境播州地方で見かけた春の野草(春W)
和名インデックス |
サンシュユ(Cornus officinalis Sieb. et Zucc.)
<ミズキ目・ミズキ科・サンシュユ属> 2018/3/21 2018/10/29
ミズキ科サンシュユ属の落葉小高木で、中国及び朝鮮半島が原産の帰化植物。
江戸時代に移入され、薬用植物として栽培されたが、観賞用にも利用されている。 樹高は3〜10mで、幹は灰黒褐色で薄くはがれ、はがれた所は淡褐色になる。 葉は対生し、葉身は5〜10cmの卵状楕円形で、縁は全縁。葉先が尾状に尖る。 6〜7対の側脈が、湾曲しながら主脈にほぼ平行して伸び、良く目立つ。 花期は3月〜5月で、葉の展開前に黄色い小花をたくさん付ける。 花弁は4個あるが反り返るため、オシベとメシベだけに見える。 果実は長さ12〜20mmの惰円形の核果で、秋に赤色〜紫赤色に熟す。 真っ赤に熟した実はおいしそうに見えるが、渋くて食用には向かない。 ただし、完熟すると渋みが抜けて、甘酸っぱいとの情報もある。 種を除いて乾燥させた果肉(偽果)は、「山茱萸」の名で生薬として利用される。 なお、「山茱萸」を音読みしたのがサンシュユで、訓読みだとヤマグミになる。
2018/3/21 実家にあるサンシュユの木ですが、春には黄色い花を木一杯に咲かせます。
葉が展開する前に、一斉に黄色い花を咲かせるので、木全体が黄色く見えます。 2018/10/29 そのサンシュユですが、秋には赤い果実をたくさん付けていました。 良く熟したのを味見してみようと思っていたのですが、すっかり忘れていました。 というわけで、味見は来年以降、忘れないようにしてみようと思っています。 2023/3/14 実家のサンシュユが、今年も満開になり、青空に黄色い花が映えています。 ただ、花は短枝の先の散形花序に数十個まとまって付くので、短枝のない枝には花はありません。 そのため、昨年に延びた短枝のない新枝は、右の写真のように花は付きません。 | |||||||||||||||||||||||||
センダン(Melia azedarach)
<ムクロジ目・センダン科・センダン属> センダン科センダン属の落葉高木。別名としてオウチ(楝)、アミノキなどがある。 日本では、四国、九州、沖縄に自然分布する。ただ、最近は、本州の関東以西にも自生が見られる。 海外ではアジア各地の熱帯、亜熱帯地域に分布する。 樹高は15 mほどになり、成長はかなり早い。 若い樹皮は紫褐色で、楕円形の小さな黄斑な点在する。太い幹は樹皮が縦に裂け、凹凸ができる。 葉は互生し、奇数2〜3回羽状複葉で、全体では数十p以上の大きさになる。 小葉は楕円形で、浅い鋸歯があり、薄くて柔らかい。 花期は5月〜6月で、若枝の葉腋に円錐花序を出し、直径2cm前後の淡紫色の5弁花を多数付ける。 オシベ10個は、花糸が合着して円筒状になり、その色が濃紫色なのが特徴。 果実は長さ2cm程の楕円形の核果で、晩秋に黄褐色に熟し、落葉後もしばらく残る。
2021/5/14
実家近くの川岸には、あちらこちらにセンダンがあり、それらが一斉に咲いていました。 花を愛でる木ではありませんが、赤紫色のツボミや円筒状の濃紫色のオシベの花糸が目を引きます。 花は紫を基調としたお洒落な色合いですが、秋には黄葉して別の表情を見せてくれます。 | |||||||||||||||||||||||||
ニワウルシ(Ailanthus altissima)
<ムクロジ目・ニガキ科・ニワウルシ属> ニガキ科ニワウルシ属の落葉高木で、中国北部が原産地。雌雄異株。 日本には明治初期に渡来し、野生化して街中でも見られるようになった。 和名のニワウルシは、ウルシに似ているが、かぶれることがないので庭木にもなるのが由来。 日本では、北海道、関東、中部地方、中国地方の一部に限られていたが、現在では全国に広がっている。 海外でも、アフリカ、南北アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパで定着している。 樹高は10〜25mになり、樹皮は灰白色でしわ状の皮目があり、太くなると縦に浅い割れ目が入る。 葉は互生し、長さ40〜100cmの奇数羽状複葉で、葉には特有の臭気がある。 小葉は6〜10対あり、長さ8〜10cmの長卵形〜披針形で先が細く尖り、基部に数対の鈍鋸歯がある。 また、側小葉は基部が左右不同で、2〜4mmの小柄があり、垂れ下がることが多い。 花期は6月で、長さ10〜30cmほどの円錐花序をだし、緑白色の5弁花を多数付ける。 花弁は長さ3mm前後の長楕円形で、基部には毛があり、萼片も5個ある。 雄花のオシベは10個あり、花糸の基部半分ほどには毛がある。 雌花は柱頭が5裂し、子房は心皮が5個、10個のオシベがあるが退化している。 果実は翼果で、2〜5個の分果に分かれ、しだいに赤味を帯びて褐色に熟す。 分果は長さは35〜50mmの狭長楕円形の翼状で、中央に扁平な種子がある。 シンジュサンの食樹としても知られ、養蚕目的で栽培されたことも野生化の要因となった。 アレロパシーを持ち、他の植物の成長を阻害する。
2021/5/22
実家近くの川岸を散歩中、土手で奇数羽状複葉のウルシ科の樹が、花をたくさん付けていました。 葉の感じからヤマハゼかなと思いつつ、写真を撮って後で調べてみました。 花の形状から雄花(雄株)と分かるのですが、花の形やオシベの数がハゼノキやヤマハゼと合いません。 花弁は反り返らず、平開止まりで、オシベは10個もあるのです。 ウルシ科の似たものを調べても、オシベが10個もあるものは見当たりません。 ウルシ科ではないのかと、調べる範囲を広げるとありました。ニワウルシでした。 名前にウルシと付いていますが、ウルシ科ではなくニガキ科の帰化植物でした。 2021/5/23 翌日、小葉と樹皮を撮り直したのが上記の写真です。 小葉の基部には、鈍鋸歯が1対見られ、左右不同で対称形にはなっていません。 また、樹高はせいぜい3mほどと比較的若い木なので、枝には特徴的な皮目がたくさんできています。 | |||||||||||||||||||||||||
ハナユ(Citrus hanayu)
<ムクロジ目・ミカン科・ミカン亜科・ミカン連・ミカン亜連・ミカン属> ミカン科ミカン属の常緑小高木で、柑橘類の1種。ハナユズ、一才柚子とも呼ばれる。 原産地は不明で、中国とも在来種とも言われている。 樹高は1〜3mとユズよりも樹高は低く、幹や若枝にも鋭い刺がある。 「桃栗3年柿8年、ユズの大馬鹿18年」と言われるユズよりも成長が早く、短年で結実する。 葉は互生し、葉身は長さ8〜12cmの卵状楕円形で、葉柄には翼がある。 花期は5月〜6月で、葉腋に単生するか総状花序を出し、白い5弁花を咲かせる。 花の直径は3cm前後で、名前の通り花にも芳香がある。 多数のオシベが中部まで筒状に合着し、その中心にメシベの柱頭がある。 果実は4〜7cmの扁球形で、黄色く熟し、その表面には凹凸がある。 果実には酸味があり生食には向かないが、芳香のある果皮と共に和食などに利用される。 なお、果実はユズよりも一回り小ぶりで、香りも弱い。
2021/5/15
実家の庭にあるハナユがたくさんの花を付けていました。 ミカン属の花は、どれも似通っていて、花だけで種類を見分けるのは素人では無理ですね。 もちろん、シシユズのように明らかに大きさが異なるものもありますが、大概は似たり寄ったりです。 2021/5/28 花もすっかり散ってしまい、可愛らしいハナユの果実が大きくなり始めていました。 とても小さいのですが、それでも柑橘系の果実の特徴を備えていますね。 | |||||||||||||||||||||||||
イロハモミジ(Acer palmatum)
<ムクロジ目・ムクロジ科・カエデ属> 2021/3/27 2021/3/25 2021/3/25
ムクロジ科カエデ属の落葉高木で、本州の福島県以南から四国、九州に分布する。
日本以外では、朝鮮半島から中国、台湾と東アジアに分布する。 日本では最もよく見られるカエデ属で、秋には黄褐色から紅色に紅葉する。 葉は対生し、掌状に5〜9深裂し、この裂片を「いろはにほへと……」と数えたことが和名の由来。 4〜5月頃、本年枝の先に暗赤色の花が垂れ下がってつく。雄花と両性花がある。 5個の暗紫色の萼片と、5個の黄緑色もしくは紫色を帯びる花弁を持つ。 果実は翼果で、10〜15mm程の翼があり、熟すと風で飛ばされる。
2018/3/25
実家の庭のイロハモミジですが、気が付くと冬芽がほころび、新葉と花序が伸び出していました。 紅葉もきれい(この木はあまりきれいに紅葉しませんが)ですが、新葉の頃も若々しくていいですね。 2021/3/29 新葉とともに伸び出していた花序の花ですが、開花しているのは両性花ばかりです。 雄花はないかと探したのですが、全く見つけられませんでした。 2021/4/1 新葉の展開が進み、全体が清々しい若葉色に包まれ、それに赤い花が色どりを添えています。 咲いている花は、相変わらず両性花ばかりが目に付きます。 2021/4/2 2021/4/3 ほんとうに雄花はないのかと、改めて咲いている花を調べていると、ありました。 昨日は見つからなかったのですが、雄花が両性花に混じって咲いていました。 ただ、数えるほどしかなく、全体の1%にも満たないでしょう。どうやら、雌性先熟のようですね。 翌日の4/3になると、雄花の数は少し増えて、固まって咲いている所も見つかりました。 それでも、雌花の数と比較すると少なく、全体で1〜2割といったところでしょうか。 2021/4/4 様子を見に行くと、雄花の数はかなり増えていました。探さなくても目に付きますので、半々に近いです。 一方、雌花の方は受粉して翼果の翼の部分がかなり目立ってきました。 2021/4/10 雌花はほぼ咲き終わり、咲いているのは雄花ばかりになってきました。 雌花の翼果は翼が大きくなってきました。といっても、大きさ的には熟した翼果の半分程度です。 | |||||||||||||||||||||||||
