播州地方で見かけた秋の野草(秋W)
和名インデックス |
ウメバチソウ(Parnassia palustris)
<ニシキギ目・ウメバチソウ科・ウメバチソウ属> ウメバチソウ科ウメバチソウ属の多年草で、在来種。 山地帯から亜高山帯下部の日当たりの良い湿った草地に自制する。 北半球に広く分布しており、日本では、北海道から本州、四国、九州と広範囲に分布する。 花は、直径20mm程で、白色の5花弁。太いのがオシベで、オシベのように見えるのは仮雄蕊。 仮雄蕊(かりゆうずい) の先が、糸状に分裂し、黄色の腺体が付いたものである。 根生葉は長い柄があるが、花茎に茎葉が1枚だけ付く。無柄で基部は茎を抱く。
2021/10/14
砥峰高原のハイキングコースで、遊歩道脇でよく見られたのがウメバチソウです。 数日前、TVで丸山湿原でウメバチソウが見頃になっていると紹介されていましたが、ここも見頃でした。 たくさん咲いてはいたのですが、オシベの葯が5個揃っている花には会えませんでした。 仮雄蕊は花後にも残るようなのですが、葯はかなり早い時期に落ちてしまうようです。 | ||||
ナワシログミ(Elaeagnus pungens)
<バラ目・グミ科・グミ属> グミ科グミ属の常緑低木で、タワラグミ、トキワグミの別名を持つ。 日本では、本州中南部から四国、九州にかけて海岸近くに多い。 海外では、中国中南部に自生する。 楕円形の葉は厚くて硬く、互生。若葉の表面には一面に星状毛があり、白っぽい艶消し状になる。 時間の経過と共に星状毛はなくなり、艶のある新緑になる。 花期は秋で、花は両性か単性。淡黄色の筒状の萼は、先が4裂し、オシベが4本付く。花弁はない。 開花後、筒状の萼の基部が果実を包み、肥厚して核果様になる。翌年の5月〜6月に赤く熟す。 なお、果実の先には、萼筒の上部が残る。
2020/11/5
実家近くを散歩中、道路脇から枝を伸ばして花をたくさん付けていたナワシログミです。 淡黄色の花弁に見えるのは萼で、先が4裂しています。 その萼筒の4隅からオシベが出て、中央にメシベが突き出しています。
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イソノキ(Rhamnus crenata)
<バラ目・クロウメモドキ科・クロウメモドキ連・クロウメモドキ属> クロウメモドキ科クロウメモドキ属に属する落葉低木で、在来種。 日本では、本州から四国、九州に分布している。 海外では、朝鮮半島から中国。台湾、カンボジア、タイ、ラオス、ベトナムに分布する。 樹高は2〜4mになり、幹は灰褐色で、淡褐色の皮目があり、縦に裂け目が入る。 葉は互生し、葉身は長さ6〜12cmの長楕円形で、基部は鈍形で先は尖る。 縁には細かい鋸歯があり、葉脈は深くて、裏面に隆起する。葉柄は長さ5〜10mm。 花期は6月〜7月で、上部の葉腋に集散花序を出す。花は直径5mm前後の黄緑色で、両性花。 花弁と萼片は各々5個あり、萼片は直立して、花弁は萼片より小さい。花柱は3浅裂する。 果実は直径6mm前後の球形の核果で、赤色から紫黒色に熟す。
2022/10/11
網引湿原入口の駐車場からバイオトイレまでの通路脇で、黒い果実が付いた樹を見つけました。 赤い果実も見られるので、熟すにつれて赤色から黒色に変わるようです。 調べてみると、クロウメモドキ科のイソノキがこのような熟し方をし、葉の特徴も合います。 花が咲いている頃にも近くを通っているはずなのですが、花を見た記憶がありません。 黄緑色の小さな花なので、気付かなかったのかもしれません。 | ||||
テリハノイバラ(Rosa luciae/Rosa wichuraiana)
<バラ目・バラ科・バラ亜科・バラ属> 2022/6/18 2022/8/9
バラ科バラ属のつる性落葉低木で、日本では本州から四国、九州に分布する。
海外では、朝鮮半島から中国、台湾、フィリピンに分布する。 茎には鉤形の刺があり、立ち上がらず、地を這って伸びる。 葉は互生し、長さ8p前後の奇数羽状複葉。小葉は2〜4対で、頂小葉と側小葉の差はない。 小葉は長さ2p程の楕円形で、両面とも無毛で厚みがあり、鋭い鋸歯がある。葉表に光沢がある。 花期は6月〜7月で、枝先に直径3p程の白花を数個付ける。 花弁は5個で、オシベは多数ある。花柱は合着し、毛がある。 偽果は直径8o程の卵球形で、真っ赤に熟す。
2022/6/18,8/9
網引湿原入口の駐車場からバイオトイレ辺りまでに、テリハノイバラが点々と咲いていました。 8/9には、そのテリハノイバラが、結実して未熟な果実を付けていました。 2022/10/11 網引湿原入口の駐車場から点々と見られたテリハノイバラですが、果実が色付き始めていました。 まだ、黄色〜橙色程度の色付きですが、秋の深まりとともに熟して赤く色付くと思います。 | ||||
ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)
<バラ目・バラ科・バラ亜科・ワレモコウ連・ワレモコウ属> 2022/8/16 2022/8/27 バラ科ワレモコウ属の多年草で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州に広く分布する。 海外では、朝鮮半島、中国、シベリアに分布し、アラスカにも帰化している。 草丈は1m程になり、茎は上部で枝分かれして、その先端に穂状の花序を付ける。 葉は、根際か茎の下部に付き、奇数羽状複葉で、小葉は5〜13枚。 枝分かれした茎の先に赤紫色の花穂を付ける。花は、花穂の上から下に咲いていく。 花には花弁はなく、4枚の萼片がある。萼片は咲き始めは紅紫色で、咲き終わると暗紫色になる。
2022/8/16,8/27
8/16に網引湿原第3湿原を周っているとき、ワレモコウが花は咲かせ始めていました。 そのワレモコウですが、8/27にはかなり咲き進んで、下部に黄色いオシベが確認されます。 2022/10/11 すっかり花は咲き終わっていますが、暗赤紫色になった萼片が花のようです。 おそらく、この咲き終わりの姿を見る機会の方が、多いのではないでしょうか。 私も、あまりよく知らなかった頃、この姿が花が咲いているところだと思っていました。 | ||||
シャリンバイ(Rhaphiolepis indica var. umbellata)
<バラ目・バラ科・モモ亜科・ナシ連・ナシ亜連・シャリンバイ属> 日本では、本州の東北地方以南から四国、九州にかけて海岸近くに自生している。 海外では、朝鮮半島、台湾に分布する。 樹高は1〜4mで、若い枝には褐色の軟毛があり、小枝は輪生状に付く。 葉は互生し、葉身は長さ4〜8cmの長楕円形で、革質で光沢があり、浅い鋸歯がまばらにある。 葉先は尖るものと、丸いものがあり、丸いものはマルバシャリンバイと呼ばれることもある。 ただ、中間型もあり、両者を明確に区別することができないため、種内変異とされる。 花期は5月〜7月で、枝先に総状花序を出し、直径10〜15mmの白い5弁花を多数付ける。 花弁は長さ1cm前後の倒卵形で、先は丸く、しばしば歯牙がある。 萼筒は漏斗状で、萼片は長さ5mm前後の卵状三角形。先が尖り、褐色の軟毛が密生する。 果実は直径7〜12oの球形で、10月〜11月に黒紫色に熟し、白粉を被る。 中には直径7〜8oの球形の種子が1個入っており、褐色で光沢がある。
2020/11/5
実家近くを散歩した際、道路脇の植え込みでシャリンバイの黒紫色に熟した果実を見かけました。 この辺りでは、シャリンバイとトベラが交互に植えられているようです。 相模原の自宅近くでは、シャリンバイがこの時期にも咲いていましたが、ここでは見られませんでした。
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トキワサンザシ(Pyracantha coccinea)
<バラ目・バラ科・モモ亜科・ナシ連・ナシ亜連・トキワサンザシ属> 2020/11/21 2020/11/22
バラ科トキワサンザシ属の常緑低木で、ヨーロッパ南部から西アジア原産。
日本では、本州から四国、九州にかけて植栽、あるいは、一部野生化している。 樹高は2〜6mで、樹幹は直立して枝には刺があり、褐色の毛が生えているが、後に無毛。 葉は互生し、長さ2〜4cmの倒卵形で、縁に細かい鋸歯がある。 葉先は丸くて、先端側が最も幅が広く、ピラカンサの中では最も幅が広い。 花期は4月〜5月で、葉腋に散房花序を付け、直径10mm前後の白い5弁花を多数付ける。 オシベは20個で、花糸の長さは2o弱である。萼片は5個ある。 果実は、直径5〜8oの扁球形で、晩秋に真っ赤に熟し、一際、目を引く。
2020/11/21,22
実家近くの川沿いを散歩中、河川敷で真っ赤な果実をたわわに付けたトキワサンザシを見かけました。 以前、真っ赤な実を付けるのはタチバナモドキだと聞いて、ずっとそうだと思っていました。 多摩川の河川敷で、果実が真っ赤なものと橙色のものを見つけ、調べたときに間違いに気づきました。 真っ赤に熟するのはトキワサンザシで、タチバナモドキは熟しても橙色にしかなりません。 ※ トキワサンザシやタチバナモドキに関しては、こちらに掲載していますので、ご参照ください。 | ||||
ミカイドウ(Malus micromalus)
<バラ目・バラ科・モモ亜科・ナシ連・ナシ亜連・リンゴ属> バラ科リンゴ属の耐寒性落葉高木で、中国原産の帰化植物。別名はナガサキリンゴ。 ヒマラヤズミとホンカイドウの種間交雑種とされている。 ミカイドウは、古くから庭木や鉢植えとして利用されてきており、野生のミカイドウはまずない。 樹高は5〜8mになり、樹皮は灰黒褐色で平滑である。 葉は互生し、長さ6〜11cmの長楕円形で、先が尖り、縁には鋸歯がある。葉柄は数cm。 花期は4月〜5月で、新葉と同時に短枝の先に、淡紅色の花を散形状に集まって付ける。 花は直径3〜4cmの5花弁で、オシベは多数ある。メシベは5個が基部で合着し、密に軟毛がある。 果実は球形の液果で、直径は15〜20mm。10月〜11月に黄褐色、赤色に熟す。 ※ 大きな実のなるミカイドウに対して、綺麗な花が咲くものをハナカイドウと呼ぶ。 ミカイドウより樹高が2〜5mと低く、花がきれいなため、住宅の庭木には向いていそう。
2016/11/11
実家近くを散歩中、畑の一角にたくさんの果実を付けた樹を見かけました。 大半は黄褐色でしたが、赤く色付いたものもいくつかありました。 付いていた葉の形などからバラ科の樹と分かったのですが、それ以上は分かりません。 後で、バラ科で実のなる樹を調べていて、ミカイドウではないかと思われました。 ハナカイドウの果実によく似ていますが、それよりは倍くらいの大きさがあります。 ただ、ミカイドウは熟すと黄色くなるとの説明が多く、赤くなるものもあるとの説明は少数派です。 ハナカイドウがこれほど多くの実を付けているのは見たことがないこともあり、本種としています。
