境川近隣の春の野草
和名インデックス |
イヌツゲ(Ilex crenata Thunb.)
<モチノキ目・モチノキ科・モチノキ属> モチノキ科モチノキ属の常緑低木で、在来種。 名前に「ツゲ」が付くが、ツゲ科ではなく、モチノキ属の植物です。 日本では、本州から四国、九州に分布する。 海外では朝鮮半島から中国、台湾に分布する。 樹高は2〜6mで、樹皮は灰黒色で、皮目がある。 葉は互生し、長さ2p前後の楕円形で、表面に光沢があり、浅い鋸歯がある。 花期は5月〜7月で、雌雄異株。花は直径5o前後の4弁花で、花色は黄白色。萼片も4個。 雄花は散形花序に数個付き、4個のオシベと退化したメシベが1個ある。 雌花は葉腋に1個付き、4個の退化したオシベと、メシベが1個あり、子房は緑色の半球形。 果実は球形の核果で、直径は5o前後。秋に黒く熟す。
2016/5/20
境川へ向かう道路脇の畑の生垣に、使われていました。 2種類の花が咲いており、その時は異なる樹種と思っていました。 後で、調べてみるとイヌツゲの雄花と雌花と分かりました。 2016/5/25<雄株/雄花> 2016/5/25<雌株/雌花> そのため、後日、その花をアップで撮影し直したものが上記です。 本種は4花弁のはずなのですが、雄株、雌株とも5花弁の花が混じっていました。 | |||||||||||||||||||
ソヨゴ(Ilex pedunculosa Miq.)
<モチノキ目・モチノキ科・モチノキ属> モチノキ科モチノキ属の常緑低高木で、在来種。 日本では、本州中部から四国、九州に分布する。海外では、中国と台湾に分布する。 樹高は3〜7mで、樹皮はなめらかで皮目が多い灰褐色。なお、本年枝は淡緑色。 葉は互生し、長さ6cm前後の先の尖った楕円形で、基部は丸みを帯び、2p程の葉柄がある。 縁は全縁で、ゆるく波打つ。両面とも無毛で、表面は深緑で光沢があり、裏面はやや白っぽくなる。 花期は5月〜7月で、本年枝の葉腋から長い柄を出して直径4oほどの白い花を付ける。 雄花序は2pほどの柄の先に付き、5個前後の花を散形状に付ける。 花弁は4〜5個で、同数のオシベと退化したメシベがある。萼片も同数ある。 雌花は4p程の柄の先に普通1個、稀に数個付き、花柄の途中に小さな苞葉がある。 花弁は4〜5個で、同数の退化したオシベとメシベがあり、子房は緑色の半球形で、柱頭は1個。 果実は核果で、直径8mmほどの球形。秋に赤く熟す。
2016/5/20
境川に向かう途中の道端に、白い小さな花を付ける樹があります。 以前から気になっていたので調べてみると、ソヨゴの雌株と分かりました。 しかし、花は咲いても、果実は見たことがありません。近くに雄株がないのかもしれません。 2018/5/21 今年もソヨゴがたくさんの花を咲かせていました。少々、遅すぎたようで、オシベが枯れ始めていました。 しかし、前回の拡大写真が不鮮明でしたので、マクロで撮り直しました。 2019/6/5 今年は例年になく、たくさんの花が付いていて、写真を撮ろうと思っていました。 しかし、そう思っている間に時間が過ぎ、多くの花が終わりかけてましたが、まだ、少し残っていました。 良さそうな花を探して撮りましたが、花にたくさんのアリが来ているのに気が付きました。 子房の基部から蜜が出るのでしょう。上の2018/5/21の写真で、基部に見える液体が蜜かもしれません。 2018/7/21 昨年の秋、赤く色づいた果実を1個見かけ、写真を撮ろうと思っていて忘れてしまいました。 今年はどうかと、探すと茶色く枯れた果実が見つかりました。他にも無いかと探すとありました。 合計で3個見つけました。何とも結実率が悪いですね。やはり、近くに花粉の提供者がないのでしょう。 大きさ的には、昨年見かけた赤い果実とさほど変わらない大きさになっています。 今年こそ、赤く熟した果実の写真を撮り忘れないようにしたいと思います。 | |||||||||||||||||||
モチノキ(Ilex integra)
<モチノキ目・モチノキ科・モチノキ属> <雄花> <雌花> モチノキ科モチノキ属の常緑高木で、自生種。 日本では、本州の宮城県、山形県から四国、九州、南西諸島の海縁の山地に自生する。 樹高は10m程になる。葉は互生し、葉身は5cm前後、楕円形で尖り、成木では全縁。幼木では鋸歯あり。 雌雄異株で、前年枝の葉腋に極短い枝を出し、4月頃に黄緑色の小さな花を束生する。 雄花は2〜15個、雌花は1〜4個ずつ集まる。花弁は4個で萼片も4個、オシベも4個ある。 雄花には、オシベ4本と、退化したメシベがある。 雌花は、緑色の大きな子房と退化した4本のオシベがある。メシベの柱頭は4残裂する。 果実は核果で、1cm程の球形。11月頃に赤く熟す。
