄紫です。
ただ、ムラサキサギゴケには白花(サギゴケ)がありますが、全体が真っ白です。



ツタバウンラン(Cymbalaria muralis)
<シソ目・オオバコ科・キンギョソウ連・ツタバウンラン属>

ヨーロッバ原産の帰化植物で、日本では北海道から本州にかけて見られる。
葉が蔦に似て、花がウンランに似ていることからこの名前が付けられた。

2012/4/24
道端の端の方に蔓を伸ばして広がっていましたが、かわいい花が人目を引きます。

 
2014/4/7
今年も、多摩川への道路脇や民家の庭先などで花を付け始めました。
かなり強健な植物のようで、道路の割れ間など、ちょっとした隙間でも育つようです。


マツバウンラン(Linaria canadensis)
<シソ目・オオバコ科・キンギョソウ連・ウンラン属>

北米原産の帰化植物で、関西を中心に広がり、関東にも進出中。
松葉に似て葉が細いウンランからこの名前が付けられたと思われる。

2012/5/11
あまり人の入らない敷石のある一角で、細い茎の先に花を付けたマツバウンランがたくさん風になびいていました。
背丈は30cmから40cmほどもあるため、ゆらゆらと揺れて、撮影するのに苦労しました。
右端は根元の写真ですが、いきなり茎が立ち上がっているように見え、葉は少ないようです。

 
2014/4/28
最初見かけた場所では、翌年以降、全く見かけなくなってしまいました。
しかし、数は多くないですが、道路脇など他の場所でもたまに見かけます。
この日は風がなく、細い茎がゆらゆらと揺れることもなかったので、アップでしっかりと撮影できました。


ヤセウツボ(Mazus pumilus)
<シソ目・ハマウツボ科・ハマウツボ属>

ゴマノハグサ科ハマウツボ属の寄生植物で、地中海沿岸が原産地の1年草。
日本では、本州と四国に分布し、要注意外来生物に指定されている。
日本以外でも、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オセアニア、南北アメリカに広く移入分布する。

2013/5/8
多摩川の土手を散歩していて、通路脇の草むらに見慣れない植物を見かけました。
昨年、全く見た記憶がないのですが、その辺りのみちらほらと顔を出していました。
後で調べて、ヤセウツボというシロツメクサなどマメ科やキク科などに寄生する植物と分かりました。
たしかに、ヤセウツボのある辺りには、ムラサキツメクサがたくさん生えていました。
寄生植物で葉緑素を持たないため、全体が褐色で、葉のようなものも見当たりません。
実際には、茎を抱くように小さな葉が付いているそうですが、褐色なので葉には見えません。

 
2013/5/10                        2013/5/15
この写真を撮った辺りでは、これくらいの群落がいくつか見られます。
ただ、そこから少し離れた所では、見られなくなるため、土手の100m程の範囲に限られるようです。
ムラサキツメクサの中から、褐色の花茎のみがニョキニョキと突き出ているのは、不自然ですね。


2013/5/8              2013/5/21                 2013/5/21
ヤセウツボの花のアップです。唇状花で、長さは15mm程あります。
上唇は中央に凹みがあり、2裂しているように見えます。
下唇は3裂し、中央のものが最も大きく、花弁の縁はギザギザで波打っています。
花の根元から正面に突き出ている先のとがったものは苞葉で、葉と同じ形状をしています。
花の両脇にある2裂しているものは萼です。
花色は淡いベージュで、紫色の縞模様があります。
花の中央から付き出ている褐色のものは、メシベの柱頭で、花の大きさの割に大きいです。


2015/4/21
毎年顔を出している多摩川の土手ではなく、途中の草原で見かけました。
最初、気付いた時には、シロツメクサの間から、何か焦げ茶色の円錐形のものが伸び出していました。
葉もなく、この写真の上部のツボミの集まった所だけが、顔を出している状態では、種類の特定は無理。
この写真は、最初に見た1週間後くらいのもので、花茎がかなり伸びてきています。
それでも、種類の特定は無理でした。しばらくして花が咲き、本種と分かりました。
今までは、草深い所でしたので、花穂が伸び出す所は見たことがなかったのです。
今回、見かけたのが、他の草がほとんどない所でしたので、花穂が伸び出す所を観察できました。


スミレ(Viola mandshurica)
<キントラノオ目・スミレ科・スミレ属>

スミレ科スミレ属の多年草で、道端などでよく見かける無茎種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国でふつうに見られる。
海外でも、朝鮮半島から中国、ウスリーまで分布する。
葉は、根元から多数出し、細長い矢じり型で、葉柄には翼があるのが特徴。
花色は、普通は濃紫色だが、白花のものもある。
5枚の花弁の内、唇弁の1枚が大きく、2枚の側弁には白い突起毛がある。

2013/3/14
昨年は、花期に見つけられなかったスミレですが、今年は見つけました。
多摩川への道路脇のコンクリートの隙間に根を張り、花を咲かせていました。


2013/3/29
多摩川への道路脇の民家の塀に張り付くように咲いていたスミレです。
昨年は、見つからなかったスミレですが、今年は、あちらこちらで見かけます。
昨年は、どこを見ていたんでしょうね。不思議です?