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ノブドウ(Ampelopsis glandulosa var. heterophylla)
<ブドウ目・ブドウ科・ノブドウ属> ブドウ科ノブドウ属のつる性落葉低木で、日本全国で見られる。 日本も含め、東南アジア一帯に分布しアメリカにも帰化している。 藪に多く見られ、都市でも空地などに見られる。 太いつるは暗灰褐色で、褐色の皮目が目立つ。 葉は互生し、葉身はほぼ円形で3〜5裂する。基部は心形で、縁には鋸歯がある。 葉に対生して、巻きひげが出て、先が2又に分かれる。 花期は7月〜8月で、葉に対生して集散花序を出し、直径数oの小さな花を多数付ける。 花被片は5個あるが、開花後、早めに落ちてしまう。 オシベは5個あり、花糸は短い。メシベは細く、1個で直立する。花盤は子房を環状に巡り、全縁。 果実は液果で、直径は7mm前後の緑色の球形。熟すにつれ、淡緑色からピンク、空色になる。 しかし、ブドウタマバエやブドウトガリバチが寄生して、虫えいを作ることが多く、紫色や碧色等になる。
2021/9/24
田んぼが広がる実家近くを散歩中、道路脇の金網に絡みついているノブドウを見かけました。 実家の畑にもあるのですが、花が咲く前に除草(徐木?)してしまうため、その花は見たことがありません。 ここは延び放題になっているようなので、たくさんの花を付け、多くが果実になっていました。 果実は熟すにつれて、淡緑色からピンク、空色と変化して行きます。 ただ、ノブドウの果実は虫えいになると紫色や碧色等に色付くので、よりカラフルで見栄えがします。 なお、果実には毒はないので食べることはできるそうですが、不味いので食べる人はいないようです。 | ||||
ハナツクバネウツギ(Abelia × grandiflora Rehder)
<マツムシソウ目・スイカズラ科・ツクバネウツギ属> 中国原産の2種を交配した園芸品種で、多くの品種がある半常緑低木。 樹高は1〜2mで、よく分枝して密に茂る。 葉は対生し、長さ2〜5cmの楕円形で、先が尖り、粗い鋸歯がある。 葉表には光沢があり、葉裏の主脈に白い開出毛がある。冬でもほとんど落葉しない。 花期は6月〜10月で、枝先に円錐花序を出し、多くの花を付ける。 花は白色〜淡紅色で、長さ15〜20oの漏斗状の唇形花。本種には網目状の模様はない。 萼片は2〜5個で、浅く2〜3裂することもある。不稔性のため結実はしない。
2020/11/5
実家近くを散歩した際、道路脇の植え込みでハナツクバネウツギが、わずかに咲き残っていました。 よく公園などで見かけるのですが、そのため、何とはなしにスルーしていました。 それを思い出し、調べてみることにしたのですが、似たものはあっても、微妙に異なっていました。 そんなに特殊な花ではないはずと調べ直して、ハナツクバネウツギと分かりました。 なお、販売は和名のハナツクバネウツギではなく、アベリアという名前が使われているようです。 | ||||
コバノガマズミ(Viburnum erosum)
<マツムシソウ目・レンプクソウ科・ガマズミ属> レンプクソウ科ガマズミ属の落葉低木で、在来種。 日本では、本州の福島県以西から四国、九州に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。 樹高は2〜4mで、樹幹は灰褐色。枝は褐色(赤色を帯びることがある)で4稜があり、粗毛がある。 葉は対生し、長さ4〜9cmの楕円状披針形で、葉先が尖り、基部は楔型。葉柄は長さ6mm以下。 縁には鋭い鋸歯があり、両面に毛があり、葉裏の葉脈に沿って長い粗毛がある。 花期は4月〜5月で、直径3〜7cmの散房花序に白色の小花を多数つける。 花冠は直径5mm前後で、先は5裂し、平開する。オシベは5個。花序柄にも星状毛が多い。 果実は長さ5〜7mmの卵球形の核果で、赤色に熟す。
2020/11/5
網引湿原入口の駐車場からバイオトイレまでの通路脇で、赤く熟した果実を見かけました。 何の果実が後で調べたところ、果実や葉の特徴からコバノガマズミであろうと判断しました。 花が咲いている頃にも近くを通っているはずなのですが、花を見た記憶がありません。 白色の小花なのですが、気付かなかったのかもしれません。 | ||||
エビスグサ(Senna obtusifolia)
<マメ目・マメ科・ジャケツイバラ亜科・カワラケツメイ連・センナ属> マメ科センナ属の1年草で、北アメリカが原産地とされている。 日本には、熱帯アジアから中国南部を経て、江戸時代の享保年間に渡来したとされる。 原産地では宿根して亜灌木になることもあるが、日本では1年草とされている。 現在は野生化したものが、本州から四国、九州、南西諸島に分布している。 草丈は0.5〜2mで、茎は直立して、分枝する。葉は互生し、偶数羽状複葉である。 小葉は長さ3〜4cmの倒卵形〜楕円形で、2〜4対(3対が多い)あり、下部の葉柄上に蜜腺が1個ある。 花期は6月〜9月で、葉腋に1〜2輪のいびつな黄い5弁花を付け、花弁の長さは15mm前後ある。 オシベは10個あるが不揃いで、1個あるメシベはかぎ状に曲がっている。 萼は長さ7mm前後の長卵形で、これも不揃いである。 果実は豆果で、幅は5mm前後なのに対して長さが10〜25cmと細長く、湾曲している。 莢には、長さ5mm前後で暗褐色の種子が、20〜50個入っている。 ※ この種子を集めて天日干ししたものは、決明子(けつめいし)という漢方の生薬の一つである。 一般には「ハブ茶」の通称で知られており、健康茶の一つとしてそのまま飲まれたりする。 便秘や排尿障害、目の充血、高脂血症・高血圧などの生活習慣病予防に効果があるとされている。 なお、ハブ茶は元来同属のハブソウの種子を使用したものであるが、収量の多い本種の種子が使われている。
2016/11/11
実家近くを散歩中、道路脇の草地で見たことがない花を見つけました。 豆果のような細長い果実を付けているので、マメ科の植物と思われますが、花がマメ科らしくありません。 後で、いろいろ調べていて、花や豆果の特徴からエビスグサと分かりました。 そういえば、別属ですが、マメ科らしくないカワラケツメイの花に似ていますね。
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ヤブツルアズキ(Vigna angularis var. nipponensis)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・インゲンマメ連・インゲン亜連・ササゲ属・アズキ亜属> マメ科ササゲ属のつる性1年草で、在来種。 日本では、本州から四国、九州に分布し、海外では朝鮮半島から中国などに分布している。 つるは長く、3m以上になり、周りの草などに巻き付く。 茎、葉、葉柄、果柄など全体に黄褐色の粗い毛がある。 葉は3出複葉で互生し、小葉の長さは3〜10pほどの先の尖った狭卵形で、不規則に2〜3残裂する。 花期は8月〜10月で、葉腋から短い総状花序を出し、長さ2pほどの黄色い花を固まって付ける。 旗弁は左右非相称で、竜骨弁は左に寄って捻じれる。 左翼弁は竜骨弁の上に被さり、竜骨弁の距を右翼弁が覆う。 なお、オシベ10個とメシベ1個は、竜骨弁の中にあって、竜骨弁に沿って曲がる。 萼は4裂し、萼に接して2個の小苞がある。小苞は内に巻き込んで先が尖り、萼の倍くらいの長さがある。 豆果は垂れ下り、長さ5〜10pほどの線形で無毛。種子は1列に入る。 熟すと黒くなり、2つに裂開して捻じれ、種子を飛ばす。
2021/9/22
実家近くを散歩中、田んぼの広がる中にあった空き地で、ヤブツルアズキが黄色い花を付けていました。 竜骨弁は左に寄って捻じれ、左翼弁がその上に被さり、右翼弁が竜骨弁の距を覆っています。 また、旗弁は左右非相称で、左右相称の多い豆果の花の中では、歪な形の花となっています。 2021/9/24 9/22の撮影はスマホだったので、100mmマクロで撮り直しました。 捻じれた竜骨弁や翼弁、左右非対称の旗弁が良く分かると思います。 また、中央と右には豆果が写っていて、中央は未熟な豆果で、右は成長した豆果です。 右端の写真の豆果で、長いものは10cmほどあり、この後、熟すと鞘が黒くなります。 | ||||
タンキリマメ(Rhynchosia volubilis)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・インゲン連・キマメ亜連・タンキリマメ属> <花がら> <熟した豆果> <裂開した豆果> マメ科タンキリマメ属のツル性多年草で、在来種。 別名は、キツネマメ、ウイロウマメ。痰を止める作用があるという俗説が、和名の由来。 日本では、本州の関東地方以西から、四国、九州、沖縄に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、台湾、フィリピン、ベトナムに分布する。 茎は長さ2m以上に伸び、全体に毛が多く、茎には下向きの毛が密生する。 葉は3小葉で、小葉は長さ3〜6cm、幅2〜5cmの倒卵形で鈍頭。 頂小葉の基部は楔型で、中央より先寄りで幅が最も広くなる。 葉質はやや厚く、葉裏には黄色い腺点があり、軟毛が密生しており、葉表にも毛がある。 花期は7月〜9月で、葉腋から長さ2〜4cmの総状花序を出し、黄色い豆花を固まって付ける。 花は長さ9mm前後で、翼弁と竜骨弁が前に長く伸び、竜骨弁は細長い。 萼は腺点があり、軟毛が密生して5裂し、最下の萼裂片は萼筒と同じかそれより長い。 豆果は、長さ15mm前後で腺点があり、熟すと果皮が赤くなり、裂開する。 2個の種子は黒色で、果皮に付いたまま落ちない。赤い果皮は、さらに黒紫色に変わっていく。 トキリマメと似ているが、小葉の葉先が尖ること、葉質が薄いことで判別出来る。 また、花では最下の萼裂片が萼筒より明らかに短い点でも区別できる。
2020/11/5
