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さがみ湖 湖上祭花火大会



相模湖では、毎年、8月1日に「さがみ湖湖上祭花火大会」が開催されます。
昭和23年に慰霊と安全を願って始められたそうで、5,000発の花火が打ち上げられます。
今まで、何度も見に行ったのですが、ディスクトラブルで写真が消失してしまい、2回分が残っているだけです。



花火は次から次へと打ち上げられていくのですが、普通に撮ると単発で終わってしまいます。
NDフィルターを入れて、長時間露出で撮影しても、バックがかぶって白飛びするので、それほど長くはできません。
スターマインのように、短時間で複数の花火が連続して打ち上げられる場合は、この方法で十分です。
しかし、大きな花火だと間隔が長くなり、思うように写すのが難しくなります。
そこで、邪道かもしれませんが、単発で撮った写真を、後で合成してそれらしく見えるように加工しています。
また、ナイアガラのように単発でも十分なものもありますので、巣類によって撮り分けるのが良いと思っています。


インデックス


さがみ湖 湖上祭花火大会(2005/8/1)

お昼前に自宅を出て、相模湖の駐車場着きましたが、滑り込みで駐車できました。
湖岸には、協賛社や関係者などの招待席が設けられていますが、その他の場所は自由席です。
そこら中にブルーシートなどで場所取りされ、近所のおばさんたちがにぎやかにおしゃべりしています。
その隙間を見つけて、座る場所や三脚を立てられる場所を確保しました。
このときに使ったのはコンデジ(FinePix F601)でしたので、うまく撮れるか自信はありませんでした。

さて、時間が来て花火大会開始のアナウンスがあり、プログラムに沿っての打ち上げが始まりました。
打ち上げる場所は2ヶ所あり、打ち上げ用の台船が湖の対岸近くに係留されているのが見えます。
そこから打ち上げられると、打ち上げ筒の先が光り、光の尾を引きながら上がって行くのが見えます。
それを見て、カメラの向きや角度を調整して、タイミングを見計らってシャッターを押します。
ISO感度を下げ、絞りを絞って、シャッター速度をできる限り長くしましたが、それでも1秒ほどでした。
それでも、単発になってしまいましたが、うまく撮れたものがかなりありました。



撮影するタイミングがバラバラなので、写り方も様々です。
上段と下段左の2つは、大玉(尺玉)で、下段右から2つ目は8号玉、右端は超大玉(尺五寸玉)です。
上段は、外側と内側に異なる色の菊星を使った「割物・芯入り菊」だと思います。
下段左の2つは、牡丹星を使った「割物・牡丹」、下段右から2つ目は、クロセットでしょうか。
下段右端は、尺五寸玉の冠菊(かむろぎく)で、高度不足で燃え尽きないで客席に降り注いだ事があります。
頭上で大きく開いて尾を引きながら星が降ってくるのですが、燃え尽きないで着地するのを見て、
見ていた人たちが上を見ながら右往左往して大騒ぎでした。ブルーシートなどに穴が開く程度で済んだようです。

 

次々上がる尺玉の合間に、スターマインの打ち上げが行われます。
最近、時々見かける斜めに打ち上げたり、音楽に合わせて波打つものではなく、単純なスターマインです。

 

次々と打ち上げられる尺玉を撮ると、一つ一つはきれいなのですが、迫力に欠けます。
見ているときも、重なることはそうないのですが、目に焼き付いた残像と重ねているので、印象は強いです。
そこで、見ているときの印象を、複数の画像を合成することで表現してみました。
ちょっとやり過ぎの感もありますが、見ているときの印象はこんな感じではないでしょうか。



時折打ち上げられる尺五寸の迫力は、一味違います。音もそうですが、広がりも違います。
普通なら余裕で入る写角の広角でも、上記のように大きくはみ出してしまいます。
完全に写し取るには魚眼レンズ級の画角がないと無理でしょう。頭上を通り越して広がるんですから。

このときは、最後のナイアガラの滝を見ないで帰途に就きました。
終わると一斉に帰り始めて、車を出すのに時間がかかり、出した後も大渋滞になるためです。

さがみ湖 湖上祭花火大会(2010/8/1)

このときも、お昼前に自宅を出て、なんとか相模湖の駐車場に止めることができました。
ただ、前回以上に混雑していて、空き待ちになっていたので並んで待つ事になりました。
湖岸には、協賛社や関係者などの招待席が設けられているのは同じでしたが、
前回はフリーであった場所は有料席に変わり、自由に場所が取れる所は無くなっていました。
座ってみるには、有料席を購入するか、船着き場に設けられた業者の席に着くしかないようです。
後は、湖岸の通路脇など、ちょっとしたスペースを確保して、立ち見しかないようです。

という訳で、通路脇からの撮影となってしまいましたが、何とかデジ一で撮影はできました。
しかし、その後のディスクトラブルで大半の写真は消滅してしまい、残っていたのは極一部です。



尺五寸玉に尺玉の写真を合成したものです。
撮影するカメラが、コンデジからデジ一(D700+24mmF2)に変わっています。
そのため、撮影できる画角は多少広くなっていますが、それでも全ては収まり切れません。
また、解像度が良くなって、画像ににじみも少なくなっているので、星の飛行線が細く見えます。



これは尺玉の写真を合成したものですが、ちょっとやり過ぎました(元画像がないのでやり直せない…)。
なお、露出時間を5秒と長くすることができたので、星が燃え尽きる所まで撮影できるようになりました。



これは尺玉を縦位置で合成したものですが、合成数はこれくらいが妥当でしたね。
導火線が燃えながら上がり、割火薬に火が入って爆発し、星が四方八方に飛び散る様が捉えられています。

