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キイロスズメの成長記録
2023/6/28 〜 2023/8/1



実家の畑に、昨年同様にツクネイモ(ナガイモの仲間)を植え付けました。
その蔓が、6月に入ってから伸び始めたのですが、その葉にキイロスズメが産卵していました。
キイロスズメの成虫は見たことがないので、一部を飼育箱に移して成長の様子を記録しようと思い立ちました。
同一個体ばかりではありませんが、卵から孵化して、サナギから羽化するまでの約1ヶ月の記録です。

キイロスズメ(Theretra nessus)
<チョウ目・Glossata亜目・Heteroneura下目・二門類・カイコガ上科・
スズメガ科・ホウジャク亜科・コスズメ属>

スズメガ科コスズメ属に分類される蛾で、在来種。
日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布する。
海外では、朝鮮半島南部〜中国南部、台湾、東南アジア、オーストラリアに分布している。
出現時期は5月〜10月で、開張は80〜130mmになる。
胸部背面や腹部背面中央は褐色味を帯びた緑色である。
頭部から胸部の翅付け根上部に沿って灰白色の縦条があり、腹部側面は黄褐色である。
前翅は緑褐色で、全縁内側に沿って濃色部があり、付け根近くは緑褐色である。
中央付近に全縁と並行した2条の暗褐色の縞模様が見られる。後翼は黒褐色である。
幼虫は緑色型と褐色型があり、前方に大きめの白紋とその後ろに小さな白紋がある。
腹部に並ぶ気門は、暗褐色の点の周りを細長い白色部が囲み、眼のように見える。
なお、1齢幼虫では、尾角が体長の半分近くと異常に長いが、成長するにつれて短くなる。
食草はヤマノイモ科のヤマノイモ、ツクネイモ、ナガイモ、オニドコロなどである。


2023/6/28                2023/7/9
実家の畑に植えたツクネイモが伸び出してきて、葉が展開してきました。
その写真を撮っていて、葉に黄緑色の奇麗な卵が付いているのに気が付きました。
調べてみると、ヤマノイモ科の葉を食草とするのはダイミョウセセリとのこと。
卵の大きさを測っていなかったので、後日、抜け殻の大きさを測ってみました(右側)。
スケールの1目盛りは1mmなので、直径は約1.7mmだと分かりました。


2023/7/1
6/30に様子を見ると、卵が黄色くなっていました。
孵化も近そうだと思い、翌日、その写真を撮ろうと思ったとき、卵が見当たりません。
あれっと思って葉裏を見ると、尾角がやたらと長いイモムシが付いていました。
ダイミョウセセリではなかったようで、調べ直すとキイロスズメと分かりました。
腹部端にある黒く長い角(尾角)が、体長に比べてかなり長いのが特徴です。
この写真の1齢幼虫は、体長が8mm、尾角が4mm強と体長の半分以上の長さです。


2023/7/2
翌日、様子を見行くと昨日の場所には見当たりませんでした。
周りを調べていて、他にも卵がいくつか付いているのを見つけました。
色は黒色に近いものや暗褐色のまだら模様で、まだら模様の方は抜け殻のようです。
黒色の方は、孵化できずに死んだものかもしれません。


2023/7/3
この日は天気が良かったこともあって、何匹かの幼虫を見つけることができました。
左の個体は、尾角は4mmほどでしたが、体長は16mm強と最初に見たときの倍くらいです。
右の個体は、尾角はほぼ同じですが、孵化後の日数差でしょうか、体長は12mmほどです。


2023/7/3
そんな中で、1匹だけ尾角がかなり短い個体を見つけました。
あれっと思ってよく見ると、尾角が途中で180°折れ曲がっていることが分かりました。
おそらく、孵化に失敗して、尾角が曲がったままになったようです。次の脱皮で治るのでしょうか。
※ 後日、尾角が途中から無い個体を見つけました。おそらく、脱皮後のこの個体と思われます。


2023/7/3
卵の抜け殻近くを移動中のものがいたので、大きさ比較のために撮ったのが左の写真で、
大きさの違う2匹が並んでいたので、それも大きさ比較のために撮ったのが右の写真です。
この大きい方の個体ですが、尾角の長さも1.5倍ほどあり、色が暗褐色ではなく褐色です。

