クマゼミやエゾゼミの抜け殻は、他のセミの抜け殻より明らかに大きいです。
ヒグラシやツクツクボウシはこれらに比べて、明らかに細くて小さいです。
ニイニイゼミは、さらに小さく、丸っこく、全身に泥が付いていることで分かります。
また、クマゼミの抜け殻に関してですが、下記のようにでべそ状の突起があるのが特徴です。

2020/8/1
自然な状態で撮りたかったのですが、うまく撮れるものがなかったので、机上で撮影しました。
赤い
↑や
〇印のものが、その突起です。
クマゼミは、近年、その生息範囲を拡大していて、関東南部から茨城県などに北上してきています。
実際、山梨県の双葉サービスエリアで、
クマゼミの合唱を聞いて、ちょっと驚いたことがあります。
余談ですが、ミンミンゼミ(ミ〜ンミンミンミンミ〜)とクマゼミ(シャンシャンシャン)の鳴き声。
実は、ベースとなる音が同じだという話です。どう聞いても同じには聞こえませんよね。
しかし、ベースとなる音を早く再生するとクマゼミに、逆に遅く再生するとミンミンゼミになるそうです。
という訳で、クマゼミの0.25倍速再生の鳴き声とミンミンゼミの2.5倍速の鳴き声も置いてあります。
各々、ミンミンゼミの鳴き声、クマゼミの鳴き声に聞こえるか、試してみてください。
エゾゼミに関しては、八ヶ岳山麓や新潟の奥胎内ではよく見かけますし、鳴き声も聞きます。
そのエゾゼミの生息範囲は、本州中部以西では標高500〜1000mの山地になります。
そのエゾゼミの幼虫が湾岸長島パーキングエリアを歩いているのに出くわしました。
この辺りでは平地にはいないはずなのですが、どう見てもクマゼミには見えませんでした。
なお、クマゼミとエゾゼミに関しては、同じところで鳴き声を聞いたことがありません。
しかし、アブラゼミとエゾゼミは同じ所に居て、鳴いているのを聞いたことがあります。
ミンミンゼミの模様には変異があり、緑色の部分が多いものはミカドミンミンと呼ばれます。
右側は緑色の部分が多い方なのですが、ミカドミンミンは黒い部分がほとんどありません。
ミカドミンミンは高温耐性があるといわれ、高温になりやすい甲府盆地等に多いとされています。
ミンミンゼミとアブラゼミの抜け殻は同じような大きさで、見た目の違いはあまりありません。
パッと見て気が付くのは、殻の色がアブラゼミよりミンミンゼミの方が明るい色だということです。
それ以外に、確実な識別法は、触角の第3節の長さです。ミンミンゼミでは第2節とほぼ同じ長さです。
しかし、アブラゼミの場合は、第3節の長さが第2節より1.5倍ほど長いことで判別できます。
上の写真の赤い矢印と数字の部分が確認個所ですが、数字は節の番号で、2は第2節の意味です。
ミンミンゼミはピントが甘くて見ずらいですが、違いが分かると思います。
ツクツクボウシのメスの産卵管は他のセミより長く、大きく飛び出しています。
一方、オスの腹部には大きな共鳴室があるので、メスよりもかなり長くなっている。
これはヒグラシのオスでも同様であるが、メスの産卵管はツクツクボウシのように長くはない。
ツクツクボウシとヒグラシの抜け殻は同じような大きさで、よく似ているようです。
パッと見て気が付くのは、ヒグラシの抜け殻にはツヤがあり、ツクツクボウシはツヤがないことで、
また、ヒグラシの抜け殻の背中は山なりに盛り上がるのに対して、ツクツクボウシは平たいことが多いそうです。
資料を見るかぎりでは、ツクツクボウシの抜け殻はかなりスリムで、大きな団子鼻(前額)が特徴のようです。
もう1点の判別法は、触角の第3節と第4節の長さ違いを確認することで、これが確実なようです。
上の写真の赤い矢印と数字の部分が確認個所ですが、数字は節の番号で、3は第3節の意味です。
ツクツクボウシの写真しかないのですが、第3節より第4節が短いのがツクツクボウシです。
逆に、触角の第3節より第4節が長いのが、ヒグラシの抜け殻だそうです。
セミの羽化の様子
<アブラゼミの羽化 2009/8/18 21:47 〜 22:45>
アブラゼミは都市部も含めて、ごく一般的に見られる(聞かれる)セミです。
ただ、近年、都内ではその数が減っていると言われています。
このアブラゼミの羽化を記録したのは、その都内のビル街にある並木です。
そのとき、客待ちのタクシー運転手が、以前はたくさん居たのに最近少ないんだよと言ってました。

2017/7/29 20:19 2017/7/29 20:20 2017/7/29 22:38

2017/7/29 22:18 2017/7/29 22:28 2017/7/29 22:42 2017/7/30 7:17
胎内星まつりに参加し、テントを張っていたのですが、その時の写真です。
気が付くと、テントの縁でセミが羽化していて、ほぼ翅が伸び、固まるのを待っている状態でした。
この辺りにはエゾゼミが多いのですが、この時点では種名ははっきりしませんでした。
その後、時間が経って様子を見に行くと、ごらんの通り、色が付いてアブラゼミと分かりました。
その少し前、別の所で羽化が始まっていて、気が付いたときには、逆さまにぶら下がっていました。
前述の一覧で見ると、この状態までに30分ほどかかり、ちょうど中間点辺りになります。
そして、翅が伸びきるまでに30分ほどかかります。右端は、しっかり翅が固まった翌朝の様子です。