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境川近辺 野草編(春T)



相模原市の自宅近くを流れている境川、そこへの道すがらや境川で撮影した、季節を彩る野草です。

< トピック >
今回、新たに見かけた下記の野草を追加しました。
オオアラセイトウ、ダイコン、モウソウチク、イモカタバミ

また、下記の写真を追加しました。
セイヨウカラシナ、オランダガラシ、ウラシマソウ、アカカタバミ、
ウスアカカタバミ、オッタチカタバミ



ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
アオイ目
アオイ科(ゼニアオイ)
アブラナ目
アブラナ科(セイヨウアブラナ、セイヨウカラシナ、ミドリハナヤサイ[ブロッコリー])、
      オオアラセイトウ[ショカッサイ/ムラサキハナナ]、オランダガラシ[クレソン])、
      カキネガラシ、ダイコン、ミチタネツケバナ、ナズナ、マメグンバイナズナ)
イネ目
イネ科(カモガヤ、コバンソウ、ヒメコバンソウ、ムギクサ、ネズミホソムギ、
    ネズミムギ、モウソウチク)
カヤツリグサ科(アオスゲ)
オモダカ目
サトイモ科(ウラシマソウ)
カタバミ目
カタバミ科(カタバミ、アカカタバミ、ウスアカカタバミ、イモカタバミ、
      オキザリス・レグネリー、オッタチカタバミ)
ガリア目
ガリア科(アオキ)
境川近隣の春の野草
和名インデックス


ゼニアオイ(Malva sylvestris var. mauritiana)
<アオイ目・アオイ科・アオイ亜科・ゼニアオイ属>
   
アオイ科ゼニアオイ属の2年生草本で、地中海沿岸が原産の帰化植物。
日本では、園芸品種として全国で栽培されているが、逃げ出して野生化しているところもある。
かなり劣悪な環境でも生育できるため、河川敷や線路脇などの荒れ地でも生育する。
茎は直立して良く分枝し、剛毛がある。草丈は1m以上になる。
葉は互生し、長さ10p強、幅6p前後で、長さ5p程の葉柄があり、基部は浅い心形。
葉は、掌状に浅く5〜7裂し、その裂片は丸く、鈍鋸歯がある。
花期は8月〜10月で、葉腋に数個の花を付け、下から上に咲き上る。小苞は広幅の長楕円形。
花の直径は4p前後で、淡紅紫色から紫色に濃色の縦筋がある5花弁。
多数のオシベの花糸がくっついて筒状になり、長いメシベの花柱を包み込んでいる。
雄性先熟で、最初にオシベが成熟して花粉を出し、しおれた頃にメシベが伸び出して柱頭が10裂する。

2016/5/15
境川に向かって下る途中の道路脇で見かけました。
多摩川の近くで見かけたゼニアオイが淡紅紫色だったのに対し、この花は淡紫色でした。


ゼニアオイのオシベとメシベ

         .
<雄性期>                  <雌性期>

ゼニアオイは雄性先熟のため、最初はオシベのみが見えています。
上の写真を拡大した左側がその状態で、少し萎れかかっていますが、オシベが多数見えています。
雄性期が終わると、オシベが萎れ、隠れていたメシベが伸び出してきます。
右の写真は、多摩川の近くで撮影したものですが、雌性期で、10裂したメシベの柱頭が見えています。
オシベは白い葯が見えていますが、10裂したメシベの基部で萎れています。


セイヨウアブラナ(Brassica napus)
<アブラナ目・アブラナ科・アブラナ属>
   
アブラナ科アブラナ属の越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
アブラナとキャベツの雑種起源とされ、成長した茎や葉がキャベツのようにロウ質の白粉で覆われる。
草丈は50〜100p程になり、葉は厚く、基部の葉は長さ数十pになり、羽状に裂ける。
上部の茎葉は、無柄で茎を大きく抱く。花期は3月〜5月で、鮮黄色の花を上部に集まって咲く。
花の直径は15o前後と比較的大きく、萼片は開出せずに斜上して、花弁に接していることが多い。
果実は、長さが5〜10pほどになり、種子は熟すと黒色になる。

※ 在来種のアブラナとは別種で、本種の種子は黒く熟すのに対し、アブラナの種子は赤褐色に熟す。
また、アブラナの葉は、本種の葉と比べると柔らかくてしわがあり、色も淡緑色である。

2018/4/3
境川から少し離れた畑で、その一角を黄色く埋め尽くしていました。
下の方の葉には長い葉柄が見られたので、最初、セイヨウカラシナかと思いました。
しかし、上の方の葉に目をやっると茎をしっかりと抱いていましたので、アブラナだとわかりました。
問題はセイヨウが付くかどうかですが、葉は色が濃くてしわがないので、本種としました。

セイヨウカラシナ(Brassica juncea (L.) Czern)
<アブラナ目・アブラナ科・アブラナ属>
 
アブラナ科アブラナ属の越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
アブラナ(Brassica rapa)とクロガラシ(Brassica nigra)の雑種である。
日本では関東以西で見られ、特に関西には多い。日本には弥生時代に伝来したといわれている。
草丈は1m以上になり、上部で分枝する。
下部の葉は大きく30pに達し、羽状深裂して頭部は大きく、鋸歯がある。
上部の葉は小さく、全縁で、葉の基部は茎を抱かない(良く似たセイヨウアブラナは茎を抱く)。
花期は4月〜5月で、花は直径10o程の十字型で、花色は黄色。萼片は開花時には斜上する。
セイヨウアブラナの花は、一回り大きく、茎頂部にまとまって咲き、萼片が開花時には直立に近い。