 
2023/7/4
昨日見た大きな個体が気になって、様子を見に行きました。
すると、昨日は1匹だった大きな個体と同じものが増えて、小さいものは2匹だけでした。
どうやら、大きな個体は2齢幼虫だったようで、体長は20mm、尾角は5mmありました。


2023/7/5
7/3に卵の写真を撮ろうと持ち帰った葉に、1齢幼虫が2匹付いているのに気が付きました。
そのまま、容器に入れて観察することにしたのですが、7/4から動かなくなりました。
翌朝、様子を見ると大きくなっていて、2齢幼虫に脱皮したようです。
葉に脱皮殻が付いていないか確認したのですが、見当たりませんでした。
そこで、下に落ちていた糞などを白紙の上に取り出し、拡大鏡で確認しました。
その時に見つけたのが頭部の脱皮殻と、腹部の脱皮殻と思われる上記の写真です。
頭部の脱皮殻は2個あるはずなのですが、1個しか見当たりませんでした。
左は頭部の表側から撮った脱皮殻、右は腹部と思われる脱皮殻と裏側から撮った頭部です。
※ 左の写真に写っている黒いものは、以前入れていたものの残骸のようです。


<2齢幼虫の脱皮殻>    2023/7/7    <1齢幼虫の脱皮殻>
昨日の夕方から、飼育箱の2匹はピタリと止まったまま動かなくなっていました。
ひょっとしてと思っていると、翌朝、やはり脱皮して3齢幼虫になっていました。
食草にと取ってきた葉に付いていた1齢幼虫も脱皮していて、一斉に脱皮したようです。
上記左の写真が2齢幼虫の脱皮殻で、頭部は2個あったのですが、尾角は1個だけでした。
上記右の写真は1齢幼虫の脱皮殻で、頭部と尾角が落ちていました。
1齢幼虫の脱皮殻は、2齢幼虫より一羽割小さく、尾角の脱皮殻も弱々しいですね。


2023/7/7
脱皮して間がない3齢幼虫ですが、2齢幼虫までは見られなかった腹部前方の白紋が現れました。
写真を撮ろうとして、葉を落としてしまったので、2匹の幼虫が動き出してしまいました。
葉の縁に行ったところを撮ったのが右の写真で、眼のような白紋が良く分かると思います。
体長を測ると胸部の辺りが伸縮するので22〜25mm、尾角は9mm前後でした。



2023/7/7
それではと畑の方を見に行くと、さらに大きくなっていて体長35mm、尾角10mmでした。
白紋はもちろんですが、腹部にある斜めの斑紋も薄っすらですが確認できました。
その内の1匹が、葉裏で腹端側の腹脚2つで身体を支えて、宙吊り状態になっていました。
この体制になると翌日には脱皮しているので、明日が楽しみではあります。
ただ、明日の天気は、今晩から大雨予想そうなので、見に行けるかどうかが心配です。
そうそう、以前尾角が折れ曲がった個体を紹介しましたが、尾角が半分以下の個体を見つけました。
おそらく、折れ曲がっていた尾角が、その部分で切れてしまったのだと思われます。
なお、この畑で見かけた幼虫は全て緑色をしていたので、褐色型はいないようです。


2023/7/8
畑に葉を取りに行ったとき、幼虫の様子を見ようとしたのですが、1匹も見当たりません。
ここはハッカチョウなどの野鳥も多いので、ひょっとしたら食べられてしまったのかもしれませんね。

昨日脱皮した3齢幼虫ですがかなりの食欲で、昨日変えたばかりの葉が半分以下になっていました。
葉裏で動かなかったので、体長を測ってみました。左が33mmで、右が38mmありました。
見てわかる通り、左では胸部を縮めていて、右では伸ばしているので、その差だと思われます。
昨日、脱皮して間もないときが22〜25mmでしたので、1cmほど大きくなっています。
尾角はどちらも9mm前後と変わっていませんが、色が暗褐色と淡褐色で、これは個体差のようです。


