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境川近辺 野草編(春T)



相模原市の自宅近くを流れている境川、そこへの道すがらや境川で撮影した、季節を彩る野草です。

< トピック >

今回、新たに見かけた下記の野草を追加しました。
マメグンバイナズナ、ホタルブクロ、ヒメジョオン

また、下記の写真を追加しました。
キキョウソウの閉鎖花



ここでは、被子植物はAPG III体系で、その他は従来の体系で掲載しています。
アオイ目
アオイ科(ゼニアオイ)
アブラナ目
アブラナ科(セイヨウアブラナ、セイヨウカラシナ、ミドリハナヤサイ[ブロッコリー]、オランダガラシ、
       カキネガラシ、チタネツケバナ、ナズナ、マメグンバイナズナ)
イネ目
イネ科(カモガヤ、コバンソウ、ヒメコバンソウ、ムギクサ、ネズミホソムギ、ネズミムギ)
オモダカ目
サトイモ科(ウラシマソウ)
カタバミ目
カタバミ科(アカカタバミ、オキザリス・レグネリー、オッタチカタバミ)
ガリア目
ガリア科(アオキ)
キク目
キキョウ科(キキョウソウ、ホタルブクロ)
キク科(ノボロギク、ハルジオン、ヒメジョオン、チチコグサ、ハハコグサ、
     オニタビラコ、カントウタンポポ、ブタナ、ノゲシ)
境川近隣の春の野草
和名インデックス


ゼニアオイ(Malva sylvestris var. mauritiana)
<アオイ目・アオイ科・アオイ属>
   
アオイ科アオイ属の2年生草本で、地中海沿岸が原産の帰化植物。
日本では、園芸品種として全国で栽培されているが、逃げ出して野生化しているところもある。
かなり劣悪な環境でも生育できるため、河川敷や線路脇などの荒れ地でも生育する。
茎は直立して良く分枝し、剛毛がある。草丈は1m以上になる。
葉は互生し、長さ10p強、幅6p前後で、長さ5p程の葉柄があり、基部は浅い心形。
葉は、掌状に浅く5〜7裂し、その裂片は丸く、鈍鋸歯がある。
花期は8月〜10月で、葉腋に数個の花を付け、下から上に咲き上る。小苞は広幅の長楕円形。
花の直径は4p前後で、淡紅紫色から紫色に濃色の縦筋がある5花弁。
多数のオシベの花糸がくっついて筒状になり、長いメシベの花柱を包み込んでいる。
雄性先熟で、最初にオシベが成熟して花粉を出し、しおれた頃にメシベが伸び出して柱頭が10裂する。

2016/5/15
境川に向かって下る途中の道路脇で見かけました。
多摩川の近くで見かけたゼニアオイが淡紅紫色だったのに対し、この花は淡紫色でした。


ゼニアオイのオシベとメシベ

         .
<雄性期>                  <雌性期>

ゼニアオイは雄性先熟のため、最初はオシベのみが見えています。
上の写真を拡大した左側がその状態で、少し萎れかかっていますが、オシベが多数見えています。
雄性期が終わると、オシベが萎れ、隠れていたメシベが伸び出してきます。
右の写真は、多摩川の近くで撮影したものですが、雌性期で、10裂したメシベの柱頭が見えています。
オシベは白い葯が見えていますが、10裂したメシベの基部で萎れています。


セイヨウアブラナ(Brassica napus)
<アブラナ目・アブラナ科・アブラナ属>
   
アブラナ科アブラナ属の越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
アブラナとキャベツの雑種起源とされ、成長した茎や葉がキャベツのようにロウ質の白粉で覆われる。
草丈は50〜100p程になり、葉は厚く、基部の葉は長さ数十pになり、羽状に裂ける。
上部の茎葉は、無柄で茎を大きく抱く。花期は3月〜5月で、鮮黄色の花を上部に集まって咲く。
花の直径は15o前後と比較的大きく、萼片は開出せずに斜上して、花弁に接していることが多い。
果実は、長さが5〜10pほどになり、種子は熟すと黒色になる。

※ 在来種のアブラナとは別種で、本種の種子は黒く熟すのに対し、アブラナの種子は赤褐色に熟す。
また、アブラナの葉は、本種の葉と比べると柔らかくてしわがあり、色も淡緑色である。

2018/4/3
境川から少し離れた畑で、その一角を黄色く埋め尽くしていました。
下の方の葉には長い葉柄が見られたので、最初、セイヨウカラシナかと思いました。
しかし、上の方の葉に目をやっると茎をしっかりと抱いていましたので、アブラナだとわかりました。
問題はセイヨウが付くかどうかですが、葉は色が濃くてしわがないので、本種としました。

セイヨウカラシナ(Brassica juncea (L.) Czern)
<アブラナ目・アブラナ科・アブラナ属>
 
アブラナ科アブラナ属の越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
アブラナ(Brassica rapa)とクロガラシ(Brassica nigra)の雑種である。
日本では関東以西で見られ、特に関西には多い。日本には弥生時代に伝来したといわれている。
草丈は1m以上になり、上部で分枝する。
下部の葉は大きく30pに達し、羽状深裂して頭部は大きく、鋸歯がある。
上部の葉は小さく、全縁で、葉の基部は茎を抱かない(良く似たセイヨウアブラナは茎を抱く)。
花期は4月〜5月で、花は直径10o程の十字型で、花色は黄色。萼片は開花時には斜上する。
セイヨウアブラナの花は、一回り大きく、茎頂部にまとまって咲き、萼片が開花時には直立に近い。

2016/4/2
境川の河川敷(と言えるほど広くはないですが)の所々で見かけました。
下には降りられないので、川岸の上からの撮影です。茎葉は、茎を抱いていませんでした。

