境川近隣の夏の野草
和名インデックス |
フヨウ(Hibiscus mutabilis)
<アオイ目・アオイ科・アオイ亜科・フヨウ連・フヨウ属> アオイ科フヨウ属の落葉低木で、在来種。原産地は、日本南西部、台湾、中国。 ただし、日本南西部に自生しているものも、史前帰化種で、中国渡来とする説もある。 樹高は1〜3mで、幹は白色を帯び、平滑で、叢生する。若枝は緑色で、星状毛と腺毛がある。 葉は互生して、長さ10〜20cmで5〜7裂し、基部は心形で裂片の先は尖る。 葉柄は長さ5〜12cmで、葉の両面、葉柄とも白い短毛と腺毛がある。 花期は7月〜10月で、枝の上部の葉腋に、直径10〜14cmで白色〜淡紅色の花を付ける。 花弁は一重咲きでは5個で、八重咲品種や、花色が変化する品種もある。 萼は5裂し、副萼は裂片が線形で10個ある。オシベは多数あり、根元が筒状に合着し、花柱を覆う。 メシベは、花柱の先が上向きに曲がり、先が5裂して毛が密生し、柱頭は平らに開く。 なお、フヨウの花は朝咲いて、夕方にはしぼむ1日花。
2012/7/22
境川へ行く途中の道路脇で、見かけたフヨウです。 写真を撮ったのが夕方でしたので、多くの花がしぼみかけていました。 数輪は、まだ、花を開いてはいましたが、メシベの柱頭は下に垂れ始めていました。 | ||||
アキノエノコログサ(Setaria faberi Herrm.)
<イネ目・イネ科・キビ亜科・キビ連・エノコログサ属> イネ科エノコログサ属の1年草で、在来種。 日本全国に分布し、朝鮮半島から中国、サハリン等に広く分布する。また、北米にも帰化している。 草丈は50〜80cmで、茎は基部で分かれて叢生し、葉は長さ30〜40pの広線形。 花期は6月〜11月と長く、穂状花序は長さ5〜20pの円柱形で、穂が細長いと垂れる。 エノコログサに最もよく似ているが、やや毛が多く、穂が垂れることなどが外見上の相違点である。 小穂を見れば、エノコログサでは第二穎が小穂の長さと同じで、小花が隠れるのに対して、 この種では第二穎が短く、小花が半分顔を出す。小穂もエノコログサ寄り穂とまわり大きい。
2013/7/20
境川へ行く途中の草原で、何種類かエノコログサ属が見られました。 その中で、アキノエノコログサは、大きめの穂状花序をだらりと垂れ下げていました。 | ||||
エノコログサ(Setaria viridis)
<イネ目・イネ科・キビ亜科・キビ連・エノコログサ属> イネ科エノコログサ属の1年草で、在来種。ネコジャラシの俗称がある。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に広く分布する。 海外でも、アジア、南アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ、アフリカと、広範囲に分布する。 草丈は30〜80cmで、茎は基部で分かれて叢生し、葉は長さ10〜20pの線形。 花期は6月〜10月で、穂状花序の長さは3〜7pの円柱形で、穂はほぼ直立する。 小穂を見れば、アキノエノコログサでは第二穎が短く、小花が顔を出すのに対して、 エノコログサでは第二穎が小穂の長さと同じで、小花が隠れる。また、小穂も一回り小さい。
2013/7/20
境川へ行く途中の草原で、何種類かエノコログサ属が見られました。 その中で、エノコログサは、少し短めの穂状花序を、多少曲がりながらも立ち上げていました。 | ||||
ムラサキエノコロ(Setaria viridis form. misera)
<イネ目・イネ科・キビ亜科・キビ連・エノコログサ属> イネ科エノコログサ属の1年草で、在来種。穂の総苞毛(芒)が紫褐色。 日本では、北海道から本州、四国、九州に分布する。 海外では、北半球のほとんどの地域に分布している。 草丈は30〜80cmで、茎は基部で分かれて叢生し、葉は長さ15〜40pの線形。 花期は6月〜9月で、穂状花序の長さは3〜6pの円柱形で、穂は直立するか、多少垂れる。 コツブキンエノコロの花序が似ることがあるが、苞頴が短く、護頴の先半分が見えることで区別可能。