2023/7/8
一回り大きくなったからか、前方の白紋が明瞭になり、その後ろの小さな白紋も見えます。
また、体側に並んでいる気門も、白っぽい点として見えるようになりました。




2023/7/8
別の葉に移していた2齢幼虫は食欲旺盛なようで、移して間もなく食べ始めました。
それも葉の表面のど真ん中から、丸く穴を開けるように食べていました。
しばらくして見に行くと、葉裏に回って葉の縁を食べていました。
下段の左端から右端の状態になるのに、27秒しかかかっていません。早い。


2023/7/9
前日あまり動かなかったので気になっていたのですが、やはり脱皮していました。
今回、初めて腹部の脱皮殻が確認できました。腹脚や胸脚の抜けた後も確認できます。
※ 腹部の脱皮殻は、脱皮後に食べられてしまうため、普通は見られないそうです。
脱皮して間がない4齢幼虫ですが、体長は37と39mm、尾角は各々14mmでした。
補足ですが、この日、2齢幼虫も脱皮していて、3齢幼虫になっていました。
こちらは、体長が32mmで、尾角は14mmでした。



2023/7/9
4齢幼虫になって、前方背面の白紋や体側面の斜めの斑紋、気門が明瞭になっていました。
3齢幼虫では点でしかなかった気門も、細長い白色部が囲んだ目のような形になっています。
下段左は尾角と尾脚の部分を拡大したもので、右は頭部、胸部を拡大したものです。
尾脚の上部には蓋のようなものがあり、暗色の尖った三角形に見えているのはその重なり部分です。
前方の白斑は、よく見ると中程は黄色で、上下端には藍色の縁取りがあります。
その後方の小さな白斑にも、上下端に薄っすらと藍色の縁取りがあります。

2023/7/10
朝、気が付くと4齢幼虫1匹が飼育箱の底を這っていました。
もう1匹はと、葉を見てもいません。さては、脱走されたかと見回すと、廊下を這っていました。
葉が少なくなっていたので、葉を新しくして増やし、2匹を元の場所に戻しました。
しばらくはそこに居たのですが、気が付くと1匹は、また、底を這っていました。
もう1匹はと探したのですが見当たりません。脱走防止ネットを張ったので、中にいるはず。
よく見ると、居ました。葉を新鮮に保つために水差しに挿していたのですが、その水の中です。
慌てて引き上げました。モゾモゾ動いたので生きているようです。
蛹になるのは、まだ先のはずなのですが、なぜ、移動しようとしているのか分かりません。
3齢幼虫の方は、バリバリと葉をむさぼっていて、そこから離れる気配はありません。


 
2023/7/11
朝になった確認すると、4齢幼虫の1匹は葉に戻っていましたが、もう1匹が見当たりません。
探すと隅の方でぐったりしていて動きません。どうやら飢え死にしたようです。
3齢幼虫は、やせ細った4齢幼虫より二回りは大きくなっていて、脱皮したようです。
上段は移動している様子ですが、体長は左は縮んで55mm、右は延びて60mmありました。
下段はそのアップですが、横方向にも皺があって、もっと太くなれるようです。


   
2023/7/12
もっと太くなるのだろうと思っていたら、朝様子を見に行くと脱皮していました。早い。
5齢幼虫になると、尾角の形状が一変して、鉤爪みたいに大きく湾曲して、終齢幼虫と同じです。
体長は46mmで、縮こまったまま動かないので伸びたときの体長は測れませんでした。
かなり太くなっていて、以前のスリムな体形から寸胴体形に変わっています。
前方の白斑に見られた黄色や藍色の部分が薄くなって、全体的に白っぽくなっています。
気門が大きくなって、中央に縦に割れ目が見え、この割れ目から空気を取り込んでいます。
尾角は太くなって湾曲し、差渡しで8mm(伸ばすと10mm前後)ほどで、鮮やかな黄色です。