2014/4/14
スミレの特徴的な部分を並べてみました。
葉は、細長く丸みのある披針形で、葉柄には翼があります。
花色は、濃紫色で、距は細長く、側弁には毛が生えています。


ヒメスミレ(Viola inconspicua subsp. nagasakiensis)
<キントラノオ目・スミレ科・スミレ属>

スミレ科スミレ属の多年草で、道端などでよく見かける無茎種。
日本では、本州から四国、九州に分布する。
スミレより一回り小型で、花色は濃紫色で、側弁の内側には毛がある。
葉は三角形で、基部がハート型、葉柄には翼がない(スミレにはある)。

2012/4/19
よく見かけるスミレの1つですが、神社の境内で撮影したものです。


2013/3/12
多摩川への道路脇で、コンクリートの隙間から生えていたヒメスミレを見つけました。
葉の数より花の数の方が多いくらいで、1株だけ、ポツリと生えていました。

 
2013/3/28
やはり、多摩川への道路脇で見かけたヒメスミレです。この株も花は多いですね。


2014/4/14
ヒメスミレの特徴的な部分を並べてみました。
葉は、細長く尖った披針形で、葉柄には翼はありません。
花色は、濃紫色で、距は細長く白地に赤紫色の斑点(見た目はピンク)、側弁には毛が生えています。


ノジスミレ(Viola yedoensis)
<キントラノオ目・スミレ科・スミレ属>
 
スミレ科スミレ属の多年草。人里周辺でよく見かける無茎種。
日本では、本州の秋田県以南から四国、九州の低地に分布する。
花色は青味の強い濃紫色で、側弁は無毛。距は濃紫色で細長い。
葉は長三角形からへら形で、葉柄には翼がない。

2014/4/7
よく見かけるスミレの1つですが、多摩川への道路脇で見かけました。


2014/4/14
ノジスミレの特徴的な部分を並べてみました。
葉は、長三角形からへら形で、葉柄には翼はありません。
花色は、青味の強濃紫色で、距は細長く花色と同色、側弁に毛は生えていません。


アリアケスミレ(Viola betonicfolia var. albescens)
<キントラノオ目・スミレ科・スミレ属>

スミレ科スミレ属の多年草。道端などでときどき見かける無茎種。
日本では、本州から四国、九州に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国東北部、東南アジア南東部、オーストラリアにまで分布する。
スミレと良く似ているが、花色が変異は多いが白色が基調となる点で区別できる。
花色は、白地に少し筋が入るものから、紫の筋の目立つもの、地色に紫を帯びるものまで多彩。
距は、花色と同じく白色で、太くて短いのが特徴。
葉は細長い三角形の披針形で、先端は丸くなる。葉柄の上部には狭い翼がある。

2014/4/7
多摩川への道路脇で、コンクリートの隙間で花を咲かせていました。
隙間に沿って、数株のアリアケスミレが並んで花を付けていました。


2015/4/17
昨年の写真では、側弁に生える突起毛を確認できる写真がなかったので、撮り直したものです。
中央の写真では、側弁にびっしりと突起毛が生えているのが分かると思います。


タチツボスミレ(Viola grypoceras)
<キントラノオ目・スミレ科・スミレ属>

スミレ科スミレ属の多年草で、道端などでよく見かける有茎種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国の野原から低山地、亜高山帯まで分布する。
海外では、朝鮮半島から中国南部まで広く分布する。
花色は淡紫色が多いが、変異は多い。側弁は無毛。
スミレやヒメスミレと異なり、成長すると茎が伸び、茎の途中にも葉が付く。
葉は心形で、托葉は櫛の歯状に深裂する。

2012/4/20 こちらもよく見かけるスミレですが、色がうす紫で淡い色合いがきれいです。
茎が伸びあがるので、他のスミレと比較すると背の高い株になります。
2012/5/24 花後、刮ハ(さくか)ができていました。まだ、未成熟で若々しい色をしています。

 
2012/6/29
刮ハ(さくか)が成熟し、縦に割れて種子が飛び散った後です。
上右の写真には、成熟して割れる直前の刮ハ、まだ色の残る割れた刮ハ、茶色くなった刮ハが見られます。


  2013/3/21                 2015/4/1                2015/4/1
2013/3/21 多摩川への道路脇にある神社の境内で、タチツボスミレが花を咲かせていました。
この境内には、ヒメスミレとタチツボスミレが混生しています。
2015/4/1 今年も境内にたくさんのタチツボスミレとヒメスミレが花をさかせていました。
形の整ったタチツボスミレの花の写真がなかったので、追加しました。