実家近くを散歩中、道路脇の生コン工場の柵に何かが絡みついていました。 近寄って分かったのは、マメ科の植物だということ。赤く色付いた豆果がぶら下がっていました。 花はないかと探したのですが、開花したものはなく、花後の枯れた花がらが見つかっただけでした。 特徴のある葉でしたので、そこから調べていくと、タンキリマメとトキリマメにたどり着きました。 小葉の幅が、中央より葉先側にあり、葉先が尖っている点からタンキリマメと判断しました。 2021/1/5 タンキリマメの多くは除草されてしまっていましたが、一部が残っていました。 裂開した豆果も少しだけ残っていましたが、鞘の色はベージュ色に色褪せていました。 2021/6/29 昨年は見ることができなかったタンキリマメの花です。黄色一色の小さな花でした。 2021/8/31 花数が多かったので、さぞやたくさんの豆果が出来ていると思いきや、見つかったのは1個だけ。 それも、まだ枯れかけの花被片が残る、成長を始めたばかりの若い豆果でした。 2021/9/7 その豆果ですが、大きくなってはいますが、豆が未熟で、多少膨らみが見られる程度でした。 この花序には、豆果が5個付いていましたが、全体では数えるほどしか豆果は見られませんでした。 大きな株ですが、豆果は数えるほどしかありません。タンキリマメの結実率はかなり低いのでしょうか。 2021/9/13 近くを通りかかったので、豆果の様子を見に行ってみました。 豆果の数が多少増えていて、一部の豆果が黄色くなってきていました。 2021/10/2 実家近くの川沿いを散歩中、近くに行ったので豆果の様子を見に行ってみました。 以前、結実率は低いかもと書きましたが、何の何の、びっしりと豆果がぶら下がっていました。 天候か何かの影響で、あまり受粉が進まなかったときに見た結果のようです。 その豆果ですが、オレンジ色から赤紫色に熟し始め、一部では裂開していました。 2021/11/12 久しぶりにタンキリマメの近くを通ったら、すっかり花は終わって、多くの豆果が見られました。 まだ、裂開していない豆果も少し見られましたが、ほとんどは裂開していました。 ぱっくりと口を開いた赤紫色の豆果の左右の縁に、1個ずつ黒い豆が付いています。 | ||||
クズ(Pueraria lobata)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・インゲン連・ダイズ亜連・クズ属> 2021/9/18 2021/9/18 2021/9/19
マメ科クズ属のつる性の多年草で、在来種。
日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に広く分布する。 海外では、中国からフィリピン、インドネシア、ニューギニアと温帯から暖帯に分布している。 つるは他のものに巻付いて、10m以上に伸び、根元は木質化して、地下に巨大な塊根を持つ。 塊根は、大きいものでは長さ1.5m、直径20cmほどになる。 葉は3出複葉で、小葉は幅広で大きく、裏面に白い毛を密生する。 花期は8月〜9月にかけてで、穂状花序を立ち上げて、下から順次咲き上る。 花色は、濃赤紫色のものが多いが、淡赤紫色から白いものまで変異がある。 クズは万葉の昔から、秋の七草の1つに数えられ、塊根からは葛粉が作られる。
2021/9/18,19
実家近くの川沿いを散歩中、土手の法面に繁茂していたクズが花を咲かせているのに気が付きました。 クズは秋の七草の1つで、赤紫色の大きい豆花が咲き上って行く様は、この時期では目立ちます。 ただ、雑草としては最強クラスに入り、一夏に10m以上伸びて一面を覆ってしまいます。 古株になると木質化した幹は直径10cm以上になり、地下の塊根も巨大です。 その塊根を粉砕し、手間暇かけて水に何度も晒して、不純物を取り除き葛粉が作られます。 その葛粉から作られるのが「葛餅」で、透明感のある滑らかな食感の和菓子です。 ただ、本葛粉は高価なため、安いものはサツマイモやジャガイモの澱粉が代用されています。 もう1つ、関東のクズ餅(久寿餅)は、似た食べ方をしますが全くの別物です。 小麦粉の浮粉(グルテンを除いたもの)を乳酸発酵させたもので、透明感はなく、硬めの触感です。 関西育ちの私は、久寿餅の事を知らなくて、初めて食べたときは、なんだこれはと驚いたものです。 子供の頃から食べなれていた葛餅(おそらくサツマイモの澱粉)とは、かなり異なる食感でした。 脱線ついでに、明石焼きの原料は浮粉と卵だそうで、フワッとした食感は、この浮粉によるようです。 浮粉の代わりに小麦粉を使うと、そうタコ焼きになります。この皮のカリッとした食感も大好きです。
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ツルマメ(Glycine soja)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・インゲン連・ダイズ亜連・ダイズ属> マメ科ダイズ属のつる性1年草で、在来種。別名はノマメで、ダイズの原種とされる。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、ロシア、アフガニスタンに分布する。 つるは数mの長さになり、他の木や草に良く絡む。つるはやや太めで、茶褐色の逆毛が密生する。 葉は互生で、長い葉柄がある3小葉からなる複葉で、小葉は長さ5p前後の長楕円形。 小葉は長さ2.5〜8pの狭楕円形で表裏ともに毛があり、縁は滑らか。基部には小托葉がある。 花期は8月〜9月で、葉腋から房状花序を出し、長さ5〜8mmの赤紫色の蝶形花を数個付ける。 萼は5裂し、黄褐色の毛が密生する。旗弁の基部には濃赤紫色の筋があり、中央部が凹む。 2枚の翼弁は淡紫色で、竜骨弁を包むように付く。 豆果は長さ数cmで、黄褐色の粗い毛が密生する。数個の平たい種子が入っている。
2021/9/24
田んぼが広がる実家近くを散歩中、草ぼうぼうの休耕田で、ツルマメが紅紫色の花を付けていました。 ヤブツルアズキを撮影していて、異なる豆果が混じっているのに気が付きました。 その豆果の正体を探って行くと、紅紫色の小さな花に行き着きました。 後で調べていて、それがツルマメの花で、ダイズの原種と言われていることを知りました。 たしかに、豆果の付き方や豆果の形状などはダイズによく似ています。 ここにはヤブツルアズキとツルマメが混生して互いに絡み合い、そこにアレチヌスビトハギが混じります。 ヤブツルアズキに花は黄色で、ツルマメとアレチヌスビトハギは紅紫色の花です。 最初、蔓をたどったときにアレチヌスビトハギの紅紫色の花に行き着きました。 この花かと見ると、蔓に巻き付かれたアレチヌスビトハギの花と分かりがっかり。 おかしいなとさらにたどっていると、豆果の脇に小さな紅紫色の花が付いていました。 あまりに小さすぎて、最初、花だと認識していなかったので、通り過ぎていたのでした。 葉もヤブツルアズキと同じ3出複葉で、幅の細いのがツルマメで、幅広の狭卵形がヤブツルアズキです。 上記はヤブツルアズキの所で使った写真の部分拡大ですが、両者の葉が混在しています。 上下を弓なりに這っているのがツルマメの蔓で、上の蔓の「キ」の字の横にツルマメの花が見えています。 といっても点のようしか写っていないので、ヤブツルアズキの花の大きさとは雲泥の差があります。 なお、右の写真は、その花の部分を拡大したもので、ここまで拡大すると花らしいと分かりますね。 | ||||
シナガワハギ(Melilotus officinalis subsp. suaveolens)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・シャジクソウ連・シナガワハギ属> 2020/11/16 2020/11/21 2020/11/17 2020/11/16 2020/11/22 2020/11/17 2020/11/22 2020/11/17
マメ科シナガワハギ属の越年草で、在来種とする説と東アジアからの帰化種とする説がある。
日本では、北海道から本州、四国、九州、沖縄に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、台湾、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、 インド、ラオス、ベトナムに分布する。 草丈は20〜150cmで、茎は直立あるいは斜上して、多数分枝する。 葉は互生し、3出複葉で、小葉は長さ2〜3cmの狭倒披針形で、浅い鋸歯がある。托葉は線形。 花期は5月〜10月で、葉腋から長く柄を伸ばし総状花序に多数の蝶形花を付ける。 葉腋から長さ3〜10cmほどの総状花序を出し、小さな黄色い蝶形花を多数付ける。 蝶形花の長さは4〜6mmで、旗弁はあまり立ち上がらず、広楕円形で翼弁とほぼ同長。 萼は5裂する。花にクマリンを含むので芳香がある。 果実は長さ4〜6oの惰円形で、表面に網目状の不明瞭なしわがある。 果実には1〜2個の種子を含み、裂開しない。 なお、種子が水に浮くので、河川を介して広範に伝搬し、分布域を広げている。
2020/11/16,17,21,22
実家近くの川沿いを散歩中、河川敷に下りたところで黄色い花のマメ科の植物を見つけました。 踏みつけられたのか、地を這うように横たえ、茎先を斜上させて花や果実を付けていました(上段左)。 この草本の本来の草姿であろう個体を、後日、少し離れたところで見つけました(上段右)。 中段、下段は、花や果実を拡大したものですが、各々の特徴が分かると思います。 果実の表面に濃淡の縞模様のようなものが見えますが、これは不規則な皺によるものです。
花期は既に過ぎており、熟した豆果が残っているかもと、様子を見に行ってみました。 結果は上記の通りで、黒く熟した豆果もありましたが、まだ、花を咲かせ続けていました。 ただ、旗弁などが白く変色したものも見られ、おそらく、少し前の寒波の影響と思われます。 熟す前の緑色のものもあり、熟す様子を右側に上から順に並べてみました。 2021/3/20 年明けになっても花が咲いていたシナガワハギですが、どうなっているか見に行ってみました。 さすがに枯れてはいましたが、豆果はしっかりと付いたままで、落果した形跡はありませんでした。 増水等で流され、どこかに流れ着いたものが発芽して、翌年に花を咲かせるのでしょうね。
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ハマエンドウ(Lathyrus japonicus)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ソラマメ連・レンリソウ属> 2020/11/17 2020/11/17 2020/11/17 2020/11/29
マメ科レンリソウ属の多年生で、在来種。
日本では北海道から本州、四国、九州の海岸に分布する海浜植物。 茎は地を這って広がり、先は立ち上がり、翼はない。全体に粉白色を帯びて白緑色。 葉は偶数羽状複葉で、葉の先端には2分岐した巻きひげがあり、樹などがあると巻き付いて立ち上がる。 小葉は長さ15〜30oの楕円形で、先は小さくぽつんと尖る。托葉は小葉ほどの大きさがあり、茎を抱く。 花期は4月〜7月で、花は総状に数個付き、長さは30oほどある。 旗弁は、開花初期には赤紫色であるが、徐々に青紫色に変わる。まれに白花もある。 翼弁は竜骨弁を被い、淡赤紫色から白色と変異がある。 萼は長さ15o前後で、不同長に裂け、萼筒より長い。裂片の先は尖る。 豆果は長さが5cmほどで、熟すと黒褐色となり、無毛。