2016/4/2
境川の河川敷(と言えるほど広くはないですが)の所々で見かけました。
下には降りられないので、川岸の上からの撮影です。茎葉は、茎を抱いていませんでした。


2023/4/18
境川の河川敷で、所々で大きなセイヨウカラシナの群落がみられました。
他にはオランダガラシ(クレソン)やオオカワジシャの群落があり、場所の取り合いをしているみたい。

ミドリハナヤサイ(Brassica oleracea var. italica)
<アブラナ目・アブラナ科・アブラナ属>
 
2018/4/3
 
2018/4/10
アブラナ科アブラナ属に属する緑黄色野菜で、イタリアで品種改良されたキャベツの変種。
日本へは明治時代に移入され、第二次世界大戦後に本格的に栽培が始まった。
標準和名は、ミドリハナヤサイやメハナヤサイであるが、英名のブロッコリーの方がよく知られている。
現在、全国で栽培されているが、主産地は埼玉県や愛知県で、冬季が旬の野菜である。
草丈は1mほどになり、直立した茎に葉は互生する。
葉は下部では50cmほどになり、長楕円形で羽状に深裂する。
花期は2月〜4月で、花序を収穫せずに放置すると、総状の花序を伸ばし、多数の花を付ける。
花は直径10〜15mmほどの十字花で、花色は淡黄色〜クリーム色。
なお、通年で収穫するため、時期をずらして栽培されるので、花期以外に花を見ることがある。
ちなみに、カリフラワーはブロッコリーの変種であり、そのカリフラワーの変種にロマネスコがある。

2017/4/3 境川から少し離れた所の畑で、放置されたブロッコリーが見事に開花していました。
数畝の畑で、ブロッコリーが花序を伸ばして、淡黄色の花を咲かせていました。
手入れされていないと見えて、花序の先にはアブラムシが大量に付いているようです。
2017/4/10 境川近くの畑でも、1株のブロッコリーが花を咲かせていました。
道路の直ぐ近くで咲いていたので、アップで撮影できました。
アブラナ科らしい花で、萼片は開花時には直立していました。

オオアラセイトウ(Orychophragmus violaceus)
<アブラナ目・アブラナ科・オオアラセイトウ属>
 
アブラナ科・オオアラセイトウ属の越年草で、中国原産の帰化植物。
中国東部に分布し、特に東北部や華北地区に多い。ヨーロッパ南部にも見られる。
江戸時代に栽培品種として入ってきたものが野生化して広がったとみられる。
別名として、ショカッサイ(中国の呼び名で諸葛孔明と関係しているようです)やムラサキハナナを持つ。
草丈は20〜80cmで、茎は直立して、基部で分枝する。また、上部での分枝もしばしば起きる。
根生葉はロゼット状にならず、葉柄は長さ2〜8pで、羽状に深裂する。
長裂片は基部は心形で、長さ2〜10cmと大きく、側裂片は1〜6対で長さ3cm前後。
上部の葉は長さ2〜10cmで、基部は茎を抱き、全縁か粗い不規則な歯牙状。
花期は3月〜5月で、茎先に総状花序を付け、薄紫色の花を多数付ける。
花は直径20〜30mmの4弁花で、開花時は濃紫色であるが、花期の終わり頃には色が薄くなる。
萼片も4個あり、長さ10mm前後で、花と同じ薄紫色。直立して、基部は袋状。
オシベは6個で、花糸は白く、葯は線形で黄色く、外に反り返る。メシベの柱頭は淡黄色。
果実は狭い線形の長角果で、長さは10cm前後になる。4個の稜が目立つ。

2023/4/18
境川の河川敷の所々で紫の花が見られ、アップで見てオオアラセイトウと分かりました。
黄色いセイヨウカラシナや白いオランダガラシの群落の側で、本種が申し訳なさそうに咲いています。
ここではセイヨウカラシナ、オランダガラシ、オオカワジシャが3大勢力で、本種は入り込めないよう。
そのため、端っこの方とか、他の草本に埋もれるように辛うじて花を付けている感じです。

オランダガラシ(Nasturtium officinale)
<アブラナ目・アブラナ科・オランダガラシ属>

アブラナ科オランダガラシ属の多年草で、ヨーロッパから中央アジアの原産の帰化植物。
北アメリカ、南アメリカ、アジア、オセアニアに移入分布する。
標準和名のオランダガラシよりも、フランス語の「クレソン」の方で呼ばれることが多い。
抽水植物もしくは沈水植物で、極めて繁殖力が強く、茎の切れ端からも発根、再生する。
茎は中空で、無毛。基部で分枝し、草丈は50p程になる。
葉は対生し、奇数羽状複葉で、小葉は楕円形で3〜11個ある。
花期は4月〜6月で、直径6oほどの白花。花冠は4裂し、裂片の長さは4o前後。

2016/4/2
境川の河川敷(と言えるほど広くはないですが)に流れ込む下水管の近くで見かけました。
対岸の近くでしたので、白い花は確認できたのですが、何の花かまでは確認できませんでした。

 
2016/4/16
後日、対岸の方に出向き、撮影したものを調べた所、本種と分かりました。
びっしりと花が付いており、普段、料理などで見るクレソンとはイメージが異なりました。
汚水の中でもよく生育するそうなので、きっと、料理の残りかすから再生したのでしょう。

 
 
2023/4/18
境川の河川敷の所々で、巨大な群落を形成していて、その辺りを白く染め上げていました。
上記のように以前から群落にはなっていましたが、その数倍以上の大きさです。
下段右のように小さな株も見られますが、これが年々大きくなっていくんでしょうね。
なお、オオカワジシャも同程度の群落を形成しており、陣取り合戦をしているようです。