ミドリハナヤサイ(Brassica oleracea var. italica)
<アブラナ目・アブラナ科・アブラナ属>
 
2018/4/3
 
2018/4/10
アブラナ科アブラナ属に属する緑黄色野菜で、イタリアで品種改良されたキャベツの変種。
日本へは明治時代に移入され、第二次世界大戦後に本格的に栽培が始まった。
標準和名は、ミドリハナヤサイやメハナヤサイであるが、英名のブロッコリーの方がよく知られている。
現在、全国で栽培されているが、主産地は埼玉県や愛知県で、冬季が旬の野菜である。
草丈は1mほどになり、直立した茎に葉は互生する。
葉は下部では50cmほどになり、長楕円形で羽状に深裂する。
花期は2月〜4月で、花序を収穫せずに放置すると、総状の花序を伸ばし、多数の花を付ける。
花は直径10〜15mmほどの十字花で、花色は淡黄色〜クリーム色。
なお、通年で収穫するため、時期をずらして栽培されるので、花期以外に花を見ることがある。
ちなみに、カリフラワーはブロッコリーの変種であり、そのカリフラワーの変種にロマネスコがある。

2017/4/3 境川から少し離れた所の畑で、放置されたブロッコリーが見事に開花していました。
数畝の畑で、ブロッコリーが花序を伸ばして、淡黄色の花を咲かせていました。
手入れされていないと見えて、花序の先にはアブラムシが大量に付いているようです。
2017/4/10 境川近くの畑でも、1株のブロッコリーが花を咲かせていました。
道路の直ぐ近くで咲いていたので、アップで撮影できました。
アブラナ科らしい花で、萼片は開花時には直立していました。

オランダガラシ(Nasturtium officinale)
<アブラナ目・アブラナ科・オランダガラシ属>

アブラナ科オランダガラシ属の多年草で、ヨーロッパから中央アジアの原産の帰化植物。
北アメリカ、南アメリカ、アジア、オセアニアに移入分布する。
標準和名のオランダガラシよりも、フランス語の「クレソン」の方で呼ばれることが多い。
抽水植物もしくは沈水植物で、極めて繁殖力が強く、茎の切れ端からも発根、再生する。
茎は中空で、無毛。基部で分枝し、草丈は50p程になる。
葉は対生し、奇数羽状複葉で、小葉は楕円形で3〜11個ある。
花期は4月〜6月で、直径6oほどの白花。花冠は4裂し、裂片の長さは4o前後。

2016/4/2
境川の河川敷(と言えるほど広くはないですが)に流れ込む下水管の近くで見かけました。
対岸の近くでしたので、白い花は確認できたのですが、何の花かまでは確認できませんでした。

 
2016/4/16
後日、対岸の方に出向き、撮影したものを調べた所、本種と分かりました。
びっしりと花が付いており、普段、料理などで見るクレソンとはイメージが異なりました。
汚水の中でもよく生育するそうなので、きっと、料理の残りかすから再生したのでしょう。

カキネガラシ(Sisymbrium officinale)
<アブラナ目・アブラナ科・キバナハタザオ属>
 
アブラナ科キバナハタザオ属の一年草で、ヨーロッパ(地中海沿岸)原産の帰化植物。
日本では、北海道から九州にまで全国的に分布し、市街地の道端や空地に生える。
草丈は80pほどになり、茎は直立して良く分枝し、下向きの毛がある。
根生葉は長さ20cmほどになり、羽状に深裂する。上部の葉ほど小さくなる。
花期は4月〜6月で、花は直径5oほど4花弁で、花色は黄色。萼には長い毛が生える。
同属のイヌカキネガラシとは、花は似ているが、実の形や付き方が異なる。
カキネガラシの果実(長角果)は他のアブラナ科の花と異なり、茎にぴったりと張り付いている。

2016/4/16
境川の河岸に作られている花壇に生えていました。
草丈はありますが、花が小さいく、数も多くないので、あまり目立ちません。

   
2018/4/10
境川の河岸に作られている花壇で、カキネガラシが見られたので、マクロレンズで撮り直しました。
今年は成長が遅いようで、まだ、カキネガラシも30cm程の草丈しかなく、花も少ないです。
果実もまだできていませんでしたので、草姿もすっきりしています。

ミチタネツケバナ(Sisymbrium officinale)
<アブラナ目・アブラナ科・タネツケバナ属>
   
アブラナ科タネツケバナ属の越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで、全国に分布している。
草丈は20〜40cmで、花期は2月〜4月。
葉は羽状深裂し、小葉は広楕円形で、頂葉が卵形で大きい。根生葉は果時にも残る。
根生葉の小葉には柄があり、茎には葉があまり付かない。
花茎の頂部に総状花序を付け、下から順次咲き上っていく。
花は白色の4弁花で、オシベは4本が多いが、5本とか6本のものもある。
在来種のタネツケバナに似るが、下記のようないくつかの識別点がある。
・果時に根生葉があるのがミチタネツケバナで、無いのがタネツケバナ
・果実が直立するのがミチタネツケバナで、斜上するのがタネツケバナ
・小葉が広楕円形なのがミチタネツケバナで、狭楕円形がタネツケバナ

2017/3/7
境川から少し離れた畑の畔で、耕作された後にミチタネツケバナが花を付けていました。
最近は、あちらこちらで見かけるようになった本種ですが、万歳をしたような種が特徴です。

ナズナ(Capsella bursa-pastoris)
<アブラナ目・アブラナ科・ナズナ属>
     
アブラナ科ナズナ属の越年草で、在来種。
日本も含め、北半球に広く分布している。日本では、全国に分布する。
草丈は10〜50cmで、花期は3月〜6月。ただし、最近は真冬でも開花が見られることがある。
根生葉はロゼットを作り、長さ5〜10cmの倒披針形で、羽状に裂ける。早春の裂片は細い。
茎葉は互生して、長さ1〜5cmの狭披針形。無柄で、基部は茎を抱き、葉は裂けない。
花は直径4mm前後の白い4弁花で、花弁は長さ2〜4mmの倒卵形。萼片も4個ある。
オシベは6個で、メシベは1個。下部に果実ができ、先端部では次々につぼみが出来て開花する。
果実は角果で、長さは4〜10mmの倒三角形。上部が凹んで、ハート形になる。
春の七草の1つで、若苗を食用にする。かつては、冬季の貴重な野菜であったことによる。