2018/4/3
境川に向かう途中の民家で、大きなモチノキが数本、たくさんの花を付けていました。 多くは雄株でしたが、雌株が2本混じっていて、雄花と雌花を見ることができました。 雌花は、中央に緑色の大きな子房を持っているので、一目見れば分かります。 それに加えて、雌花の近くに、昨年の赤っぽく熟した果実がまだ残っていました。 <雄花> <雌花> . 2018/4/10 1週間ほどして様子を見に行くと、雄花は幾分くたびれて、黄色味が増していました。 雌花はというと、まだ小さいですが、すっかり果実に変わってしまっていました。 | |||||||||||||||||||
ワジュロ(Trachycarpus fortunei)
<ヤシ目・ヤシ科・シュロ属> <ワジュロ 雄株> <ワジュロ 雌株> ヤシ科シュロ属の常緑高木で、在来種。雌雄異株であるが、稀に雌雄同株も見られる。 日本では、九州地方南部に自生するが、耐寒性が高く、東北地方でも栽培されている。 海外では、中国南部からミャンマー北部まで分布する。 樹高は10mに達し、幹は円柱形で、分枝することなく垂直に伸びる。 幹には枯れた葉柄と葉鞘網が残存し、上部まで密に覆われる。 幹の上部に葉を叢生し、直径50〜80cmの扇状に多数の裂片に裂ける。 裂片は幅15〜30mmの線形で、内に折れ、先は2残裂する。 若い葉は斜上して立ち上がり、古くなると先が折れて垂れ下がる。 葉柄は1mほどあり、基部には歯牙と刺状突起が並ぶ。 幹と接する部分は三角状に広がり、幹を抱くような形になっている。 その下部には数十cmの暗褐色の葉鞘網があり、これがシュロ皮である。 シュロ皮の繊維は、腐りにくく伸縮性に富むため、縄やほうきなどに加工される。 花期は5月〜6月で、葉の間から長さ30〜40cmの円錐花序を出す。 雄花序の雄花は淡黄色で、球形に近い。長さ3o程の広卵形の花弁は3個。 オシベは6個で、花糸は円柱状。メシベは退化しているが、3個ある。 雌花序には、雌花と両性花が付き、雌花は淡緑色。メシベ3個と退化したオシベ6個がある。 果実は液果で、長さ10mm前後、幅8o前後の扁球形で、熟すと黒くなる。 ワジュロよりも樹高が低く、葉が小さくて下垂しないトウジュロがある。 ワジュロと同種とする説もあるが、庭園などの植栽に向く品種である。
2019/4/29
境川へ向かう途中の畑の脇で、ワジュロの雄株と雌株が花を付けていました。 子供の頃、実家の庭にワジュロが植えてあったので、雄花も雌花も見たことがあります。 漁師をしていたことがあったので、船で使うロープの材料として植えられたいたようです。 しかし、それらが切られて(背が高くなり過ぎ、台風対策で伐採)以来、両方を見たのは久しぶりです。 最近、河川敷などで野鳥に種子を運ばれたノジュロが見られますが、両方を見たことがありません。 庭木として植栽されることは稀(背の低いトウジュロはある)なようで、両方が見られる所は少ないです。 | |||||||||||||||||||
モミジバフウ(Liquidambar styraciflua)
<ユキノシタ目・フウ科・フウ属> 2015/7/11 2015/9/23 2015/12/5
フウ科フウ属の落葉高木で、北アメリカ中南部・中央アメリカ原産の移入種。
日本へは大正時代に渡来し、街路樹などに利用されている。 そのため、アメリカフウの別名がある。なお、フウは漢字で「楓」と書く。 また、フウ(別名:サンカクバフウ)は、台湾、中国南部が原産地で、同様に移入されている。 樹高は20mに達し、樹皮は褐色を帯びて、浅く縦に裂ける。若枝にはコルク質の淡褐色の稜がある。 葉は互生し、短枝に束生する。葉身は10〜15pほどで、5〜7裂し、裂片には細かい鋸歯がある。 葉柄は長さ10p前後あり、葉脚は浅い心形。葉表には光沢があり、秋に紅葉する。 花期は4月で、雌雄同株。雄花序は、頭状花序が花序軸に総状に多数付き、立ち上がる。 雌花序は、球形の頭状花序が長い柄の先に1個付き、ぶら下がる。 果実は集合果で、球形になり、花柱が角のように残っている。
2015/7/11