アメリカスミレサイシン(Viola sororia)
<キントラノオ目・スミレ科・スミレ属>

スミレ科スミレ属の多年草で、アメリカ原産の帰化植物。無茎種。
園芸品種が雑草化した非常に強健なスミレで、湿り気のある林内や草地、道ばたなどで見かける。
国内の分布域は明確ではないが、かなり広範囲に逸脱している。
花色により数種類あり、本種は「パピリオナケア」と呼ばれる品種。
他に白地に紫の筋が入る「プリケアナ」、純白の「スノープリンセス」、
白地に紫の斑点が入る「フレックス」などがあるとのこと。
花は、直径3cmほどになり大きめ。側弁には毛が密集している。
葉は、心形でいくぶん厚みがあり、若い葉の基部は巻き込む。

2012/4/20
最初、散々調べたけれど、特徴がどのスミレとも合わないため種類が分からず、困惑しました。
ひょんなことからアメリカスミレサイシンと分かりましたが、逃げ出した園芸品種とは気づきませんでした。


バイモ(Fritillary verticillata var. thunbergii)
<ユリ目・ユリ科・バイモ属>
 
ユリ科バイモ属の半蔓性で、中国原産の帰化植物。
観賞用として栽培されることが多いが、野生化したものもある。

2012/5/8
多摩川に行く途中の公園脇で見かけました。
花色が地味なので、あまり目立ちませんが、下向きに咲く花の内側に網目模様があります。
球根植物で、その球根が二枚貝に似ていることから付けられた名前です。
なお、別名のアミガサユリは、花弁の内側の模様から付けられた名前です。

乾燥させた球根の鱗茎は、生薬(貝母)として利用されるが、有毒なアルカロイドも含まれる。

 
2014/3/28
今年見かけたバイモですが、大きな株になり、多くの花を付けていました。
見かけは下向きに咲く地味な花ですが、その内側に赤褐色の網目模様が見られます。


クサイ(Juncus tenuis)
<イネ目・イグサ科・イグサ属>

イグサ科イグサ属の多年草で、自生種。
日本では、北海道から、本州、四国、九州と全国に分布する。
世界的にも北アメリカやユーラシア大陸などに広く分布している。
人の踏み跡などによく生え、細長い葉のあるイグサというのが、草藺の名の由来。

2013/5/23
多摩川への道路脇に少し固まって生えていました。
草丈が20〜30cm程で、カヤツリグサの仲間に見えたのですが、イグサの仲間でした。
既に、花の時期は過ぎていたようで、果実ができていました。


スズメノヤリ(Luzula capitata)
<イネ目・イグサ科・スズメノヤリ属>

イグサ科スズメノヤリ属の多年草で、自生種。
日本では、北海道から、本州、四国、九州と全国に分布する。
イグサ科ではあるが、見た目はイグサというより、イネ科の植物に似ている。
短い茎は地上のは出ず、根生葉のみが地表に出て、伸びる。
3月頃に20cm前後の花茎を伸ばし、その先端に花が集まった頭花を多くは1個付ける。
花被片は赤褐色で、それより短い花糸のオシベが6個あり、大きめの葯が目立つ。
頭花は、最初にメシベが成熟し、その後、オシベの葯が伸びてくる。果実はさく果で、黒褐色。

2014/4/10
多摩川への道路脇の草原で、以前から気になっていたスズメノヤリが開花していました。
昨年も、気が付くと結実した状態になっていて、花を見ることができませんでした。
今年は、気が付いた時、まだ、頭花に黄色いものが見えていました。


2015/3/31                2015/4/10                2015/4/10
昨年は、撮影タイミングが遅く、咲いている個体が少なかったのですが、今年は開花が遅めです。
同じ日の撮影ですが、まだ、未開花のものもたくさん残っていました。


2015/4/16
中の2枚の写真は部分拡大ですが、左下に伸びている淡黄色の糸状のものがメシベの柱頭です。
既に雌性期は過ぎて、赤褐色の花被片は大きく開き、メシベは萎びて3裂した柱頭が1本のようになっています。
その基部に見える淡黄色の丸いものが子房で、その周りの赤褐色の花被片の前にある黄色いものがオシベです。
メシベが受粉すると、このオシベが伸び出してきます。中央右寄りの花では、花粉が花被片に付いています。
左の写真は、結実後の頭花の様子で、花被片の中に茶褐色の果実が見えています。
まだ、未成熟なため、果実の先に枯れたメシベが残っているものがあります。
成熟すると裂開し、中から3個の種子がでてきます。


カモガヤ(Dactylis glomerata)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・カモガヤ属>