2017/3/7
境川の側にある草原で、ナズナが大きく育ち始めていました。
まだ、果実になったものは少ないですが、これからこの何倍にも伸びるでしょう。

 
2018/3/13
昨年末、境川から少し離れた畑の畔で見かけたナズナですが、無事、冬を越したようです。
春らしい若々しい茎を立ち上げて、たくさんの花を咲かせていました。
本来は越年草ですが、2年目の春を迎えているとしたら多年草ですね。

マメグンバイナズナ(Lepidium virginicum)
<アブラナ目・アブラナ科・マメグンバイナズナ属>
 


アブラナ科マメグンバイナズナ属の2年草で、北アメリカ原産の帰化植物。
日本では明治時代に帰化が確認されており、現在では北海道から九州まで、全国で分布が確認されている。
草丈は20〜50cmで、茎が直立して、上部で多数分枝する。
葉は濃緑色で光沢があり、普通、根生葉は花期には枯れる。
茎葉は互生し、無柄で長さ2〜5cmの倒披針形で、縁には不規則で粗い鋸歯がある。両面無毛。
花期は5月〜6月で、茎頂の総状花序に多数の花を付ける。
花は直径3mm前後の緑白色で、4弁花。お椀状の萼片も4個で、背に多少の毛がある。
萼片の間からしゃもじ状の花弁が伸びるが、きちんと開いたものは少ない。
オシベは2〜4個で、軍配型の子房の上に短い柱頭がある。
果実は長さ3o前後の扁平な円形で中央に筋があり、その形状が軍配に似て、小さいのが和名の由来。
果実の縁には翼があり、左右2室に分かれる。各室に種子が1個入り、種子にも翼がある。

2018/5/21
境川の側道の脇で、塀に張り付くようにマメグンバイナズナが大きくなっていました。
上部で多数分枝するので、ナズナとはかなり異なった草姿となります。
花序の先にはたくさんの花は付いているのですが、きちんと開花しているものはありませんでした。
写真の様に、花弁は半開きの状態で、これ以上は開かないのかもしれません。


マメグンバイナズナの花

     .
2019/6/26
実家近くで見かけたマメグンバイナズナですが、花が開いていました。
マメグンバイナズナの花がきちんと開いているのを見るのは、初めてでした。


カモガヤ(Dactylis glomerata)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・カモガヤ属>
   
イネ科カモガヤ属の多年草で、ユーラシア原産の帰化植物。
日本では北海道から四国、九州に広く分布している。
海外でもアフリカ、アジア、南北アメリカ、オセアニアと広範囲に移入分布する。
日本では牧草として移入され、野生化して広がった。
草丈は大きいものでは1mを超える。根茎は短く、茎は叢生して、全体に無毛で平滑。
根生葉は、長さ50cm前後で、粉白色を帯びて柔らかく、中央脈は高く隆起する。
花期は、6月〜8月で、長さ20cm程の円錐形の花序を出す。
小穂は長さ10o程の扁平な楕円形で、毛と短い芒があり、3〜6個の小花からなる。
なお、イネ科の花粉症の中でも、カモガヤはその代表格とのこと。
スギ花粉症の方の半分は、カモガヤの花粉症になると言われており、要注意植物です。

2016/5/15
境川側の草原で、カモガヤが大量のオシベを風になびかせながら咲いていました。
花序が大きく、オシベも多いので、大量の花粉をまき散らしているようです。

コバンソウ(Briza maxima Linnaeus)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・コバンソウ属>
   
イネ科コバンソウ属の1年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。明治時代に観賞用に輸入された。
ヨーロッパから南北アメリカ、アフリカ、アジア、オセアニアの温帯に広く分布している。
日本では、本州中部以南に分布している。
草丈は30〜70pと環境によって変化が大きい。
茎は直立して叢生し、葉は狭披針形で薄くて柔らかい。
花期は5月〜7月で、花序は大きなものでは長さ10p程になり、10個ほどの小穂を付ける。
小穂は、長さ15o前後の長卵形で、その形が小判に似ていることが和名の由来。
小穂は、10〜20個の小花からなり、光沢がある黄褐色。

2016/5/7
境川近くの草原で見かけたコバンソウです。
土壌が良いのか、日当たりが良いのか、小穂が良く見かけるものより大きかったです。

ヒメコバンソウ(Briza minor)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・コバンソウ属>
   
イネ科コバンソウ属の1年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本では、本州から四国、九州、沖縄に分布し、路傍や草原などに普通に生育する。
世界的にも温帯、暖帯に広く分布している。
草丈は20〜40pで、全体に無毛で、細い茎は直立して、叢生する。
葉は線状披針形で、薄くて柔らかく、長さは15p程になる。
花期は5月〜7月で、長さ10p程の裾の広い円錐形の花序を出し、多数の小穂を付ける。
小穂は、長さ幅とも4o程のコバンソウに似た小さい三角形で、それが和名の由来。
小穂は、5個前後の小花からなり、光沢のある淡黄緑色。

2016/5/7
境川近くの草原で、コバンソウの近くで見かけました。
まだ、花序が展開し始めたばかりで、完全に展開したものは少なかったです。

 
2016/5/15                 2016/5/20
後日、同じ場所で接写したのが左側の写真です。露光がオーバー気味で白っぽくなっています。
右側の写真は、上の右端の写真の花序が展開した後の様子です。小穂が鈴生りですね。

ムギクサ(Hordeum murinum)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・コムギ連・オオムギ属>
   
イネ科オオムギ属に属する1年〜2年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本には明治初期に移入後、ほぼ全国に分布している。
海外でも、アフリカ、アジア、オセアニア、南北アメリカに移入分布している。
草丈は10〜50pほどで、全草がほぼ無毛。基部で分枝し、叢生する。
稈には、それを取り巻くはっきりした葉耳があり、葉は柔らかい。
花期は5月〜7月で、長さ10p前後の穂を出す。穂の形が大麦に似ており、それが和名の由来。
長さ50o程の芒がある両性の小穂と、その両側に雄性の小穂があり、この組み合わせで節毎に付く。
ムギクサでは、3つの小穂の大きさはほぼ同じであるが、オオムギクサでは中央の小穂は小さい。