2020/11/17,29
実家近くの川沿いを散歩中、河川敷に下りたのですが、そこでマメ科の花を見つけました。 花と言っても1個しかなく、しかも、何かの幼虫(イモムシ)に食われていました。 花の裏側に居る緑色のイモムシが、まさに、旗弁と片方の翼弁を食べ尽くしたところでした。 その周りに居るたくさんのイモムシが、ムシャムシャと葉を食べ、8割方無くなっていました。 少し離れたところに、ほとんど食痕のないきれいな葉が茂っていましたので、それを撮影しました。 緑色のイモムシが気になって、11/21に詳しく見てみようと思ったのですが、既にもぬけの殻でした。 というか、その辺りのマメ科の葉はすっかりなくなっていて、茎だけが残っている状態でした。 数も多かったのかもしれませんが、なんとも凄まじい食欲です。 下段右は、左の写真と同じ場所の食べ尽くされた後で、撮っておいた方が良いと後日、撮影したものです。
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アレチヌスビトハギ(Desmodium paniculatum)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ヌスビトハギ連・ヌスビトハギ亜連・ヌスビトハギ属> マメ科ヌスビトハギ属の多年草で、北アメリカが原産地。 日本へは比較的近年入ってきた帰化植物で、関東以西に多いが、北海道にも侵入している。 草丈は50〜100cmになり、茎は木質化し、開出毛が多い。葉は互生し、3出複葉。 小葉は長さ5〜8cmの卵形〜狭卵形(個体による変異が大きい)で先端は尖り、両面に伏毛がある。 花期は7〜9月で、葉腋から細長い円錐花序を出し、紅紫色の蝶形花をまばらに付ける。 花冠の長さは6〜9mmで、旗弁は丸みを帯びて、黄緑色で長楕円形の斑紋が2つある。 昼間に開花した花は紅紫色だが、夕方には青く変色し、しぼみ始める。 オシベ9個とメシベ1個は、訪虫されると竜骨弁から飛出し、そのままになる。 萼は長さ3o前後で、先が不同に4裂する。下片が最も細長く、上片の先は2浅裂する。 果実は扁平な節果で、節毎にくびれ、長さ6〜7mm前後の小節果3〜6個からなる。 果実が熟すと節が茶色くなり、小節果が節からちぎれ易くなる。 小節果にはかぎ状の毛があり、人や動物が近くを通ると、節からちぎれてくっ付き、運ばれる。
2016/11/11
実家近くを散歩中、道路脇の草地で見かけたヌスビトハギを大きくしたようなくっ付き虫です。 既に花はなく、茶色く熟した豆果(節果でかぎ状の毛がある)がたくさん付いていました。 後で調べると、花はなかったのですが、豆果や葉の特徴から本種と分かりました。 2020/11/17 実家近くを散歩中、土手の端に隠れるように実を付けたアレチヌスビトハギを見つけました。 他のアレチヌスビトハギは既に熟して褐色になった果実を付けている中、まだ、瑞々しい緑色です。 かなり晩生の株のようで、他の物より開花が数週間は遅かったものと思われます。 2021/6/17 2021/8/15 . 実家近くの河川敷を散歩中、道路脇でハギの仲間と思われる若枝を見つけました。 しかし、葉だけからでは種類を特定できず、花が咲くのを待つことにしました。 2021/8/31 夏も終わろうとする頃、やっと茎先に花芽と思われるものが見られるようになりました。 2021/9/6 実家近くの川沿いを散歩中、道路脇で花を咲かせていたのに気が付きました。 咲かせていたと書いたのは、夕方だったので、既に花は萎れてしまっていたためです。 2021/9/7 昨日は花が見られなかったので、花を確認するために早朝から散歩に出かけました。 そして、その花を見てアレチヌスビトハギであったことを確信しました。 旗弁の基部に見られる黄緑色で長楕円形の2個の斑紋が、その決め手です。 2021/9/13 実家近くの川沿いを散歩中、豆果をつけているアレチヌスビトハギを見かけました。 野草の成長は早いですよね。1週間もすると様子がかなり変わってしまいます。 2022/10/11 網引湿原の駐車場で、駐車スペースの後の方で花を付けているアレチヌスビトハギを見かけました。 まだ、花が咲いているのは数株ですが、数年も経てば一面に広がっている可能性が大です。 おそらく、車のタイヤなどに種子が付いて運ばれてきて、ここで発芽したものではないかと推測されます。 | ||||
ハイメドハギ(Lespedeza cuneata var. serpens)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ヌスビトハギ連・ハギ亜連・ハギ属> マメ科ハギ属の多年草で、在来種。メドハギの変種である。 日本では本州、四国、九州に分布し、海外では中国に分布する。 草丈は10〜50cmで、茎が地を這って広がり、普通、茎には開出毛がある。 ただし、毛が無いものもあり、毛があるものをケハイメドハギと分けることもある。 葉は3小葉で、密に付く。頂小葉は長さ7〜25mmで、他の小葉より若干大きい。 メドハギよりやや短かく幅がやや広めの長卵形で、先は円頭〜やや凹頭。 花期は8月〜10月で、花は葉腋に3〜4個集まって付き、長さは6〜7mm。 ツボミは紫色。花は旗弁の裏が紫色で、表の中央部が端まで紫色。 舟弁の先も紫色になる。萼は5裂し、萼片の幅は狭い披針形で、先が尖る。 なお、閉鎖花も葉腋に数個ずつ付く。 果実は2.5〜3mmの扁平な円形〜楕円形で、毛が散生して、種子は1個だけ入る。
2021/6/5
実家近くの河川沿いを散歩中、河岸のコンクリートの上を這っているハイメドハギを見かけました。 花期は8月からなのに既に開花しており、コンクリートが温まるから成長が早かったのでしょうか。 2021/9/19 2021/9/13 2021/9/13 . 上記のハイメドハギは増水で傷んでしまい、すっかり枯れてしまっていました。 ただ、その近くの土手にも生えていたようで、それらが花を付けていました。 メドハギと紛らわしいのですが、基部から水平に枝を出し、先で分枝せずに垂れるように枝を伸ばしています。 メドハギは茎が直立して上部でよく分枝するため、草姿がかなり異なります。 2021/10/2 たくさんの花を付けていた土手のハイメドハギですが、花が終わって、小さな豆果が出来ていました。 まだ厚みのない未熟な豆果ですが、これから熟すにつれて厚みが出てくるでしょう。 2021/10/2 河岸のコンクリートの上を這っていて増水で傷んでいたハイメドハギですが、復活していました。 さすが、雑草。四方に伸びていた枝が川下の方に集まっているのは、増水でもまれて川下に流された跡です。 その枝先の方で分枝し、その新しい枝に多くの花を付けていました。 2021/11/12 土手の法面でたくさんの花を付けていたハイメドハギもすっかり枯れて、豆果だけが残っていました。 茶褐色の豆果の表面には、暗色の不規則にジグザグと曲がった筋模様が入っていました。 | ||||
シラハギ(Lespedeza thunbergii subsp. thunbergii f. alba)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ヌスビトハギ連・ハギ亜連・ハギ属> マメ科ハギ属の落葉低木で、栽培品種。 朝鮮半島の自生種と言われているが、古くから各地で栽培されている。 別名は、シロハギ、シロバナハギ、シロバナチョウセンヤマハギなど。 ニシキハギの品種説、ミヤギノハギの品種説、タイワンハギの品種説などがある。 ニシキハギやタイワンハギがミヤギノハギの系統とされて、ミヤギノハギの品種説が主流に。 学名も上記の事もあり、現在は統一されていないようである。 樹高は1〜3mで、 枝はしなやかで長く伸びて先端が垂れ下がり、伏した白い毛がある。 葉は互生した3出複葉で、小葉は長さ2〜6cmの楕円形で全縁。葉表に短毛が生える。 花期は7月〜10月で、葉脇から長さ10〜15cmの複総状花序を出す。 白い蝶形花をたくさん付け、翼弁は開花時に斜上し、基部の耳状突起は明瞭。 萼歯が萼筒より長いが、萼歯の脈が目立つのは1本だけである。豆果は熟しても割れない。
2021/11/15
実家近くの民家の庭先で、道路側に伸び出して白い花を付けているハギを見かけました。 白いハギがあることは知っていましたが、見たのは初めてで、後で名前を調べました。 その結果ですが、和名も学名も複数存在していて、名前には諸説あるとのこと。 その中に、シラハギを標準和名としているとの記載があったので、ここではそれを採用しました。 学名に関しても定説が無いようで、どの説を採るかで変わるようです。 そのため、ここではミヤギノハギ(Lespedeza thunbergii)系の学名にしています。 | ||||
ヤマハギ(Lespedeza bicolor)
<マメ目・マメ科・マメ亜科・ヌスビトハギ連・ハギ亜連・ハギ属・ヤマハギ亜属> マメ科ハギ属の落葉低木で、在来種。秋の七草の1つ。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、ウスリー川辺りまで分布ている。 樹高は1〜3mで、根元から多数の細い枝を出し、先で多数に分枝する。 葉は互生し、3出羽状複葉で、小葉は長さ数cmの楕円形。 小葉の先は丸くなるが、主脈の先が髭のように尖り、飛び出るものもある。 花期は、7〜10月で、花序は基部の葉より長い花柄を出して、多数の花を付ける。 花冠は淡紅紫色で、長さ10oほど。旗弁は翼弁や竜骨弁より長く、竜骨弁は翼弁より長い。 萼は4裂し、上側の萼歯は浅く2裂する。萼歯は萼筒よりも短い。 豆果は、長さ6o前後で、扁平で丸い。種子は1個だけ入っている。
2021/9/22
觀濤處に上った際、その巨岩の前でヤマハギが咲いていました。 秋の七草の1つとして「萩」が出てきますが、このヤマハギの事ではないでしょうか。 2022/8/27 網引湿原の駐車場近くで、柵から枝を伸ばして咲いているヤマハギを見かけました。 秋の七草の1つとして知られていますが、開花するのは夏からになります。 2022/10/11 網引湿原の駐車場近くで見られたヤマハギですが、花も盛りとなっていました。 咲き終わって、未熟な豆果になっているものも多く見られました。 | ||||
サンシュユ(Cornus officinalis Sieb. et Zucc.)