キュウリグサ(Trigonotis peduncularis)
<ムラサキ目・ムラサキ科・キュウリグサ属> ムラサキ科キュウリグサ属の越年草で、在来種。ムギ類と一緒に入ってきた史前帰化植物と考えられている。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。海外ではアジアの温帯に広く分布する。 草丈は10〜30pになり、根元の葉は卵形で長い葉柄がある。 茎葉は互生し、長楕円形で葉柄があるが、上部では無柄になる。 花期は3月〜5月で、茎先にサソリ型花序(ぐるっと巻いた花序)に、花径3o程の淡い青紫色の花を付ける。 花冠は5烈し、中心の円形の部分は黄色い。その円形の穴の奥にオシベ5個とメシベがある。 ※ 良く似たノハラムラサキとの比較に関しては、こちらを参照ください。
2021/3/20
実家近くを散歩中、草丈が数cmしかない、可愛らしいキュウリグサを見つけました。 多くが、咲き進んでサソリ型花序が伸びきっている中、しっかりと巻いていました。 2024/4/12 網引湿原の駐車場から第1獣害防止ゲートへ向かう通路脇で、キュウリグサを見かけました。 あまり数は多くなく、他の草本に混じって何本か茎を立ち上げて花を付けていました。 既にサソリ型花序は伸びきって、ほぼ咲き終わりに近い状態でした。 | |||||||||||||||||||||||||
ノハラムラサキ(Myosotis arvensis)
<ムラサキ目・ムラサキ科・ワスレナグサ属> ムラサキ科ワスレナグサ属の1年草、越年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。 日本では、1936年に千葉県で発見され、現在、本州と北海道の冷温帯、暖温帯に広がっている。 草丈は10〜50cmで、茎は直立して上部でよく分岐し、全体に白い軟毛がある。 葉は根生葉と茎葉があり、茎葉は互生し、根生葉は花期には枯れる。 葉身は長さ2〜4cmの長楕円形で、先は尖り基部はやや細くなって、全縁。 根生葉や下部の茎葉には葉柄があるが、上部の茎葉には葉柄はない。 花期は4月〜8月で、茎頂にサソリ型花序を付け、咲き進むにつれて真っすぐに伸びる。 花序に淡青色の花が互生して付き、次々と咲き進む。 花冠は直径3〜3.5oで、先が5深裂して平開し、中心の円形の部分は黄色い。 萼は5裂し、萼筒部には先の曲がった鉤状の毛が密生する。 花柄は萼よりも長くなり、花にも花序にも苞は付かない。
2021/4/6
実家近くの川沿いを散歩中、キュウリグサのような花を見つけましたが、違和感を覚えました。 違和感を持ったのは下段右側のような咲き方をしたキュウリグサは見たことがなかったからです。 写真を撮って、後で調べていて、キュウリグサではなく、ノハラムラサキと分かりました。 決め手は花後の花柄の長さで、キュウリグサより明らかに長いのです。 2023/5/11 久しぶりに実家近くを散歩したのですが、河川改修工事で法面などに生えていた野草はほぼ全滅。 津波対策などで致し方ないのでしょうが、情緒も何もなくなってしまいましたね。 対岸に渡っての帰り道、改修されて裸地になった所に、ポツリとノハラムラサキが咲いていました。 2024/3/14 綾部山梅林入口から少し上った辺りで、通路脇の所々でノハラムラサキが花を付けていました。 最初、キュウリグサではと思ったのですが、果柄が長いので本種と判断しました。 2024/4/7 実家近くの側溝脇で、淡青色の小さな花を見つけました。 花後の花序柄が長いことから、キュウリグサではなくノハラムラサキと判断しました。 上段左の写真のように、コモチマンネングサ(たぶん)の中から数本茎を立ち上げていました。 葉の形を見るとスプーン型にも見えますが、キュウリグサの葉はもっと急に細くなります。 下段は花を拡大したものですが、右の写真のように花弁が8個もある花がありました。 花弁が多い分、花は一回り大きく、このような花を見たのは初めてです。
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マメイヌツゲ(Ilex crenata cv convexa)
<モチノキ目・モチノキ科・モチノキ属> モチノキ科モチノキ属の常緑低木で、在来種。イヌツゲの変種で園芸品種。 名前に「ツゲ」が付くが、ツゲ科ではなく、モチノキ属の植物である。 樹高は0.5〜2mで、樹皮は灰黒色で、皮目がある。 葉は互生し、長さ15〜20oの楕円形で、表面に光沢があり、浅い鋸歯がある。 花期は5月〜7月で、雌雄異株。花は直径5o前後の4弁花で、花色は黄白色。萼片も4個。 雄花は散形花序に数個付き、4個のオシベと退化したメシベが1個ある。 雌花は葉腋に1個付き、4個の退化したオシベと、メシベが1個あり、子房は緑色の半球形。 果実は球形の核果で、直径は5o前後。秋に黒く熟す。
2021/5/28
実家の庭には、マメイヌツゲが庭木として大小十数株が植えられています。 それらが一斉に開花して、たくさんの花を付け、アブやミツバチ、クマバチが訪花していました。 アオスジアゲハやあまり訪花しないと言われているヒオドシチョウも訪花していました。 その花の写真を撮ろうと思ったのですが、全てが雌株で、そのため雌花の写真しかありません。 ※ イヌツゲの雄花や雌花の写真は、こちらに掲載していますので、ご参照ください。 | |||||||||||||||||||||||||
ノギラン(Metanarthecium luteoviride)
<ヤマノイモ目・キンコウカ科・ノギラン属> キンコウカ科ノギラン属の多年草で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州に分布し、海外では朝鮮半島に分布する。 草丈は15〜50cmで、地下茎は短く直立し、多くのひげ根がある。 葉は葉は根生して開出し、長さ12〜24cmの倒披針形で、全縁で両面無毛。 花期は6月〜8月で、根出葉の間から花茎を伸ばし、総状花序を付ける。 花茎には葉は付かず、花には苞があり、長さ2〜4mmの短い花柄がある。 細長い総状花序に多数の花をつけるが、黄緑色の花は上を向いて咲き、花後も落ちない。 6個の花被片は長さ6〜8mmの線状披針形で、外部中肋は緑色をして、基部は短く合生する。 オシベは6個で花被片より短く、花糸は下部が少し幅広になっていて、無毛。 子房は中位で3室あり、各室に多数の胚珠があって、柱頭は3裂する。 果実は長さ7mmほどの卵形の刮ハで、花被片より短く、花被片が包み込む。
2024/4/12
湿原に向かう遊歩道脇では、あちらこちらでノギランが初々しい根出葉を広げていました。 この時期、ショウジョウバカマも似たような葉を広げており、葉だけでは区別が難しいです。 幸い、この時期にはショウジョウバカマは花茎を出しているので、花茎の有無でだいたい分かります。 右の写真で、上辺で花茎を出しているのは、間違いなくショウジョウバカマだと分かります。 下側中央で葉だけ広げているのは、おそらく、ノギランだと思われます。 2023/5/18 網引湿原に向かう遊歩道脇では、あちらこちらでノギランが根出葉を広げていました。 葉はかなり伸びていますが、花が咲くのは1ヶ月ほど後なので、まだ、花茎も出ていない状態です。 | |||||||||||||||||||||||||
オボロヅキ(Graptopetalum paraguayense)
<ユキノシタ目・ベンケイソウ科・センペルビヴム亜科・セダム連・グラプトペタルム属> オボロヅキは、ベンケイソウ科グラプトペタルム属に属する多年草で、原産地はメキシコ。 横に這うように広がり、高さは15〜30cmほどになり、地面に接した面から発根する。 茎頂にロゼット状に葉を付け、葉は長さ5〜8cmの倒卵形で多肉質。 先が尖り、表面は白粉を吹いて灰緑色に見える。 花期は4月〜6月で、葉腋から花柄を伸ばし、集散花序に5〜10個の花を付ける。 花は白い星型の5弁花で、赤い斑点が少し入る。
2021/4/3
実家にある小さな温室には、多肉植物も数種類置いてあります。 その内の1つ、オボロヅキが花茎を伸ばして花を咲かせていました。 後にぼんやりと写っているのが葉で、どちらかというと葉の方を楽しむ草本です。 | |||||||||||||||||||||||||
タイトゴメ(Sedum japonicum subsp. oryzifolium)
<ユキノシタ目・ベンケイソウ科・センペルビヴム亜科・ セダム連・マンネングサ亜連・マンネングサ属> ベンケイソウ科マンネングサ属の常緑多年草で、在来種。 日本では、本州の関東以西から四国、九州の海岸の岩上に見られる。 草丈は4〜8cmほどで、茎は長く這ってよく分枝し、先は斜上して密に葉を付ける。 葉は互生し、長さ3〜6mmの円柱状倒卵形で、ほぼ円頭。粒状の突起はない。 花期は5月〜7月で、花は側生する高さは5〜12cmの花枝に付く。 花は直径9〜10mmほどの黄色い5弁花で、花弁は長さ4〜5mmほどの広披針形で鋭尖頭。 萼片は5個で、長さ3〜4mmの卵状長楕円形で円頭。 オシベは10個で、花弁より短く葯は黄色。メシベは5個で、斜上する。
2021/4/11
実家の近くを散歩中、道路脇できれいな緑色のマンネングサ属が群生しているのに気が付きました。 マンネングサ属には似たものが多く、いつもその特定には四苦八苦します。 ここではタイトゴメとしましたが、あまり自信はありません。 2021/5/22 1ヶ月以上経っていたので、様子を見に行くと茎頂に花芽らしきものが出来ていました。 2021/6/5 6月に入ると、ツボミも黄色味を帯びてきて、開花するものそう遠くない様子です。 2021/6/12 1週間経ったので見に行くと、開花が始まっていて、5分咲きといったところでした。