2013/5/27
境川に向かう道路脇で、最初に見かけた時はえらく小さい麦だなと思いました。
あまりにも草丈が低いので、調べてみると本種でした。穂の形は、ほんとうに麦にそっくりです。

   
2016/5/15         2016/5/20         2016/5/25
道端で見かけたムギクサの穂の変化を追ってみました。
きれいな緑色をしていた穂も、1週間ほどで先の方から赤紫色に変わり始めます。
その後、成熟が進むと褐色みが強くなり、横に開いて上部からポロポロと小穂が落下して行きます。
麦では、小穂が勝手に落ちることはないので、本種は節から外れやすいようです。

ネズミホソムギ(Lolium × hybridum Hausskn.)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・ドクムギ属>
 
イネ科ドクムギ属の1年草または2年草で、ネズミムギとホソムギの雑種。
両種は、自然交雑もするが、人為的な交配種が本種であり、多数の品種が世界中で利用されている。
そのため、ホソネズミムギともネズミホソムギとも呼ばれている。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで広く利用され、免出したものも多い。
草丈は40〜70cm。葉の展開前には、葉が巻いていることが多い。
花期は6月〜8月で、長さ20p前後の穂状の花序で、無柄の小穂が15個前後、交互に付く。
花序軸は蛇行し、小穂は長さ15o程で、15個前後の小花からなる。護頴に芒がある。

2016/5/15
境川に向かう道路脇の草むらで、ムギクサの近くで見かけました。
すぐ側には、ネズミムギもあり、両者を比較するには良い場所でした。
ネズミムギと比較すると、小穂がスリムで、全体的に細く見えます。

ネズミムギ(Lolium multiflorum Lam.)
<イネ目・イネ科・イチゴツナギ亜科・ドクムギ属>

イネ科ドクムギ属の1年草または2年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
牧草として使われ、イタリアンライグラスの名前で利用されている。
日本では、北海道から本州、四国、九州まで、各地で野生化して広く分布している。
海外では、南北アメリカ、アフリカ、オセアニアなどの温帯から暖帯に広く帰化している。
草丈は40〜80pで、全体に無毛。茎(稈)は直立して、単生か叢生する。
葉は長さ20cm程の線形で、葉の展開前には、葉が巻いている。
花期は6月〜8月で、長さ20p前後の穂状の花序で、無柄の小穂が20個前後、交互に付く。
花序軸は蛇行し、小穂は長さ15o程で、15個前後の小花からなる。
護頴に芒があり、長さは1〜8oで、同じ小穂に長さの異なる芒が混在する。

2016/5/15
境川に向かう道路脇の草むらで、ムギクサの近くで見かけました。
すぐ側には、ネズミホソムギもあり、両者を比較するには良い場所でした。
ネズミホソムギと比較すると、小穂が幅広で、間隔も短いため、大振りに見えます。

ウラシマソウ(Arisaema urashima)
<オモダカ目・サトイモ科・サトイモ亜科・テンナンショウ属>
 
2016/4/16                 2016/4/23
サトイモ科テンナンショウ属の宿根性の多年草、日本固有種。
日本では北海道から本州、四国、九州と全国の山地の湿地に自生する。
地下に偏球形の球茎を形成し、周囲に子球を付けることが多い。
草丈は50cmほどにまでなり、葉は、普通は1枚。
球茎から立ち上がった茎葉の先に、小葉を鳥足状に付ける。
大きな株では、小葉は10枚以上になるが、小型の株では数枚程度と少なくなる。
肉穂花序は、大きな濃紫色の仏炎苞で包まれる。仏炎苞は緑がかったものまで変異がある。
仏炎苞に囲まれた花序からは、細長いひも状の付属体が伸びあがり、途中から垂れ下がる。
この付属体を浦島太郎の持つ釣り竿と釣り糸に見立てたものが、和名の由来。
肉穂花序を形成する多数の花には花弁は無く、雄花はオシベのみ、雌花はメシベのみである。
本種も同じであるが、テンナンショウ属は性転換する事が知られている。
比較的小型の個体では雄性となり、肉穂花序は雄花群を形成する。
大きくなると雌性に転換し、肉穂花序は雌花群をせいせいする。
つまり、成長と共に無性期、雄性期、雌性期と変化していく。

2016/4/16 境川への道路脇の石垣の上で、テンナンショウ属と思われる葉を見つけました。
このときは、まだ、花がなかったので、種類の特定には至りませんでした。
2016/4/23 後日、通りかかった時には花が咲いており、長い付属体から本種と分かりました。


ウラシマソウの花

     .

上の写真は、花の後姿になっていますので、横浜 三溪園で見かけた本種の写真を掲載します。
左は、仏炎苞が開く前、その先から長い付属体が伸び出している様子です。
右は、仏炎苞が開いた後で、内部から付属体が長く伸び出している様子です。


アカカタバミ(Oxalis corniculata f. rubrifolia)
<カタバミ目・カタバミ科・カタバミ属>
 
カタバミ科カタバミ属の多年草。
日本では、北は北海道から九州まで、全国に広く分布している。
日本以外でも、世界の暖温帯から熱帯に広く分布する。
草丈は10〜30cmで、茎はよく分枝して下部は地面を這い、上部は立ち上がる。
葉は3小葉からなり、赤紫色を帯びる。なお、大きさはカタバミより小さい。
葉腋から散形花序を出し、直径8o程の黄色い花を付ける。花弁の基部に赤い輪の斑紋がある。
果実は長さ20oほどの円柱形の刮ハで、熟すと裂けて種子を弾き飛ばす。
なお、赤みの薄いものをウスアカカタバミとし、カタバミとアカカタバミの雑種を考えられている。
最近は、カタバミ、アカカタバミ、ウスアカカタバミをひっくるめてカタバミとする見解もある。