 
2023/7/12
左の写真は、5齢幼虫になる時の脱皮殻で、頭部は幅3mm、長さ4mmほどになっていました。
残念ながら腹部の脱皮殻は見つかりませんでしたが、胸脚の脱皮殻はありました。
右の写真は、残っていた脱皮殻を並べたもので、右端が今回の脱皮殻です。
その左隣は4齢幼虫になる時の脱皮殻、さらにその左隣は3齢幼虫になる時の脱皮殻です。
その隣の白っぽい尾角の脱皮殻は、同じく3齢幼虫になる時のものです。
その上の2個の頭部の脱皮殻は、2齢幼虫になる時のものです。
尾角も置いていたのですが、管理が悪くて風で飛んでしまい、行方が分からなくなりました。

 
2023/7/12
脱走してやせ細っていた4齢幼虫の食欲も戻って、バリバリ食べていました。
が、まだ、5齢幼虫に脱皮できるまでには回復していないようです。



 
2023/7/13
昨晩、餌がほぼなくなっていたので、急いで畑から葉を取ってきて、追加しました。
朝、様子を見に行くと、その葉もほぼなくなっていて、慌てて追加しました。
かなり大きくなっているようなので体長を測ると65mm、伸びると70mmほどもありました。
もう1回脱皮すると思っていたのですが、これが終齢幼虫なのかもしれません。



 
2023/7/13 10:41
4齢幼虫は、昨晩から全く動きません。脱皮の準備に入っているようです。
よく見ると、頭部や腹足が黄色味を帯びていて、尾脚の基部が黒っぽくなっています。
脱皮するのも、そう遠くなさそうだと思っていました。


 
2023/7/13 14:25
昼食後、どうかなと様子を見に行くと、既に脱皮した後でした。残念、見損ねた。
朝には脱皮し終わっていることが多かったので、まだだろうと油断しました。
体長は45mmと脱皮前と大差ありません。先に脱皮したものも、直後は46mmとほぼ同じでした。
下段左は脱皮殻(頭部と尾角、胸脚)で、右は尾脚の部分を拡大したものです。
葉に黒い物が付着していますが、脱皮の際、葉から落ちないように固定するためでしょう。
見てはいませんが、頭部から脱皮し始めて、胸脚、腹脚と順次脱皮殻を後ろに押しやります。
その際、胸脚や腹脚を離す必要があるため、この尾脚の部分で固定しておく必要があります。
そして、最後に脱皮殻が尾脚の部分に押し集められ、尾脚を離して脱皮殻を食べてしまいます。
つまり、頭部と尾角の脱皮殻以外が見当たらなかったのは、食べてしまった結果のようです。
※ このストーリーは、以前、TVか何かで見た記憶に基づいています。
さて、大食漢が2匹になったので、これからは餌集めが大変になりそう。


2023/7/13
先に脱皮した方が、横向きでジッとしていたので、三脚を使った頭部を撮影しました。
小さいときはマクロでとっても明瞭ではなかった個眼(こがん)が、見やすく撮れました。
顎の上辺りに弧状に5個、その内側に1個あり、片側に6個の個眼があります。
成虫にある単眼のように見えますが、機能的には複眼を構成する個々の個眼と同じだそうです。
ちなみに、複眼のように見える丸い部分ですが、ここには顎を動かす筋肉が入っているそうです。
絶えず、硬い葉などをかじっているイモムシには、強力な筋肉が必要不可欠なのでしょう。


2023/7/14
昨晩、葉が無くなりかけていたので追加したのですが、朝になって見たら食べ尽くされていました。
自分の朝飯を後回しにして、慌てて葉を取ってきて追加しました。
このときに体長を測ったのですが、左の方は縮んだとき90mmで、伸びると100mmに達していました。
脱皮直後の2倍の大きさになっていたことになります。これで終齢幼虫であると確定です。
右の遅れて脱皮した方は、縮んだときの体長は50mmほどでした。動かないので、伸びた体長は不明。
午後になって様子を見に行くと、朝同様に葉は全くなくなっていて、慌てて追加しました。
このキイロスズメの幼虫ですが、食べるときはものすごい勢いで葉をかじり取っていきます。
しかし、その後、時間は測っていませんが、しばらくの間は全く動かなくなります。
このような時は、周りに食草があっても見向きもしません。
上の写真は、その動かなくなった時のもので、この体勢のまま微動だにしません。
Webでいろいろ調べてみたのですが、なぜ、動かないときがあるのかは分かりませんでした。
これは推測ですが、体内に取り込んだ食草を消化する間、動くのを止めているのではないでしょうか。