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オカタイトゴメ(Sedum japonicum subsp. oryzifolium var. pumilum)
<ユキノシタ目・ベンケイソウ科・センペルビヴム亜科・ セダム連・マンネングサ亜連・マンネングサ属> 2017/8/17 2018/5/24
ベンケイソウ科マンネングサ属の常緑多年草で、原産地不明の帰化植物。
日本では、ほぼ全国に帰化し、海岸から内陸部まで道路脇などで見られる。 草丈は4〜8cmほどで、全体的にタイトゴメより小さい。 葉は互生し、長楕円形で、長さは3mm前後。切り口は半円形。上部の葉は非常に密に付く。 花期は6月〜7月で、花は、茎頂の集散状の花序に数個を付けるか、茎上部の葉腋に付く。 花は直径8oほどの黄色い5弁花で、長さ4oほどの広披針形。 オシベは10個で、花弁より短く葯は黄色。メシベは5個で、斜上する。 萼片は5個で、先端は丸く、他のマンネングサ属と比較すると短め。
2017/8/17 近くの側溝脇で、オカタイトゴメが少しですが花を付けていました。
見かけたのは花期も過ぎた頃でしたが、日陰だからか、まだ、少し残っていたようです。 2018/5/24 同じ場所に行ってみると、株の大きさが倍以上に広がり、たくさんのツボミを付けていました。 そして、一際大きく広がった元の株があった所では、開花が始まり、三分咲きといった所でした。 2021/3/20 2021/3/22 実家近くの川沿いを散歩中、法面の下辺で赤く色付いた見慣れない草本を見つけました。 見た感じ、マンネングサ科のような気がするのですが、赤い葉の品種は知りません。 調べてみると、冬にこのような赤い色が出ることがあるようで、寒さの影響でしょうか。 その赤い色の出方は、個体差があるようで、3/22に見かけた個体は、赤というよりは茶褐色です。 なお、3/22に見かけたものは、草陰になっている所は既に伸び始めており、緑色の葉になっています。 その葉の特徴から、これらはオカタイトゴメであろうと判断しました。 2021/5/14 2021/5/22 4月に見に行ったときもあまり変化はなかったのですが、5月になってもあまり変わりません。 2021/6/5 2021/6/12 2021/6/5 2021/6/12 2021/6/5 2021/6/12 6月に入ってからツボミを付け始め、半ば頃には花数も増えてきました。 葉が赤く色付いていた成長が遅いものも、ツボミを付けるものが出始めました。 | |||||||||||||||||||||||||
コモチマンネングサ(Sedum bulbiferum)
<ユキノシタ目・ベンケイソウ科・センペルビヴム亜科・ セダム連・マンネングサ亜連・マンネングサ属> ベンケイソウ科マンネングサ属の1年草、越年草で、在来種。 日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。 草丈は6〜20cmで、茎の下部は横に這って斜上し、赤味を帯びることも多い。 葉は、下部では対生し、上部では互生する。長さ7〜20oのさじ状倒披針形で鈍頭。 基部は細まって無柄で、葉先の縁には微細な凹凸がある。葉裏には1脈がある。 花期は5月〜6月で、花は直径15mm前後の黄色花で、5個の花弁は披針形で鋭頭。 緑色の萼片は、長楕円形の鈍頭で、大きさは不揃い。オシベは10個で花弁よりやや短い。 葯は濃黄色で、縦に裂開して縮み、橙赤色になる。 結実はせず、葉腋に円形の2対の葉のある肉芽を作って増える。
2021/4/6
実家に近くの川沿いを散歩中、オカタイトゴメでマンネングサ属らしい草本を見かけました。 オカタイトゴメのような厚みのある葉ではなく、多少厚みのある長楕円形の葉です。 調べたところ、似たような葉では、ツルマンネングサやコモチマンネングサが見つかりました。 ただ、ツルマンネングサの葉は3輪生なので、互生に近いこの草本ではないようです。 残るはコモチマンネングサなのですが、葉腋に肉芽らしいものが見られません。 2021/4/10 2021/4/11 肉芽らしいものはないかと探していて、見つけたのが上記の写真です。 左の写真のものは肉芽っぽいのですが、脇芽っぽくもあります。 右の写真のものを見て、肉芽ではなく、やはり脇芽だと確信しました。 2021/4/16 ヨモギの葉に紛れて、かなり伸び出しているものがありました。 葉は互生して、茎頂以外は間隔が空いていて、茎頂ではまとまって葉が付いています。 肉芽らしいものは、やはり、見つけられませんでした。 確信は持てませんが、他に該当するものも見当たらないので、コモチマンネングサとすることにしました。 2021/5/14 1ヶ月ほど経ったので、どうなったか様子を見に行くと、枝先が分枝してツボミが付いていました。 その下部を見ると、肉芽が点々と付いています。そう、コモチマンネングサで間違いなかったのです。 2021/5/22 2021/5/23 1週間ほどして様子を見に行くと、開花が始まっていて、数輪が開花していました。 翌日、再訪すると一段と開花が進み、倍くらいの花が咲いていました。開花の進みが早いです。 | |||||||||||||||||||||||||
シンジュボシマンネングサ(Sedum bithynicum)
<ユキノシタ目・ベンケイソウ科・センペルビヴム亜科・ セダム連・マンネングサ亜連・マンネングサ属> ベンケイソウ科マンネングサ属の常緑多年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物。 草丈は5〜20cmで、葉は互生し、長さ4〜8oの円柱状の広線形で、先は鈍頭。 花期は4月〜7月で、花弁は5個で、長さ4o前後の披針形で、鋭頭。 花弁は白色だが、中央脈が赤味を帯びるものが多く、ほぼ平開する。 オシベは10個で、花弁より短く濃紫色。心皮は5個で、子房は離生する。 ウスユキマンネングサとよく似ているが、花の多くが6数性のため、花弁の数で区別できる。
2022/4/29
昨年、日蔭の方に広がっていた部分は、冬の間に枯れてしまいました。 日当たりの良い方に広がっていた所に、花芽を付けた花茎が立ち上がっていました。 2022/5/15 ツボミが膨らんでいると思っていたら、気が付くと開花していました。 まだ、開花している花数は少ないですが、メキシコマンネングサ同様に花序が傘状に広がっています。 花の大きさは、メキシコマンネングサより一回り大きいのですが、花が白いのであまり目立ちません。 2022/6/1 開花している花数は増えましたが、メキシコマンネングサのように一斉には咲かないようです。 そのため、一面が白く染まるほどにはならず、その側では下段のように無花茎が一面を覆っています。 2021/6/16 2週間ほど経って、シンジュボシマンネングサも花数は増えました。 といっても、メキシコマンネングサのように一斉に開花とはならず、この程度です。 | |||||||||||||||||||||||||
マルバマンネングサ(Sedum makinoi)
<ユキノシタ目・ベンケイソウ科・センペルビヴム亜科・ セダム連・マンネングサ亜連・マンネングサ属> ベンケイソウ科マンネングサ属の多年草で、在来種。 日本では、本州から四国、九州に分布し、海外では、朝鮮半島から中国に分布する。 草丈は15〜25cmで、茎は紅紫色を帯び、地を這って節から発根し、分枝して先は斜上する。 葉は対生し、葉身は長さ7〜10mmのさじ型で、先は鈍頭で、基部は柄状に狭まる。 花期は6月中旬〜7月で、茎頂に集散花序を付け、黄色い花をまばらに付ける。 花は5数性で、直径10〜12mmの黄色の5花弁で、平開する。 萼片は長さが不均一で、2mm前後の広線形。基部は合着して短い萼筒となる。 オシベは10個あり、花弁よりわずかに短く、裂開前の葯は橙赤色。 メシベは長さ3〜4oで、子房は長さ3o弱。基部は合着し、花柱は長さ1mm前後で細長い。
2021/4/11
実家近くを散歩中、側溝脇で見かけたマルバマンネングサです。 葉の形が厚みのある横幅のある形をしているので、マンネングサ属では比較的分かり易いです。 2022/5/8 昨年、うまく花が撮影できなかったので、実家の裏庭に小さな株を植えておきました。 それが、一夏で巨大化して、一画を覆うほどに広がり、花芽と思われるものを付けていました。 2022/6/1 3週間以上経過しましたが、まだ、開花は始まっていません。 ただ、ツボミは徐々に増えてかなりの数になっており、その形が分かるほどになってきました。 2022/6/12 やっと、マルバマンネングサの開花が始まり、ちらほらと花が見られるようになりました。 ただ、花数が少ないこともあって、あまり見栄えのする咲き方ではないです。 2021/6/14 時々、5月に様子は見ていたのですが、6月に入ってチェックしわすれていました。 思い出して見に行くと、花が咲いていたのは写真の3本だけで、後はツボミも付いていませんでした。 開花のピークは過ぎていましたが、数輪、咲き残っていましたので、それを撮影しました。 2022/6/16 かなり開花が進んで、花数が増えてきました。 ただ、花数が増えたといっても、メキシコマンネングサの比ではありません。 | |||||||||||||||||||||||||
メキシコマンネングサ(Sedum mexicanum)
<ユキノシタ目・ベンケイソウ科・センペルビヴム亜科・ セダム連・マンネングサ亜連・マンネングサ属> ベンケイソウ科マンネングサ属の多年草で、帰化種であるが原産地は不明。 メキシコ名前が付いているが、メキシコをはじめ、近隣にも自生はないとされている。 日本では、本州の関東以西から四国、九州に分布している。 草丈は10〜30cmで、茎は直立し、赤色を帯びることがある。 葉は4〜5個が輪生し、長さ8〜20mmの広線形で鋭頭。 花期は6月〜7月で、花序は傘状に広がり、1枝に7〜8個の花が付く。 花は5数性で、直径10〜12mmの黄色の5花弁。萼片は長さが不均一で、3〜5mmである。 オシベは10個で、花弁とほぼ同じ長さがあり、花糸と葯は黄色。葯は裂開すると橙色になる。