<ミズキ目・ミズキ科・サンシュユ属> ミズキ科サンシュユ属の落葉小高木で、中国及び朝鮮半島が原産の帰化植物。 江戸時代に移入され、薬用植物として栽培されたが、観賞用にも利用されている。 樹高は3〜10mで、幹は灰黒褐色で薄くはがれ、はがれた所は淡褐色になる。 葉は対生し、葉身は5〜10cmの卵状楕円形で、縁は全縁。葉先が尾状に尖る。 6〜7対の側脈が、湾曲しながら主脈にほぼ平行して伸び、良く目立つ。 花期は3月〜5月で、葉の展開前に黄色い小花をたくさん付ける。 花弁は4個あるが反り返るため、オシベとメシベだけに見える。 果実は長さ12〜20mmの惰円形の核果で、秋に赤色〜紫赤色に熟す。 真っ赤に熟した実はおいしそうに見えるが、渋くて食用には向かない。 ただし、完熟すると渋みが抜けて、甘酸っぱいとの情報もある。 種を除いて乾燥させた果肉(偽果)は、「山茱萸」の名で生薬として利用される。 なお、「山茱萸」を音読みしたのがサンシュユで、訓読みだとヤマグミになる。
2018/10/29
実家の庭にあるサンシュユですが、気が付くと赤い果実をたくさん付けていました。 良く熟したのを味見してみようと思っていたのですが、すっかり忘れていました。 というわけで、味見は来年以降、忘れないようにしてみようと思っています。 2023/10/17 実家の庭にあるサンシュユですが、今年も赤い果実をたくさん付けていました。 完熟したサンシュユの果実の味見をと言っておきながら、毎年、忘れてしまいます。 今年こそと思っていますが、まだ、完熟には時間がかかるようなので、味見はもう少し先。 と思っているうちに、毎年、気が付くと後の祭りというのを繰り返してます。 2023/11/2 久しぶりにサンシュユの果実の様子を見に行くと、見当たりません。 そんなはずはと良く見ると、葉陰に残っている果実が2個見つかりました。 ここは野鳥が多いので、おそらく、多くは食べられてしまったものと思われます。 その果実を採るときですが、ブヨブヨかと思ったら、結構硬いことが分かりました。 まだ十分に熟していないのかもしれませんが、置いておいたら野鳥の餌です。 採取した果実ですが、一抹の不安を抱えながら試食してみました。 不安的中で、かじった途端に渋みが口中に広がり、食べるのを諦めました。 ここでは、熟す頃には野鳥の餌となってしまい、人の口に入ることはなさそうです。 | ||||
ヤマハゼ(Toxicodendron sylvestre)
<ムクロジ目・ウルシ科・ウルシ属> ウルシ科ウルシ属の落葉小高木で、在来種。雌雄異株。 関東地方〜九州の暖地の山地に生え、樹高は8m程になる。 樹皮は褐色で、赤褐色の皮目が目立つ。老木では、樹皮は縦長に裂けてはがれ落ちる。 葉は長さ40cmの奇数羽状複葉で互生し、5対前後の小葉がある。 小葉は長さ4〜13cmの卵状長楕円形で先は長めに尖り、全縁である。 葉腋から長さ8〜15cmの円錐花序をだし、黄緑色の小さな花を多数付ける。 花弁は5個で、長さ2mm前後の楕円形で、雄花の花弁は反り返り、オシベは外に突き出る。 雌株には、10mm程の扁球型の果実(核果)が多数、ぶら下がるように付く。
2018/10/29
觀濤處のさらに上にある竜山石採石遺跡に上る途中、ヤマハゼが実を付けていました。 昨夏に見たときは艶のある緑色でしたが、今は熟して皺のある褐色になっていました。 さらに登った所で見かけたのが、紅葉が始まっているヤマハゼでした。紅葉の季節も近いようです。 | ||||
ヌルデ(Rhus javanica)
<ムクロジ目・ウルシ科・ヌルデ属> ウルシ科ヌルデ属の落葉小高木で、在来種。 日本では、北海道から本州、四国、九州と全国に分布する。 海外では、中国、台湾、東アジアから東南アジアに分布する。 樹高は10m程になり、幹は灰白色。若い枝は紫褐色で楕円の皮目がある。 葉は、9〜13枚の小葉からなる奇数羽状複葉で、葉軸には翼がある。 小葉は、長さ10cm前後の長楕円形で、縁には鋸歯がある。裏面全体に毛が密生する。 秋には真っ赤に紅葉する。春の新芽も赤い。 花期は8月〜9月で、円錐花序を出し、多数の小花を付ける。雌雄異株。 雌花には3裂したメシベが、雄花には5本のオシベがあり、白い花弁は反り返る。 秋に直径5o程の扁平な果実を付けるが、その表面はリンゴ酸カルシウムの白い結晶で覆われる。 葉に、ヌルデシロアブラムシが寄生すると、大きな虫えい(虫こぶ)を作る。 虫えいは、五倍子と呼ばれ、タンニンを豊富に含むため、皮なめしや黒色染料の原料に使われた。
2016/11/11
実家近くを散歩中、土手の端にヌルデが大きな葉を広げていました。 紅葉すれば真っ赤に色付くのですが、まだ、紅葉には時間がかかるようです。 その葉に隠れるように果実を付けていて、リンゴ酸カルシウムの白い結晶で覆われていました。 2020/11/29 紅葉の具合はどうかと、見に行ったのですが、あまりきれいには紅葉していませんでした。 色付き始めていますが、それと同時に小葉が枯れて落葉し始めていました。 上記は、比較的きれいだったものを選んで撮影したものです。 2021/5/23 昨秋、川沿いで見かけたヌルデですが、若々しい新葉を展開していました。 2021/8/22 実家近くの河川敷を散歩中、土手の法面に生えていたヌルデが花序を出しているのに気付きました。 まだ、ツボミも硬いので、開花するまでにはしばらく掛かりそうな感じです。 2021/9/6 2021/9/6 2021/9/7 2021/9/7 9/6 2週間ぶり程になるので、ヌルデの様子を見に行ってみました。 上から見るとツボミばかりだったのですが、下に下りると開花が始まった花序が数個ありました。 9/7 昨日はマクロを持っていなかったので、今日はマクロでアップを撮りました。 この樹は、昨年果実を付けていたので雌株(雌花)ですが、花を見ると雄花のように長いオシベがあります。 雄花のように花被片が反り返り、長いオシベが飛び出しています。 右の写真では、そんなオシベの間から赤い果実が成長を始めており、雌花であることは間違いありません。 なお、この樹の近くに他のヌルデは見当たりませんので、どのように受粉しているのか気になります。 ヌルデに両性花があるという話は聞いたことがないので、どこかに雄株があるのでしょうね。 2021/9/13 2021/9/13 1週間ほど経つと、開花が遅かった花序も多くが開花して、全体が白く見えるようになりました。 開花が早かった花序では、多くの果実が大きく赤くなって、全体が赤っぽくなりました 2021/9/18 上記の全体が白く見えていた花序も、5日経って花序の中央から基部にかけて赤味が増しました。 その原因は、右の写真のように受粉した子房が大きく赤くなったためです。 2021/10/2 ヌルデの花序もすっかり花は終わり、果実がたわわに付いて、垂れ下がっていました。 その果実ですが、早いものではリンゴ酸カルシウムの白い結晶が付き始めていました(左写真の左側)。 2021/11/12 ヌルデの葉が少し色づき始めていました。今年はきれいに紅葉するのでしょうか。 果実も赤味を帯びて、リンゴ酸カルシウムの白い結晶が付いていました。 | ||||
センダン(Melia azedarach)
<ムクロジ目・センダン科・センダン属> センダン科センダン属の落葉高木。別名としてオウチ(楝)、アミノキなどがある。 日本では、四国、九州、沖縄に自然分布する。ただ、最近は、本州の関東以西にも自生が見られる。 海外ではアジア各地の熱帯、亜熱帯地域に分布する。 樹高は15 mほどになり、成長はかなり早い。 若い樹皮は紫褐色で、楕円形の小さな黄斑な点在する。太い幹は樹皮が縦に裂け、凹凸ができる。 葉は互生し、奇数2〜3回羽状複葉で、全体では数十p以上の大きさになる。 小葉は楕円形で、浅い鋸歯があり、薄くて柔らかい。 花期は5月〜6月で、若枝の葉腋に円錐花序を出し、淡紫色の5花弁の花を多数付ける。 果実は長さ2cm程の楕円形の核果で、晩秋に黄褐色に熟し、落葉後もしばらく残る。
2016/11/11
実家近くを散歩中に見かけたセンダンの果実です。 実家にもあったのですが、大きくなると困るので、樹高が5mくらいになったとき切りました。 夏になるとクマゼミがセンダンの木に集まり、朝から大合唱して、叩き起こしてくれます。 最近、夏に時折、関東地方でもクマゼミの鳴き声を聞くようになりました。 まだ、気になるほどではないですが、これ以上、あまり増えないことを願っています。 2020/11/22 久しぶりに漁港近くを散歩していると、センダンの樹がきれいに黄葉していました。 この後、寒波が来たのですが、その後に行ってみると、落葉して見る影もありませんでした。
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イヌザンショウ(Zanthoxylum schinifolium)
<ムクロジ目・ミカン科・ヘンルーダ亜科・サンショウ連・サンショウ属> 2022/8/16 <雌株/雌花> 2022/8/27 <雌株/果実>
ミカン科サンショウ属に属する落葉低木で、在来種。雌雄異株。
日本では、本州から四国、九州、南西諸島に分布する。 海外では、朝鮮半島から中国、台湾に分布する。 樹高は2〜3mで、幹は灰緑色。若枝は緑色〜赤褐色または黒褐色である。 縦長の皮目が付き、長さ4〜15mmの刺が1個ずつ互生する。 葉は互生し、長さ7〜20cmの奇数羽状複葉で、葉軸には極狭い翼がある。 小葉は長さ2〜5cmの広披針形〜楕円形で、5〜11対ある。 縁には細かい鈍鋸歯があり、表面は濃緑色で光沢がある。 花期は7月〜8月で、枝先に長さ3〜8cmの散房花序をだし、黄緑色の小花を多数付ける。 雄花は、5個の花被片は1.5mmほどと小さく、オシベは5個で葯は黄色。メシベは退化している。 雌花は、5個の花被片は2mmほどあり、緑色の子房は3室あり、その上に黄緑色の柱頭がある。 果実は3分果に分かれ、分果は長さ4〜5mmの球形で、9月〜10月に褐色に熟す。 種子は、直径3〜4mmで黒くて光沢がある。