カキネガラシ(Sisymbrium officinale)
<アブラナ目・アブラナ科・キバナハタザオ属>
 
アブラナ科キバナハタザオ属の一年草で、ヨーロッパ(地中海沿岸)原産の帰化植物。
日本では、北海道から九州にまで全国的に分布し、市街地の道端や空地に生える。
草丈は80pほどになり、茎は直立して良く分枝し、下向きの毛がある。
根生葉は長さ20cmほどになり、羽状に深裂する。上部の葉ほど小さくなる。
花期は4月〜6月で、花は直径5oほど4花弁で、花色は黄色。萼には長い毛が生える。
同属のイヌカキネガラシとは、花は似ているが、実の形や付き方が異なる。
カキネガラシの果実(長角果)は他のアブラナ科の花と異なり、茎にぴったりと張り付いている。

2016/4/16
境川の河岸に作られている花壇に生えていました。
草丈はありますが、花が小さいく、数も多くないので、あまり目立ちません。

   
2018/4/10
境川の河岸に作られている花壇で、カキネガラシが見られたので、マクロレンズで撮り直しました。
今年は成長が遅いようで、まだ、カキネガラシも30cm程の草丈しかなく、花も少ないです。
果実もまだできていませんでしたので、草姿もすっきりしています。



 
2021/4/30
久しぶりに境川の河岸でカキネガラシを見ました。
いつの間にかずいぶんと増えて、花壇の一角を占拠してしまっていました。
かなり咲き進んでいましたので、果実が花茎にピタリと張り付いているのが分かると思います。

ダイコン(Raphanus sativus var. hortensis)
<アブラナ目・アブラナ科・ダイコン属>
 
アブラナ科ダイコン属に属する越年草で、野菜として広く栽培される。
地中海または中央アジア地域が原産地といわれているが確定されていない。
日本には弥生時代には伝わっており、奈良時代の歴史書「日本書紀」に記載がある。
遺伝的に日本のダイコンは、ヨーロッパ系統、ネパール系統とは差が大きく、中国南方系統に近い。
野菜としてのダイコンは、根の部分は淡色野菜、葉は緑黄色野菜になる。
日本、中国、ヨーロッパなど各地で肥大した根のほか、葉も食材となり、種子から油も採れる。
非常に多くの品種があり、太さ、長さなどの形状、色など変異に飛んでいる。
日本では、世界一大きい桜島大根や世界一長い守口ダイコンなどがあり、白い皮の品種が主流である。
大根とよばれる肥大部は茎と根からなり、地上に伸び上がるものと、ほとんど地中にあるものがある。
根出葉は束生し、倒披針形で羽状に裂ける羽状複葉で、頂小葉が大きくて、普通粗い毛がある。
花期は春で、1mほどの地上茎の先に総状花序を付け、白色〜淡紫色の十字状の花をまばらに付ける。
直径20〜25oの4花弁で、しばしば脈が濃くなり、基部は長い爪になる。
花弁は長さ12〜22mm、幅3〜8mmの広倒卵形で、先は鈍頭〜凹型である。
オシベは6個(4個が長く、2個は短い)で、花糸は細く長さ5〜12mm、メシベは1個である。
狭長楕円形の萼片は4個あり、淡緑色で長さ6〜10mm、幅1〜2mmで直立する。
果実は長さ4〜6cmで、多数のくびれがあり、そのくびれ毎に1個の赤褐色の種子が入る。
太い主根は、主軸が肥大したもので、その上部で葉の付いた三角錐の部分が茎である。
一般にダイコンと呼ばれる根で、地上に出ている部分は胚軸に由来する中間的な性質を持っている。
青首大根では顕著で、光に応じて葉緑体を発達させる茎の性質を持っていて、それが名前の由来でもある。
茎、胚軸、根の区別は道管の位置で区別できるが、根には両側に1列ずつひげ根(痕跡のくぼみ)がある。

2023/4/18
自宅近くの道路脇の畑で、ダイコンの花が盛大に咲いていました。
普通、ダイコンは花が咲く前に収穫されてしまうので、花を見る事は稀です。
この畑では、全て収穫されなかったようで、この横には引き抜かれたダイコンが転がっていました。
このダイコンとよく似た花を付けるハマダイコン、多摩川ではその花が法面を染め上げる所があります。


ハマダイコン咲き誇る多摩川

   .
2013/4/17
多摩川の川崎側の法面をハマダイコンが白く染め上げ、それが1km以上続きます。
ここまでハマダイコンが増えたのは、除草作業を行う時期が関係していると思われます。
当然、花が咲けば大量の果実ができるわけですが、除草が果実が熟した頃に行われます。
その除草作業で果実から種子がこぼれ、播種するのと同じ結果となったのでは。


ミチタネツケバナ(Sisymbrium officinale)
<アブラナ目・アブラナ科・タネツケバナ属>
   
アブラナ科タネツケバナ属の越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで、全国に分布している。
草丈は20〜40cmで、花期は2月〜4月。
葉は羽状深裂し、小葉は広楕円形で、頂葉が卵形で大きい。根生葉は果時にも残る。
根生葉の小葉には柄があり、茎には葉があまり付かない。
花茎の頂部に総状花序を付け、下から順次咲き上っていく。
花は白色の4弁花で、オシベは4本が多いが、5本とか6本のものもある。
在来種のタネツケバナに似るが、下記のようないくつかの識別点がある。
・果時に根生葉があるのがミチタネツケバナで、無いのがタネツケバナ
・果実が直立するのがミチタネツケバナで、斜上するのがタネツケバナ
・小葉が広楕円形なのがミチタネツケバナで、狭楕円形がタネツケバナ