2021/6/7
実家の裏庭で鉢からこぼれて広がっていたマンネングサ属と思われる草本です。 葉の特徴からメキシコマンネングサではないかと目星は付けたのですが、この年は花が付きませんでした。 そのため、品種の確定には至らず、一旦は不明種扱いとしていました。 2022/4/29 今年はどうかと様子を見ていたのですが、4月末になって花芽を確認できました。 このツボミの付き方は、メキシコマンネングサ以外に考えられません。 年越しとなってしまいましたが、メキシコマンネングサに確定です。 2022/5/8 一部のツボミが開花を始めました。どういう訳か、咲いているのは日陰側の花序のみです。 2022/5/11 日当たりの良い方の花序も開花し始め、この周りが黄色く染まり始めました。 花序が傘状に広がって、そこに花が付くので、かなりにぎやかになります。 2022/5/15 ほぼ満開になったメキシコマンネングサで、この周辺は真黄色に染まってしまいました。 上の写真と比べると、その違いは一目瞭然でしょう。 2022/6/1 満開だったメキシコマンネングサですが、2週間ほどで咲き終わりました。 ただ、花後の果実は先が褐色になり、これはこれで綺麗ではあります。 | |||||||||||||||||||||||||
モリムラマンネングサ(Sedum japonicum Siebold ex Miq. f. morimura)
<ユキノシタ目・ベンケイソウ科・センペルビヴム亜科・ セダム連・マンネングサ亜連・マンネングサ属> ベンケイソウ科マンネングサ属の多年草で、帰化種。原産地は不明。 メノマンネングサの原産地不明の1品種とされているが、異論もある。 その場合の学名は、「Sedum uniflorum ssp. japonicum f. morimurae」が使われる。 帰化種としているが、原産地不明のため、在来種である可能性もある。 また、ヨコハママンネングサと同一種とする説もあるが、これも定かではない。 草丈は5〜10cmで、直径1mmほどの茎は地を這って広がり、先は直立する。 葉は黄緑色で光沢があり、長さ4〜8mmの半月型の断面の長楕円形で、縁に粒状突起がある。 ヨコハママンネングサは、無花茎や花茎の下部の葉は3輪生し、花茎の上部の葉は互生する。 また、無花茎の葉は密に付き、有花茎の葉はやや疎らに付く。 モリムラマンネングサは、茎葉は疎らに付き、互生、対生、3〜4輪生となる。 花期は5月〜7月で、直径5〜8mmの5花弁(4〜5数性)で平開する。 萼片は長さ2〜4mmの広線形で、オシベは10個あり、花弁より短く、葯は黄色。 メシベは長さ2〜4oで、子房の基部は合着し、花柱は長さ1mm弱で細長い。
2021/4/10
実家に近くの川沿いを散歩中、オカタイトゴメより一際小さいマンネングサ属を見つけました。 見た瞬間、なんだこの小さいのはと、思わずつぶやいたほど小さく見えました。 実際には多少小さ目程度なのですが、葉が細くて、新葉が小さいことで、小さいという印象が強いです。 大きさからコゴメマンネングサではと思ったのですが、分布域が合いません。 しかし、いろいろ調べてモリムラマンネングサも候補にはなったのですが、葉が全て互生でした。 後日、似ているもので葉が3輪生のものを確認し、ここではモリムラマンネングサとしました。 2021/4/11 自宅近くの側溝の縁で見かけたモリムラマンネングサ(ヨコハママンネングサ?)です。 この時点では、葉が密生していて3輪生かどうかは分かりませんでした。 2021/5/14 モリムラマンネングサとしたものも、1ヶ月ほど経ちましたがあまり変化は見られません。 2021/6/5 やっと、1ヶ所だけですがツボミを付け、花が開き始めました。 草丈が伸びて葉も増え、株もいく分大きくなったようです。 2021/6/12 開花が進み、直ぐ右上の方にもツボミが見られます。しかし、他は代り映えしません。 株の成長は止まったようで、全体的に黄色味がかってきました。好天続きで水不足なのかもしれません。 | |||||||||||||||||||||||||
トサミズキ(Corylopsis spicata Siebold et Zucc.)
<ユキノシタ目・マンサク科・トサミズキ属> マンサク科トサミズキ属の落葉低木で、日本固有種。 日本では、高知県の蛇紋岩地帯や石灰岩地などのやせ山に自生している。 庭木として良く使用されるので、上記以外の場所にあるものは植栽されたものである。 樹高は数mになり、幹は灰褐色で、皮目がある。 葉は互生し、葉身は左右不同の倒卵円形。葉の縁には波状の鋸歯がある。 花期は3〜4月で、葉の展開前に咲き、花序は長さ数cm、10個ほどの花が垂れ下がって付く。 花冠は黄色で、長さは1cm程になる。オシベは5個で、花弁より長く、葯は暗赤色。 メシベは2個で、花柱は花弁より長く、ツボミの時には花弁から突き出る。
2021/3/30
姫路城の周りを散歩中、通路脇で見かけた見慣れない花です。 葉の形からガマズミが浮かんだのですが、花序の形がまったく異なります。 取り合えず写真を撮って、後で調べてみるとトサミズキと分かりました。 花弁のように見えたのは萼片で、花弁などは既に落ちて、2裂した花柱が突き出ていたのです。 写真をよく見ていると、下段左のように枯れたオシベや花弁が残ったものもありました。 2023/3/11 市ノ池公園に行った際に見かけたトサミズキです。 姫路城の近くで見かけたときは、花が終わってしまっていましたが、今回はちょうど満開でした。 | |||||||||||||||||||||||||
イワヤツデ(Mukdenia rossii/Aceriphyllum rossii)
<ユキノシタ目・ユキノシタ科・ムクデニア属> ユキノシタ科・ムクデニア属の多年草で、朝鮮半島から中国東北部が原産地。 別名のタンチョウソウの由来は諸説あり、ツボミの先が淡紅色を帯びることによるとか、 白い花に赤い葯、これをタンチョウヅルの頭、花茎を首、葉を翼に見立てたとする説などがある。 原産地では、低山から山地にある川岸の岩上や川沿いの岩壁など、湿った岩場に自生する。 草丈は20〜50cmで、横に這った太い根茎があり、春に根茎から葉と花茎を出す。 葉は、円心形で、掌状に5〜9深裂し、長さ20〜30cmの葉柄がある。 葉表は緑色で、葉裏は淡緑色。葉裏には葉脈が浮き出て、目立つ。 花期は3月〜4月で、葉の展開前に花茎を立ち上げ、葉の展開と開花はほぼ同時期になる。 開花する頃には花茎の長さは30cmほどになり、茎頂の集散花序に多数の小花を付ける。 最初、花序は外側に巻いているが、真っ直ぐに伸びて横に広がる。 花は直径5o前後で、花は上向きに咲き、花粉が赤く見える。 花弁、萼片とも白く、各々5〜6個あり、萼片の長さが花弁の倍くらいの長さがある。 果実は刮ハで、熟すと下部が裂け、種子が散布される。 落葉性で、秋の終わり頃に地上部は枯れて無くなり、休眠する。
2021/3/21
実家近くを散歩中、空き地の片隅に咲いている白い花が目にとまりました。 草姿や花の感じから、ユキノシタの仲間であろうと思いましたが、名前は分かりません。 おそらく、以前、ここに住んでいた方が植えたものが、生き延びてきたのでしょう。 調べてみると、イワヤツデという葉がかなり大きくなる種類のようです。 ただ、花が咲く今の時期は、葉が無いか、あっても出たばかりで小さい葉のみでした。 | |||||||||||||||||||||||||
サルトリイバラ(Smilax china)
<ユリ目・サルトリイバラ科・シオデ属> サルトリイバラ科シオデ属のつる性落葉半低木で、在来種。 日本では北海道から沖縄まで全国に分布し、海外では朝鮮半島から中国に分布する。 山野や丘陵の林縁などで、日当たりが良く、水はけのよい所を好む。 茎は地を這うように伸び、長さは1〜3.5mほどになる。緑色で硬く、鈎状の刺が散生する。 葉は互生し、長さ3〜12cmの円形から広楕円形で、基部は円形で、先が少し尖る。 葉の縁は全縁で硬く、表面に光沢がある。3〜5本の葉脈があり、その表面は凹む。 葉柄には托葉が変化した長い巻ひげが1対あり、これを他の物に巻き付けて伸びる。 花期は4月〜5月で、葉腋から散形花序を出して、多数の淡黄緑色の花を付ける。雌雄異株。 花被片は6個で、長さ4mm前後の長楕円形で、先が反り返る。 雄花のオシベは6個、雌花には柱頭が3本あり、子房は3室ある。 なお、雄花のメシベと、雌花の仮オシベは、共に退化してほとんどない。 果実は液果で、直径7〜9mmの球形。10月〜11月に赤く熟す。
2024/3/16
上段は、第3湿原の外れで見かけたサルトリイバラの果実で、ほとんどの果実は干からびていました。 中には、果皮が破けて中の黒い種子が見えているものもありました。 下段は第2湿原の入口近くで見かけたもので、まだ、果皮が真っ赤で瑞々しさが残っているものもあります。 2024/4/12 <雌花> 2024/4/12 <雌花序> 2024/4/12 <雄花> 2024/4/14 <雄花序> 2024/4/14 <雄花> 2024/4/14 <雄花序> 網引湿原の駐車場からの通路脇や湿原の遊歩道脇で見られたサルトリイバラの花です。 特にきれいとかではないのですが、以前から見てみたいと思っていた花です。 雄株の葉や花序、花被片の色に赤味が濃いものと赤味のほとんどないものが見られました。 | |||||||||||||||||||||||||
アルストロメリア(Alstroemeria sp.)