2013/7/20
境川へ行く途中の草原で、何種類かエノコログサ属が見られました。 その中で、ムラサキエノコロは少し短めの穂状花序をほぼ直立させ、赤褐色の総苞毛(芒)が目立ちます。
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コンニャク(Amorphophallus konjac)
<オモダカ目・サトイモ科・サトイモ亜科・コンニャク属> サトイモ科コンニャク属の多年草で、原産地はインドまたはインドシナ半島とされている。 日本では、農作物として栽培され、その約9割が群馬県で生産されている。 扁平な円形の地下茎(コンニャクイモと呼ばれる)があり、地上には葉のみが出る。 茎のように見える葉柄を1mほど立ち上げ、先が平らに展開して、鳥足状に小葉を付ける。 花は、5〜6年で開花するが、開花する時には葉は出ない。 花茎は2mほどまで伸び、仏炎苞をラッパ状に開く。 黒紫色の肉穂花序は、円錐形で真っ直ぐに立ち上がり、独特の臭気を放つ。 なお、食用とするコンヤクイモは3年目くらいで出荷されてしまうので、通常、花は見られない。
2017/8/1
境川へ行く途中の畑で、その脇のチャノキの下から、コンニャクが葉を出していました。 植えられているようには思えませんでしたが、結構立派な葉でした。 | ||||
アメリカオニアザミ(Cirsium vulgare)
<キク目・キク科・アザミ亜科・アザミ連・アザミ属> キク科アザミ属の多年草で、名前に「アメリカ」が入っているが、ヨーロッパ原産の帰化植物。 紛らわしいので「セイヨウオニアザミ」と呼ばれることもある。 日本では、北海道から本州、四国に分布している。 海外では、アジア、アフリカ、南北アメリカ、オセアニアに移入分布している。 葉や茎、総苞片には鋭い棘があり、軍手程度では貫通する。 草丈は80〜200pと大柄で、茎は堅く、不規則に不揃いな翼が付き、刺がある。 根生葉は羽状に深裂しロゼット状になるが、花期には無くなる。 葉の表面には細かな鋭い刺があり、葉の先端には長く鋭い刺がある。 頭花は直径が4p前後になり、腹数個が上向きに付く。 総苞は球形で、刺のある総苞片で覆い尽くされている。 花後、直径が数pになる大きな綿毛(果実に付く冠毛)が風に乗って飛散する。
2012/7/22
境川に向かう途中、道路脇にアメリカオニアザミが花を咲かせていました。 花だけを見れば、他のアザミと大差ないのですが、「オニ」が付くように、その刺は強烈です。 葉と言わず、茎と言わず、全体が鋭い刺で覆われており、除去するのも大変な要注意外来生物です。 | ||||
ヒヨドリバナ(Eupatorium makinoi)
<キク目・キク科・キク亜科・ヒヨドリバナ連・ヒヨドリバナ属> キク科ヒヨドリバナ属の多年草で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国の日当たりの良い草原などに分布する。 海外では、朝鮮半島から中国にも分布する。 草丈は、2mに達するものもあり、葉は対生し、短い葉柄があり、卵状長楕円形で先がる。 花期は8月〜10月で、頭花は散房状に付き、少数の筒状花からなる。 白や淡紫色の花冠の先は浅く5裂し、花柱の先が分枝して長く伸び出す。
2013/7/20
境川に向かう途中、道路脇の草原で、ヒヨドリバナが1本だけ、茎を長く伸ばして咲いていました。 | ||||
チリアヤメ(Herbertia lahue)
<キジカクシ目・アヤメ科・アヤメ亜科・チグリディア連・ヘルベルティア属> アヤメ科ヘルベルティア属の多年草で、チリ、アルゼンチンが原産地。 日本では、園芸品種として栽培されているが、関東以西の平野部では逸脱して野生化しているところもある。 条件が良いとこぼれ種で自然に増え、芝生の中などで点々と可憐な花を咲かせていることがある。 草丈は5〜10cmで、夏の間は休眠し、秋にひだのある針状の葉を四方に数枚出す。 花期は4月〜5月中旬で、草丈の割に直径3cmほどと大きめの濃青色の花を付ける。 花は、丸みのある3個の外花被片と、小さな3個の内花被片からなり、中心部に濃淡の模様がある。 なお、花は朝に開花して、夕方にはしぼむ1日花であるが、次々と咲き続ける。 球根は小さな紡錘形で、下方に伸長肥大し、さらにけん引根に引かれて、地中深くに潜る。