2017/3/7
境川から少し離れた畑の畔で、耕作された後にミチタネツケバナが花を付けていました。
最近は、あちらこちらで見かけるようになった本種ですが、万歳をしたような種が特徴です。

ナズナ(Capsella bursa-pastoris)
<アブラナ目・アブラナ科・ナズナ属>
     
アブラナ科ナズナ属の越年草で、在来種。
日本も含め、北半球に広く分布している。日本では、全国に分布する。
草丈は10〜50cmで、花期は3月〜6月。ただし、最近は真冬でも開花が見られることがある。
根生葉はロゼットを作り、長さ5〜10cmの倒披針形で、羽状に裂ける。早春の裂片は細い。
茎葉は互生して、長さ1〜5cmの狭披針形。無柄で、基部は茎を抱き、葉は裂けない。
花は直径4mm前後の白い4弁花で、花弁は長さ2〜4mmの倒卵形。萼片も4個ある。
オシベは6個で、メシベは1個。下部に果実ができ、先端部では次々につぼみが出来て開花する。
果実は角果で、長さは4〜10mmの倒三角形。上部が凹んで、ハート形になる。
春の七草の1つで、若苗を食用にする。かつては、冬季の貴重な野菜であったことによる。

2017/3/7
境川の側にある草原で、ナズナが大きく育ち始めていました。
まだ、果実になったものは少ないですが、これからこの何倍にも伸びるでしょう。

 
2018/3/13
昨年末、境川から少し離れた畑の畔で見かけたナズナですが、無事、冬を越したようです。
春らしい若々しい茎を立ち上げて、たくさんの花を咲かせていました。
本来は越年草ですが、2年目の春を迎えているとしたら多年草ですね。

マメグンバイナズナ(Lepidium virginicum)
<アブラナ目・アブラナ科・マメグンバイナズナ属>
 


アブラナ科マメグンバイナズナ属の2年草で、北アメリカ原産の帰化植物。
日本では明治時代に帰化が確認されており、現在では北海道から九州まで、全国で分布が確認されている。
草丈は20〜50cmで、茎が直立して、上部で多数分枝する。
葉は濃緑色で光沢があり、普通、根生葉は花期には枯れる。
茎葉は互生し、無柄で長さ2〜5cmの倒披針形で、縁には不規則で粗い鋸歯がある。両面無毛。
花期は5月〜6月で、茎頂の総状花序に多数の花を付ける。
花は直径3mm前後の緑白色で、4弁花。お椀状の萼片も4個で、背に多少の毛がある。
萼片の間からしゃもじ状の花弁が伸びるが、きちんと開いたものは少ない。
オシベは2〜4個で、軍配型の子房の上に短い柱頭がある。
果実は長さ3o前後の扁平な円形で中央に筋があり、その形状が軍配に似て、小さいのが和名の由来。
果実の縁には翼があり、左右2室に分かれる。各室に種子が1個入り、種子にも翼がある。

2018/5/21
境川の側道の脇で、塀に張り付くようにマメグンバイナズナが大きくなっていました。
上部で多数分枝するので、ナズナとはかなり異なった草姿となります。
花序の先にはたくさんの花は付いているのですが、きちんと開花しているものはありませんでした。
写真の様に、花弁は半開きの状態で、これ以上は開かないのかもしれません。


マメグンバイナズナの花

     .
2019/6/26
実家近くで見かけたマメグンバイナズナですが、花が開いていました。
マメグンバイナズナの花がきちんと開いているのを見るのは、初めてでした。


カモガヤ(Dactylis glomerata)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・イチゴツナギ連・カモガヤ属>
   
イネ科カモガヤ属の多年草で、ユーラシア原産の帰化植物。
日本では北海道から四国、九州に広く分布している。
海外でもアフリカ、アジア、南北アメリカ、オセアニアと広範囲に移入分布する。
日本では牧草として移入され、野生化して広がった。
草丈は大きいものでは1mを超える。根茎は短く、茎は叢生して、全体に無毛で平滑。
根生葉は、長さ50cm前後で、粉白色を帯びて柔らかく、中央脈は高く隆起する。
花期は、6月〜8月で、長さ20cm程の円錐形の花序を出す。
小穂は長さ10o程の扁平な楕円形で、毛と短い芒があり、3〜6個の小花からなる。
なお、イネ科の花粉症の中でも、カモガヤはその代表格とのこと。
スギ花粉症の方の半分は、カモガヤの花粉症になると言われており、要注意植物です。

2016/5/15
境川側の草原で、カモガヤが大量のオシベを風になびかせながら咲いていました。
花序が大きく、オシベも多いので、大量の花粉をまき散らしているようです。

コバンソウ(Briza maxima Linnaeus)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・コバンソウ属>
   
イネ科コバンソウ属の1年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。明治時代に観賞用に輸入された。
ヨーロッパから南北アメリカ、アフリカ、アジア、オセアニアの温帯に広く分布している。
日本では、本州中部以南に分布している。
草丈は30〜70pと環境によって変化が大きい。
茎は直立して叢生し、葉は狭披針形で薄くて柔らかい。
花期は5月〜7月で、花序は大きなものでは長さ10p程になり、10個ほどの小穂を付ける。
小穂は、長さ15o前後の長卵形で、その形が小判に似ていることが和名の由来。
小穂は、10〜20個の小花からなり、光沢がある黄褐色。

2016/5/7
境川近くの草原で見かけたコバンソウです。
土壌が良いのか、日当たりが良いのか、小穂が良く見かけるものより大きかったです。

ヒメコバンソウ(Briza minor)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・コバンソウ属>
   