<ユリ目・アルストロメリア科・アルストロメリア属> アルストロメリア科アルストロメリア属に属する多年草で、原産地は南米(アルゼンチン、チリ)。 従来ユリ科に分類されていたが遺伝子分析により、アルストロメリア(ユリズイセン)科に分離された。 アストロメリアは、アストロメリア属の観賞用栽培種の総称で、世界で広く栽培されている。 日本へは、1926年(大正15年)に渡来し、1970年代に入ってから知られるようになった。 1980年代に入ってからオランダとイギリスで育種が進み、多くの品種が登場している。 草丈は30〜90cmで、矮性化された鉢物用から、切花用の高性のものまである。 直径5mm前後の白く太い塊根があり、横に広がって多数の茎を出すが、分枝はしない。 なお、稔性の茎は背が高くなるが、不稔の茎は短く、葉が多い。 葉は互生し、長さ7〜11cmの長楕円形で、縁は全縁で並行脈である。 なお、しばしば葉柄が捻じれ、葉の表裏が反転することがある。 花期は5月〜7月で、花序は頂生して散形花序に多数の花が付く。 花は広漏斗形で、内花被片と外花被片が各々3個あり、外花被片は、内花被片よりも幅が広い。 上側の2個の内花被片には褐色の班があり、下側の内花被片にもあるが、上のものよりやや淡い。 オシベは6個あって花被の基部付き、下向きで不等長。メシベの柱頭は糸状に3裂する。 オシベとメシベの花柱は、花被片とほぼ同長であるが、若干前に飛び出す。 子房下位で、刮ハは長さ1〜1.5cmの楕円体、6本の稜がある。 アストロメリア・アウレア系統(Alstroemeria aurea)は、花被片に黄色が入り、ハイブリッドも多い。 ピンク系の園芸品種が逸出して、よく雑草化している。 ブラジル原産のユリズイセン(Alstroemeria pulchella)は、花被片の幅が狭くて赤く、あまり開かない。 なお、アストロメリア・アウレア系統もユリズイセンと呼ばれていることがある。
2023/5/20,6/1
実家の片隅で、特に手入れはしていないのですが、毎年、花を咲かせていました。 時々、他の場所でも見かけるので気にはなっていたのですが、調べていませんでした。 移入された栽培種らしかったので、その点から調べるとアルストロメリアと分かりました。 ただ、アストロメリア・アウレア系統とユリズイセン(アルストロメリア・プルケラ)系統があり、 花の咲き方が異なるようなのですが、花の形から見るとアストロメリア・アウレア系統のようです。 ピンク系のハイブリッド園芸品種がよく野生化しているそうなので、繁殖力は強そうです。 実家で見られるのは上段の2品種ですが、やはりピンク系が強いようで、赤い方が追いやられています。 2段目は、オシベとメシベの様子ですが、左側には先が3裂したメシベと、オシベの花糸が見えています。 最初は左のような葯が付いている雄性期ですが、この段階ではメシベは成長途中で見えていません。 なお、最初はオシベも6個の内3個の葯が開いて花粉を出します。その後、残りの3個も開きます。 その後、葯が役目を終えて落ちると成長したメシベの先が3裂した雌性期になるようです。 下2段は、花が開いていく様子ですが、最初は上側の外花被片が反り上がっていきます。 その後、側萼片が開き、続いて内花被片が開いていきます。 そして、突き出してきたオシベの内、3個が上に反るようにして葯を開いていきます。 | |||||||||||||||||||||||||
ショウジョウバカマ(Heloniopsis orientalis)
<ユリ目・シュロソウ科(メランチウム科)・ショウジョウバカマ属> シュロソウ科(メランチウム科)ショウジョウバカマ属の多年草で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州に分布し、海外では、朝鮮半島に自生する。 高度適応性が高く、低地から高山帯まで広範囲に分布する。 草丈は10〜30cmで、葉はロゼット状になり、長さ5〜20cmのへら型で全縁。 花期は3月〜4月で、花茎を立ち上げ、茎頂に総状に多数の花を付ける。 花色は、淡紅色〜紫色と変異が多く、稀に白色のものもある。 花被片は長さ15mmほどの倒披針形で6個ある。オシベも6個あり、葯は紫色。 花後も、花被片は黄緑色になって残る。 なお、葉の先端が地面につくと発根して新苗を作る不定芽でも増える。
2023/5/4
網引第1湿原を後にして、奥池の畔を歩いていると、花後のショウジョウバカマが見られました。 ショウジョウバカマは、花後も花被片は黄緑色になって残るので、形状的にはあまり変わりません。 ※ ショウジョウバカマの花に関しては、下記とこちらに掲載していますので参照ください。 2023/5/18 奥池の畔を歩いていると、妙な花のようなものが目に留まりました。 よく見ると、それはショウジョウバカマの果実が弾けて、種子を散布した後でした(下端)。 直ぐ近くには、果実が口を開け、中の種子が見えているものが見られました。 2024/4/12 2024/4/12 2024/4/12 2024/4/14 昨年見損ねたショウジョウバカマですが、今年は同じ場所でバッチリ見られました。 開花後の経過時間による違いかもしれませんが、花色に違いが見られます。 なお、ここのショウジョウバカマは根生葉が少なく、一見、花茎のみが伸びているように見えます。 以前見たショウジョウバカマとは、見た目がかなり異なっています。 生育環境の違いによるものかもしれませんが、まだ、これから伸び出してくるのでしょうか。 ※ 上段左の写真で、中央下に見えているのは、おそらく、花茎が見えないのでノギランだと思います。 | |||||||||||||||||||||||||
シライトソウ(Chionographis japonica)
<ユリ目・シュロソウ科(メランチウム科)・シライトソウ属> シュロソウ科(メランチウム科)シライトソウ属の多年草で、在来種。 和名のシライト(白糸)は、糸屑を束ねたような花の姿に由来する。 日本では、本州の秋田県以西から四国、九州に分布し、海外では朝鮮半島に分布する。 草丈は8〜70cmで、根茎は極短く、葉はロゼット状に混生する。 葉身は長さ3〜15cmの長楕円形〜倒卵状長円形で、先は鈍頭である。 基部は葉柄となり、長さは1〜8cm。なお、葉柄が不明瞭なこともある。 葉縁は細かく波打ち、深緑色の草質で、両面無毛。主な側脈はしばしば下面に隆起する。 花期は5月〜6月で、高さ8〜70cmの茎を立ち上げる。 茎葉は長さ0.5〜8cmの披針形で、穂状花序の下に密集して付く事もある。 穂状花序の長さは2〜22cmで、多数の花が密に付き、花茎が白っぽくなる。 花は下から順に咲き登り、両性花と雄花ある。 花被片は6個あり、長さは不同長。上側の3〜4個が白いへら状線形で長さ7〜15mm。 下側の花被片は、長さは1〜2mmと極短いか、無い場合もある。 オシベは6個で、長さ1〜3mmで花糸は平たい。葯は2室で、帯白色。 メシベは子房上位で、花柱は3個、少し反り返り、内面に柱頭がある。 花弁が花茎に対して水平に近い角度で多数付き、白い丸ブラシのように見える。
2023/5/4
昨夏、シライトソウが花を付けていた場所で、初々しい若葉から花茎が立ち上がり始めていました。 私の記憶に間違いがなければ、この場所ではシライトソウが見られたので、その若葉と思われます。 2023/5/18 2週間前は花茎を伸ばし始めたばかりだったシライトソウが、林内で咲いていました。 よく見ると林の奥の方にはかなりの数のシライトソウが白い花序を伸ばし始めていました。 昨年見たシライトソウは十分に花序が伸びた状態でしたが、今は伸び始めなのでより白く見えます。 | |||||||||||||||||||||||||
コオニユリ(Lilium leichtlinii)
<ユリ目・ユリ科・ユリ属> 2021/5/31 2021/5/28
ユリ科ユリ属の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、ロシアに分布する。 現在、市販されている「ゆり根」は、このコオニユリの栽培品種「白銀」がほとんどとのこと。 草丈は100〜150cmで、茎は直立する。茎には若い時には綿毛があるが、後に無くなる。 葉は互生し、長さ8〜15cmの狭披針形で、先は尖り、葉柄はない。 花期は7月〜9月で、茎の上部に数個〜10個ほどの花を下向きに付ける。 花の直径は10cmくらいまでで、花被片は6個。橙色の地に黒紫色の濃斑が多数ある。 花被片は大きく反り返り、長いオシベ6個とメシベ1個が突き出す。葯は黒紫色で大きい。 刮ハは、長さ3〜4cm程の円柱状で、6稜があり、熟すと3裂する。 良く似た花には、オニユリとクルマユリがあり、植物体の形状はオニユリとそっくりである。 ただ、大きな違いがあり、オニユリには暗紫色のムカゴがあるが、コオニユリにはない。 逆にオニユリは種子を作らないが、コオニユリは上記の通り種子を付ける。 そのため、コオニユリは実生から開花までに6〜8年を要し、オニユリは3年ほどで開花する。 クルマユリは花こそ似ているが、その葉が輪生しているので、植物体の見た目は大きく異なる。