2019/6/5
何の気なしに、自宅のベランダから下の覗いたとき、淡紫色の3花弁の花がたくさん見えました。 それを見たとき、以前、閉じた花しか見られなかったチリアヤメかも、と閃きました。 降りて見に行くと、やはり、チリアヤメで、かなりの数の株が花茎を伸ばしていました。 裏庭なので植栽したものではなく、誰かが自宅で楽しんだ後、こぼれ種が下に落ちて増えたと思われます。 | ||||
ナガエコミカンソウ(Phyllanthus tenellus)
<キントラノオ目・コミカンソウ科・コミカンソウ属> コミカンソウ科コミカンソウ属の一年草で、アフリカおよびインド洋のマスカレーヌ諸島が原産の帰化植物。 日本では、本州の関東以南に分布する。元々は、温室などで繁殖していたものが逸脱したと思われる。 原産地では、木本状にまで成長するようですが、本州では越冬できず、1年草になっている。 葉は、互生し、2cmほどの卵形で短い葉柄があり、全縁で両面無毛です。 葉腋に、直径が2mmにも満たない、花被片が5枚の淡緑色の小花を咲かせる。 雄花と雌花が同居するが、雌花の方が花柄は長い。 果実も直径2mmほどの扁球状で、葉の上に乗るように生る。
2017/8/22
境川に向かう途中、道路脇の草原で、ナガエコミカンソウが茎を伸ばして咲いていました。 とはいっても、淡緑色の目立たない花なので、よく見ないと咲いているかどうか分かりません。 | ||||
オオニシキソウ(Euphorbia nutans)
<キントラノオ目・トウダイグサ科・トウダイグサ亜科・トウダイグサ連・トウダイグサ属・ニシキソウ亜属>
トウダイグサ科ニシキソウ属の一年草で、南北アメリカが原産の帰化植物。 畑や道端などでよく見かける普通種。 日本では北海道から四国、九州まで全国で見られる。 世界的には、アジア全域、北米の東北部など、各地に分布する。 草丈は20〜40pほどで、茎は表側が赤みを帯びて湾曲した白毛が生え、裏側は緑色で無毛。 オオニシキソウは茎が立ち上がるのに対して、ニシキソウとコニシキソウの茎は地を這うので、区別できる。 葉は対生し、長さが30o前後の長楕円形で、縁には不揃いで浅い鋸歯がある。 葉は、左右非対称で、葉表は普通緑色一色であるが、赤紫色の斑紋が葉の中央に出ることがある。 花期は6月〜10月で、杯状花序が枝先にまばらに付く。 苞葉が変化した杯に黄緑色の4個の腺体が付き、その周囲に4個の白い付属体が花弁のように付く。 杯状花序の雄花、雌花は退化して、それぞれオシベ、メシベになっている。 雄花(オシベ)は8個前後付き、葯は黄褐色。雌花(メシベ)は1個で、花柱は3裂し、先はさらに2裂する。 雌性先熟で、受粉すると直ぐに成長を初め、白い付属体の真ん中から丸い果実が伸びたしたようになる。
2013/8/31
境川の河岸に作られた花壇の中からオオニシキソウが伸び出していたました。 中央の写真では、一部の葉の中央に赤褐色の小さな斑紋(もっと大きくなることもある)が見られます。 左端は杯状花序の写真ですが、白い付属体と、その中央から伸び出した成長中の果実が見えています。 一番上の杯状花序の中央から、淡黄緑色の髭のようなものが伸びています。 これが雌花(メシベ)で、成長中の果実の先にも残っています。 | ||||
コニシキソウ(Chamaesyce maculata)
<キントラノオ目・トウダイグサ科・トウダイグサ亜科・トウダイグサ連・トウダイグサ属・ニシキソウ亜属>