2018/4/10
境川に向かう道路脇で、黄色い花を付けているアカカタバミを見かけました。
コンクリートの割れ目に根を下ろして広がっていましたが、生命力の強さを感じます。
花は、黄色い花弁の基部に、赤いリング状の斑紋が明瞭に見えています。

オッタチカタバミ(Oxalis dillenii)
<カタバミ目・カタバミ科・カタバミ属>
 
カタバミ科カタバミ属の多年草で、北米原産の帰化植物。帰化植物としては、比較的新しい。
日本では、本州から九州の温暖帯に分布している。
草丈は10〜30p程になり、茎は基部で分枝して直立し、細かい上向きの毛がある。
立ち上がった茎は、カタバミより太く、短い節間で花柄を出す。
茎葉も1ヶ所から対で出ることが多く、下部に葉が密集して付いているように見える。
花期は4月〜10月で、散形状に直径2cm程の黄色い花を数個付ける。
花柄には上向きの白い伏毛が密集し、花後、果柄は下垂して、刮ハは上向きに付く。
同じように茎が立ち上がるタチカタバミと異なり、直根がなく、根が浅く横に張るため、抜けやすい。
茎の節間が短くて葉が密集し、果柄は下垂しているのが本種である。
最も確実なのは、種子を見ることで、皺が白ければ本種、白くなければタチカタバミである。

2016/5/25
境川に向かう道路脇の草原で、黄色い花を付けているカタバミを見かけました。
茎が立ち上がっていたので、タチカタバミかオッタチカタバミだと分かりました。
花の横に付いていた果実の果柄が下に垂れ下っていたので、オッタチカタバミとしました。

オキザリス・レグネリー(Oxalis regnellii)
<カタバミ目・カタバミ科・カタバミ属>
 


カタバミ科カタバミ属の多年草で、南アメリカ原産の移入品。
なお、オキザリス・トリアングラリス(Oxalis triangularis)とも呼ばれている。
園芸品種として販売されているが、繁殖力が強く、耐寒性も強い方である。
写真の紫色の葉のものが多いが、緑色の葉のものもある。花色は同じで、淡いピンク色。
この紫の葉のものは、「紫の舞」の名で出回っているようです。

2016/9/12
境川に向かう道路脇で見かけました。
三角形の葉が特徴的なカタバミの仲間ですが、花はピンクで小振りです。

アオキ(Aucuba japonica)
<ガリア目・ガリア科・アオキ属>
 
<雄花序>
 
<雌花序>
ガリア科アオキ属の常緑低木で、日本固有種。
日本では、北海道南部から本州、四国、九州、南西諸島の森林に自生し、日陰でも良く育つ。
樹高は、2m程で、常緑で枝も青い。それが和名の由来ともなっている。
雌雄異株で、花期は3月〜5月。枝先に円形花序をだし、紫褐色の花弁は4枚。
雄花は、雌花より多く付き、4本のオシベが特徴。雌花には下部に子房があり、オシベが退化してない。
果実は楕円形で、秋頃から赤く熟し(黄色や白に熟すものもある)、翌年の5月頃まで付いている。

2016/4/2
境川に向かう道路脇で、アオキの雄花がたくさん咲いているのに気が付きました。
雌株は無いかと探した所、1株だけ(雄株は10株以上あり)見つかりました。
雌株は、相当少ないようです。そして、開花も遅いようで、開花していたのはこの花序のみでした。
雄花と雌花を比較してみてください。雄花には黄色い4個のオシベがあり、雌花にはありません。
雌花には、飛び出したメシベの花柱があり、花弁の下部には子房があります。雄花には子房はありません。

 
<雄花序>      2017/3/7      <雌花序>
花序がようやく顔を出した所でした。
雄花序と雌花序は、この時点でも成長に差があるのようす。

 
<雄花序>
 
<雌花序>
   
<雄花序>           <雌花序>            <虫こぶ>
2018/4/3
以前に撮影したアオキの花ですが、上記はマクロレンズで撮り直したものです。
上段と中段は花を拡大したもので、色形は似ていても雄花のオシベと雌花のメシベの違いが明瞭です。
また、雌花の下部には子房がありますが、雄花にはないことも明瞭です。
下段は、雄花序と雌花序の全体を見たものですが、花の付き方などに違いが見られます。
下段右は、昨年の果実ですが、歪に膨らんで虫こぶになっていました。
アオキミフクレフシと呼ばれ、中にタマバエの幼虫がいます。果実は成虫に羽化するまで付いています。

キキョウソウ(Triodanis perfoliata)
<キク目・キキョウ科・キキョウ亜科・キキョウソウ属>
   
キキョウ科キキョウソウ属の1年草で、北米原産の帰化植物である。
日本では、関東以西、四国、九州に分布する。
草丈は30〜80pで、茎にははっきりした稜があり、下向きの毛がある。
茎は基部で分枝し、真っ直ぐに立ち上がる。葉は互生し、縁に粗い鋸歯がある。
下部の葉は無くなっていることが多いが、円形で短い葉柄がある。
茎の上部の葉は、長さ15oほどの楕円形で茎を抱き、無柄。
花期は5月〜7月で、最初、閉鎖花のみ付け、その後、普通の花を付け、順次咲き上る。
花は葉腋に数個付き、紫色の花冠は直径15o強で、5深裂する。萼は3〜5裂し、先が尖る。
雄性先熟で、5個のオシベは花糸は短く、葯は線形で長さは2oほどある。
雄性期には、オシベは花柱に張り付きこん棒状で有毛。花粉が付いている。
雌性期への転換時、オシベが開いて花柱の根元が見え始める。
雌性期には、オシベは萎れ、メシベの柱頭は3裂する。

2016/5/15
境川の河岸に作られている花壇で、キキョウソウが花を付けていました。
左端の写真は、雌性期の花で、メシベの柱頭が3裂しているのが分かります。
中央の写真は、雄性期から雌性期への転換期で、オシベは萎れていますが、柱頭はこん棒状のままです。