2022/8/16,8/27
網引湿原入口の駐車場の近くで見かけたイヌザンショウです。 8/16には、雌花が咲いているのが確認できましたが、8/27には若い果実になっていました。 2022/10/11 上記の花などを撮影した雌株では、全ての果実が無くなってしまっていました。 それではと、第3湿原の奥の方にあった雌株を見に行くと、まだ、果実は残っていました。 大きくなって、色付き始めたものも見られます。 | ||||
イロハモミジ(Acer palmatum)
<ムクロジ目・ムクロジ科・カエデ属> 2020/11/21 2020/11/22 2020/11/22 2020/11/22 2020/11/22 2020/11/22
ムクロジ科カエデ属の落葉高木で、本州の福島県以南から四国、九州に分布する。
日本以外では、朝鮮半島から中国、台湾と東アジアに分布する。 日本では最もよく見られるカエデ属で、秋には黄褐色から紅色に紅葉する。 葉は対生し、掌状に5〜9深裂し、この裂片を「いろはにほへと……」と数えたことが和名の由来。 4〜5月頃、本年枝の先に暗赤色の花が垂れ下がってつく。雄花と両性花がある。 5個の暗紫色の萼片と、5個の黄緑色もしくは紫色を帯びる花弁を持つ。 果実は翼果で、10〜15mm程の翼があり、熟すと風で飛ばされる。
2016/11/11
実家の庭にはイロハモミジが植えられていますが、紅葉したところを見た記憶がありません。 いつも、茶色く先が枯れて、落葉が進んでいくイメージしかないのです。 そのイロハモミジの紅葉した葉が落葉しているのに気が付きました。翌日にも落ちていました。 真っ赤ではありませんが、黄葉した葉先が赤味を帯びてきれいなグラデーションになっています。 紅葉の様子は、どちらかというとオオモミジやヤマモミジに近い黄葉や源平に近い気がします。 樹の方を見ても同じ傾向で、黄葉したり、一部に赤みを帯びたりといった状況でした。 見ての通り、葉は重鋸歯なので、単鋸歯のオオモミジではありません。 念のために、果実を確認しましたが、水平に開き、葉の上に出ているのでイロハモミジです。 2020/12/2 12月の声を聞いても、日の当たる所は赤味は増したものの、真っ赤とは程遠い状態です。 下の方の葉や日陰の葉は、まだ、緑色ですし、日当たりの良い所では葉が枯れ始めています。 左の写真は上から撮ったものですが、日蔭の方の葉で、白っぽい所が枯れた所です。 日が当っている所は分かりづらいですが、同じように枯れが入ってきています。 例年通り、このまま枯れが進んで落葉してしまうものと思われます。 日当たりは非常に良いので、逆に寒さが足りず、紅葉のための条件が良くないのかもしれません。
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ウメモドキ(Ilex serrata)
<モチノキ目・モチノキ科・モチノキ属> モチノキ科モチノキ属の落葉低木で、在来種。 日本では、本州から四国、九州の落葉広葉樹林内に自生し、海外では中国に分布する。 樹高は2〜3mで、幹は灰褐色、滑らかで皮目が多くよく目立つ。 本年枝は細く、垢状の短毛がある。側枝は短枝化しやすい。 葉は互生し、長さ3〜8cmの卵形で、葉先が尖り、基部は鋭形。縁には細かい鋸歯がある。 両面に短毛があり、裏面脈上には細かい開出毛がある。葉柄は長さ4〜9mmである。 花期は6月で、果期は9月〜10月で赤く熟す。 花は本年枝の葉腋に付くが、花序軸が極短いので、束生しているように見える。 雌雄異株で、雄花序には5〜20個、雌花序には2〜4個の花がつく。 花は直径3〜4mmの淡紫色の4〜5弁花で、花柄は2〜4mmである。 萼片は4〜5個で、雄花には4〜5個のオシベと退化したメシベがある。 雌花のオシベは白色で退化しており、子房は球形で花柱は極短い。 果実は直径5mm前後の球形の核果で、落葉後も落ちずに残り美しい。 イヌウメモドキとよく似ているが、下記の点で区別できる。
2022/10/11
網引湿原の第1獣害防止ゲートまでの通路脇や、奥池の畔などで見かけた赤い果実です。 後で調べて、果実や葉の特徴からウメモドキかイヌウメモドキのどちらかと分かりました 。 両者の違いは葉裏に毛があるか否かですが、下段の写真のように葉脈や葉裏に毛が見られます。 そのことから、ウメモドキの果実と判断しました。 花期に近くを通っているはずですが、上の方は見なかったので花には気付かなかったようです。 | ||||
クロガネモチ(Ilex rotunda)
<モチノキ目・モチノキ科・モチノキ属> モチノキ科モチノキ属の常緑高木で、自生種。 日本では、本州の関東以西から四国、九州、南西諸島の山野に自生する。 樹高は10m程になる。葉は互生し、葉身は8cm前後。楕円形で尖り全縁で、葉柄は紫色を帯びる。 雌雄異株で、本年枝の葉腋に散形花序を出し、5月〜6月に小さな花を5個前後付ける。 白色または淡紫色の花弁は4〜7個で、萼片も同数。 雄花には、4〜7個の完全なオシベと、退化した小さなオシベがある。 雌花は、メシベと退化したオシベがある。子房は球形で花柱はなく、柱頭は1個。 果実は核果で、5mm強の球形。11月頃に赤く熟す。なお、黄色く熟すものもある。
2021/11/29
実家近くの川沿いにある遊歩道で、クロガネモチが赤い果実をたくさん付けていました。 公園などでよく見かける樹種ですが、ここでは道路沿いに街路樹として植えられています。 ※ クロガネモチの雄花、雌花の写真や果実が色付く様子に関しては、こちらに掲載しています。 | ||||
モミジバスズカケノキ(Platanus x acerifolia)
<ヤマモガシ目・スズカケノキ科・スズカケノキ属> スズカケノキ科スズカケノキ属の落葉高木で、スズカケノキとアメリカスズカケノキとの交配種。 樹高は10〜35mで、幹の直径は1m以上になる。 樹皮は、淡灰褐色あるいは灰緑色で、大きく不規則に剥がれ、その跡が淡緑灰色の不規則な模様となる。 幹は直立するが、主幹と枝の区別が明瞭でなく、卵型の樹形となる。 葉は互生し、葉身は長さ10〜20cm、葉幅はそれ以上で、掌状に3〜7裂し、縁に粗い鋸歯がある。 なお、葉の切れ込み深さは、スズカケノキ>モミジバスズカケノキ>アメリカスズカケノキの順に深い。 新枝の葉には托葉がよく発育し、枝を取り巻いて鞘状になる。 花期は4月〜5月で、雌雄同株、雌雄異花。枝先に長い柄のある球状花序が1〜2個下垂する。 萼片、花弁(雌花のみ)、オシベ(雌花は仮オシベ)は、各々3〜4個のものが多い。 メシベは先が赤褐色で、5〜8個が離生し、花柱の内側が長い柱頭となる。雌花の球状花序は赤みを帯びる。 オシベは葯の先が有毛のため、全体が毛玉のように見える。 なお、雌花の球状花序は枝先側に付き、雄花の球状花序は、雌花より基部側に付く。 果実は閉果が多数集まった集合果で、直径は4cm前後になり、1つの花柄に1〜2個付く。 なお、スズカケノキでは集合果が3〜5個、アメリカスズカケノキでは1個である。 また、本種は鱗片状に大きく剥がれて、灰色と褐色、淡緑色のまだら模様が出来るが、 アメリカスズカケノキは暗褐色の樹皮が縦に割れ、本種のようなまだら模様はでない。
2021/9/6
実家近くにある小学校の校庭隅で、モミジバスズカケノキが果実をぶら下げていました。 モミジバスズカケノキというよりは、プラタナスの名前の方が馴染みがあるかもしれませんね。 子供の頃に通っていた小学校ですが、モミジバスズカケノキはその当時からあった樹です。 2023/1/15 久しぶりに小学校の側を通ったとき、モミジバスズカケノキに果実だけがぶら下がっていました。 落葉して寂しくなった樹に、果実だけが付いていて、その根元には冬芽が春を待っていました。 果実もすっかり枯れて乾燥し、褐色の球形です。その果序柄は途中で割れて繊維状になっていました。 この果実の表面には突起がびっしりならんでいますが、これは長さ2〜3mmの残存性の花柱です。 その突起の下の個々の堅果は、長さ12mmほどの倒円錐形で、芯側の基部に長い褐色の長毛があります。 2024/1/29 小学校の側を通ったとき、モミジバスズカケノキの果実が弾け始めているのに気が付きました。 一部が盛り上がるように突き出して、黄褐色の綿毛が見えています。 | ||||
サルトリイバラ(Smilax china)
<ユリ目・サルトリイバラ科・シオデ属> サルトリイバラ科シオデ属のつる性落葉半低木で、在来種。 日本では北海道から沖縄まで全国に分布し、海外では朝鮮半島から中国に分布する。 山野や丘陵の林縁などで、日当たりが良く、水はけのよい所を好む。 茎は地を這うように伸び、長さは1〜3.5mほどになる。緑色で硬く、鈎状の刺が散生する。 葉は互生し、長さ3〜12cmの円形から広楕円形で、基部は円形で、先が少し尖る。 葉の縁は全縁で硬く、表面に光沢がある。3〜5本の葉脈があり、その表面は凹む。 葉柄には托葉が変化した長い巻ひげが1対あり、これを他の物に巻き付けて伸びる。 花期は4月〜5月で、葉腋から散形花序を出して、多数の淡黄緑色の花を付ける。雌雄異株。 花被片は6個で、長さ4mm前後の長楕円形で、先が反り返る。 雄花のオシベは6個、雌花には柱頭が3本あり、子房は3室ある。 なお、雄花のメシベと、雌花の仮オシベは、共に退化してほとんどない。 果実は液果で、直径7〜9mmの球形。10月〜11月に赤く熟す。