トウダイグサ科トウダイグサ属ニシキソウ亜属の一年草で、北アメリカ原産の帰化植物。 日本では、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国で見られる。 海外でも、東アジアやニュージーランドに帰化している。 草丈は2〜10cmで、地を這って広がるが、立ち上がることもある。 茎や葉など全体に白い軟毛が多く、全体が白っぽく見える。 葉は対生し、長さ6〜20oほどの楕円形で、左右非対称。 葉の中央に黒紫色の斑紋があることが多い。縁には低い鋸歯があり、葉裏には白毛が密生する。 花期は6月〜9月で、花序は単生あるいは群生し、各々の花序は杯状花序である。 苞葉が変化した杯に4個の黄褐色の腺体が付き、淡紅色の付属体4個が花弁のように付く。 退化により雄花はオシベのみに、雌花はメシベのみになっている。 雌花1個に雄花が4〜5個付き、3個の花柱の先は2裂する。 雌性先熟で、雌性期にはメシベが伸び出し、受粉結実後、果実が倒れこみ、雄性期に移行する。 雄性期に入ると、オシベを伸ばして花粉を出すすとともに、腺体が成長し表面に蜜を出す。
2017/8/22
境川の畔の通路脇で、コニシキソウが地を這うように広がって、花を付けていました。 オオニシキソウのように立ち上がらず、葉の中央の黒紫色の斑紋が明瞭です。 | ||||
タケニグサ(Macleaya cordata)
<キンポウゲ目・ケシ科・タケニグサ属> ケシ科タケニグサ属の多年草で、在来種。 日本では本州から四国、九州に分布し、日本以外では、東アジアに分布する。 荒れ地や空き地などに最初に見られるパイオニア植物の代表種で、草丈は1mを超え、中空である。 葉は互生し、長さ10〜30pで、大きな切れ込みがあり、裏面は細毛があり白っぽく見える。 花期は7月〜8月で、茎の先に円錐花序を付け、小花をたくさん付ける。 花には花弁はなく、ツボミの時に白く見えているのは、2枚の萼である。 開花と共に萼も落ち、多数の細いオシベが展開し、線形の葯も花糸も白色。 白い子房の先の花柱は短く、赤紫色の柱頭は2裂する。 果実は長さ25o前後のへら形で表面に粉を吹き、熟すに従い淡青紫色から淡赤紫色になる。
2015/7/4
境川に向かう途中、道路脇のビルに作られた花壇の隅で、タケニグサが花序を出していました。 白いオシベが綿毛のように展開して、受粉したばかりのオレンジ色の子房が背部に見えています。 | ||||
アオツヅラフジ(Cocculus orbiculatus/Cocculus trilobus)
<キンポウゲ目・ツヅラフジ科・アオツヅラフジ属> ツヅラフジ科アオツヅラフジ属のつる性落葉木本で、在来種。 日本では、北海道から九州に分布している。海外では、朝鮮半島から中国南部、フィリピンなどに分布する。 花期は7月〜9月で、雌雄異株。枝先と葉腋に小さな花序をだし、黄白色の小花を付ける。 萼片、花弁は雄花雌花ともほぼ同じで、花弁と萼片は各々6個で、萼片は花弁より大きく、花弁の先は2裂する。 雄花のオシベは6個、雌花のメシベは子房が6個の心皮に分かれ、仮オシベが6個ある。 花後、心皮が離れ、各々が1個の果実になる。 果実は直径5oほどの球形の核果で、秋に熟すと白粉を帯びた黒色になる。
2015/7/11
境川に向かう途中の道端で、木に絡み付いているアオツヅラフジを見かけました。 花を見ると雄花と思われますので、この株は雄株のようです。 2017/8/22 上記のアオツヅラフジがたくさん花を付けていたので、雌花を探しました。 しかし、全てが雄花で、雌花を付けたものは見当たりませんでした。 果実が付く季節になれば、もっと分かりやすいのですが、この後除草されてしまいました。
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コエビソウ(Justicia brandegeeana)
<シソ目・キツネノマゴ科・ハアザミ亜科・キツネノマゴ連・キツネノマゴ属>