 
<2005年コンデジ>                <2010年デジ一>   .
同じ「割物・芯入り菊」の写真でも、2005年と2010年の写真では、かなり印象が異なります。
カメラやレンズの違いもありますが、最も大きいのは露出時間の差で、1秒が5秒に伸びています。
そのため、2005年の写真では放射状に広がる所までですが、その先の垂れ下がる所まで撮れています。
2005年では開いた瞬間なのに対して、2010年の写真ではスーッと伸びて余韻が感じられます。
撮り方によって、打ち上げ花火の印象がずいぶんと変わってくることを感じました。



花火大会の最後を飾るのが、このナイアガラの滝です。
火が付くと、導火線を伝って火が走って行くのですが、上記は火が終端に到達した瞬間です。
時間差があるので、最初の導火線の赤い火が、橙色から緑、そして最後は左端のように下方に花火が降り注ぎます。
全体がこの状態になると、滝の水が落ちるように花火が降り注ぎ、ナイアガラの滝のようになります。
見ている分には、その状態の方が迫力があって良いのですが、写真的には変化が乏しい光の壁になってしまいます。
それよりも、上記のように火が走って、色が変化しならが花火が降り注ぎ始める、この状態が写真的には好きです。



さがみ湖湖上祭花火大会では、2ヶ所にナイアガラの滝が仕掛けられ、同時に火が放たれます。
上段が観客席に近い側で、もう1つは対岸側に張られていて、尺五寸玉の打ち上げ台船のバックを飾ります。
上記がその対岸側のナイアガラの滝で、少し遠めになります。
真っ暗な湖上に紛れて見えなかった台船が、バックのナイアガラの滝で浮かび上がっています。


打ち上げ花火の基礎知識

打ち上げ花火には、その大きさとは別に、上空で展開した形によっても分類されます。

大きさに関しては、尺貫法に基づいて、尺玉とか尺五寸玉とか呼ばれていました。
しかし、尺貫法が使われなくなったため、現在は1寸を1号として、〜号玉と呼ばれています。
つまり、2寸玉は2号玉、尺玉は10号玉、尺5寸玉は15玉と呼ぶようになっています。
とはいえ、一般にはなじみのある尺玉とか、尺5寸玉という方が分かり易いですね。
なお、このサイズは玉の大きさではなく、打ち上げ筒の内径のことで、玉はそれより小さめです。

展開した時の形に関しては、大きく分けて以下の9種類とされています。

割物(わりもの)
球形の玉の内側にびっしりと星を並べ、中央に割火薬を収め、玉の外側を丈夫な紙で幾重にも張り固めて作るのが「割物」です。 外皮の強度と割火薬の爆発力とのバランスが大きく丸く開く花火を生み出します。
菊(きく)
菊の花びらの丸い光が、名残惜しく残るのが特徴です。
牡丹(ぼたん)
構造的には菊と変わらないが、燃焼する多数の星が光跡を残さずに丸い牡丹型の花を描きます。
冠菊(かむろぎく)
別名「しだれ柳」ともいい、菊花型にならないで肩の部分から光が丸く下に垂れる花火です。キラキラと長く光りながら枝垂れてゆく人気の花火で、割薬を弱くして、破壊力を小さくするのが特徴です。
柳(やなぎ)
柳が、空中に枝垂れ柳を描くように落ちることが由来です。色の付いたものは彩煙柳と言います。
椰子(やし)
チタン合金を使って、大きな抜き星を作り、それを八方に飛ばすと、椰子の木のように見えることが由来です。「金椰子」、「銀椰子」、高音を出して、バリバリと開く「バリ椰子」などがあります。
蜂(はち)
空に上がった多数の花火は、回転しながらブーという音をたてながらランダムに飛び回ります。
型物(かたもの)
型物は花火でなんらかの形を描き出す物で、3つの輪を交差させるアトミックサイン、土星や魚、ハート形など色々なバリエーションがあります。型物は二次元の平面なので真横から見ると、「線」にしか見えないため、花火職人は、花火玉本体に紐を結びつけ尻尾のようにしたり、矢羽を付けたりして工夫しています。
小割物(こわりもの)
八方に小さな玉を放出して多数の小花を一斉に開かせるものを小割物と呼びます。割火薬は割物より少なく、ポカ物より多いもので、千輪菊、花園、百花園とも呼びます。
ポカ物
ボール状の球体の玉皮がポカッと二つに割れて、収納された星や細工を放出するものをポカ物と呼びます。割薬も少なく、花火の拡がりも狭くなりますが、内包するものによって色々な機能の花火が工夫できます。 運動会などでドンドンと音を出すものが代表例です。

 
<割物の構造>                <小割物の構造>   .
上記は割物と小割物の内部の構造ですが、ポカ物も割火薬の量が少ない点以外小割物と似ています。
割物で芯星のない物を俗に割りっぱなしと呼び、芯を二重、三重、四重に入れたものもあります。
親星に尾を引く菊星を使ったものが「菊」で、尾を引かない牡丹星を使ったものが「牡丹」です。
なお、牡丹には芯を1つ入れるのが基本で、あえて芯入牡丹とは言わず、単に牡丹と言います。
また、菊や牡丹の芯の部分に小割玉を入れると、中心に小花が散る「小割浮模様」になります。

花火の展開した時の大きさですが、3号で60m前後、10号(尺玉)で320m前後になりますので、
打ち上げ高度は、各々、安全性も考慮して120m前後、330m前後となります。
ちなみに、30号(3尺)では展開直径550m前後になりますので、高度は600m前後は必要です。
日本一(=世界一)の花火は40号(4尺)。花火の展開直径750〜800mで、高度は800m以上必要です。










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