イネ科カモガヤ属の多年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。明治時代に牧草として輸入された。
日本では、北海道から本州、四国、九州と、全国に分布する。
海外では、アフリカ、アジア、南北アメリカ、オセアニアと広範囲に移入分布している。

2013/5/7
多摩川の河川敷で、カラスムギやネズミムギなどに交じって、所々で見かけます。
多数の小穂が密に付いているので、ボテっとしており、ネズミムギなどとは見た目が異なるので目立ちます。

 
2103/5/8
昨日より小穂が開いているカモガヤを見つけました。
小穂の色が淡紫色になって、薄黄色の葯が顔をのぞかせているものもありました。


2103/5/21
河川敷で大きく小穂を開き、葯が風に揺られているカモガヤを見かけました。
たまたま、接写用のカメラを持っていたのでアップで撮ってみました。


カラスムギ(Avena fatua)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・カラスムギ属>

イネ科カラスムギ属の1年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布している。
世界的には、南北アメリカ、アフリカ、アジア、オセアニアと広範囲に移入分布している。

2013/5/7
多摩川の河原や土手の則面などで、あちらこちらに群生して、この時期の主役の1つです。
大きめの小穂がまばらにぶら下がっている様は、独特の形をしているので分かりやすいですね。
1つの小穂は、数個の小花で構成されており、小花には暗褐色の長い芒が付いています。


2013/5/31
多摩川の河原や土手のカラスムギもすっかり枯れてしまい、茶色くなった小穂が風に揺れています。
小穂には脱落し損ねた穎果(えいか:イネ科の果実)が残っており、真っ直ぐだった芒が屈曲しています。
この芒の屈曲は乾燥によって起き、湿ると真っ直ぐになるため、乾湿によって屈曲を繰り返します。
この屈曲運動が、地上に落ちた穎果では、穎果が発芽しやすい状況を作るのに役立っているそうです。


コバンソウ(Briza maxima Linnaeus)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科 ・コバンソウ属>
 
イネ科コバンソウ属の1年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。明治時代に観賞用に輸入された。
ヨーロッパから南北アメリカ、アフリカ、アジア、オセアニアの温帯に広く分布している。
日本では、本州中部以南に分布している。

2012/5/8
多摩川の河原に行く途中の道端で見られます。
小穂が比較的大きく、偏平な小判型をしているので目立ちます。


2013/4/11            2013/4/18                2013/4/18    .
多摩川の河原に行く途中の道端で、今年もコバンソウの小穂が揺れていました。
昨年より、増えたようで、ちょっとした群落になっていました。


2013/5/31
4月には青々としていたコバンソウですが、この時期になると成熟して枯れ、全体が褐色になっています。
枯れてはいても、小穂はしっかりの残っており、光沢もあって見栄えもします。


2014/4/8         2014/4/16         2013/4/11         2014/4/22
独特な形の小穂を持つコバンソウですが、若い小穂は黄色味が強く、徐々に白っぽくなります。
また、その形も細めの紡錘形から、和名のような小判形に変わって行きます。
成熟して褐色になる頃には先端も開いて、色、形とも小判のようになります。


ヒメコバンソウ(Briza minor)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・コバンソウ属>
 
イネ科コバンソウ属の1年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
世界的にも温帯、暖帯に広く分布している。

2012/5/15
多摩川の河原に行く途中の空き地で見かけました。
コバンソウと比較すると格段に小さく、注意してみないと気が付きません。

 
2013/5/22                 2013/6/11    .
5/22 コバンソウの小穂が2cm弱あるのに対し、ヒメコバンソウの小穂は4mm程しかありません。
その形状も、コバンソウは先のすぼまった楕円形ですが、本種は正三角形に近い形状です。
6/11 青々としていたヒメコバンソウも、すっかり枯れて、雨にぬれていました。
ヒメコバンソウの小穂は小さいので、水滴が付くと形がはっきりと分かりません。

 
2013/6/17
晴れている日に、枯れたヒメコバンソウを改めて撮り直しました。
コバンソウ同様、枯れた小穂はしっかり残っており、開いてはいますが形は残っていました。


2015/5/20               2015/5/19                 2015/5/20  .
今年、多摩川の土手の通路脇で、本種を見つけました。
今年初めて確認しましたが、以前から生えていたのかどうかは不明です。
草丈が低く、小穂もほとんど目立たない大きさなので、見落としていた可能性が高いですが。


イヌムギ(Bromus catharticus)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・スズメノチャヒキ属>

イネ科スズメノチャヒキ属の1年草で、南アメリカ原産の帰化植物。
日本では、北海道から、本州、四国、九州に分布するが、沖縄にはない。
牧草として導入され、野生化して広まった。
世界的にも北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オセアニアと広範囲に移入分布している。