キツネノマゴ科コエビソウ属の半常緑低木で、メキシコ原産の移入植物。 花期は日本では6月〜11月ですが、温室などで温度が確保できれば通年で開花する。 樹高は50〜100pほど。葉は対生で、長さは5〜10pほどの長卵形。 花の付く穂が苞に覆われていて、その形が小海老の尻尾に似ていることが名前の由来。 実際の花は、苞の間から出ている小さな唇型の白花で、下唇には紫色の斑紋がある。 なお、花は日持ちしませんが、苞の色は長く残るので、長く楽しめる。 苞の色は、普通は赤褐色ですが、黄色い品種もある。また、葉が斑入りの品種もある。
2013/8/10
境川近くのビルの間に、苞が黄色いコエビソウを見かけました。 たぶん、「イエロークイーン」という品種だと思われます。 | ||||
アカンサス(Acanthus mollis)
<シソ目・キツネノマゴ科・ハアザミ亜科・ハアザミ連・ハアザミ属> キツネノマゴ科ハアザミ属の常緑多年草で、地中海沿岸が原産の移入植物。 比較的耐寒性が強いので、地域によっては霜よけなしで路地植えできる。 草丈、株張りともに1.5mほどになる大型の宿根草で、根元から叢生する。 葉はアザミの葉は似て、深い切れ込みがあり、根元から叢生して、長さ1m、幅20cmにもなる。 この葉は古代ギリシア以来、建築物や内装などの装飾のモチーフとされている。 このようなことから、アカンサスはギリシアの国花とされている。 花期は6月〜8月で、花茎を真っ直ぐに立ち上げて、赤紫色の苞葉とともに花を付ける。 花弁は筒状で、花色は白や赤がある。苞葉の色にも、赤紫、緑、白があり、開花後も長く残る。
2012/7/22
境川に行く途中にある畑の隅にアカンサスが植えられており、巨大な株になっていました。 測った訳ではありませんが、最も高い花茎は2mを超えていたと思います。 | ||||
アレチハナガサ(Verbena brasiliensis)
<シソ目・クマツヅラ科・クマツヅラ連・クマツヅラ属> クマツヅラ科クマツヅラ属の多年草で、南アメリカ原産の帰化植物。 日本では、本州から四国、九州に分布しており、分布域を広げつつある。 草丈は1〜2mで、綾のある四角形の茎は直立して粗い毛がありざらつく。上部でよく分枝する。 葉は対生し、茎葉は長さ5〜10cmの広線形で、下部の茎葉は中ほどから先に鋸歯がある。 上部の茎葉は線形になって先が鋭く尖り、鋸歯もなくなる。いずれも無柄で基部は茎を抱かない。 花期は6月〜8月で、茎の上部に長さ3〜7cmび穂状花序を多数付ける。 淡青紫色の花冠は直径3o程で、5裂する。萼や苞は、共に長さ3o前後。 花は花序の基部から徐々に咲き登り、秋には細長い穂状花序になる。
2016/5/15
境川近くの草原で、アレチハナガサが花を付けていました。 草丈がありますので、周りに何もないと良く目立ちます。 この辺りでは花期が相当に長く、秋まで咲いています。 | ||||
ヤナギハナガサ(Verbena bonariensis)
<シソ目・クマツヅラ科・クマツヅラ連・クマツヅラ属> 2012/10/21 2013/7/20
クマツヅラ科クマツヅラ属の多年草で、南アメリカ原産の帰化植物。
日本では、本州から四国、九州に分布している。 草丈は1〜1.5mで、四角形の茎は直立して粗い毛があり、中空。根元から開いた株立ちになる。 葉は対生し、茎葉は長さ7〜15cmの線形で、葉幅は先までほとんど同じで、基部は茎を抱く。 葉の先端から2/3程には不揃いな鋸歯がある。なお、若葉の頃には中央部が膨れた広線形になる。 花期は6月〜8月で、茎の上部に穂状花序を出すが、長さは5〜15mmと短い。 淡紅紫色の花冠は直径は5o程。長さが10o程ある筒状の花で、花序から長く突き出る。 萼や苞は、共に長さ3o前後。花冠、萼、苞、花柄には長い白毛と短い腺毛が密生して粘る。 花が咲き進むと花序は伸長するが、アレチハナガサ程にはならない。
2012/10/21 この辺りでは花期が相当に長く、秋まで咲いています。
花が少なくなってくる秋には、花を訪れる昆虫が増え、モンシロチョウが給蜜に訪れていました。 2013/7/20 境川へ向かう途中の道路脇で、見かけました。 草丈がありますので、周りに何もないと良く目立ちます。 | ||||
フサフジウツギ(Buddleja davidii)