2021/9/22
昨夏に觀濤處に上っているとき、通路脇で見かけたサルトリイバラが実を付けていました。 まだ、未熟で緑色をしていますが、これから晩秋にかけて赤く熟します。 サルトリイバラの果実は見たことがあるのですが、まだ、その花は見たことがありません。 2022/6/18 網引湿原の入口の駐車場、その少し先で柵からサルトリイバラが蔓を伸ばしていました。 茎に逆向きの鋭い刺があり、巻ひげで絡みついて広がって行きます。 サルトリイバラがはびこった所では、サルも身動きできなくなるとの例えが和名の由来とか。 たしかに、この蔓がズボンなどに絡みつくと外すの大変だし、下手すると傷つきますね。 2022/8/9 網引湿原入口の駐車場近くで、サルトリイバラがたくさん果実を付け、黄色くなっていました。 まだ、成熟途中ですが、秋には完熟して真っ赤に色付いてくれるでしょう。 2022/10/11 網引湿原入口の駐車場近くや奥池の畔で見かけたサルトリイバラです。 奥池の畔で見たものは、まだ、果実が未熟で、黄緑色でした。 一方、駐車場近くで見かけたものは、赤く色付き始めていて、黄緑色〜橙赤色のものが見られました。 熟し始めているようですが、全てが完熟するには、もう少し時間がかかるようです。 2024/3/16 上段は、網引第3湿原の外れで見かけたサルトリイバラの果実で、ほとんどの果実は干からびていました。 中には、果皮が破けて中の黒い種子が見えているものもありました。 下段は網引第2湿原の入口近くで見かけたもので、まだ、果皮が真っ赤で瑞々しさが残っているものがありました。 | ||||
シュロソウ(Veratrum maackii Regel var. japonicum (Baker) T.Shimizu)
<ユリ目・シュロソウ科(メランチウム科)・シュロソウ属> シュロソウ科(メランチウム科)シュロソウ属の多年草で、在来種。 日本では、北海道から本州に分布し、海外では朝鮮半島に分布する。 草丈は60〜80cmで、太い根茎があり、茎は直立する。 根茎には毒性の強いアルカロイドを含むので、取り扱いには注意を要する。 葉は、茎の下部に付き、長さが6〜30cmの長楕円形で、並行脈で、縦にしわがある。 葉の基部は鞘状になり、茎を抱く。葉の幅は3cm以上で、3cm以下だとホソバシュロソウとされる。 花期は6月〜8月で、茎頂に長い円錐花序を出し、多数の花が付く。花茎や花柄には毛がある。 花は直径10mmほどで、両性花と雄花が混生し、花序の上部に両性花、下部に雄花が付く。 花柄は短く、花茎に沿って花が付き、花被片は6個で、花色は暗紫褐色。花柱は3個。 果実は刮ハで、長さは10〜15mmほど。 本種は変異が多く、葉の細いものをホソバシュロソウ、花が黄緑色のものをアオヤギソウという。 なお、シュロソウとホソバシュロソウを分けないとか、オオシュロソウをシュロソウに含める説がある。 ホソバシュロソウ(Veratrum maackii Regel var. maackioides)は葉以外に果柄が細長い特徴もある。
2022/8/16
網引湿原の奥池の通路脇で、シュロソウが開花し始めていました。 なお、本種は変異が多く、葉幅が狭くて花柄が細長い点から、ホソバシュロソウに該当しそうです。 ただ、いろいろな説があるようなので、ここでは単にシュロソウとしておきます。 2022/10/11 8月に咲き始めていたシュロソウですが、咲き終わりに近くなり、果実が目立ちます。 右の写真のように側枝に雄花は残っていましたが、多くの雌花は未熟な果実になっていました。 その果実の基部には、枯れた花被片が残っていて、若い果実では元の花の形を保っていました。 | ||||
ヘクソカズラ(Paederia scandens)
<リンドウ目・アカネ科・アカネ亜科・ヘクソカズラ連・ヘクソカズラ属> アカネ科ヘクソカズラ属のつる性多年草で、全国で見られる。 別名に、ヤイトバナ、サオトメバナ、サオトメカズラなどがある。 日本以外では、東アジア一帯に分布し、北アメリカやハワイなどに帰化している。 特有のいやな臭いがあり、これが和名の由来。 葉は対生し、楕円から狭卵形で、長さ4〜10p、幅1〜7p。 花期は7月〜9月で、葉腋から短い集散花序を出し、花をまばらにつける。 花冠は鐘状で長さは1p前後。灰白色で先は5残裂し、中央は紅紫色で毛が生える。 花糸の短い5個の雄しべは、花冠の内部に付く。花柱は2個で、基部で合着する。 果実は、直径5oほどの球形の核果で、黄褐色に熟す。
2020/11/5
実家近くを散歩中に見かけたヘクソカズラの果実です。 果実は黄色く熟していて、さすがに花は咲いていませんでした。 ※ ヘクソカズラの花については、こちらに掲載させていただいています。 2021/11/12 今回、見かけたヘクソカズラの果実ですが、昨年のものより色鮮やかに熟していました。 上記の写真は異なる場所で撮影したものですが、どちらも同じような色合いになっています。 昨年に撮影したものは、まだ、完全に熟していなかったのかもしれませんね。 2022/10/11 網引湿原入口の駐車場近くで、通路脇で黄色く色付き始めたヘクソカズラを見かけました。 完熟すると上記の写真のような色になりますが、まだ、緑色が残っています。 なお、左の写真で右上に見える黒い果実はアオツヅラフジです。 | ||||
センブリ(Swertia japonica)
<リンドウ目・リンドウ科・センブリ属> リンドウ科センブリ属に分類される二年草で、在来種。薬草として利用される。 日本では、本州の関東地方以西、四国、九州に広くバンプしている。 海外では、朝鮮半島から中国に分布する。 草丈は10〜20cmで、茎は4稜形。根本から分枝し、紫色を帯びることが多い。 葉は対生し、無柄の葉身は長さ15〜30mmの広線形で全縁。 花期は8月〜11月で、上部の分枝した枝先や葉腋に3〜5個の花を付ける。 花冠は4〜5裂し、裂片は長さ10〜15mm。表面は白地に紫の条線があり、裏面は紫色を帯びる。 ツボミは紫色にに見え、果時にも閉じた状態で残る。萼片は長さ4〜8mmの線形で先は尖る。 オシベは花冠裂片と同数で、花糸は長さ5mm前後の線形。子房は紡錘形で、メシベは短い。 刮ハは長さ12〜16mmの紡錘形で、熟すと先が数mmほど2裂して開く。
2021/10/14
砥峰高原のハイキングコースで、遊歩道脇でよく見られたのがセンブリです。 リンドウと頃なり、地味な白地に紫の筋模様が入った花なので、あまり目立ちません。 花冠は5裂するものが多いが、稀に4裂するものがあるそうで、その4裂したものも見つけました。 確かに少ないようで、散策中に見つけたのは上記の1株だけでした。 センブリはとても苦い薬草として有名で、日本三大民間薬(ゲンノショウコ、ドクダミ)の1つです。 今の時期に開花している全草を刈り取り、天日乾燥したものが生薬の「当薬(とうやく)」となります。 「千回振出してもまだ苦い」ということから、センブリという名前が付いたとされています。 そうそう、乾燥したセンブリはれっきとした医薬品です。間違っても許可なく売買しないようご注意を。 | ||||
リンドウ(Gentiana scabra var. buergeri)
<リンドウ目・リンドウ科・リンドウ属> リンドウ科リンドウ属の多年草で、在来種。 日本では、本州の関東地方以西から四国、九州に分布する。 なお、基本変種であるトウリンドウ(チョウセンリンドウ)は朝鮮半島から中国、シベリアに分布する。 草丈は20〜80cmで、茎は直立あるいは斜上し、4条線がある。 葉は対生し、長さ3〜8cmの卵状披針形で、3脈が明瞭。葉表は緑色で、葉裏は淡緑色。 葉先は尖り、基部は葉柄はなくて、茎を抱く。縁には細かい突起があってざらつく。 花期は9月〜11月で、茎頂や上部の葉腋に太い筒状鐘形の花を数個、上向きに付ける。 花冠は長さ35〜50mmで、先が5裂して先が尖り、裂片の間の副片は小さい。 花冠は晴天時のみ開き、紫色で、内面には茶褐色の斑点がある。 オシベは5個で、柱頭は2裂する。子房の基部には、5個の蜜腺がある。 萼筒は長さ10〜20mmで、萼裂片は線状披針形。 萼裂片は、筒部より長いものや短いものがあり、開出していることが多い。 果実は刮ハで、枯れた花冠や萼に包まれたまま突き出し、熟すと縦に2裂する。 種子は長さ2o弱の紡錘形で、両端に短い尾があり、風に乗って飛散する。
2021/10/14
砥峰高原のハイキングコースで、遊歩道脇でよく見られたのがリンドウです。 この日は雲が多く、陽が射しこむことが少なかったので、半開き状態のものが多かった気がします。 リンドウの花は比較的大きくて、きれいな紫色をしているので目を引きます。 | ||||
ホソバリンドウ(Gentiana scabra var. buergeri f. stenophylla)
<リンドウ目・リンドウ科・リンドウ属> リンドウ科リンドウ属の多年草で、在来種。 湿地に生えるリンドウの1品種で、葉の幅がリンドウより細いのが和名の由来。 日本では、本州の関東地方以西から四国、九州に分布する。 なお、基本変種であるトウリンドウ(チョウセンリンドウ)は朝鮮半島から中国、シベリアに分布する。 草丈は20〜80cmで、茎は直立あるいは斜上し、4条線がある。 葉は対生し、長さ3〜8cmの線状披針形で、3脈が明瞭。葉表は緑色で、葉裏は淡緑色。 葉先は尖り、基部は葉柄はなくて、茎を抱く。縁には細かい突起があってざらつく。 花期は9月〜11月で、茎頂や上部の葉腋に太い筒状鐘形の花を数個、上向きに付ける。 花冠は長さ35〜50mmで、先が5裂して先が尖り、裂片の間の副片は小さい。 花冠は晴天時のみ開き、紫色で、内面には茶褐色の斑点がある。 オシベは5個で、柱頭は2裂する。子房の基部には、5個の蜜腺がある。 萼筒は長さ10〜20mmで、萼裂片は線状披針形。 萼裂片は、筒部より長いものや短いものがあり、開出していることが多い。 果実は刮ハで、枯れた花冠や萼に包まれたまま突き出し、熟すと縦に2裂する。 種子は長さ2o弱の紡錘形で、両端に短い尾があり、風に乗って飛散する。