2013/4/19
多摩川への道路脇の空き地で、大きな円錐花序を出していました。
円錐花序の各節から数本の横枝を出し、数個の小穂を付けています。
小穂は扁平で、数cmの長さがあり、5〜6個の小花からなっています。
小花には短い芒がありますが、見た目には芒があるようには見えません。


ノゲイヌムギ(Bromus sitchensis)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・スズメノチャヒキ属>

イネ科スズメノチャヒキ属の多年草で、北アメリカ原産の帰化植物。
日本では、北海道から、本州、四国、九州と全国に分布する。
イヌムギと比較すると、小穂がかなり扁平であるが、個体差があるので断定は難しい。
1番の違いは芒の長さで、イヌムギが1mm程なのに対し、ノゲイヌムギは5mm以上ある。

2013/5/31
多摩川の河川敷で、河岸近くの除草の刈り残し部分の縁で見かけました。
見かけはイヌムギに似ていますが、芒が長いのでノゲイヌムギとしました。
ただ、よく似たヤクナガイヌムギ(Bromus carinatus)の可能性もあります。
両者の違いは、芒の長さと葉の幅で、ヤクナガイヌムギの方が長く、幅が広いようです。
本種は、どちらとも取れるサイズなのですが、芒が短めなのでノゲイヌムギとしました。


スズメノテッポウ(Alopecurus aequalis)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・スズメノテッポウ属>

イネ科スズメノテッポウ属の1年草で、史前帰化植物。
日本では、北海道から、本州、四国、九州と全国の水田などでよく見られる。
世界的にも北半球の温帯に広く分布している。

2013/5/17
昨年は見落としていたスズメノテッポウですが、今年は見つけました。
最初、多摩川への道路脇で、特徴的な橙色の葯が目に止まり、1本だけ確認しました。
その後、途中の公園の隅で、スズメノテッポウが固まっている所を見つけました。

子供の頃にはそこいら中に生えていたものですが、今は探さないと見つかりません。
葉鞘の部分を使った草笛は、簡単に作れて良く鳴るので、ピーピー鳴らして遊んだものです。


チガヤ(Imperata cylindrica Linnaeus)
<イネ目・イネ科・キビ亜科・チガヤ属>

イネ科チガヤ属の多年草で、日当たりの良い空き地よく見られる。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで広く分布している。
海外では、アジア中西部からアフリカ、オーストラリアに広く分布している。
また、北アメリカにも帰化が確認されている。
草丈は30〜80cmで、根茎は堅くて白く、地中深く横走する。
また、新しい匍匐茎を伸ばして、その先に越冬芽(地中にある)を付ける。
葉は長さ20〜50cmの線形で、葉縁や葉先が赤くなることが多い。
なお、葉鞘や茎の節には、普通、毛がある。
花期は5月〜6月で、葉に先立って花茎を伸ばし、長さ10〜20cmの花穂を付ける。
小穂は長さ5o前後披針形で、基部に長さ10mmほどの光沢のある白い綿毛が密生する。
葯は長さ3oほど、柱頭は紫褐色で2裂し、花後にも白い綿毛の中に残ることがある。
2013/4/17
多摩川の河原に行く途中の空き地で見られます。
花穂が出るまでは、葉のみなので、なんだかよく分かりませんが、白い花穂を見れば直ぐに分かります。
花穂の白い綿毛ですが、写真の通り、白く目立つものと、綿毛が見えず紫色の葯と柱頭が目立つものがあります。
ムラサキの濃いものは、日が浅くて若い花穂、綿毛の開いたものは日の経ったものと思われます。
しかし、白い綿毛ですが、天候か湿度かに反応するようで、大きく開いたり、閉じたりします。
そのため、日によって花穂が白くフワフワとして見えたり、紫でスリムに見えたりします。
結実すると、開いたままになり、この綿毛に風を受けて種子が運ばれるようです。

 
2013/4/18
今日は、綿毛が少し開き気味で、綿毛の間から紫色の葯が覗いているため、見た目は淡くなります。


    2013/5/24                  2015/4/9            2015/4/9
2013/5/24 多摩川の土手で、所々でチガヤが穂を出していることに気が付きました。
白い穂が出ていなければ、気が付かなかったでしょう。
2015/4/9 土手に生えているチガヤですが、ちょうど、開花したばかりでした。
オシベが風に揺れている花穂があったので、拡大撮影しました。
白い綿毛のあいだから、紅紫色のオシベがあちこちから顔を出し、風に揺れています。


ハルガヤ(Anthoxanthum odoratum)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・ハルガヤ属>
 
イネ科ハルガヤ属の多年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
明治時代に牧草として移入され、酸性土壌を好み、路傍や草地に生える。
株になって生育し、春に直立する特徴のある花序を出し、花茎は数十cmになる。
1つの小穂は、10mm程で、最初にオシベが伸び、オシベの落下後にメシベが出てくる。
花穂には甘い香りがあり、乾燥するとその香りは一層強くなる。