境川に向かう途中の道路脇に金平糖を大きくしたような果実が落ちていました。 見上げると、葉の間から同じ果実がぶら下がっていました。 葉の形などから調べると、モミジバフウの果実と分かりました。 9月末くらいまでは変化はなかったのですが、紅葉している12月には褐色になっていました。 2016/4/23 2016/4/23 2016/4/23 4月末にモミジバフウの下を歩いていて、ふと見上げると花が咲いていました。 新枝の先には、太い花序軸に雄花の頭状花序が多数、円錐状に付いて立ち上がっていました。 その基部からは、球形の雌花序が長い柄の先に付いて、複数ぶら下がっています。 果実と同じように、先が湾曲した花柱がたくさん突き出していました。 2016/5/20 2016/6/29 2016/7/12 1ヶ月も経つと、雌花序は果実となり、花柱の基部が太くなって、二回りほど大きくなっていました。 さらに1ヶ月程経つと、さらに肥大して角状の部分の基部が見えるようになっていました。 2015/9/23 2015/12/5 2015/12/5 ここからは昨年度の写真に戻りますが、果実の成熟の様子です。 緑色であった果実も、成熟と共に褐色に変わって行き、角の基部が裂開して、種が出てきます。 この頃には、果実が樹から落下するものと思いますが、写真のものは途中で枝に引っかかっていました。 | |||||||||||||||||||
オカタイトゴメ(Sedum japonicum subsp. oryzifolium var. pumilum)
<ユキノシタ目・ベンケイソウ科・センペルビヴム亜科・セダム連・マンネングサ亜連・マンネングサ属> ベンケイソウ科マンネングサ属の常緑多年草で、原産地不明の帰化植物。 日本では、ほぼ全国に帰化し、海岸から内陸部まで道路脇などで見られる。 草丈は4〜8cmほどで、全体的にタイトゴメより小さい。 葉は互生し、長楕円形で、長さは3mm前後。切り口は半円形。上部の葉は非常に密に付く。 花期は6月〜7月で、花は、茎頂の集散状の花序に数個を付けるか、茎上部の葉腋に付く。 花は直径8oほどの黄色い5弁花で、長さ4oほどの広披針形。 オシベは10個で、花弁より短く葯は黄色。メシベは5個で、斜上する。 萼片は5個で、先端は丸く、他のマンネングサ属と比較すると短め。
2018/5/21
境川からの帰り道、道路脇の石垣の際の僅かな隙間からオカタイトゴメが枝を伸ばしていました。 オカタイトゴメには似た花が多いのですが、葉の形状や花の直径から本種としました。
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ヒマラヤユキノシタ(Bergenia stracheyi)
<ユキノシタ目・ユキノシタ科・ヒマラヤユキノシタ属> ユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属の常緑多年草で、ヒマラヤ山脈周辺が原産の園芸種。 高山が原産地なので、耐寒性は非常に強いが、暑さや湿気にはやや弱いところがある。 基部の葉は丸くて、茎にらせん状に付きロゼット状になる。 茎は地面を這うように伸びるが、成長は遅い。 花期は2月〜4月で、花茎を伸ばしてピンクの花を房状に付ける。
2017/3/7
境川から少し離れた畑脇で、ヒマラヤユキノシタが花を付けていました。 花がなければ葉が地を這うように広がるだけなのですが、花がピンクなので、花があると目立ちます。 この株は、花期がピークを過ぎた頃のようで、枯れた花が多く見られました。 2017/12/26 来春のための花芽が膨らみかけていました。 来年になると一層膨らみ、2月にはピンクの花を見せてくれるでしょう。 | |||||||||||||||||||
ユズリハ(Daphniphyllum macropodum)
<ユキノシタ目・ユズリハ科・ユズリハ属> 2016/5/5 2016/5/5 2016/6/4
ユズリハ科ユズリハ属の常緑高木で、古名はユズルハ。雌雄異株。
日本では、本州の福島県以西から四国、九州、南西諸島に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国中部に分布する。 樹高は10m程になり、葉は長楕円形で葉身は20cm程になり、枝先にらせん状に付く。 花期は、5月〜6月で、花被(萼と花冠)がなく、葉腋から総状花序を出す。 雄花は、6〜12本のオシベのみで、開花前は赤紫色の葯が目に付くが、裂開後には紫褐色になる。 雌花は、卵形の子房の先に2〜3裂した花柱があり、オシベは退化して子房の周りに付いている。 果実は、1cm程の卵状で、表面に粉をふき、花柱が黒く残る。11月頃に黒く熟す。 有毒植物で、多くのアルカロイドを含み、家畜が誤食した中毒例の報告がある。
2016/5/5,6/4
相模川に向かう途中の公園に、ユズリハの雌株があることに気が付きました。 雄株にはときどき出会うのですが、雌株は2株目です。 花の時期は過ぎていましたので、未成熟な果実の写真のみです。
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ハナヤエムグラ(Sherardia arvensis)