2021/5/28,31
実家の庭に、正月に食べきれずに残ったゆり根の球根を植えておきました。 4月の中旬に見たときには何もなかったので、腐ってしまったかなと思っていました。 それが、5/28にふと見ると、高さ50cm程の茎を立ち上げていました。 5/31に近寄ってみると、茎先にはツボミが数個付いていて、開花が楽しみになってきました。 2021/6/17 7:50 以前、ゆり根はオニユリかヤマユリと聞いたことがあり、ムカゴがないのでヤマユリと思っていました。 ところが、数日前、ツボミがオレンジ色を帯びているのに気が付き、ヤマユリではないと分かりました。 雨続きで、なかなか写真を撮る機会がなかったのですが、この日、雨が止んだので撮影しました。 花を見てコオニユリと分かり、調べ直したところ、ゆり根は北海道産のコオニユリが主な品種と分かりました。 おそらく、この花も栽培品種の「白銀」の可能性が高いと思われます。自生種よりも花が大きい気がします。 2021/6/17 7:50 2021/6/17 9:52 早朝に撮影したのですが、光線の加減で撮り直すことにしました。 その時に気づいたのですが、花の形が変わってしまっていました。 早朝に見たときには、花弁を大きく開いて、ずいぶん大きな花だと感じていました。 それが、2時間ほど経過して、花弁が大きく後に反り返り、コンパクトになっていたのです。 どうやら、早朝に開花して平開状態だった花が、その後、よく見る反り返った形になったようです。 運よく、あまり見ることのない平開状態の花(直径が倍程度ある)を、知らずに撮っていたようです。 よく見ると、最初の時は葯は半開きで花粉は出ていなかったのが、2時間後には花粉が大量に出ています。 | |||||||||||||||||||||||||
スカシユリ(Lilium maculatum Thunb.)
<ユリ目・ユリ科・ユリ属> ユリ科ユリ属の多年草で、日本固有種。 海岸の砂礫地や崖などに生え、太平洋岸と日本海岸に隔絶分布している。 中部地方以北の太平洋岸に分布する個体群は、イワトユリと呼ばれることもある。 この個体群から分化した変種が、山地生のミヤマスカシユリである。 北陸地方以北の日本海岸に分布する個体群は、イワユリと呼ばれることがある。 この個体群から分化した変種が、山地生のヤマスカシユリである。 地下に卵形で肉質、白色の鱗茎を持ち、茎は直立して稜角がある。 草丈は20〜60cmで、茎の下部には乳頭状突起があり、若い茎には白い綿毛が見られる。 葉は互生し、長さ4〜10cmの披針形で、全縁。葉柄はなく、葉の表面には光沢がある。 花期は6月〜8月で、茎頂に総状花序を付け、1〜数個の花を上向きに咲かせる。 花は直径10cm前後、長さ7〜10cmの杯状。花弁は橙赤色で、内面に赤褐色の斑点がある。 花被片内側の中央脈に沿って密に毛があり、花被片の間には隙間があり、これ和名の由来。 オシベはメシベより短く、花粉は赤褐色である。果実は長さ4〜5cmの倒卵状楕円形の刮ハ。 スカシユリは、古くより栽培、育種の対象となり、交配の母種として使われることが多い。
2021/5/22
実家近くの川沿いを散歩中、踏切近くの草むらで背の低いユリを見かけました。 葉がぎっしりと詰まって付き、その頂部にずんぐりとしたツボミが2個付いています。 その草姿から、おそらくスカシユリの園芸品種ではないかと思われました。 残念ながら、後日、見に行くと根こそぎ掘り取られてしまっていました。 あの状態で移植しても、おそらく、まともに開花はしないのではないかと思います。 花を見ていないのでスカシユリかどうかは確認は取れませんでしたが、このままにしておきます。 | |||||||||||||||||||||||||
カワラマツバ(Galium verum L. subsp. asiaticum)
<リンドウ目・アカネ科・アカネ亜科・ヤエムグラ属> アカネ科ヤエムグラ属の多年草で、在来種。キバナカワラマツバの白花品種とされる。 日本では、北海道から本州、四国、九州と南西諸島以外に分布している。 海外では、朝鮮半島から中国、ロシアに分布している。 草丈は30〜80cmで、茎はやや硬く、直立して毛が生え、断面は丸い。 葉は長さ2〜3cmの線形で、先を短い刺になり、基部に葉柄はない。 葉は厚くて光沢があり、葉裏には柔らかい毛が生え、葉の縁はやや裏側に反り返る。 なお、葉は2個の対生する葉と、葉と同形の托葉が付き、8〜10個が輪生する。 花期は7月〜8月で、茎先や葉腋から花枝を伸ばし、円錐状の集散花序を付ける。 花冠は直径2mm前後の白色で、4裂して基部から平開し、筒部はない。 オシベは4個で、花柱は2裂する。花冠の下部に半球を2個付けたような子房がある。 果実は2個の分果からなり、各分果に1個の種子は入っている。種子は直径1mm前後で無毛。 キバナカワラマツバを花色や子房が有毛か無毛かで下記のように分類している。
2021/4/19
実家の川沿いを散歩中、土手の際でカワラマツバらしい草本を見つけました。 といっても、花は咲いていないのでその種類までは分かりません。咲くのを待つことにしました。 2021/5/11 実家近くの農道を歩いていた時、農道脇で花枝を伸ばしているカワラマツバの仲間を見かけました。 花序も付いていますが、花は咲いていませんので、その種類まではまだ分かりません。 2021/5/15 川沿いで見かけたカワラマツバらしい草本は、花が咲いているのではと見に行ってみました。 残念ながら、まだ、ツボミは硬く、開花はまだ先のようで、農道脇のものより成長が遅いようです。 2021/5/22 実家近くの川沿いを散歩中、どんな様子かと覗いてみると、開花が始まっていました。 咲いているのはちらほらと数えられるほどですが、白い花でしたので、カワラマツバと判明しました。 もちろん、花の下部にある子房が、無毛であることも確認しました。 2021/5/23 翌日、念のために農道沿いで見かけたカワラマツバの確認に行ってきました。 こちらも、白花で子房は無毛でしたので、カワラマツバで間違いはないようです。 川沿いのカワラマツバと比較して、こちらの方は5分咲きほどと、かなり咲き進んでいました。 2023/5/18 加古川の法面でナヨクサフジの写真を撮ろうと降りた時、ガードレールに沿って点々と生えていました。 かなりツボミも膨らんでいるので間もなく開花すると思われますが、まだ、花は見られません。 ツボミの色などから、白色で子房が無毛のカワラマツバと思われますが、確認が必要です。 2023/5/26 1週間ほど経ったので、様子を見に行ってみました。 先週と打って変わって、かなり咲き進んでいる株も見られました。 花冠の色は、やはり白色でしたので、カワラマツバで間違いはなさそうです。 カワラマツバの花冠は4裂するのが普通なのですが、下段のように5裂したものがちらほら。 この株だけではなく、他の株でも見られましたので、ここではそう珍しくなさそうです。 | |||||||||||||||||||||||||
ヤエムグラ(Galium spurium var. echinospermon)
<リンドウ目・アカネ科・アカネ亜科・ヤエムグラ属> アカネ科ヤエムグラ属の1年草〜越年草で、日本では、全国的に分布している。 海外では、東アジア、ヨーロッパ、アフリカにも分布し、史前帰化植物とされる。 草丈は30〜50cmであるが、茎は4稜形で横に這って広がり、長さは1m以上になる。 葉は長さ5〜40mmの狭倒披針形で、6〜8個が輪生し、上部では5個程度と少なくなる。 輪生する葉は1対だけが葉で、他は托葉が変形したものである。 葉の先端は鋭く尖って針状になり、先端はやや下向きに曲がる。 葉表には外向きにカールした毛があり、葉裏の縁や葉脈上には内向きにカールした毛がある。 なお、冬季の葉は、幅広で、光を効率よく受けられるようになっている。 花期は4月〜6月で、葉腋や茎先に集散花序を付け、数個の小花が咲く。 花冠は黄緑色〜白色で4裂し、直径1〜1.5mmほどしかない。オシベは4個ある。 花冠の下部に2個の球がくっついたような子房があり、表面に鉤状の刺毛が付いている。 痩果は2分果で、熟すと褐色になって取れやすくなり、鍵状の刺毛でくっつく。
2021/4/6
実家の川沿いを散歩中、土手の際でヤエムグラが花を付けているのに気が付きました。 といっても、直径1mm強で淡黄緑色の花なので、注意していないと気が付かないかも。 2021/4/6 2021/4/19 さて、4月の初め頃に咲いていた花ですが、4月も半ばを過ぎると果実になっていました。 果実は、鉤状の刺毛が付いた球状のものが2個連結しています。 | |||||||||||||||||||||||||