2013/6/17
多摩川の土手の則面で、変わった形のイネ科と思われる枯れた穂を見つけました。
今まで、見たことがない形の穂ですが、枯れた状態から同定はおこなえませんでした。


2014/4/22                 2014/4/22                 2014/4/22
昨年見かけた変わった穂の持ち主を探して、土手を歩き回って探しました。
そして、他のイネ科の植物に交じって、その花穂を風に揺らしている所を見つけました。
生えていたのは、この一角のみで10株に満たないので、うっかり通り過ぎる所でした。
さて、肝心の花穂ですが、ちょうどオシベが出ているところでした。
それで、調べ直してハルガヤと分かりました。


  2015/4/16              2015/4/2             2016/4/6
土手に生えているハルガヤですが、年々、その数を増やしています。
今年、最初に見かけた所では大きな群落になっていました。他の場所にも群落が広がっていました。
左端は、オシベが落ちて、糸状のメシベが出てきたところです。
右端は、オシベと伸び始めたメシベが見えています。


2014/5/15
少し時間がたったので、ハルガヤの様子を見に行ってみました。
オシベはすっかり無くなり、メシベの残骸のようなものが少し残っている程度です。
すでに、花穂の先の方が少し茶色くなりかけていて、そのため、以前よりは目立ちやすくなっています。


ホソムギ(Lolium perenne L.)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・ドクムギ属>

2013/4/12                 2013/4/12                 2015/7/2
イネ科ドクムギ属の多年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
牧草として使われ、ペレニアルライグラスの名前で利用されている。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで、各地で野生化して広く分布している。
海外では、アジア、北アメリカ、北アフリカの温帯に広く帰化している。

2013/4/12 多摩川の土手で、下記のホソネズミムギなどと混じって多く見られます。
日本国内では、普通に見られる雑草の1つですが、多摩川の土手でもそのようです。
2015/7/2 多摩川の土手で、ずいぶん遅咲きのホソムギを見かけました。
一度、除草されているので、その後に伸び出したものかもしれません。
ちょうど、きれいな淡黄色の葯が出て、風に揺られていいました。

ネズミムギ(芒がある)によく似ているのですが、芒がないのが特徴で、この点で本種はホソムギとしています。
ただ、ネズミムギと交雑しやすいようで、両者の中間型も知られており、判定が難しいようです。


ネズミムギ(Lolium multiflorum Lam.)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・ドクムギ属>

イネ科ドクムギ属の1年草または2年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
牧草として使われ、イタリアンライグラスの名前で利用されている。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで、各地で野生化して広く分布している。
海外では、南北アメリカ、アフリカ、オセアニアなどの温帯から暖帯に広く帰化している。

2013/4/12
多摩川の土手では未確認ですが、途中のJRの線路脇の空き地で見かけました。
日本国内では、普通に見られる雑草の1つです。

ホソムギ(芒がない)によく似ているのですが、芒があるのが特徴です。
また、基部にある第二包穎の長さが小穂の半分以下の点で、ネズミムギとしています。
ただ、ホソムギと交雑種には、両者の中間型も知られており、判定が難しいようです。


ホソネズミムギ/ネズミホソムギ(Lolium × hybridum Hausskn.)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・ドクムギ属>

2013/5/8                 2013/5/8                 2013/5/21
イネ科ドクムギ属の1年草または2年草で、ネズミムギとホソムギの雑種。
そのため、ホソネズミムギともネズミホソムギとも呼ばれている。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで広く分布している。

5/8 多摩川の土手で、ホソムギなどと共に多く見られます。
5/21 先のネズミムギ同様、小穂の小花に芒がありますが、ネズミムギほど長くないです。
また、基部にある第二包穎の長さは、小穂の1/3強と比較的短いです。
ホソムギとネズミムギの特徴を併せ持ち、どちらの特徴が強く出るかでいろいろな形態があるようです。


スズメノカタビラ(Poa annua L.)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・イチゴツナギ属(ナガハグサ属)>

イネ科ナガハグサ属の1年草か越年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで広く分布している。
海外では、極地近辺以外の全世界に分布している。

2013/3/6
多摩川の道端で見かけたものです。
日本国内では、極普通に見られる雑草の1つですが、多摩川の河川敷では未確認です。
草丈は10〜20cm程と小柄なこともあり、背の高い草が多い河川敷では生育が難しいのかもしれません。

 
2014/3/17                   2014/3/19
今まであまり気にしていませんでしたが、スズメノカタビラはあちらこちらで見かけます。
今回、他の野草の写真を撮っていて、それに気が付きました。結構、ポピュラーな存在だったようです。
なかには、小穂の先がピンク色になった個体もありました。