2022/10/11
網引湿原の奥池から第2湿原、第3湿原にかけて、そこここでホソバリンドウが咲いていました。 ただ、固まって咲いているところは少なく、多くが他の草に紛れてポツリポツリと咲いていました。
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ヒメジャゴケ(Conocephalum japonicum)
<ゼニゴケ目・ジャゴケ科・ジャゴケ属> <円盤状の無性芽> <雌器托> <雌器托> . ジャゴケ科ジャゴケ属に属するコケ類で、表面に鱗を並べたように見えるのが特徴。 平たい葉状体をもつ苔類で、表面の模様がはっきりしており、類似種が少ないため判別しやすい。 和名は、葉状体の表面がヘビの体表の鱗のように見えるのに由来し、ジャゴケより小さいことによる。 日本では、北海道から本州、四国、九州、沖縄と全国に分布し、都市部でも見られる。 海外では、朝鮮半島から中国、台湾、ロシアに分布する 葉状体は長さ1〜3cm、幅2〜3mmとジャゴケ(幅1〜2cm)よりはるかに小さい。 腹面に腹鱗片が2列に付き、中肋に灰白色の仮根が密生する。 雌雄異株で、雄器托、雌器托ともに夏に葉状体の先につく。 秋になるとその縁に無性芽(円盤状と粉芽状の2型がある)がよく付き、縁がフリルのようになる。
2021/10/14
砥峰高原のハイキングコースで、遊歩道脇で水が流れ落ちている所でヒメジャゴケを見かけました。 少し奥まっていて、近くに行くことができませんでしたが、一部で無性芽がフリルのように付いていました。 後で写真を拡大した時、葉状体の所に瘤のようなものが付いているのに気が付きました。 おそらく、この瘤の所が伸び出して、雌器托に成長するのではないかと思います。 また、葉状体の基部辺りに暗褐色の小判状のものが見られますが、雌器托の跡ではないかと思います。 | ||||
オオミノコフキタケ(Ganoderma austoria)
<タマチョレイタケ目・タマチョレイタケ科・マンネンタケ属> タマチョレイタケ科マンネンタケ属の多年生のキノコ。 なお、科名はタマチョレイタケ科、サルノコシカケ科(仮名)など統一されていない。 キノコ自体は灰褐色や茶褐色だが、ココアの粉状の胞子を撒き散らし、自身も覆われている事が多い。 しかし、不思議なことに胞子を吹き出す管孔面には全く付着せず、白いままである。 傘の形は半円形〜腎臓形で、傘の色は淡灰色〜灰褐色〜暗褐色と個体差があり、同心円状の環溝がある。 子実層托は管孔状で、白色〜淡黄白色。孔口は円形で4〜5個/mm。管孔は擦ると茶褐色に変色する。 近年、コフキサルノコシカケと思われていたものが、実は、本種であった事が分かっている。 特に、低地で見られるものは、ほとんど本種で、コフキサルノコシカケは深山で見られるとのこと。 ただ、見かけはコフキサルノコシカケと酷似しており、外見での判別は困難で、下記の点が異なるとされる。
2022/10/11
網引湿原第1湿原手前の林内で、通路脇の木に付いているオオミノコフキタケを見かけました。 近づいて良く見ると、上の方にも1個付いていて、2個確認することができます。 まだ、胞子を放出していないので、傘の上面の環溝がきれいに見えています。 腹面はきれいな白色で、全面が丸い管孔で覆われています。 | ||||
ウスヒラタケ(Pleurotus pulmonarius)
<ハラタケ目・ヒラタケ科・ヒラタケ属> ヒラタケ科ヒラタケ属のキノコで、在来種。 日本では全国で見られ、世界に広く分布している。 発生時期は春から初秋で、ブナや広葉樹の倒木、枯木に重生〜群生する。 傘径は2〜12cmの中型〜大型の白色腐朽菌で、柄は無いか未発達、ときに1cm前後の柄がある。 傘の形は、幼菌では扁半球で、成長と共に扁平になり、腎形〜類扇形〜近円形になる。 傘の色は、幼菌では白色〜淡褐色、成長と共に黄色味を帯び、灰黄色〜淡黄褐色になる。 傘の縁は、幼菌では内巻きであるが、成長すると波打つようになる。 ひだはやや荒いが密に垂生し、初め白色であるが、成長と共に黄色味を帯び、細かい筋がある。 肉は白色で、傘の基部近くは厚く、傘の中央部の厚さ1〜3mm程度と薄く、柔らかい。
2021/10/14
砥峰高原のハイキングコースで、遊歩道脇の朽木の所に白いキノコが群生していました。 見たことがないキノコでしたので、後で調べてみました。 上面の色合いや傘の部分の形状、腹面に見られるひだの形から、ウスヒラタケではないかと判断しました。 ただ、キノコには似たものが多く、写真だけから判断するのは難しいので、間違っているかもしれません。 | ||||
カワラタケ(Trametes versicolor)
<ヒダナシタケ目・タコウキン科・シロアミタケ属> タコウキン科シロアミタケ属のキノコで、木材を分解する白色腐朽菌で、世界で最も普通に見られる。 科名に関しては未確定で、タコウキン科、タマチョレイタケ科、サルノコシカケ科(暫定)などが使われている。 子実体は側着生で無柄であり、群生する。広葉樹または針葉樹の枯木、切株などに重なり合って群生する。 傘は幅1〜5cm、厚さ1〜2mmの半円形〜扇形で、貝殻状に湾曲する。 上面は同心円状の環紋を持ち、色の変異は多くて灰色、黄褐色、藍色、黒色などが見られ、微毛がある。 肉は薄く皮質で弾力性があり、強靭である。腹面は管孔が白色〜灰褐色で孔長は1mm前後。
2022/10/11
網引湿原第2湿原の入口近くの切り株で、大きく広がったカワラタケが見られました。 成長点近くは白色に近いのですが、そこから内側は黒褐色で、きれいな環紋が見られます。 腹面はきれいな白色で、丸い管孔がびっしりと並んでいます。 | ||||
ラッコタケ(Inonotus flavidus)
<ヒダナシタケ目・タバコウロコタケ科・カワウソタケ属> タコウキン科シロアミタケ属のキノコで、木材を分解する白色腐朽菌で、世界で最も普通に見られる。 科名に関しては未確定で、タコウキン科、タマチョレイタケ科、サルノコシカケ科(暫定)などが使われている。 子実体は側着生で無柄であり、群生する。広葉樹または針葉樹の枯木、切株などに重なり合って群生する。 傘は幅1〜5cm、厚さ1〜2mmの半円形〜扇形で、貝殻状に湾曲する。 上面は同心円状の環紋を持ち、色の変異は多くて灰色、黄褐色、藍色、黒色などが見られ、微毛がある。 肉は薄く皮質で弾力性があり、強靭である。腹面は管孔が白色〜灰褐色で孔長は1mm前後。
2022/10/11
網引湿原第1湿原手前の林内で、通路脇の木に付いているキノコを見かけました。 傘の上面に不明瞭な環紋のようなものが見られますが、もさっとした印象を受けます。 また、上面に毛のようなものが見られ、腹面には丸い管孔がびっしりと並んでいます。 調べてみると、見た目や上面に毛があり腹面は菅孔である点から、ラッコタケではないかと判断しました。 ただ、似たものも多いので、写真だけからの判断では、間違っているかもしれません。 | ||||
マンネンタケ(Ganoderma lucidum (Leyss. ex. Fr.) Karst)
<ヒダナシタケ目・マンネンタケ科・マンネンタケ属> タコウキン科シロアミタケ属のキノコで、木材を分解する白色腐朽菌で、世界で最も普通に見られる。 科名に関しては未確定で、タコウキン科、タマチョレイタケ科、サルノコシカケ科(暫定)などが使われている。 子実体は側着生で無柄であり、群生する。広葉樹または針葉樹の枯木、切株などに重なり合って群生する。 傘は幅1〜5cm、厚さ1〜2mmの半円形〜扇形で、貝殻状に湾曲する。 上面は同心円状の環紋を持ち、色の変異は多くて灰色、黄褐色、藍色、黒色などが見られ、微毛がある。 肉は薄く皮質で弾力性があり、強靭である。腹面は管孔が白色〜灰褐色で孔長は1mm前後。
2022/8/16
網引湿原第1湿原を出て、駐車場に戻る途中、小川の畔の樹の根元でマンネンタケを見つけました。 小川の横にある樹の幹に2個付いていて、どちらも成長中のようです。 傘の周辺部の成長点の近くは淡黄色で、徐々に内側の褐色味が強くなってきれいなグラデーションです。 地面に生えている物とは異なり、柄の部分は短くて、大きな方では柄がないように見えます。 2022/8/27 前回、旺盛な成長を見せていた個体ですが、ほぼ、成長は止まったようです。 外周の部分が3段腹のようになって、下の部分が淡黄白色なので、成長は続いているのでしょうか。 右側の小さかった個体もずいぶん大きくなり、その右側に小さな幼菌も顔を出していました。 2022/10/11 マンネンタケもすっかり成長が止まって、傘の色もエンジ色に変わっていました。 左の写真は、上記の右側の写真の左側の個体です。 右の写真は、上記の右側の写真の奥に写っている若い個体です。 | ||||
キノコの不明種
キノコの不明種(5)
2022/10/11
網引湿原第1湿原手前の林内で、通路脇の倒木に点々と付いているキノコと見かけました。 傘の上面が茶褐色で、柄も少し濃色の茶褐色と、模様などのこれといった特徴はありません。 そのため、似たようなキノコが多くて、この写真から同定することはできませんでした。 |