イネ科コバンソウ属の1年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本では、本州から四国、九州、沖縄に分布し、路傍や草原などに普通に生育する。
世界的にも温帯、暖帯に広く分布している。
草丈は20〜40pで、全体に無毛で、細い茎は直立して、叢生する。
葉は線状披針形で、薄くて柔らかく、長さは15p程になる。
花期は5月〜7月で、長さ10p程の裾の広い円錐形の花序を出し、多数の小穂を付ける。
小穂は、長さ幅とも4o程のコバンソウに似た小さい三角形で、それが和名の由来。
小穂は、5個前後の小花からなり、光沢のある淡黄緑色。

2016/5/7
境川近くの草原で、コバンソウの近くで見かけました。
まだ、花序が展開し始めたばかりで、完全に展開したものは少なかったです。

 
2016/5/15             2016/5/20
後日、同じ場所で接写したのが左側の写真です。露光がオーバー気味で白っぽくなっています。
右側の写真は、上の右端の写真の花序が展開した後の様子です。小穂が鈴生りですね。

ムギクサ(Hordeum murinum)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・コムギ連・オオムギ属>
   
イネ科オオムギ属に属する1年〜2年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本には明治初期に移入後、ほぼ全国に分布している。
海外でも、アフリカ、アジア、オセアニア、南北アメリカに移入分布している。
草丈は10〜50pほどで、全草がほぼ無毛。基部で分枝し、叢生する。
稈には、それを取り巻くはっきりした葉耳があり、葉は柔らかい。
花期は5月〜7月で、長さ10p前後の穂を出す。穂の形が大麦に似ており、それが和名の由来。
長さ50o程の芒がある両性の小穂と、その両側に雄性の小穂があり、この組み合わせで節毎に付く。
ムギクサでは、3つの小穂の大きさはほぼ同じであるが、オオムギクサでは中央の小穂は小さい。

2013/5/27
境川に向かう道路脇で、最初に見かけた時はえらく小さい麦だなと思いました。
あまりにも草丈が低いので、調べてみると本種でした。穂の形は、ほんとうに麦にそっくりです。

   
2016/5/15         2016/5/20         2016/5/25
道端で見かけたムギクサの穂の変化を追ってみました。
きれいな緑色をしていた穂も、1週間ほどで先の方から赤紫色に変わり始めます。
その後、成熟が進むと褐色みが強くなり、横に開いて上部からポロポロと小穂が落下して行きます。
麦では、小穂が勝手に落ちることはないので、本種は節から外れやすいようです。

ネズミホソムギ(Lolium × hybridum Hausskn.)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・ドクムギ属>
 
イネ科ドクムギ属の1年草または2年草で、ネズミムギとホソムギの雑種。
両種は、自然交雑もするが、人為的な交配種が本種であり、多数の品種が世界中で利用されている。
そのため、ホソネズミムギともネズミホソムギとも呼ばれている。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで広く利用され、免出したものも多い。
草丈は40〜70cm。葉の展開前には、葉が巻いていることが多い。
花期は6月〜8月で、長さ20p前後の穂状の花序で、無柄の小穂が15個前後、交互に付く。
花序軸は蛇行し、小穂は長さ15o程で、15個前後の小花からなる。護頴に芒がある。

2016/5/15
境川に向かう道路脇の草むらで、ムギクサの近くで見かけました。
すぐ側には、ネズミムギもあり、両者を比較するには良い場所でした。
ネズミムギと比較すると、小穂がスリムで、全体的に細く見えます。

ネズミムギ(Lolium multiflorum Lam.)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・ドクムギ属>

イネ科ドクムギ属の1年草または2年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
牧草として使われ、イタリアンライグラスの名前で利用されている。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで、各地で野生化して広く分布している。
海外では、南北アメリカ、アフリカ、オセアニアなどの温帯から暖帯に広く帰化している。
草丈は40〜80pで、全体に無毛。茎(稈)は直立して、単生か叢生する。
葉は長さ20cm程の線形で、葉の展開前には、葉が巻いている。
花期は6月〜8月で、長さ20p前後の穂状の花序で、無柄の小穂が20個前後、交互に付く。
花序軸は蛇行し、小穂は長さ15o程で、15個前後の小花からなる。
護頴に芒があり、長さは1〜8oで、同じ小穂に長さの異なる芒が混在する。

2016/5/15
境川に向かう道路脇の草むらで、ムギクサの近くで見かけました。
すぐ側には、ネズミホソムギもあり、両者を比較するには良い場所でした。
ネズミホソムギと比較すると、小穂が幅広で、間隔も短いため、大振りに見えます。

モウソウチク(Phyllostachys edulis)
<イネ目・イネ科・タケ亜科・マダケ属>


イネ科マダケ属に属する竹で、原産地は中国江南地方である。
日本への移入時期には諸説あるが、薩摩藩による琉球王国経由の移入後に広まったとされる。
現在、日本では栽培により北海道函館以南に広く分布している。
日本のタケ類の中では最大で、高さ25mに達するものもある。
稈は直立して直径は8〜20cmで、太さの割に節間は短く、長さ20〜35cmである。
節の隆起線は稈鞘輪の1輪のみで、稈鞘輪の下は白色の蝋状物質が出て白くなる。
葉は枝先に8枚ほど付き、長さ4〜8cmと竹の大きさの割には短く、裏面基部にはわずかに毛がある。
葉は春に黄葉して新しい葉に入れ替わる。
竹の幹は生長を終えるとそれ以上太くならず、枝が毎年枝分かれしながら先へ伸びる。
そのため、木の年輪の代わりに、この節数を数えるとその竹の年齢を判定できる。
モウソウチクが開花するのは67年に1度と言われているが、その記録は2回しか残っていない。
タケノコは4月頃に地下茎から発芽し、大型で肉厚で柔らかく、えぐみが少ない。
湿潤で粘土質の竹林では良質のタケノコが採れ、日本で最も多く食べられる代表的なタケノコである。
皮は黒斑と紫褐色の粗毛に覆われ、稈の直径が最大20〜25cmとタケ類の中では最も大形である。