夜になって葉を追加しに行ったとき、上記左側の大きい方が、大量の緑色の液体を出していました。
慌ててティッシュで拭き取ったのですが、拭いても拭いてもとめどなく吐き出してきます。
おそらく、体内に取り込んだ葉に含まれていた水分を出しているのでしょう。
食べた葉のかすは糞として排出するが、水分は体液側に取り込んでも、排出する機構はないらしい。
そのためでしょうか、口の辺りから緑色の体液らしいものを吐き出しているようです。
拭き取った量は、ティッシュ3枚分くらいで、やっと収まりました。


   
2023/7/15
朝に心配で見に行くと、葉の上にはおらず、下に敷いた枯葉換わり新聞紙の上にいました。
葉の上にいたのは遅れて脱皮した小さい方の幼虫で、自分の方を食べ尽くして移ってきたようです。
さっそく、新しい葉を取ってきて入れ替え、小さい方を元の場所に戻しました。
大きい方は、吐き出した緑の液体が皺の間に入り込み、胸部辺りまで緑の縞になっていました。
かなりの量の液体(体液?)を吐き出したので、ぽっちゃりした体が少しスリムになったようです。
元の場所に戻すと、さっそく、新しい葉を食べ始めました。
しばらくして見に行くと、葉の上にはおらず、古新聞の中でもぞもぞと動いていました。
尾端の辺りに黒っぽいものが見えたので、糞でもするのかと見ていると、予想通りでした。
上段の写真が、その最初と最後で、下段はその途中の様子です。



 
2023/7/15 22:06
夜になった様子を見に行くと、元居た場所で動かなくなっていました。
体色も茶色味を帯びてきていて、元の緑色から変わってきています。
蛹になるときは繭を作ると思っていたのですが、作らないのでしょうか。


2023/7/16

8:58             8:59             9:39
2023/7/16
朝、様子を見に行くと昨夜の場所にはいませんでした。
探すと、飼育箱の角で古新聞で繭を作っている最中でした。隅の見える所で良かった。
40分後に見に行きましたが、まだ、同じ作業を延々と続けていました。
キイロスズメは、カイコのような繭ではなく、枯葉などを寄せ集めて繭を作ります。
そのため、それらを綴り合せるだけのため、糸はかなりスカスカの状態です。

 
2023/7/16 9:00
繭づくりを撮った写真を後で見ていて、糸を出している所が写っていました。
頭部を右下から左上の方に動かしていますが、口の所から糸が伸びているのが分かると思います。


2023/7/16 21:25
繭づくりに勤しんでいた終齢幼虫ですが、夜に見に行くと動きが止まっていました。
繭づくりが終わって、蛹に変身する準備に入ったのかもしれません。
※ 繭づくりが終わって、動かなくなった時からを前蛹(ぜんよう)と言うようです。


2023/7/17 7:22
早朝に見に行きましたが、動く気配はないので、蛹に変身する準備に入ったようです。



 
2023/7/17 16:26
動かないことが確認できたので、繭の上部を塞いでいる新聞紙を切除しました。
これで容器越しで撮りにくかった写真が、上部から撮れるようになりました。
で、撮影したのが上記の写真です。腹部が赤っぽかったのですが、ピンク色ですね。
拡大したのが下段ですが、胸部上面に白い筋が入り始めています。
蛹になる際には、この部分が裂けて脱皮が始まるものと思います。
※ この白い筋が見られるのは緑色型のみで、褐色型では見られません。


2023/7/17
もう1匹の終齢幼虫ですが、様子を見ると逆さになってモゾモゾと動いていました。
葉が古くなっていたので、新しいものに変えると、さっそく食べ始めました。
しばらくして見に行くと、葉には居らず、底の方をモゾモゾと這いまわっています。
この終齢幼虫も、繭づくりの場所を探し始めたのかもしれません。