ナワシロイチゴ(Rubus parvifolius)
<バラ目・バラ科・バラ亜科・キイチゴ属>
 
バラ科キイチゴ属のツル性の落葉低木で、日本も含め、朝鮮半島、中国に分布する。
日本では、全国的に分布しており、日当たりの良い傾斜地で地を這うように広がる。
花は、短く立ち上がる枝の先に散房状に付き、赤紫の5弁花ではあるが、ツボミのような状態から開くことはない。
6月頃に真赤な果実を付け、食用になる。

2013/4/25
多摩川への途中にある、JRの道床脇の斜面に生えていました。
この写真の状態では、花色などが不明で、ナワシロイチゴとは分かりませんでした。


2012/5/7
気が付くと、赤紫の花がツボミの状態になっており、花色は白ではなく、赤紫と分かりました。
早速、花色から同定をはじめ、ナワシロイチゴと分かりました。
同時に、ツボミのようなものが、実は開花状態と分かり、ちょっと驚きました。

 
2013/5/9                      2013/5/10
5/9 右端がツボミ、左端が開きかけ、中央はしぼみかけです。
5/10 右端は開花して間もない状態で、左端は開ききった状態、
中央は花弁が縮れて成熟したオシベが見えています。

 
2013/5/14                     2013/5/22
5/14 花もほぼ咲き終わり、オシベも枯れかけています。
5/22 すっかり花は咲き終わり、開いていた萼が閉じ始めています。
後は、1ヶ月後、果実が熟すのを待つだけで、除草されなければ、味見をしてみようと思っています。

 
2013/6/18                     2013/6/25
6/18 果実はしっかりと熟し、食べごろとなりました。
6/25 花床を残すのみとなり、後は枯れるだけとなっています。

ナワシロイチゴは集合果で、核果が集まっています。その核果を集めて試食してみました。
多少、酸味が強いですが、しっかりとした甘みもあり、十分、生食できます。


2014/5/8
ナワシロイチゴを接写系で拡大撮影しました。
開きかけた所と、開き切ったところを撮影しましたが、花弁がオシベを包み込んでしまっています。
その花弁の隙間から覗いている花弁より色の濃い、モジャッとしたものがメシベの柱頭です。
この状態で授粉し、メシベが成熟すると花弁が縮れて落ちます(2013/5/9、10の写真を参照ください)。
そして、成熟したオシベが顔を出して、受粉のための花粉を提供します。


ヘビイチゴ(Duchesnea chrysantha)
<バラ目・バラ科・バラ亜科・キジムシロ連・キジムシロ属 >
 
バラ科キジムシロ属の多年草で、在来種。
以前はヘビイチゴ属とされていたが、遺伝的な解析で、キジムシロ属に含められるようになった。
日本ではも北海道から九州、沖縄まで全国に分布し、海外では朝鮮半島から中国とアジア南東部に分布する。
茎は地を這い、節から根を出して増える。葉は互生し、長い葉柄の先に3小葉からなる葉が付く。
小葉は長さ3p前後の楕円形か倒卵形で、葉先は鈍頭、基部はくさび形。粗い鋸歯がある。
花期は4月〜5月で、葉対生で、葉柄の反対側から花柄を出し、黄花を付ける。
花の直径は15oほどで、先の3裂した副萼片は、萼片と同じか幾分大き目。
黄色い花被片、萼片、副萼片とも5個あり、オシベは多数ある。
また、中心の花床上に心皮が多数離生して付き、花床は果時には肥大して果床となる。
果実は真っ赤に熟すが、果床には光沢がなく、淡紅色。痩果が多数付き、痩果には皴がある。
果実に毒はないが、無味乾燥で味がなく、食用には向かない。

2012/4/20
多摩川の河原では、多くの雑草に交じって、ところどころで見かけます。
花は、黄色で比較的大きい方なので目立つが、とにかく地を這うように咲くので、遠目では見えません。

 
2012/5/24
花後、1ヶ月もすると真赤な果実になります。
果実の表面には粒粒があり、イチゴっぽい果実ですが、とにかく味がありません。
そのため、毒はないのですが食用には向きません。

 
2013/4/23
今年も、多摩川への道路脇や河川敷にヘビイチゴが花を咲かせていました。
ただ、河川敷では除草されなかったので、他の野草に埋もれていて遠目では見えません。


良く似たキジムシロ属の仲間

   .