2023/4/18
境川に向かう道路脇の畑で、その一角にモウソウチクを植えている所があります。
毎年、タケノコが出ているのですが、いつも大きく育った後しか見ていませんでした。
このときは、顔を出して間もないタケノコが見られたので、思わず撮ってしまいました。
まだ、食べることが出来そうなものは数個で、後は下段のように大きく育ってしまっていました。
この後、近くの農家の直売所に立ち寄って、タケノコを買って湯がき、翌日、美味しく頂きました。

アオスゲ(Carex leucochlora)
<イネ目・カヤツリグサ科・スゲ属>

カヤツリグサ科スゲ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布している。
海外では、朝鮮半島から週極、台湾、ロシア、ミャンマーなどに分布する。
草丈は15〜50cmで、根茎は短く、密に叢生する。茎は細く、鈍い3稜形。
葉は幅数mmで茎と同長である。基部の鞘は褐色で、古くなると繊維状に分解する。
花期は4月〜5月で、茎先に2〜5個の直立した小穂を付ける。
苞は花序と同長かやや長いが、最下の小穂の苞には、雄小穂より長く突き出る葉身がある。
最上部に付く雄小穂は長さ1〜2cmの棍棒状で、側小穂は雌性で長さ1〜2cmの円柱状。
なお、雌小穂の先端に小さな雄小穂を付けることも間々ある。
柱頭は3岐して、果苞は長さ3mm前後で、不明瞭な脈があり、短毛が散生している。
鱗片は凹頭〜鋭頭で、長い芒がある。果実は3稜形の倒卵形で、先端に帽子状の付属物がある。

2021/4/30
境川近くの公園の植え込みで、アオスゲが植え込みから顔を出していました。
棍棒状の突き出した雄小穂と、その下部に雌小穂が数個付き、雌鱗片に長い芒があるのが分かります。
雄小穂に白い髭状のもの(オシベ)が見られるので、開花したものがあるようです。

ウラシマソウ(Arisaema urashima)
<オモダカ目・サトイモ科・サトイモ亜科・テンナンショウ属>
 
2016/4/16                 2016/4/23
サトイモ科テンナンショウ属の宿根性の多年草、日本固有種。
日本では北海道から本州、四国、九州と全国の山地の湿地に自生する。
地下に偏球形の球茎を形成し、周囲に子球を付けることが多い。
草丈は50cmほどにまでなり、葉は、普通は1枚。
球茎から立ち上がった茎葉の先に、小葉を鳥足状に付ける。
大きな株では、小葉は10枚以上になるが、小型の株では数枚程度と少なくなる。
肉穂花序は、大きな濃紫色の仏炎苞で包まれる。仏炎苞は緑がかったものまで変異がある。
仏炎苞に囲まれた花序からは、細長いひも状の付属体が伸びあがり、途中から垂れ下がる。
この付属体を浦島太郎の持つ釣り竿と釣り糸に見立てたものが、和名の由来。
肉穂花序を形成する多数の花には花弁は無く、雄花はオシベのみ、雌花はメシベのみである。
本種も同じであるが、テンナンショウ属は性転換する事が知られている。
比較的小型の個体では雄性となり、肉穂花序は雄花群を形成する。
大きくなると雌性に転換し、肉穂花序は雌花群をせいせいする。
つまり、成長と共に無性期、雄性期、雌性期と変化していく。

2016/4/16 境川への道路脇の石垣の上で、テンナンショウ属と思われる葉を見つけました。
このときは、まだ、花がなかったので、種類の特定には至りませんでした。
2016/4/23 後日、通りかかった時には花が咲いており、長い付属体から本種と分かりました。

 
 
2023/4/19
自宅から境川の方に向かっていたとき、道路脇の石垣に際にウラシマソウの若葉を見つけました。
最初の写真のように、この辺りでウラシマソウが見られたのですが、最近は見られていませんでした。
所有者の方がこまめに手入れされているようで、除草されてしまっているようでした。
今年は早めに手入れされたようで、その後、ウラシマソウが伸び出したようです。
若葉の写真を撮った後、奥の方に目をやると1輪だけウラシマソウが花を付けていました。
ちょっと離れているので、300mmで目一杯アップして撮りました。
長い付属体が、花から大きい葉の上を通って、下の小さい葉から株元まで伸びています。
下段左は株元を拡大したものですが、左下で斜めに見える淡緑色のものは下の葉の茎です。
それと並行するように黒い細いものが見えていますが、これが付属体の末端部です。


ウラシマソウの花

     .

上の写真は、花の後姿になっていますので、横浜 三溪園で見かけた本種の写真を掲載します。
左は、仏炎苞が開く前、その先から長い付属体が伸び出している様子です。
右は、仏炎苞が開いた後で、内部から付属体が長く伸び出している様子です。


カタバミ(Oxalis corniculata)
<カタバミ目・カタバミ科・カタバミ属>
 
カタバミ科カタバミ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と、全国に広く分布している。
海外では、日本の含めて、世界の暖温帯から熱帯に広く分布する。
草丈は4〜30cmで、太い直根があり、赤味を帯びた茎は地面を這って広がる。
茎は先で立ち上がるが、あまり高く伸びないことが多いが、条件によって高くなることもある。
葉は3小葉からなる3出複葉。小葉は倒心形で、葉表は無毛に近く、葉裏や縁に疎毛がある。
花期は4月〜10月で、葉腋から花柄を出して、散形花序に花を2〜8個付ける。
花は直径8o程の黄色い5弁花で、花弁は長さ4〜8mm。
果実は長さ8〜20oほどの円柱形の刮ハで、熟すと裂けて種子を弾き飛ばす。