<シソ目・ゴマノハグサ科・フジウツギ属> ゴマノハグサ科フジウツギ属の落葉低木で、中国原産の園芸植物。 ただし、秩父の石灰岩地で野生状態で発見されたため、チチブフジウツギの別名があり、在来種とする説もある。 樹高は3mに達するものもあり、株立ちになる。日本で見られるフジウツギ属の中では、もっとも大型種。 葉は対生し、卵状楕円形で長さは10〜30p。表面は無毛であるが裏面には星状毛が密生して白い。 花期は6月〜9月で、枝先に円錐花序を出し、淡紫色(花色は変異が大きく、白花もある)の小花を多数付ける。 花が上向きに咲くので、下面の花数は少ない。花には芳香があり、蜜が多いので、訪花する蝶が多い。 果実は朔果で、多数の種子を含む。
2015/7/4
境川に行く途中にある畑の隅で、フサフジウツギが淡紅紫色の花をたくさん付けていました。 花のピークを少し過ぎているようで、ほとんど咲き終わっている花序が目立ちました。 | ||||
スペアミント(Mentha spicata)
<シソ目・シソ科・イヌハッカ亜科・ハッカ連・ハッカ属> シソ科ハッカ属の多年草で、地中海沿岸が原産地。 日本では、各地で栽培されているが、一部で野生化している。 世界的には、ヨーロッパから西アジア、中東、アメリカと広く移入分布する。 草丈30〜60cm程で、葉は対生し、槍の穂先のように尖った長楕円形です。 葉の縁には鋸歯があり、葉脈はペパーミントとほど明瞭ではない。 夏から秋にかけて茎の先端に長さ5cm程度の花穂を伸ばし、そこに白から淡紫色の花を多数つける。 不稔性であることが多く、地下茎により栄養繁殖する非常に繁殖力が強い。 スペアミントには、以下のような種類がある。
スペアミントはl-メントールを含まず、l-カルボンとリモネン(柑橘系に多い)を含むため、香りは柔らかい。 なお、スペアミントとウォーターミントの交雑種であるペパーミントとニホンハッカの主成分はl-メントールである。
2013/7/20
境川のほとりにある草むらの一角で、スペアミントが花を付けていました。 ちょっとした群落になっており、いろいろな昆虫が訪花していました。 葉や花の特徴から、ミドリハッカと呼ばれる品種のようです。 | ||||
ノウゼンカズラ(Campsis grandiflora)
<シソ目・ノウゼンカズラ科・ノウゼンカズラ属> ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属の蔓性落葉樹で、中国原産の帰化植物。 茎から付着根を出して他の物に巻き付き、樹高は5mを超えることもある。 葉は対生し、奇数羽状複葉で、2〜6対の小葉が付く。小葉は卵形で、先が尖り、粗い鋸歯がある。 花期は7月〜9月で、夏の最中、枝先に円錐花序を付け、複数の橙色の花を付ける。 花冠は直径6cm強のロート状で5深裂する。オシベは4個、メシベは1個で柱頭が2裂する。
2012/7/22
境川から少し離れた民家の庭先で、ノウゼンカズラがたくさんの花を付けていました。 写真を撮っているとセグロアシナガバチが飛んできて、花に止まりました。 蜜を求めてきた訳ではなさそうなので、単に一休みしただけかな? | ||||
トキワハゼ(Mazus pumilus)
<シソ目・ハエドクソウ科・サギゴケ亜科・サギゴケ属> ハエドクソウ科サギゴケ属の1年草で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全国の畑や道端に自生する。 海外では、朝鮮半島から中国、ロシア、台湾、東南アジア、インドに分布する。 やや乾いた所を好み、地を這うように広がっていることが多いが、走出枝は出さない。 基部に集まる葉は、長さ2〜5cmの卵形で浅い鋸歯がある。茎葉は少なく小さい。 花期は4月〜10月と長く、初春から晩秋まで咲き続け、花期の短いサギゴケとは異なる。 花は総状花序につき、長さ10mm前後の唇形花である。 上唇は紫色〜淡紫色で先が白っぽく、小さく2裂する。 下唇は白色〜淡紫色で、黄色と赤褐色の不規則な斑紋がある。 萼は先が5裂し、花柄や萼には腺毛が多く、萼片の内側や花冠にも腺毛がある。