<リンドウ目・アカネ科・アカネ亜科・アカネ連・ハナヤエムグラ属> アカネ科ハナヤエムグラ属の1年草で、ヨーロッパ、北アフリカ、南西アジア原産の帰化植物。 ハナヤエムグラ属の唯一の種である。 国内では、北海道、本州、四国に分布する。 茎は基部からよく分岐し、地表を這って広がり、先の方で数十cmに立ち上がる。 葉は、6枚前後で輪生し、枝先に8枚の苞葉に囲まれた花序を付ける。 花は、直径数mmほどの淡紫色で、花冠は4裂する。オシベは4本、メシベは1本。
2015/5/15
境川に向かう途中の草原で、他の野草に交じって淡紫色の小さな花を付けていました。 以前、多摩川の近くで見かけたものは消滅してしまい、久しぶりの再会となりました。 2020/8/23 自宅近くの歩道脇で、花壇の一部を覆うようにハナヤエムグラが広がっていました。 以前には見かけませんでしたが、いつの間にか広がってきていたようです。 | |||||||||||||||||||
ヤエムグラ(Galium spurium var. echinospermon)
<リンドウ目・アカネ科・アカネ亜科・アカネ連・ヤエムグラ属>> 2023/4/19 2023/4/19 2023/4/18
アカネ科ヤエムグラ属の越年草で、在来種。ただ、史前帰化植物ともいわれている。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布している。 海外では、東アジア、ヨーロッパ、アフリカにも分布している。 草丈は30〜50cmで、茎は4稜形。稜には下向きの刺が生え、他のものに引っかかって伸びる。 葉は6〜8個が輪生しているように見えるが、1対だけが本来の葉で、後は葉と同形の托葉が変化したもの。 葉は長さ1〜3cmの狭倒披針形で、先端は刺状に尖り、縁と裏面の主脈には逆向きの刺がある。 なお枝先では輪生する葉の数が少なくなる。また、冬季の葉は、幅広で、光を効率よく受けられる。 花期は4月〜6月で、茎先や葉腋に集散花序を付け、数個の花を付ける。 花序柄は長さ1〜4cmあり、花柄は1〜15mm。 花冠は4裂し、直径は1〜1.5mmで黄緑色〜白色。オシベは4個ある。 花冠の下に2個の半球が引っ付いた子房があり、表面には下向きに曲がった鉤状の刺が多数ある。 果実は2個の分果からなり、分果の表面には鈎状に曲がった短い突起状の毛がある。
2023/4/15
境川に向かう途中の草原などで、ヤエムグラを見かけました。 まだ、花が咲いているものも見かけましたが、花が終わって果実のみになったものも見られました。 下段は、ヤエムグラの花と果実を拡大したもので、果実は2個の分果が基部でくっ付いています。 | |||||||||||||||||||
カロライナジャスミン(Gelsemium sempervirens)
<リンドウ目・ゲルセミウム科・ゲルセミウム属> ゲルセミウム科ゲルセミウム属に属する常緑つる性低木で、北米南部が原産地。 なお、イエロージャスミン、イブニングトランペット、ニセジャスミンなどの別名がある。 蔓は物に巻き付いたり、地を這ったりして3〜5mになり、茎は赤茶色である。 葉は対生し、葉身は長さ4〜6cmの倒卵形で、葉の縁は全縁で、先が尖る。 葉は濃緑色の革質で光沢があり、冬には黄色になる。 花期は4月〜7月で、葉腋に集散花序を付け、直径20oほどの濃黄色の花を多数付ける。 花は漏斗状で、先は5裂して平開する。なお、八重咲の品種もある。 花にはジャスミンに似た芳香があるが、モクセイ科ソケイ属のジャスミンとは別種である。 観賞用に栽培されることが多いが、全草が有毒であり、取り扱いには注意が必要である。
2020/4/23
境川に向かう途中の道端で、黄色い花を多数付けたつる性植物を見かけました。 花の特徴からソケイ属の花と思って調べ、オウバイモドキの花に近いと思いました。 ただ、葉がオウバイモドキは三出複葉なのに対して、本種は単葉にしか見えません。 改めて、科を絞らずに調べた結果、カロライナジャスミンの八重咲の品種と分かりました。 写真を撮るとき、芳香に気が付かなかったのですが、一重より八重の方が芳香は弱いとのこと。 2023/4/20 境川に向かう途中の道端で、今年もカロライナジャスミンが黄色い花を咲かせていました。 初めてこの花を見た時、同定に手間取ったのは上段の写真のように奇数羽状複葉が見られたためです。 結論から言うと、この奇数羽状複葉は、直ぐ側にあるハゴロモジャスミンの葉でした。 カロライナジャスミンの葉は、上段写真の右下の花の横に見えている対生の単葉です。 | |||||||||||||||||||
ゼニゴケ(Marchantia polymorpha L.)