ツルニチニチソウ(Vinca major)
<リンドウ目・キョウチクトウ科・インドジャボク亜科・ツルニチニチソウ属> キョウチクトウ科ツルニチニチソウ属の常緑蔓性植物で多年草。南ヨーロッパ原産の帰化植物。 日本では、耐寒性が若干弱いので、北海道南部から九州まで、植栽は可能。 日本には観賞用に移入されたが野生化し、繁殖力が非常に強いため、各地で見られるようになった。 海外でも、北アメリカ、南アメリカ、オーストラリアに帰化している。 茎は最初直立して出るが、次第に横に這い、節から発根して大きく広がる。 葉は対生し、長さ5〜8pほどの狭卵形で、表面には光沢がある。 花期は3月〜7月であるが、他の季節でも散発的に見られる。 花は、青紫色(白色もある)で5裂して平開し、直径は40mmほどになる。基部は筒状になり、長さは15oほど。 オシベは5個で、筒部の中間に付き、内曲してして、葯は黄色い。花筒内面や葯には白毛がある。 ニチニチソウ科の植物であり、アルカロイドを含む有毒植物だが、毒性はそれほど強くはない。 とはいっても、有毒植物なので、取り扱いには注意を要する。
2021/4/6
実家近くの川沿いを散歩中、空き地の草むらに咲いているツルニチニチソウが目にとまりました。 よく見ると、花数は多くないのですが、辺り一面にツルを伸ばして広がっていました。 ツルニチニチソウの切れ端が、草むらに紛れ込み、時間をかけて広がったのでしょう。 繁殖力が非常に強いので、庭に植えるときには注意が必要です。 気が付いたら増えすぎて、抜いても抜いても減らず、手に負えなくなることがあるからです。 | |||||||||||||||||||||||||
ウラジロ(Gleichenia japonica)
<ウラジロ目・ウラジロ科・ウラジロ属> ウラジロ科ウラジロ属のシダ植物で、在来種。 日本では、本州中部以南から四国、九州、南西諸島に広く分布する。 海外では、台湾、中国からインドなど、アジアの熱帯域にまで広く分布する。 根茎は匍匐して横に這い、直径3mm前後と太くて長く、よく這い回る。 本土では低山の林内に生え、日当たりの良い疎林では大群落を作ることがある。 よく繁茂した場所では、互いに寄りかかって絡み合い、高さ2mを越える純群落になる。 葉柄は長さ30〜100cm、緑色で平滑。葉柄の先に1対の羽片からなる葉を付ける。 羽片は長さ60〜90cm、幅18〜28cmで、二回羽状複葉に切れ込む。 小羽片は長さ11〜16cm、幅1.2〜2.4cmで、 片側に25〜35個つき、 深裂する。 裂片は長さ7〜12mm、幅2〜3mmの線形で、基部は幅広く小軸に付き、葉質は薄いが硬い。 葉表はつやがあって、裏面は粉を吹いて白っぽく、ウラジロ(裏白)の和名の由来である。 この羽片の間に休止芽があり、翌春には休止芽が伸びて、葉柄の先に新たな1対の葉が出る。 このように年々、葉の段が1つずつ積み上がっていくが、本土では多くて3段(2m)程度で終わる。 しかし、湿潤な沖縄や熱帯などでは、さらに伸びて、熱帯では10mを越すこともある。 なお、羽片の長さも、本土では長くても1mほどであるが、沖縄では1対で3mを越える。 胞子嚢群は縁と中肋の間に付き、胞子嚢は3〜4個で、包膜は無い。
2023/5/4
網引湿原の周りでは、今年もウラジロが休止芽を伸ばし始めていました。 右は第3湿原の遊歩道脇にあったウラジロの大きな群落で、新葉はかなり伸びていました。 ※ もう少し新葉が展開した様子は、こちらを参照ください。 2024/3/16 網引第3湿原の近くで見かけたウラジロの休止芽で、ゼンマイのように丸く巻いていました。 なお、右の写真のように、休止芽が少し伸び出しているものも見られました。 2024/4/12 前回の撮影から1ヶ月弱経過していますが、休止芽がずいぶん伸びていました。 5月には、最初の写真のように左右にV字型に伸び出すでしょう。 | |||||||||||||||||||||||||
ノキシノブ(Lepisorus thunbergianus)
<ウラボシ目・ウラボシ科・アヤメシダ亜科・ノキシノブ属> ウラボシ科ノキシノブ属のシダの一種で、在来種。 日本では北海道最南部から本州、四国、九州に分布している。 海外では、朝鮮半島から中国、台湾、インド、フィリピンなどに分布する。 茎は短くて横に這い、多数の細かい根を出して樹皮などに着生する。 茎の表面には一面に鱗片があり、葉は茎から出て、長さ5〜15p程の披針形の単葉。 先端は細くなって尖り、基部は徐々に細くなって、短い葉柄がある。 葉は少し肉厚で、黄緑色。乾燥すると葉は左右から裏に巻き込み、丸まる。 胞子嚢は円形のソーラスとなって、葉先側1/2の葉裏の主脈両側に1列になって並ぶ。
2018/5/24
近くの側溝の内壁に、へばり付くようにノキシノブが付いていました。 内壁は湿潤で、苔が生えているので、ノキシノブも着生できたのでしょう。 2021/3/30 姫路城の周りを散策中、巨木にびっしりとノキシノブが付いているのを見かけました。 このような木は、神社の境内や公園などでも見かけます。 日のあたらない北側で、降った雨が幹伝いに流れてくるような所に、しっかり付いています。 | |||||||||||||||||||||||||
ベニシダ(Dryopteris erythrosora)
<ウラボシ目・オシダ科・オシダ属> オシダ科オシダ属の常緑性シダ植物で、在来種。 日本では、本州から四国、九州に分布し、海外では、朝鮮半島から中国に分布する。 草丈は50〜120cmで、根茎は短く匍匐し、斜上して群生する。 葉は長さ40〜60cmの2回羽状複葉。葉柄は長さ20〜30cmあり、茶褐色の鱗片がやや密に付く。 葉身は少しつやのある緑色であるが、若葉では紅色を帯びることが多く、それが和名の由来でもある。 羽片は長さ15〜20cmで、15〜20対付き、披針形で先が尾状に伸びる。 最下羽片はやや下向きに付き、下側第1小羽片は無柄で小さく、残裂する。 胞子嚢群は、小羽片の辺縁と中肋の中間かやや中肋寄りに付き、包膜は紅紫色を帯びる。
2024/4/12
網引湿原の第1獣害防止ゲートを入って直ぐの林内で見かけたベニシダです。 新葉を伸ばし始めていて、茎などが赤味を帯びています。また、小羽片の苞膜が紅色です。 | |||||||||||||||||||||||||
ミドリシダ(Dryopteris erythrosora f.viridisora)
<ウラボシ目・オシダ科・オシダ属> オシダ科オシダ属の常緑性シダ植物で、在来種。 ベニシダの包膜が白色の品種である。別名はミドリベニシダ。 日本では、本州から四国、九州に分布する。 草丈は50〜120cmで、根茎は短く匍匐し、斜上して群生する。 葉身はやや光沢のある緑色、洋紙質。葉柄や中軸の鱗片は茶褐色〜黒褐色で全縁。 中軸や羽軸に袋状の鱗片が多い。小羽片は浅裂〜鋸歯縁である。
2024/4/12
網引湿原の第1獣害防止ゲートを入って直ぐの林内で、ベニシダの近くで見かけました。 見た目はベニシダと大差ないのですが、新葉の色が黄緑色でまったく異なります。 | |||||||||||||||||||||||||
シシガシラ(Blechnum niponicum)
<ウラボシ目・シシガシラ科・ヒリュウシダ属> シシガシラ科ヒリュウシダ属の常緑シダ植物で、日本固有種。木陰のやや湿った斜面に生える。 日本では、北海道から本州、四国、九州、屋久島と広範囲に分布するが、琉球列島には分布しない。 太い根茎があり、多くの葉を密集して付ける。茎は極短く立ち上がり、茎には多数の葉を密生する。 葉の大部分は栄養葉で、ロゼット状に広がる。少数の胞子葉は斜上するか立ち上がる。 茎には鱗片を密生し、葉の基部にも少し鱗片が付く。葉軸の上面に溝がある。 栄養葉は、1回羽状複葉で40cm程の長楕円形で、羽片は濃緑色で艶はなく、少し厚みがある。 個々の羽片は線形で先は丸みを帯び、軸から直角に出て葉先の方に少し曲がる。 胞子葉は斜上するか立ち上がり、全体の形状は羽片がまばらな点を除き、栄養葉と同じである。 なお、羽片の表は褐色で、緑色にはならない。 胞子葉の羽片は両縁が裏側に巻き、胞子嚢群を包み込む。
2023/5/4
網引湿原の第1獣害防止ゲートの先にある林の中で、シシガシラが新葉を展開していました。 若草色の初々しい新葉が展開する中央から、胞子葉も伸び出しています。 栄養葉とは異なり、胞子葉は下部には羽片がないので、ゼンマイのような見た目です。 2023/5/4 2週間前には、くるくる巻いてゼンマイのような形でしたが、すっかり展開していました。 ただ、胞子葉としては未熟で、初々しさが残っています。 栄養葉もすっかり展開が終わり、葉の色も若干色が濃くなっているようです。 | |||||||||||||||||||||||||