最近は、カタバミ、アカカタバミ、ウスアカカタバミをひっくるめてカタバミとする見解もある。
なお、ウスアカカタバミは、カタバミとアカカタバミの雑種と考えられている。

2021/4/30
自宅近くの道路脇で、黄色い花を付けているカタバミを見かけました。
最近は、この辺りでもカタバミは少なくなっていて、オッタチカタバミが幅を利かせています。


カタバミ、ウスアカカタバミ、アカカタバミの比較

カタバミ
ウスアカカタバミ
アカカタバミ







アカカタバミ(Oxalis corniculata f. rubrifolia)
<カタバミ目・カタバミ科・カタバミ属>
 
カタバミ科カタバミ属の多年草。
日本では、北は北海道から九州まで、全国に広く分布している。
日本以外でも、世界の暖温帯から熱帯に広く分布する。
草丈は10〜30cmで、茎はよく分枝して下部は地面を這い、上部は立ち上がる。
葉は3小葉からなり、赤紫色を帯びる。なお、大きさはカタバミより小さい。
葉腋から散形花序を出し、直径8o程の黄色い花を付ける。花弁の基部に赤い輪の斑紋がある。
果実は長さ20oほどの円柱形の刮ハで、熟すと裂けて種子を弾き飛ばす。
なお、赤みの薄いものをウスアカカタバミとし、カタバミとアカカタバミの雑種と考えられている。
最近は、カタバミ、アカカタバミ、ウスアカカタバミをひっくるめてカタバミとする見解もある。

2018/4/10
境川に向かう道路脇で、黄色い花を付けているアカカタバミを見かけました。
コンクリートの割れ目に根を下ろして広がっていましたが、生命力の強さを感じます。
花は、黄色い花弁の基部に、赤いリング状の斑紋が明瞭に見えています。

 
2023/4/19                  2023/4/20
自宅近くの路傍には、カタバミの仲間が多く見られます。
その内の1つであるアカカタバミですが、左写真の花はオシベが花弁に変化した奇形花です。
また、花弁基部の赤い輪の斑紋には変異があり、右写真の花では赤味はほとんど見られません。

ウスアカカタバミ(Oxalis corniculata f. atropurpurea)
<カタバミ目・カタバミ科・カタバミ属>
 
カタバミ科カタバミ属の多年草。
日本では、北は北海道から九州まで、全国に広く分布している。
日本以外でも、世界の暖温帯から熱帯に広く分布する。
草丈は10〜30cmで、茎はよく分枝して下部は地面を這い、上部は立ち上がる。
葉は3小葉からなり、赤紫色を帯びる。なお、大きさはカタバミより小さい。
葉腋から散形花序を出し、直径8o程の黄色い花を付ける。花弁の基部に赤い輪の斑紋がある。
果実は長さ20oほどの円柱形の刮ハで、熟すと裂けて種子を弾き飛ばす。
なお、赤みの薄いものをウスアカカタバミとし、カタバミとアカカタバミの雑種と考えられている。
最近は、カタバミ、アカカタバミ、ウスアカカタバミをひっくるめてカタバミとする見解もある。

2018/4/10
駅に向かう道路脇で、黄色い花を付けているウスアカカタバミの大きな株を見かけました。
緑色の葉も見られますが、全体に薄く赤味を帯びているのが分かると思います。

 
2023/4/18                  2023/4/20
自宅近くの路傍には、カタバミの仲間が多く見られます。
その内の1つであるウスアカカタバミですが、葉の赤味には変異があります。
最初の写真のものは緑色が濃いですが、上記のように赤味の強いものもあります。
といってもアカカタバミのように全体が赤味を帯びるのではなく、葉脈の所が緑色です。

イモカタバミ(Oxalis articulata Savigny)
<カタバミ目・カタバミ科・カタバミ属>

カタバミ科カタバミ属の多年草で、南アメリカ原産の帰化植物。
江戸時代末期に観賞用として渡来して以降、野生化して、日本に広く分布している。
日本以外にも、北アメリカ、オーストラリアなどに帰化している。
地下の塊茎で増、塊茎が節のように別れることから、フシネハナカタバミともいう。
イモカタバミは独立種として扱われていたが、現在はフシネハナカタバミの亜種とされている。
イモカタバミは不稔性で地下の塊茎で増えるが、フシネハナカタバミは種子でも増える。
当初は、観賞用であったが逸出によって各地で野生化し、全国で見られるようになった。
なお、イモカタバミとフシネハナカタバミは、まとめてイモカタバミとして流通している。
葉は3出複葉で、小葉はハート形で裏面の基部に黄色い腺点がある。
花期は3月〜12月であったが、温暖化の影響で夏期に半球眠して地上部を枯らすようになっている。
花は直径15〜18mmで、赤紫色の花弁の基部は濃赤紫色。オシベの葯は黄色。
なお、花色に関しては赤紫色〜淡赤紫色〜白色と変異があり、花形にも地域変異が見られる。
ムラサキカタバミとよく似ているが、花弁の色が淡く、中心部が黄緑色で、葯が白色な点が異なる。

2016/9/12
境川に向かう道路脇で見かけたイモカタバミです。
濃い目の赤紫色の花なので、かなり目立ちます。
見た目がムラサキカタバミとよく似ていますが、花芯がムラサキカタバミは黄緑色です。
※ 比較写真はこちらに掲載しています。