<ゼニゴケ目・ゼニゴケ科・ゼニゴケ属> <雌器托(しきたく)> 2016/4/16 <雄器托(ゆうきたく)>
ゼニゴケ科ゼニゴケ属の植物で、在来種。雌雄異株。
世界中に分布し、日本では北海道から九州まで分布する。 苔類に属するコケ植物で、茎と葉の区別が曖昧な、いわゆる葉状体である。 裏側の中央より仮根を伸ばし、地表に密着する。 「杯状体」という独特の無性生殖の器官を持ち、両側が窪んだ円盤状の無性芽が形成される。 雨水などで、周辺に放出されて無性的に繁殖する。 雄器托は雄株の葉状体の先端にでき、柄は短く、雄器床は浅い水盤状で、上に水が溜まる。 雌器托は雌株の葉状体の先端にでき、柄は長く、仮根溝は2条、傘状の雌器床は6〜10深裂する。 雄器床に水がたまると精子が流れ出て、雌器床の下面にある造卵器に到達すると受精する。 繁殖力が強く、なかなか除去できないため、園芸家などにとっては厄介者である。
2016/4/16
境川に向かう途中の畑の際で、ゼニゴケが少し傘を付けていました。 後で調べた所、傘と言っているのは雌器托で、その下方で縁の立った褐色の物が雄器托と知りました。 この雄器托は、色が黄褐色に変色してきているので、胞子を放出した後なのかもしれません。 2016/4/23<雌器托と雄器托> 後日、別の畑の側で、きれいな緑色の雌器托を林立させているゼニゴケを見かけました。 やはり、雌器托の陰に隠れるようにして雄器托が下の方に並んでいました。 こちらの雌器托の下部にある造卵器は淡緑色で小さいので、胞子未放出の物もあるようです。 2016/4/23<雌器托> 駅近くの植栽の一角で、空きスペースにゼニゴケがびっしりと生え、雌器托が林立していました。 その雌器托ですが、柄が数cmと長く、横から見ると極小さなヤシの木の林のようです。 下部にダンゴムシが写っていますが、その大きさから高さが分かると思います。 | |||||||||||||||||||
スギナ[ツクシ](Equisetum arvense)
<トクサ目・トクサ科・トクサ属> トクサ科トクサ属の夏緑性の多年草で、北半球に広く分布しており、日本でも全国に分布している。 浅い地下に地下茎を伸ばしてよく繁茂するため、取り除くのが非常に困難な雑草である。 地上茎には2形があり、1つは栄養葉で、緑色で枝を規則的に輪生し、それが杉に似ているのが和名の由来。 枝の内部は中空で、葉は退化して節の部分に鞘状に付いている、俗に袴(はかま)と呼ばれる部分である。 もう1つが春に現れる胞子嚢胞を付ける胞子茎で、俗にツクシ(土筆)と呼ばれる。
2018/4/5
最強の雑草の1つであるスギナ。その胞子茎であるツクシです。 既にツクシの時期は過ぎてしまっていたのですが、日当たりの悪い道路脇の花壇で見かけたツクシです。 既にスギナが大きくなり始めていましたが、顔を出したばかりのツクシも見られました。 |