ワラビ(Pteridium aquilinum)
<シダ目・コバノイシカグマ科・ワラビ属> コバノイシカグマ科ワラビ属の夏緑性シダ植物で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州と広く分布している。 草丈は50〜100cmと大きくなり、地下茎を横に這わせて繁殖する。 春に地下茎から新芽を出し、冬には枯れる。葉は3回羽状複葉で、小葉には艶がなく、全体に黄緑色。 小葉はやや硬く、ソーラスは葉縁に沿って並び、縁はわずかに内に巻く。 酸性土壌を好み、日当たりのよい草原や谷地などに群生していることが多い。 春、葉の開いていない若芽を採取し食用とするが、有毒のためあく抜きなど無毒化が必要。 また、根茎から取れる澱粉は、「ワラビ粉」として利用される。
2024/4/14
網引第2湿原を出て直ぐの通路脇で、ワラビが伸び出しているのに気が付きました。 食べるには、少々伸び過ぎていると思われるサイズですね。 | |||||||||||||||||||||||||
ゼンマイ(Osmunda japonica)
<シダ目・ゼンマイ科・ゼンマイ属・ゼンマイ亜属> 2024/4/12 2024/4/14
ゼンマイ科ゼンマイ属の夏緑性多年生シダ植物で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布し、渓流や水路の脇などによく生える。 海外では、樺太、朝鮮半島から中国、ヒマラヤまで分布する。 草丈は1mほどになり、葉は2回羽状複葉。小葉は披針形で先が丸い。 新芽は渦巻き状で、表面を綿毛に覆われているが、成長すると毛はなくなる。 春に栄養葉と共に胞子葉を出す。栄養葉は1つの株から数枚の大きな葉を出す。 胞子葉は、独立してまっすぐに立ち上がり、棒状の小葉が並ぶ。胞子葉は短期間で消滅する。
2024/4/12,14
網引第1湿原に入って直ぐの通路脇で、ゼンマイが5本、新芽を伸ばしていました。 5本ある内の3本は伸び過ぎで、1本は微妙、最も小さいのは食べごろかと思います。 あっ、この辺りは天然記念物指定範囲内なので、もちろん採取は厳禁です。 下段は、翌々日の様子ですが、数日でここまで成長するのですね。 | |||||||||||||||||||||||||
イヌドクサ(Equisetum ramosissimum)
<トクサ目・トクサ科・トクサ属> トクサ科トクサ属の多年生シダ植物で、在来種。 日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、ロシア、南アジア、ヨーロッパ、アフリカに分布する。 草丈は数10cmで、長くなると倒れ込んで長さ30〜100cmになる。 地下茎は黒く、長く地中を横走し、先端部で分枝して多数の地上茎を立ち上げる。 地上茎は明緑色で、直径は3〜5mmあり、8〜24の縦溝がある。 地上茎は時に数本の側枝を不規則に出し、茎の下部の節から輪生する枝を出す。 地上茎は中空の硬い草質で、葉鞘は長さ9〜15mmの緑色である。 歯片は長さ2〜5mmの狭披針形で、宿存性。基部は緑色で、先端寄りは褐色である。 4月〜7月に、茎先に長さ1〜2cmの胞子嚢穂(ほうしのうすい)を単生する。 柄はなく先端は鈍頭〜微突起状で、始めは緑褐色であるが、成熟すると淡褐色〜黄色となる。
2023/5/26
加古川の法面でマツヨイグサの写真を撮るために行った時、法面で見かけたイヌドクサです。 見かけた時、トクサだろうと思って写真を撮りました。 しかし、後で調べていて分布域が異なることに気が付き、調べ直してイヌドクサと分かりました。 トクサはもっと太く、それに対して細くて役に立たないということで、イヌが付いているそうです。 たしかに、直径は数mmと細くて、長いものは右の写真のように倒れてしまっています。 茎頂に胞子嚢穂を付けたものがちらほらありましたが、未熟なのか開いたものはありませんでした。 | |||||||||||||||||||||||||
スギナ[ツクシ](Equisetum arvense)
<トクサ目・トクサ科・トクサ属> トクサ科トクサ属の夏緑性の多年草で、北半球に広く分布しており、日本でも全国に分布している。 浅い地下に地下茎を伸ばしてよく繁茂するため、取り除くのが非常に困難な雑草である。 春に、ツクシ(胞子茎)をだし、胞子を放出する。 ツクシは、草丈10〜15cmで、淡褐色の中空の茎に「袴」と呼ばれる褐色の輪状の葉が数段着く。 ツクシが出た後、栄養茎であるスギナが出てくる。 ツクシとは全く外観が異なり、草丈は10〜40cm程度で、鮮やかな緑色で光合成を行う。 主軸の節毎に関節のある緑色の棒状の葉を輪生させる。 上の節ほどその葉が短いのが、全体を見るとスギの樹形に似て見えるのが、和名の由来。 ツクシの穂を放置すると、緑色を帯びた粉がたくさん出て来るが、これが胞子である。
2021/3/23
実家近くの農道を散歩中、側溝脇にツクシがたくさん出ていました。 気が付かないうちに、ツクシが出る季節になっていたんですね。 子供の頃、たくさんのツクシを取ってきて袴を丁寧に取り、佃煮にして食べていましたね。 | |||||||||||||||||||||||||
コスギゴケ(Pogonatum inflexum)
<スギゴケ目・スギゴケ科・ニワスギゴケ属> スギゴケ科ニワスギゴケ属のコケで、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、ロシアに分布する。 やや乾燥してそこそこの日当たりがある場所を好み、森林の中には少ない。 茎は長さ2〜3cmで分枝せず、下の方に仮根を多数付ける。 葉は長さ4〜6mmの線状披針形で、やや青白色を帯びている。 基部の鞘部は卵形で、先は鋭頭、葉の縁に小歯がある。 なお、乾燥すると葉は強く巻縮する。 秋から冬にかけ、雌株からは長さ1〜3cmの柄を持った胞子体が形成される。
2024/3/16
上段は網引第2湿原の入口近くで、下段は網引第1湿原の外の通路脇で見かけたものです。 どちらもコスギゴケとしましたが、色味がかなり異なりますので、別種かもしれません。 正確な同定には、もっと専門的な確認が必要だと思いますが、手を出せていません。 | |||||||||||||||||||||||||
ハイゴケ(Hypnum plumaeforme Wilson)
<ハイゴケ目・ハイゴケ科・ハイゴケ属> ハイゴケ科ハイゴケ属のコケで、茎は地面を這うように横に生育しする。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、ロシア、ネパール、ベトナム、フィリピンに分布する。 茎は長さ10cm程に伸び、ほぼ扁平に、規則的に羽状に枝を伸ばす。 枝は長さ15o程で、水平からやや斜上する。乾燥すると枝が少し反り返り、葉は丸く縮む。 茎葉は長さ2〜3oの広卵形で、葉先は細く尖り、基部はやや心形で翼状になる。 葉の背側は丸くまるまり、上部は鎌形に曲がる。乾燥すると強く曲がる。 色は黄緑色で、乾燥すると褐色に近くなる。しかし、季節や生育環境によっても変化する。 長い年月育ったハイゴケは、裏が褐色化して、表土や岩から簡単にはがれ、厚みが10cmになることもある。
2024/3/16
網引第1湿原手前の林内で見かけたハイゴケです。 少し乾燥気味のようで、葉が丸まって縮んでいます。 | |||||||||||||||||||||||||
ハナビラニカワタケ(Tremella foliacea)
<シロキクラゲ目・シロキクラゲ科・シロキクラゲ属> シロキクラゲ科シロキクラゲ属のキノコで、夏から秋にかけて発生する。 世界的に広く分布する普通のキノコで、キノコ全体がゼラチン質でブヨブヨと柔らかい。 形は不定形で直径3〜20cmほどになり、不規則に波打つ薄膜状の子実体は、両面に胞子を形成し、表面は平滑。 フリルの付いた花弁に似て、淡褐色〜赤褐色の塊になるので色の悪い花のように見える。 木と接触する基部は、複数の薄膜が癒着した状態で、上部よりも硬さがあり、色も濃い。 子実体は、ゼラチン質であるが、乾燥すると縮んで硬くなり、色も濃くるが、水気を帯びると再び元に戻る。 このキノコは、カシやヤナギなどの広葉樹や針葉樹の枝や枯枝に活着し、樹皮を破って花びら状に成長する。 ハナビラニカワタケは生食はできないが、コリコリとした食感のキノコなので、さっと茹でて食べるのが良い。
2022/5/1
実家の庭の柿の木で、枝の切り口にハナビラニカワタケが出ていました。 以前、ナツミカンの木を切ったときも、切り株にたくさん出ていたのを思い出しました。 茹でると食べられるようなのですが、まだ、食べたことはありません。 上の方なので比較的きれいではあるのですが、今回はどうしようかな〜〜 |