キキョウソウの花の変化

   .
<雄性期>       <転換期>           <雌性期>

キキョウソウの花は、雄性先熟ですが、上の写真は雄性期から雌性期に変わる様子です。
最初オシベは花柱に張り付き、こん棒状で、先の方には花粉が付いています。
その後、花柱に張り付いていたオシベが離れて、転換期に入り、柱頭が開いて雌性期になります。


 
2018/5/21
キキョウソウの閉鎖花です。茎の下部に付いているのは閉鎖花のみです。
右の写真では上部に白いツボミが顔を出していますが、この辺りから普通の花に変わります。

ホタルブクロ(Campanula punctata)
<キク目・キキョウ科・キキョウ亜科・ホタルブクロ属>
 
キキョウ科ホタルブクロ属の多年草で、在来種。開けた乾燥気味の草原や道ばたなどで見られる。
日本では北海道南部から本州、四国、九州に分布し、日本以外では、朝鮮半島から中国に分布する。
草丈は40〜80cmで、茎には粗い毛が生え、直立する。
根生葉は基部が心形で長い葉柄があり、花茎が出ると花期に枯れる。
茎葉は互生し、長さ5〜8cmの三角状卵形で、先は尖る。
下部の茎葉には翼のある葉柄があるが、上部では葉柄はなく、基部は茎を抱く。
花期は5月〜7月で、花は穂状に数個、下向きに付く。
花冠は3〜6cmの釣鐘型で、先が5残裂する。花色は白に近い淡紅紫色〜赤紫色と変異がある。
なお、関東には淡色系のものが、関西には濃色系のものが多いと言われる。
花冠の内面に斑点と長毛が密生し、オシベが5個ある。
雄性先熟で、ツボミの中で花粉を出し、メシベの花柱に花粉を付けて開花する。柱頭は開花後に開く。
萼は5裂し、萼片は狭長三角形。萼片の間に反り返った付属体があり、縁に毛が多い。
山間部には、変種のヤマホタルブクロが多く、見かけが良く似ている。
区別点は下記の通りで、萼片の間の付属体の形状で識別できる。

2018/5/21
境川からの帰り道、通路脇の石垣の上でホタルブクロが花を付けていました。
自生ではないようですが、草に紛れて咲いていましたので、ほとんど野生化しているみたいでした。


ホタルブクロ(左)とヤマホタルブクロ(右)

   .

ホタルブクロとヤマホタルブクロの識別の決め手は、萼片の形です。
ホタルブクロの場合は、付属体の副萼片が反り返っています。
ヤマホタルブクロの場合は、萼片と萼片の間が盛り上がるだけです。


ノボロギク(Senecio vulgaris)
<キク目・キク科・キク亜科・サワギク連・キオン属>
   
2016/5/15            2017/3/7            2017/3/7
キク科キオン属の越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国的に分布する。
また、世界的には寒冷地から亜熱帯に広く分布する。
草丈は20〜50cmほどで、茎は紫褐色を帯び、茎や葉には白いくも毛がある。
葉は互生し、長さ2〜10pで、不規則に羽状分裂する。葉柄はない。
花期はほぼ通年で、頭花は黄色い筒状花のみからなる。
総苞は長さ6oほどで、総苞片は20個前後。小苞の先に濃紫色の点がある。

2016/5/15 境川に向かう道路脇の草原で、黄色い花を付けているのに気が付きました。
黄色といっても筒状花のみなので、あまりま立ちません。
2017/3/7 境川に向かう道路脇の草原で、綿毛が弾けたノボロギクを見かけました。
直ぐ横には、既に種子が飛び、花床だけになったものもありました。

ハルジオン(Erigeron philadelphicus)
<キク目・キク科・キク亜科・シオン連・ムカシヨモギ属>
 
キク科・ムカシヨモギ属の多年草で、北アメリカ原産の帰化植物。
日本では、大正時代に園芸種として入り、野生化して全国的に分布している。
草丈は30〜100cmで、茎は中空で長い軟毛が生えている。
根生葉は長さ30〜100oのへら形で、葉柄に翼があり、花期にも残る。茎葉は茎を半分ほど抱く。
花期は4月〜5月で、頭花は直径20〜25o。ツボミの時は花序が下に垂れる。
極細い舌状花は白〜淡紫色で、黄色い筒状化の周りにきれいに並び、100個以上ある。
舌状花、筒状花とも冠毛は3oほどあるが、外部からは見えず、2裂した花柱と筒状花の花冠のみが見える。
なお、ハルジオンは、春に咲く紫苑の意味で、同じような場所に生育するヒメジョオンと混同されやすい。
区別点は、蕾が下を向いていること、茎葉が半分茎を抱くこと、茎が中空であることで識別できる。
紛らわしい場合は、茎を折ってみれば一目瞭然で、中空であれば本種、中実であればヒメジョオンである。

2018/4/10
境川から少し離れた畑の畔で、1株だけハルジオンが花を付けていました。
ヒメジョオンが咲くには少し早いのと、ツボミが垂れているので、見分けやすいですね。
咲いている花は白いですが、ツボミは淡紫色を帯びています。黄色い筒状化は、周囲のみ開花していました。

※ ハルジオンとヒメジョオンの比較に関しては、こちらを参照ください。

ヒメジョオン(Erigeron annuus)
<キク目・キク科・キク亜科・シオン連・ムカシヨモギ属>
 


キク科ムカシヨモギ属の多年草で、北アメリカ原産の帰化植物。
明治維新の頃に渡来し、現在では日本中に広がっている。
草丈は30〜130cmで、茎は直立して分枝し、白いずいが詰まって中実。粗い毛がまばらにある。
根生葉は長い柄があり、花期には枯れてしまう。
上部の茎葉は披針形で、先が尖り、葉柄はほとんどない。
下部の茎葉は卵形で、基部が狭まって、翼のある葉柄のようになる。
縁の鋸歯は先が鋭く尖がり、基部が茎を抱くことはない。
花期は5月〜10月と長く、頭花は上部の枝先に多数ついて、直径は20o前後。
舌状花の花弁はごく細く、白色〜淡青紫色で雌性、オシベも冠毛もない。
なお、花弁が白色ではなく青紫色がかるのは、清浄な空気の中で育った時のみ。
筒状花は、黄色で両性、長さmm前後の冠毛がある。
総苞片は披針形〜線状披針形で2〜3列に並ぶ。
痩果は長さ1mmに満たない長楕円形で、その寿命は35年とされる。
そのため、多数の種子を作ることと相まって、驚異的な繁殖能力を持ち、駆除は極めて困難。