オキザリス・レグネリー(Oxalis regnellii)
<カタバミ目・カタバミ科・カタバミ属>
 


カタバミ科カタバミ属の多年草で、南アメリカ原産の移入品。
なお、オキザリス・トリアングラリス(Oxalis triangularis)とも呼ばれている。
園芸品種として販売されているが、繁殖力が強く、耐寒性も強い方である。
写真の紫色の葉のものが多いが、緑色の葉のものもある。花色は同じで、淡いピンク色。
この紫の葉のものは、「紫の舞」の名で出回っているようです。

2016/9/12
境川に向かう道路脇で見かけました。
三角形の葉が特徴的なカタバミの仲間ですが、花はピンクで小振りです。

オッタチカタバミ(Oxalis dillenii)
<カタバミ目・カタバミ科・カタバミ属>
 
カタバミ科カタバミ属の多年草で、北米原産の帰化植物。帰化植物としては、比較的新しい。
日本では、本州から九州の温暖帯に分布している。
草丈は10〜30p程になり、茎は基部で分枝して直立し、細かい上向きの毛がある。
立ち上がった茎は、カタバミより太く、短い節間で花柄を出す。
茎葉も1ヶ所から対で出ることが多く、下部に葉が密集して付いているように見える。
花期は4月〜10月で、散形状に直径2cm程の黄色い花を数個付ける。
花柄には上向きの白い伏毛が密集し、花後、果柄は下垂して、刮ハは上向きに付く。
同じように茎が立ち上がるタチカタバミと異なり、直根がなく、根が浅く横に張るため、抜けやすい。
茎の節間が短くて葉が密集し、果柄は下垂しているのが本種である。
最も確実なのは、種子を見ることで、皺が白ければ本種、白くなければタチカタバミである。

よく似たオチカタバミとは下記の点で区別できる。
・タチカタバミは直根が地中に延びて抜けにくいが、オッタチカタバミ根が浅くて抜けやすい
・花後、オッタチカタバミは果柄が下垂するが、タチカタバミは果柄は伸びて水平以下に下がる
・タチカタバミには小さい托葉があるが、オッタチカタバミの托葉ははっきりしない
・オッタチカタバミの葉は、昼間明るいと閉じ、曇天や夜間など暗いと開くが、
 タチカタバミの葉は真逆で、昼間明るいと開き、曇天や夜間など暗いと閉じる
・オッタチカタバミは節間が短く、葉柄や花柄が1ヶ所からまとまって出るが、
 タチカタバミの葉には根生葉と互生した茎葉があり、茎葉がまとまって出ることはない
・オッタチカタバミの種子の横しわは白くなるが、タチカタバミは白くならない

2016/5/25
境川に向かう道路脇の草原で、黄色い花を付けているカタバミを見かけました。
茎が立ち上がっていたので、タチカタバミかオッタチカタバミだと分かりました。
花の横に付いていた果実の果柄が下に垂れ下っていたので、オッタチカタバミとしました。

 
2021/4/30
境川に向かう道路脇で、わずかな隙間に生えていたオッタチカタバミです。
昼間に葉を閉じている点や、果柄が下垂して刮ハが垂直に立っている点などからの判断です。
ただ、この個体は、アカカタバミやウスアカカタバミのように、花弁の基部に赤い輪の斑紋があります。

 
2023/4/18                 2023/4/20    .
自宅近くの路傍には、カタバミの仲間が多く見られます。
その内の1つであるオッタチカタバミですが、路傍に点々と生えていることが多いです。
右の写真のように、そのオッタチカタバミが群生している所がありました。
施設の建物脇に小石が敷き詰められた所があり、他の草が生えにくいのか本種のみが群生していました。

アオキ(Aucuba japonica)
<ガリア目・ガリア科・アオキ属>
 
<雄花序>
 
<雌花序>
ガリア科アオキ属の常緑低木で、日本固有種。
日本では、北海道南部から本州、四国、九州、南西諸島の森林に自生し、日陰でも良く育つ。
樹高は、2m程で、常緑で枝も青い。それが和名の由来ともなっている。
雌雄異株で、花期は3月〜5月。枝先に円形花序をだし、紫褐色の花弁は4枚。
雄花は、雌花より多く付き、4本のオシベが特徴。雌花には下部に子房があり、オシベが退化してない。
果実は楕円形で、秋頃から赤く熟し(黄色や白に熟すものもある)、翌年の5月頃まで付いている。

2016/4/2
境川に向かう道路脇で、アオキの雄花がたくさん咲いているのに気が付きました。
雌株は無いかと探した所、1株だけ(雄株は10株以上あり)見つかりました。
雌株は、相当少ないようです。そして、開花も遅いようで、開花していたのはこの花序のみでした。
雄花と雌花を比較してみてください。雄花には黄色い4個のオシベがあり、雌花にはありません。
雌花には、飛び出したメシベの花柱があり、花弁の下部には子房があります。雄花には子房はありません。

 
<雄花序>      2017/3/7      <雌花序>
花序がようやく顔を出した所でした。
雄花序と雌花序は、この時点でも成長に差があるのようす。

 
<雄花序>
 
<雌花序>
   
<雄花序>           <雌花序>            <虫こぶ>
2018/4/3
以前に撮影したアオキの花ですが、上記はマクロレンズで撮り直したものです。
上段と中段は花を拡大したもので、色形は似ていても雄花のオシベと雌花のメシベの違いが明瞭です。
また、雌花の下部には子房がありますが、雄花にはないことも明瞭です。
下段は、雄花序と雌花序の全体を見たものですが、花の付き方などに違いが見られます。
下段右は、昨年の果実ですが、歪に膨らんで虫こぶになっていました。
アオキミフクレフシと呼ばれ、中にタマバエの幼虫がいます。果実は成虫に羽化するまで付いています。









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