2017/8/22
自宅近くの芝生の中に1株だけ、花を咲かせていました。 ゴルフ場などで、大きな群落になっているのを見かけますが、この辺りでは少数派です。 2022/9/8 自宅近くの芝生の中で、春から花を咲かせていたトキワハゼですが、まだ、咲き続けています。 側には似たようなウリクサも花を付けていて、最初、ウリクサにしては大きいなと思っていました。 | ||||
シマトネリコ(Fraxinus griffithii)
<シソ目・モクセイ科・オリーブ連・トネリコ属> モクセイ科トネリコ属の常緑高木または半落葉高木で、在来種。 日本では沖縄県に自生するが、関東以南では露地越冬が可能なので、街路樹などに利用される。 海外では、中国、台湾、フィリピンからインドにかけて分布している。 樹高は5〜15mで、葉は対生し、羽状複葉。小葉は4〜6対で、長さ6cmほどの長卵形で光沢がある。 花期は5月〜6月で、枝先に大きな円錐花序を出し、直径5oほどの小花を非常にたくさん付ける。 雌雄異株で、雌花の花冠は基部でわずかに合着して4裂し、オシベが2個とメシベが1個ある。 果実は翼果で、長さ2p程の扁平な倒披針形で、花同様に多数が結実する。 低温に弱いが、暑さには強く、病虫害も少ないので、利用が増えているようです。
2016/6/29
境川に向かう途中、街路樹としてシマトネリコが使われていました。 比較的大きな扁平な果実がたくさん付いている頃、目にとまるのですが、花を見たことがありません。 で、気を付けて見ていると、枝先の方にモジャモジャっとしたものが付いています。 高い所なので、直接見ることはできませんでしたが、アップで撮影して、一部で開花を確認できました。 非常に小さい花なので、詳細は分かりませんが、4枚の花弁と、左右に開いたオレンジ色の葯が確認できます。 その葯の真ん中あたりに、淡黄色のものが見えていますが、おそらくメシベと思われます。 この樹には果実が出来ていましたので、雌株(要は雌花)と思われます。 近くに雄株があるのではと思って探したのですが、このときには見つけ切れませんでした。 2016/8/23 この頃になると、果実はすっかり大きくなっていました。 多くの果実は、淡緑色でしたが、一部の果実は淡褐色に色付き始めていました。
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ニンジン(Daucus carota subsp. sativus)
<セリ目・セリ科・セリ亜科・ニンジン属> セリ科ニンジン属の越年草で、アフガニスタンが原産地。 原産地周辺で東西に分岐し、東洋系と西洋系に分かれて世界各地に伝播した。 西洋系は、オランダを通りイギリスへと西方へ伝来しながら改良が行われ、太短い。 東洋系は、中国を経て東方へと伝わり、細長いのが特徴。 日本では、東洋系が16世紀に伝来し、栽培の難しいのが難点であった。 その後、栽培の優しい西洋系が主流となっているが、和風料理には東洋系が使われる。 草丈は30〜100cmほどで、茎は直立し、上部で分枝する。茎には白い剛毛が生える。 葉は互生で、2〜3回3出複葉で、小葉は細かく裂ける。 花期は7月〜9月で、茎頂に複散形花序を出し直径3〜6mmの白色の5弁花を密生する。 なお、花の直径は、花序の外側ほど大きくなる。また、花序の基部には、糸状に細裂した苞がある。 花序は、ツボミの頃は中心向かったまるまっているが、開花する頃には水平に広がり、多数の花を咲かせる。 なお、花後、果実の成熟に伴い、中心に巻き込むようにまるまる。 これら地上部の特徴は、野生種のノラニンジン(Daucus carota)と区別がつかないが、根茎は明らかに異なる。 ノラニンジンの根茎は、色が白く、非常に硬い。なお、ニンジンのような風味はあるとのこと。
2018/6/12
境川からの帰り道、道路側の畑でニンジンが大きな花序を付け、花を咲かせていました。 なかには、花が終わり、中心に向かって丸々始めているものもありました。 |