2018/5/21
境川の側道脇で、ヒメジョオンがたくさん花を付けていました。
この辺りは花が少ないのか、テントウムシやアブなどがたくさん訪花していました。

※ ハルジオンとヒメジョオンの比較に関しては、こちらを参照ください。

チチコグサ(Gnaphalium japonicum)
<キク目・キク科・キク亜科・ハハコグサ連・ハハコグサ属>
 
キク科ハハコグサ属の越年草で、日本では全国に広がっており、道端などでよく見かける。
海外では、朝鮮半島から中国に分布している。
秋に芽生えて、ロゼットで越冬し、翌春に茎を伸ばして花を付ける。
根元から匍匐茎(ほふくけい)を出して増えるので、固まりになってなえていることが多い。
草丈は5〜30pほどで、茎は細くて曲がることが多い。茎は綿毛で覆われる。
根生葉は花期でも残り、披針形で長いものは10p程になる。茎葉は線形で少ない。
葉の表面には薄く綿毛が生え、裏面には綿毛が密生して、白っぽくなる。
花期は5月〜10月で、花序の下に披針形の苞葉が放射状に付き、頭花は丸く固まって付く。
頭花の中央部に数個の両性花が付き、その周囲に多数の雌花が並ぶ。
総苞は長さ5oほどの釣鐘型。総苞片は暗紫褐色を帯び、膜質で先は鈍形。

2016/5/15
境川に向かう道路脇の草原で見かけました。
エーデルワイスに似た形質を持っているのですが、色が地味なだけに注目を浴びることはないようです。

ハハコグサ(Gnaphalium affine)
<キク目・キク科・キク亜科・ハハコグサ連・ハハコグサ属>
 
キク科ハハコグサ属の越年草で、日本では全国に広がっており、道端などでよく見かける。
海外では、中国からインドシナ、マレーシア、インドにまで分布している。
草丈は10〜30cmほどで、秋に芽生えて、ロゼットで越冬し、翌春に茎を伸ばす。
葉は互生し、細いへら型。葉と茎には白い綿毛が生える。なお、根生葉は花期には枯れる。
花期は4月〜6月で、茎先は細かく分枝し、その先に黄色い頭花を多数つける。
頭花は、両性花の周りに細い雌花があり、花柱は花冠より短い。総苞片は淡黄色。

2018/4/10
境川から少し離れた畑の畔で、ハハコグサが黄色い花を咲かせていました。
最近は、冬場でも咲いていることがありますが、やはり、春は茎葉もきれいなので、すっきり見えます。

オニタビラコ(Youngia japonica)
<キク目・キク科・タンポポ亜科・タンポポ連・オニタビラコ属>
 

 
キク科・オニタビラコ属の越年草で、日本では全国に広がっており、道端などでよく見かける。
日本をはじめ、中国からインド、ミクロネシア、オーストラリアまで広く分布する。
草丈は10〜100cmで、花茎は太く、直立して暗紫色を帯びる。
根生葉は長さ10〜20cmの倒披針形で、羽状に裂け、ロゼット状に広がる。
根生葉の葉先は尖るが、茎葉の葉先はより鋭く尖る。
花期は4月〜10月で、茎頂に複散房花序を付け、黄色い頭花を多数付ける。
花の直径は7〜8oで、20個前後の舌状花からなる。舌状花の先は5残裂する。
総苞は長さ5oほどの円筒形で、内片は1列に並び、外片は1mm以下で短い。
痩果は長さ2mmほどで、長さ3mm前後の白色の冠毛がある。

最近、オニタビラコは、アカオニタビラコとアオオニタビラコの2種があるとの説がある。
アカオニタビラコは、太い花茎が1本のみで、暗紫色を帯びるとされる。
アオオニタビラコは、花茎が多数立ち上がり、緑色で紫色を帯びることは少ないとされる。

2018/4/10
上段は、境川に向かう道路脇の植え込みで見かけたオニタビラコで、花茎は1本で、花は半開きでした。
下段は、境川から少し離れた道路脇で、石垣の隙間から立ち上がっていたオニタビラコです。
こちらは数株が寄り集まっていて、栄養状態が良くないのか花数は少なめでしたが、大きく開花していました。
どちらも茎が紫褐色を帯び、太い花茎が1本立ち上がっているだけなので、アカオニタビラコの方だと思います。

カントウタンポポ(Taraxacum platycarpum Dahlst)
<キク目・キク科・タンポポ亜科・タンポポ連・タンポポ属>
 

   
キク科タンポポ属の多年草で、在来種。
日本では関東周辺、山梨県、静岡県で見られるが、近年、その数が大きく減少している。
草丈は10〜30cmで、葉は根生して倒披針形で羽状に深裂する。夏には葉が枯れる冬緑型。
花期は4月〜5月で、根生葉の中心から花茎を伸ばし、直径4cm程の頭花を1つ付ける。
花は、多数の黄色い舌状花のみからなり、筒状花は無い。
なお、花はセイヨウタンポポより大きいが、舌状花の数は少ない。
総苞外片は総苞内片に密着し、外に向かって開出することはない。
また、外総苞片は内総苞片の半分程度の長さで、先に角状突起があるのが特徴である。
タンポポの葉は、生食用にサラダなどでも利用でき、花の天ぷらは美味とのこと。