2023/7/18
朝、様子を見に行くと、既に脱皮が終わってサナギになっていました。
昨晩の様子から、脱皮はもう少し先だろうと思っていたので、ちょっとびっくり。
尾端の方に、暗褐色に干からびた抜け殻が見えます。
※ なかなか見られなかった前蛹からサナギへの脱皮ですが、やっと見る事が出来ました。





2023/7/18
写真が撮りにくいので、繭からサナギを取り出すことにしました。
脱皮して間がないためか非常に柔らかく、力を入れると潰れそうで、恐る恐る取り出しました。
サナギは、口吻の部分が大きく前に迫り出して、頭部は独特なフォルムをしています。
繭の中では腹面しか見えていなかったのですが、背面は幼虫と色などが似ています。
最も目立ったのが暗褐色の気門で、腹部に沿って直線的に点々と並んでいます。
サナギの形は、羽化時に背中から出やすいように翅や脚などが腹面の方に直線的に伸びていますね。


2023/7/18
左の写真は、サナギになる時の脱皮殻で、尾角も含めて全体が1つになって残っていました。
頭部の口の近くには、6個の個眼の後もクッキリと見え、胸脚の部分もきれいに残っています。
右の写真は、脱皮時に残っていた脱皮殻を並べたもので、右端が今回の脱皮殻です。
その左が4齢から終齢、さらに左が3齢から4齢への脱皮殻で、唯一腹部の脱皮殻がありました。
その左隣は、2齢から3齢への脱皮殻で、尾角の色が暗褐色のものと白色のものがありました。
その左隣は、1齢から2齢への頭部の脱皮殻で、尾角もあったのですが風で飛んで行方不明です。
1齢幼虫を見かけたのが7/1で、サナギになったのが7/18ですから、3週間かかってないですね。
サナギになった1匹以外は、行方不明になったり死んだりして、生存率はかなり低そうです。
※ 飼育箱にいたもう1匹は、この朝、箱の底で死んでいました。



2023/7/21
サナギの殻もすっかり硬化して、触ってもベコベコしなくなっていました。
サナギの色などはほとんど変わっておらず、いく分褐色味が強くなった程度です。




2023/7/21
上記のサナギを3方向から撮ったものです。
この後、サナギは元の場所に戻し、以降、毎日様子を見ていました。
1週間経っても、サナギの色などにあまり変化が見られません。
そろそろ写真を撮っておいた方がいいかなと思いつつ、先延ばしにしていました。

 
2023/8/1 0:27
前日、いろいろあって遅くなったのですが、様子を見に行くと羽化した後でした。
もう小1時間早く見に行っていれば、羽化するところが見られたかもしれません。残念。
サナギになってから羽化するまでの日数は、ちょうど2週間でした。
飼育箱の底に翅がつかえて先が曲がっていましたので、飼育箱から出すことにしました。
翅に触ると、まだ、伸びたばかりのようでフニャフニャと柔らかい状態でした。
近くのカーテンに止まらせて、撮ったのが上記の写真です。
人と同じで、フラッシュを使うと赤目になるんですね。眼の中心付近が赤くなっています。

 
2023/8/1 7:14
朝になって様子を見に行くと、すっかり翅も硬化したようで、翅を横に開いていました。
翅が若干長くなり、胸部がスリムになって、精悍なスタイルになっていました。
この後、別の場所に移そうとしたとき、体内の余分な水分を噴射し、手に掛けられてしまいました。
写真は後で撮ることにして、その場に置いたままにしておきました。
時間が空いたので、写真を撮ろうとしたのですが、どこに行ったか行方が分かりません。
窓などは締まっているので、外には出られないはずなのですが、見つけられませんでした。


2023/8/7
脱皮殻の写真を撮り忘れていたので、後日、撮ったのが上記です。
眼の辺りから割れるようで、眼の部分は取れ、翅に沿って上下に割れるようです。


2024/1/3
真冬に羽化してしまった個体の抜け殻です。
眼の部分だけではなく、翅に沿って割れた所も外れていて、この部分は取れることもあるようです。
羽化後、あまり時間が経っていないので、まだ、殻の内側に残る体液は乾いていません。

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