  オヘビイチゴ     ミツバツチグリ     イワキンバイ     ミヤマキンバイ

この4種は、花茎の先に散形状に複数の花を付ける。
オヘビイチゴの小葉は5枚で、他の3種の小葉は3枚。ただ、小葉の形が異なる。
ミツバツチぐりの小葉は細長く、鋸歯が丸いのが特徴。
イワキンバイの小葉は鋸歯の切れ込みが浅く、小葉が菱形で、花茎に葉を付けるのが特徴。
ミヤマキンバイの葉の鋸歯の切れ込みはかなり深くて粗く、小葉が扇型で丸みが強い。



 ヘビイチゴ      ヤブヘビイチゴ

この2種は、元ヘビイチゴ属とされていたもので、花茎の先に花は1個だけ付く。
花はよく似ているが、ヤブヘビイチゴは、副萼片が萼片より有意に大きい。
ヘビイチゴの小葉は3枚で、小葉の先は丸く、鋸歯も丸い。
ヤブヘビイチゴの小葉も3枚であるが、小葉の先が尖り、鋸歯の先も尖る。



ヤブヘビイチゴ(Duchesnea indica)
<バラ目・バラ科・バラ亜科・キジムシロ連・キジムシロ属>
 
バラ科キジムシロ属の多年草で、在来種。
日本では、本州から、四国、九州に分布する。海外では、東アジア、南アジアに分布する。
草丈は10pほどにしかならず、匍匐茎を出して広がる。
葉は濃緑色の三出複葉で、楕円形の小葉には細かい鋸歯があり、長い葉柄がある。
頂小葉は長さが数cmの長楕円形で、広卵形のヘビイチゴとは形が異なる。
また、ヤブヘビイチゴでは重鋸歯にならないが、ヘビイチゴは重鋸歯になることが多い。
花期は4月〜6月で、葉腋から花柄を出して、直径20mmほどの黄色い花を1つ付ける。
5個の三角形状の萼片と葉状の副萼片が交互に付き、副萼片が萼片より大きい。
果実は花托が肥大した偽果で、果床は濃紅色で赤い痩果にはしわがない。
この果実は食べられるが、味はほとんどしないので、生食には向かない。
本種では、果期にも花が見られるので、黄色い花と赤い果実を同時に見られる。

※ヤブヘビイチゴは、副萼片が萼片より有意に大きく、果床が光沢ある赤で、痩果に皴がない。

2012/4/20
多摩川の道路脇の民家の庭先で、ヘビイチゴと比べると大柄な赤い果実が目に止まりました。
黄色い花が咲いている時点では、ヘビイチゴと思って見過ごしていたものです。
明らかに、ヘビイチゴと比べると果実は一回り以上大きく、艶々としています。
後で気づいたのですが、果実の後ろから黄色い花の一部が顔を出していました。


ヤブヘビイチゴとヘビイチゴの花と果実と葉

     .
     .
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<ヤブヘビイチゴ>                 <ヘビイチゴ>

ヤブヘビイチゴとヘビイチゴの花は、三角形状の萼片と葉状の副萼片が交互に付句点は同じです。
そして、萼片よりも副萼片の方が大きい点でも同じですが、ヤブヘビイチゴの方がより副萼片が大きいです。
ヤブヘビイチゴとヘビイチゴの果実の違いで、最も分かりやすいのは果床です。
ヤブヘビイチゴの果実は、果実が大きくなって果床が広がっても、光沢のある赤い色をしています。
一方、ヘビイチゴの果実は、果実が大きくなって果床が広がると白くなり、光沢もなくなります。
また、痩果もヤブヘビイチゴは皺がなくツルっとしているのに対して、ヘビイチゴは皺があります。
葉は、ヤブヘビイチゴもヘビイチゴも三出複葉である点は同じですが、小葉の形に違いがあります。
ヤブヘビイチゴの小葉は楕円形〜卵形なのに対して、ヘビイチゴの小葉は楕円形〜倒卵形で形が異なります。
また、ヤブヘビイチゴでは重鋸歯になりませんが、ヘビイチゴは重鋸歯になることが多いです。



オランダイチゴ(Fragaria ×ananassa Duchesne)
<バラ目・バラ科・バラ亜科・キジムシロ連・オランダイチゴ属>
 
バラ科オランダイチゴ属の多年草で、栽培品種としていろいろな種類が流通している。
日本で、イチゴとして流通しているのは、ほぼこのオランダイチゴの事である。
真赤な実を付けるが、食用となるのは花托(花床ともいう)であり、果実は、表面の粒粒である。

2012/4/18
多摩川への道路脇の民家脇で、オランダイチゴが花を咲かせていました。
言うまでもなく、オランダイチゴは栽培品種であり、野草ではありません。
白い花を咲かせるオランダイチゴと、黄色い花のヘビイチゴとの対比のため、掲載しています。
花の形は似ています(通常は花弁は5枚ですが、右端は6枚の奇形です)が、果実はかなり異なります。
オランダイチゴは、花托が赤く、果実は黒っぽいですが、ヘビイチゴは果実が赤く、花托は白っぽいです。
その味は、オランダイチゴが甘酸っぱくておいしいのに、ヘビイチゴは無味乾燥で食べられたものではありません。









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