似たものにエゾタンポポやシナノタンポポ、トウカイタンポポがあるが、下記の点で区別できる。
・カントウタンポポの総苞外片は狭卵形で幅が狭く、総苞内片の1/2〜2/3ほどで、小角突起がある。
 関東地方、山梨・静岡県に分布する。
・エゾタンポポの総苞外片は卵形で幅が広く、総苞内片の半分ほどで、小角突起はない。
 北関東以北から東北、北海道に分布する。
・シナノタンポポの総苞外片は卵形で幅が広く、総苞内片の半分より長く、小角突起はない。
 中部地方〜関東地方北部に分布する。
・トウカイタンポポの総苞外片は狭卵形で幅が狭く、総苞内片の2/3ほどで、大きな角突起がある。
 千葉県から東海地方に分布する。

2018/4/3
境川から少し離れた畑の脇で、一面を黄色く埋め尽くすタンポポの群落を見かけました。
この辺りではセイヨウタンポポが幅を利かせているので、てっきりそうだと思いました。
しかし、近づいて横倒しになった花の総苞を見たとき、在来種だと分かりました。
横倒しの花では、総苞外片の幅が広く、総苞内片と大差ない長さがあり、小角突起は見当たりません。
この特徴に合うのはシナノタンポポですが、ここは関東北部ではありませんので、分布域が合いません。
さらに近くを探してツボミを見つけました。こちらは総苞外片の幅が広いですが、角突起が見られます。
他の咲いている花の総苞片も見てみましたが、角突起が見られるもの、あいまいなものが混じっています。
この点から、カントウタンポポかトウカイタンポポに絞られます。問題は角突起の大きさです。
以前見かけたカントウタンポポより大きめですが、トウカイタンポポとして紹介されているものほどではありません。
個体差もあるので微妙ではありますが、ここはカントウタンポポとしました。
ただし、ツボミに総苞外片の反り返りが見られますので、3倍体交雑種の可能性もあります。

 
2018/4/10
境川近くの道路脇で見かけたタンポポです。総苞外片が幅広ですが、全ての総苞に小角突起が見られます。
総苞内片が倍近くの長さがあり、総苞が反り返っているものはありませんので、カントウタンポポと思われます。

   
2018/4/10
こちらは、境川沿いの通路脇で見かけたタンポポで、セイヨウタンポポだと思って撮りました。
しかし、よく見ると反り返った総苞外片に小角突起が見られます。内片の先にも小角突起があるようです。
花を拡大してみると、突き出したメシベの柱頭が真っ直ぐなものと、少し2裂して開いたものが見られます。
2裂しても、セイヨウタンポポほど巻き込んでいません、いずれの柱頭にも、花粉が付いているのが分かりました。
これらの点から、この個体はカントウタンポポとセイヨウタンポポの4倍体の交雑種ではないかと思われます。


タンポポの花の比較

   .
<カントウタンポポ>     <ニセカントウタンポポ>     <セイヨウタンポポ>

上記のカントウタンポポは涸沼で見かけたもので、カントウタンポポらしい形質をしています。
中央と右のタンポポは多摩川の河川敷で見かけたもので、総苞外片が反り返った右端はセイヨウタンポポです。
中央は、総苞外片が反り返らず角突起が見られたもので、濃色だったので「ニセカントウタンポポ」としたものです。
ただ、最近、調べ直してみるとニセカントウタンポポの総苞は、セイヨウタンポポ並みに黒緑色をしているようです。
その点では、カントウタンポポに近いのですが、総苞内片に角突起が見られないので、そのままにしています。


ブタナ(Hypochaeris radicata)
<キク目・キク科・タンポポ亜科・タンポポ連・エゾコウゾリナ属>
   
キク科エゾコウゾリナ属の多年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本では、北海道から本州の広い範囲に分布する。
海外でも、アメリカ大陸やオーストラリア、ニュージーランドなど多くの地域に帰化している。
葉はロゼット状で裏面には毛がびっしりと生えている。
その中心から30〜50cm程の花茎を出し、花茎は途中で枝分かれする。
花茎には、葉は付かないが、葉が退化した鱗片状のものは付いている。
花茎の頂部に、直径3cm程の黄色い舌状花のみからなる頭花を付ける。
ブタナの名前は、フランス語の「Salade de porc」(ブタのサラダ)に由来する。

2016/4/23
境川に向かう道路脇の草原で見かけました。
以前、この辺りでは見かけることはなかったのですが、最近はときどき見かけるようになりました。
比較的大きな黄色い花なので、遠目でも目に付きます。

   
2016/5/15
ブタナの花も咲き終わり、白い綿毛になっていました。
あまりフワッとした感じにはならないようで、歪な球形です。
種が飛んだ後も、お世辞にも綺麗とは言い難いですね。

ノゲシ(Sonchus oleraceus)
<キク目・キク科・タンポポ亜科・タンポポ連・ノゲシ属>
 
キク科ノゲシ属の越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。
日本では、全国的に道端や畑などに自生する。また、世界各地にも広く分布する。
草丈は50〜150pになり、茎は中空で、多数の稜がある。
葉は柔らかく、刺はあまり硬くない。羽状に切れ込み不規則な鋸歯がある。
上部の葉の基部は、両側が尖って角状に突き出し茎を抱く。下部の葉では付き出ないことが多い。
花期は4月〜10月で、頭花は黄色で直径2cmほどあり、多数の舌状花のみからなる(筒状花は無い)。
総苞は長さ10o強で、花柄と総苞にはしばしば腺毛があり、粘る。
花のあと総苞の下部はふくれ、痩果が熟すとそり返る。

2017/12/26
境川に向かう道路脇の草原で見かけた、ノゲシの綿毛です。
写真を見ればわかるとおり、フワッとしたきれいな綿毛で、ブタナとは大違いです。


ノゲシの花

     .
   <ノゲシ>                 <ウスジロノゲシ>

多摩川の河川敷近くで見かけたノゲシの花です。
舌状花が白黄色のものは、ウスジロノゲシと言います。










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